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(2.5.2) 人類衰亡史序説 ロシア その3  悪夢が続いている。

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 ロシアにとってこのところの経済情勢の悪化と感染症対策の遅れは悪夢としか言えない惨状だ。
感染症患者はすでに11万人を越え、世界のベスト8なっている。しかも問題は現在のパンデミックの中心が徐々にロシアに移ってきており、毎日の感染者数の増加はアメリカの次に多くなって8000人規模になっている。一方死者の数は信じられないことに1000人程度で致死率が1.0%なのはどう考えても不合理で、ヨーロッパの主要国が10%を超え、アメリカでも6%なのだからロシアが1%であるはずはない。

 ロシアの医療体制はおせじにも高いとは言えず、ロシア人の男性の平均寿命が長い間65歳だったのは、医療制度の不備とウォッカの飲み過ぎが原因といわれていた。(ただし最近時点の平均寿命は74歳になったとロシア当局が発表したが、ロシアの統計数字は中国ほどでないにしても必ずバイアスがかかっているので注意がいる

プーチン大統領はコロナ対策として人工呼吸器を国内生産に切り替えたが、品質が極端悪く現場からは悲鳴が上がっている。

ロシアの機械を使うぐらいならウォッカを飲んで死んだ方がましだ!!
ロシアの感染者数は3月の初めのころは数名で、プーチン大統領も「我が国のコロナ対策は万全だ」と胸を張っていたが、その後ヨーロッパ経由の感染拡大によって今や世界の最悪の感染国の一つになってしまった。

 さらに問題なのはロシアには庶民を支える資金がないことで、唯一の財源の石油・天然ガス収入はこのところ暴落しており、予算ではバーレル40ドルを見込んでいたが、実質は20ドル程度と半減している。国債を発行しようにも指標金利が5%と完全に市場から足元を見られているので、日本やドイツやアメリカが行うような赤字国債の発行もままならない。
プーチン大統領は思い余って3月30日から1週間の非労働期間を設定したが、一向に感染者数が減少しないため5月11日まで非労働期間を延長した。現状はさらに感染拡大が続いており、5月11日を5月いっぱい程度まで延長する可能性が高い。

 しかしこの非労働期間はどこの国でも経済損失が莫大で、特に経済弱者がこうむる損失が大きい。試算では経済損失は26兆円規模で失業者は1500万人規模になるという。アメリカの失業者が3000万人規模だから人口比ではロシアのほうが失業者が多くなる勘定になる。
プーチン大統領としては国民を救おうにも資金はなく、文句を述べるジャーナリストを強権で抑えることができても、人民の飢えは何としても救わなければ支持基盤がそっぽをむく。

大祖国戦争を勝ち抜いたロシア人は他国の国民よりはるかにがまん強いが、それでも飢え死になりそうになればプーチン大統領を見放してしまう。
今ロシアはソビエトロシア崩壊後の混乱が再び社会を襲う前夜になっている。

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