« (2.5.6)  人類衰亡史序説 コロナ その 2 コロナ戦役の勝者はだれか | トップページ | (2.5.8)  人類衰亡史序説 アメリカ その8 米国債凍結の可能性 »

(2.5.7)  人類衰亡史序説 ブラジル その2 大統領と知事の確執

22522_026_2

 コロナウイルスの感染拡大の最前線は、しばらく前まではイタリアやスペインといったヨーロッパだったが、今はアメリカとブラジルとロシアが最前線になっている。この中でアメリカについては感染者数が減少し始めたが、一方ブラジルとロシアは日ごとに感染者が増え、死亡者も増加している。

5月6日の新規の感染者数はアメリカ24,252人、ブラジル11,157人、そしてロシアが10,556人だ。


 感染対策で特に問題なのは大統領とサンパウロ州知事が対立しているブラジルで、感染者数の拡大に危機を覚えたサンパウロ州知事が今以上厳しいロックダウンを主張し、一方ボルソナーロ大統領は「ロックダウンなどとんでもない。どうせ感染するものは感染するんだ。国民の70%が感染すれば自然免疫ができてそこで収まる。だからばかげたロックダウンなどせず働け!!!」と経済中心主義の旗を降ろさない。
市民は二分され、知事と大統領支持者がそれぞれデモを行っており、3密などどこかに吹っ飛んでしまった。

 ボルソナーロ大統領が経済第一主義を掲げるのには理由がある。ブラジル経済は長く続いた左翼政権の経済政策失敗によって2011年以降毎年のようにGDPが減少し、かつては中進国レベル(一人当たり13,000ドル)だったのが2019年には8,700ドルになり、最貧国とはいわないが、中国(約1万ドル)より一人当たりのGDPが減少してしまった。
19年1月から大統領に就任したボルソナーロ氏は、大幅な自由経済政策を採用してようやく経済が上向きかけたとたんにコロナに見舞われた。これでロックダウンなどしたらどこまで経済が落ち込むかわからない。

 ブラジルは感染症の宝庫だ。デング熱、黄熱病、マラリア、そして今回のコロナだ。そのような感染症を恐れていてはブラジルに住めない。
ボルソナーロ大統領はいう。「仕事こそが病気に打ち勝つ唯一の方策だ

大統領は非常事態宣言をだしたものの、本心では感染症対策を一切せずに感染するものは感染し、重傷者だけは面倒を見て国民全体の70%程度感染させてしまうのが一番の対処方法だと思っている。実際スゥエーデンが採用している方策はこの感染に任せるという方法だ。


 しかし実際に市民に向き合っているサンパウロ州知事はそれほど鷹揚に構えることができない。何しろ感染者数は毎日のように増加し、その数はアメリカの次でありさらに死亡者数もアメリカの次になってしまった。
ブラジルの医療環境は先進国からははるかに劣っている。実際ブラジル北部のアマゾンの中心都市マナウス市長は国に頼ることができず、世界の27か国の元首(日本も含まれる)に緊急援助を申し込んでいる。
こには何もない。検査キットも呼吸器もそして防護用衣類やマスクも何もかも足りない。アマゾンの原住民はコロナの感染の脅威にさらされている。アマゾンの原生林こそ世界の酸素の供給源なのにそこに住む住民はコロナに感染し次々に死んでいく。だれがアマゾンを守るのだ

 コロナ戦争の最前線は当初は中国、次にヨーロッパに移り、その後アメリカがパンデミック状態になったが、今はそれがブラジルとロシアに移っている。ロシアはまだプーチン大統領を中心に懸命に対応しているが、ブラジルは大統領と知事が互いに反目し、住民はどちらのいうことを聞いていいのかわからず右往左往している。そうしている間にブラジルの感染者数と死亡者数はじりじりと増加し、そのうちアメリカを追い越して世界最大の感染国になってしまいそうだ。コロナで最大の被害を受ける国家の一つがブラジルになる可能性が高い。



 

|

« (2.5.6)  人類衰亡史序説 コロナ その 2 コロナ戦役の勝者はだれか | トップページ | (2.5.8)  人類衰亡史序説 アメリカ その8 米国債凍結の可能性 »

評論 人類衰亡史 ブラジル」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« (2.5.6)  人類衰亡史序説 コロナ その 2 コロナ戦役の勝者はだれか | トップページ | (2.5.8)  人類衰亡史序説 アメリカ その8 米国債凍結の可能性 »