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(2.4.5)  人類衰亡史序説  トルコ その1 薄氷を踏む経済情勢

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 トルコ経済は慢性的に経常収支の赤字と財政収支の赤字に陥っているが、それでもどうにか経済を維持できたのは海外からの資金の導入で赤字分をファイナンスできていたからだ。特にリーマンショック後の世界的な資金の量的緩和のおかげで、トルコに十分な資金が集まっていたため2018年までは特に問題は発生しなかった。

トルコに激震が走ったのは2018年7月で急激にトルコリラが1ドル対比7トルコリラまで低下した。それまで4トルコリラ程度だったのだからリラの価格が約半分に落ちてしまった。


 理由はアメリカやEUが量的緩和をやめて資金を引き揚げたからである。トルコは政策金利を25%まで上げ懸命に通貨リラの防衛を図った結果、19年度になってようやくリラの暴落は落ち着いて現在は1ドル6トルコリラ程度になっている。政策金利も10%前後まで落ち着いてきたが、トルコ国債の信認はいまだ得られているとは言えず10~15%の間で推移している。日本の国債利回りがほぼ0%であるのと好対照だ。
また経済も順調とはお世辞にも言えず2012年以降完全な停滞局面に陥っており、一人当たりのGDPもほぼ1万ドルと中国並みの中進国経済を抜け出せない。

 エルドアン大統領(当初は首相)は2003年からの長期政権を維持しているが、2010年には一部軍人によるクーデタが発生し、さらに上記の2018年の通貨ショックを何とか切り抜けてきたが、今度はコロナウイルスによるコロナショックがエルドアン政権を襲っている。

現在感染者数は24000名、死亡者数は501名で日本の感染者数3000名、死亡者数77名に比較すると相当程度状況は厳しく、さらに医療体制が貧弱なため今後死亡者数が激増することが予想される。

 さらに問題を複雑にしているのがシリア情勢で、シリアを後押ししているロシア軍との間でしばしば戦闘が行われ、そのたびにエルドアン大統領とプーチン大統領がさしで協議を行い何とか紛争の拡大を抑えている。 しかし現地のロシア軍とシリアに派遣されたトルコ軍は互いに一歩も引かず一触即発の状態が続いているので、いつ何時戦闘が再開されるかわからない。

 経済情勢は展望が持てず、コロナ対策では緊急事態が続いており、さらにシリア情勢ではロシアとの間でにらみ合いが続いており、何もいいことがないのだが、エルドアン大統領は相変わらず強気だ。
2003年以降すでに18年も政権を維持しており、こうした長期政権はプーチン大統領とそっくりだが、プライドの塊と言っていいところもプーチン大統領にそっくりだ。

 クーデタも通貨危機も何とか乗り越えてきたエルドアン大統領だが、今回のコロナ戦争で果たして勝利できるかどうかはわからない。誇り高きオスマントルコの栄光を再び取り戻そうと努力してきたが、エルドアン大統領にも黄昏が訪れているといえそうだ。

 

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