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(2.5.4)  人類衰亡史序説 イスラエル その1 コロナと戦場のはざまで

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 コロナ対策について大きく分けて完全封鎖型と非封鎖型と不完全封鎖型があり、完全封鎖型はアメリカ、EU 諸国、中国、韓国等があり都市や国家を封鎖し経済活動も禁止されたが、一方非封鎖型の代表はスェーデンで、こちらは完全に各個人の自覚に任されている。そして日本は不完全封鎖型で、大規模なイベント会場や人の接触等は禁止されているが、業務はテレワークが推奨されて事業は基本継続されている。

 完全封鎖型の国家において次に重大なのは、感染拡大が収まってきたときに封鎖をいかに解除するかであって、この点に関していえばITの先進国と、そうでない国家との差が大きく開いている。
IT先進国といってもスマホの位置情報を使用して、感染者の行動を割り出して感染拡大を防ぐというのが一般的だが、問題は個人のプライバシーとの兼ね合いがあり、個人の位置情報を国家が管理してよいか否かの問題に移っている。
この点に関しては中国とイスラエルが位置情報による感染者管理の双璧で、個人情報保護などという面倒な決まりはないから、ほぼ100%個人の行動が政府によって把握され、感染者が近づこうものならイスラエルではアラームが鳴るシステムになっている。

 中国が監視社会なのはだれでも知っているが、イスラエルについてもそうであることを知っている人は少ない。
イスラエルは建国当社からアラブとの戦争に明け暮れており、パレスチナ人をガザ地区に押し込めたものの、それ以外のアラブ人はかなり自由にイスラエル国内で生活している。
しかしイスラエル国家はイスラエル人以外を全く信用していないから、アラブ人の行動を常に監視し、その手段がスマホの位置情報による危険人物か否かの判断を行っている。

 それが今回のコロナウイルス対策に完全に転用された。現在感染者数は16.208人であり死亡者数は232人と死亡者は非常に少ない。人口が865万だから、日本の人口に換算すると感染者数は24万人規模になるからかなりの感染率だが、一方で死亡率が1.43%と少ないのが特色だ。これはイスラエルが常に戦時体制にあり、感染者はすぐに一種の野戦病院に隔離して治療するからであって、こうしたパンデミックのような場合の対応は実に素早い。

 イスラエルは個人監視に自信があるから早急に経済活動を再開させようとしている。これは中国とうり二つの対応で、個人監視に自信のある国ほど早急な経済再開が可能となるのは何とも皮肉だ。
一方日本はいわば中間方式をとっており、国民の自覚で80%接触制限を目指しているが、いうことを聞かないパチンコ店に業を煮やしており、これは相対的に国家権力が個人に遠慮しているために起こっている現象だ。

 今回のパンデミックはどの世界にとっても初めての経験なので、何が相対的に優れているか判断することが難しい。イスラエルは当初厳しいロックダウン措置をとり、その後はIT技術による感染者隔離に切り替えて経済解除を行う予定だが、これが成功すればどの社会も位置情報による監視制度が導入されるだろう。
一般的にアメリカや西欧の先進国は個人情報保護の思想が強いが、コロナを撲滅するためには一時的なやむ負えぬ方法として採用される可能性が高い。

 中国方式はあまりに権威主義的で個人の自由が完全に無視されているが、イスラエルは先進国の一員であり、西欧と共通の基盤に立っていると思われているから、イスラエルの成功は西欧諸国にとって採用しやすい方式になるだろう。

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