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(2.5.30) 人類衰亡史序説 アパレル業界 その1 レナウンの凋落

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 栄枯盛衰とはこのことを言うのだろうか。私がサラリーマンになったほぼ50年前、アパレルといえばレナウンが席巻していた。非常にパンチのきいたイエ・イエ娘が「ドライブウエイに春がくりゃ♪♪♪ おしゃれでシックなレナウン娘が♪ ワンサカワンサカ イェーイ イェーイ イェ イェーイ♪♪」と歌っていたのを昨日のように思い出す。

 知り合いの女性はレナウン以外は着ないと公言していたし、私も背広はダーバンと決めていた。まだ月給が10万程度の時に7万前後のダーバンを購入していたのだから、背広を買うために働いていたようなものだ。
そのレナウンが経営不振に陥り、2013年に中国の山東如意に支援を求めたときは驚いたが、さらにこの5月15日に今度は民事再生法の適用を申請し完全に倒産してしまった。

 倒産理由が外部からは今一つ訳がわからないのだが、山東如意の香港の子会社恒成国際発展集団への売掛金約53億円が焦げ付いてしまい、とどめを刺されたのだという。もともとは恒成国際発展集団が支払わないときは連帯保証人の山東如意が支払うとの契約になっていたのだが、山東如意は連帯保証人の務めを果たさないのだという。
なんだかわかりづらいがこれでは売掛金詐欺にあったも同然で、レナウンは山東如意にただ騙されて53億円もの商品をかすめ取られたのではないかとしか思われない。

 日本にはレナウン以外に三陽商会、オンワード樫山といった著名ブランドがあるが、いずれも経営は思わしくない。最大の理由はこうしたアパレル会社はデパートとの結びつきが強く、ほぼ売上高の半分はデパート経由なのが原因だという。デパートに売り場を確保しアパレル会社から販売員を送り込み、売れなければすべての商品を回収するというビジネスモデルで、デパートは場所を貸して賃貸料を得る仕組みになっている。
売れようが売れまいがデパートには一定の賃貸料が入りリスクはゼロで、在庫が残ればすべてアパレル会社の不良在庫になってしまう。

 それでも順調に販売が伸びていればこのビジネスモデルでも利益は出るが、デパートの売り上げは年を追うごとに減少しており、特に本年度に入ってからはコロナの影響で激減して商売になっていない。
アパレル業界が生き残る道は古くからのデパートの販路を縮小し、ショッピングセンターやEC(エレクトロニック・コマース)に移すことだがレナウンはこの動きに徹底的に遅れてしまったという。

 今ではデパートで背広を買う人はまれで、専門店やSCに行けば3万前後で申し分のない背広が手に入るのだから、もはや高価でさして品質が変わらないダーバンのような背広を購入する人はいなくなってしまった。
簡単に言ってしまえば背広は消耗品でサラリーマンの正装といった位置づけは昔のことで、そもそもテレワークが主体となる職場では背広を着る機会もなくなってくる。

 私はレナウンという会社にとてもいい印象を持っているのだが、それはもはや古い郷愁になってしまった。




 



 

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