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(2.5.29) 人類衰亡史序説 中国 その11 香港の自治喪失 

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 中国がなりふりをかまわず、全人代で「国家安全法」を通過させた。香港の自治権を奪い中国の法律で香港民主派と学生を拘束し、中国本土で裁判にかけて投獄するという内容だ。もちろん悪名高い秘密警察が香港で民主派の拘束に乗り出す。
これ以上香港に任せておいては埒が明かない。中国の誇る武装警察で一気に香港のアメリカの息のかかった軟弱な連中を根こそぎしてしまおう
アメリカのトランプ政権はこの法律が通過すれば香港に与えていた優遇関税等を撤廃すると脅していたが、さっぱり効き目がなかった。

 中国は政治と経済とを天秤にかけたとき、必ず政治が優先する国柄だ。経済的には香港は西側に開かれた中国の窓であり、西側資本はこの香港経由で中国投資を実施してきた。香港でならイギリス流の法体系で交渉できるが、直接行うと中国4000年の歴史である、わいろとコネの世界になってしまうからだ。
19年度の対中投資の約70%が香港経由なのも、投資家が契約の透明性を求めたからで、また中国が香港市場で約11兆円の資金を集めたが、当然契約内容はイギリス式法体系の下で行われた。
だが香港が金の卵を産む鶏であっても、目障りな香港民主派を一掃するためには鶏の首を絞めてしまう。

 対外投資家にとっては法制度の透明性こそがすべてで、油断するとすぐに資金をちょろまかして逃亡するのが中国流だからそうされないための担保だったといっていい。しかしその香港の透明性が今回の国家安全法の通過によって大幅に脅かされる。
李首相は「逮捕されるのは香港のならず者だけだ」と大見得を切ったが、中国の命令に従わない西側の投資家もならず者の列に並ぶのはそう遠くない未来だ。

 中国は何としても民主化運動を締め付け、中国本土のように完全監視社会を実現するつもりだから、香港の金持ちや民主運動家や学生は海外に逃げ出す準備に忙しい。すでに台湾には19年に5000名の香港人が移住し今年はさらにその数が増大している。
現在香港人の移住先としては台湾、オーストラリア、カナダが主な国で、残念ながら日本は含まれていない。

 香港ハンセン指数は現在22.902で最盛期の28.000よりかなり低下しているが、今後この数値は傾向的に低下するだろう。多くの世界の投資家にとって中国が支配する香港は自由市場ではないし、契約は中国式わいろの世界に韜晦するのも時間の問題だから、香港の金融市場としての魅力は失われる。
最も政治優先の習近平氏はそれでも痛くも痒くもないが、鄧小平氏が生きていたら「黒い猫も白い猫も殺してはネズミを捕る猫がいなくなる」と嘆いたことだろう。
 


 

 

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