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(2.3.16)  人類衰亡史序説 EU その1 シェンゲン協定の崩壊

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 EU統合の象徴であったシェンゲン協定が内部から崩壊しつつある。シェンゲン協定とは協定参加国(主としてEU参加国)の国民であれば、パスポートやビザなしで自由にEU内を往来できることを保証した協定だが、コロナウイルスの前に国境が再び閉じられようとしている。
EUの盟主であるドイツが貨物と仕事上の通行を除き、すべての出入国を禁止した。スペインは非常事態宣言を出してここも国境を閉ざしている。
最もコロナの惨禍に見舞われているイタリアは不要不急の外出は一切認めずロンバルディア地方を完全に封鎖し、通りには食料品店と薬局以外は店を閉じている。チェコもポーランドも外国人を一切入国させない。
シェンゲン協定から35年、ヨーロッパはかつての国単位のヨーロッパに逆戻りしつつある。

 EUは統合の時代から分裂の時代に入ってきた。イギリスは数年間すったもんだの挙句正式に離脱を決定し、またEU各国に右派政党が躍進し口を開けばEUからの離脱を叫んでいる。

現在EUの最大問題の一つはイギリスが抜けてしまった後の分担金の割り当ての問題だ。ドイツやオランダといった持てる国はイギリスの穴を埋めるための分担金増大に反対している。それよりEU予算を削減しようとの提案だ。一方東欧やフランスは補助金削減に反対し、EU予算の穴埋めはドイツやオランダといった持てる国が金を出すべきだとして一歩も引かない。フランスが補助金削減に反対なのはフランスは農業大国でEUの補助金を大量に得ているからだ。


 EUの経済が拡大基調ならドイツを中心に予算増額に応じたろうが、今やEU諸国はどこも低成長で特にドイツの失速は著しい。そこにコロナウイルスが襲ってきたので、EUはパニックになってしまった。
国内産業は航空業界、鉄道、ホテル、旅行業、イベント産業、レストラン等が総倒れになっており、こうした産業を救うために赤字国債を発行しても救済しなければリーマンショック以上の災厄が国内経済に襲い掛かる。
他国のことより自国産業の保護が優先事項になって、EUの統合の精神はどこかに吹っ飛んでしまい、財政規律もへったくれもなくなってきた。

 今や各国は自国第一主義の下に国境を閉ざし、国内産業だけを守ろうとしている。EUの精神はどこを探しても見当たらずEUのベクトルは分裂に向かってきた。

今はコロナ対策で大わらわだが、コロナ対策が終了した後のEUはもはやEUとは言えないまでに心が離れていってしまっているだろう。

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