« (2.2.10) 人類衰亡史序説 ドイツ その1 | トップページ | (2.2.12) 人類衰亡史序説 オーストラリア その1 »

(2.2.11)  人類衰亡史序説 シンガポール その1

Dscf6362

 最近までのシンガポール経済はほとんど順風満帆だったといっていいだろう。17年のGDP成長率は3.7%、18年3.1%と順調に推移し、一人当たりのGDPは6万ドル日本は4万ドル)をこえ、アジアでは際立って裕福な社会といえた。

しかしそのシンガポール経済に激震が走ったのは19年度になってからで、0.5%増とほとんど成長がストップしてしまった。
シンガポールは中継ぎ貿易と金融サービスでいきている都市国家だが、米中の貿易対立や中国経済の停滞の影響を受け輸出が全く振るわなくなり、対前年比でマイナスが続いている。

 経済が停滞し始めると人口問題が顔をだす。もともとシンガポール人の出生率は低く1.1程度で日本の1.4よりかなり低い。それでも問題がなかったのは外国人の流入が多かったためで、570万人のうち外国人比率は約30%にもなっている(日本は2%程度)。
特にフィリピン等からのメイドやインドネシアあたりの肉体労働者が多く流入し、低賃金労働に従事してきた。一方シンガポール人は快適で賃金の高い医者や弁護士や投資家等といった職業につき、階層分化がすすんでいた。

 しかしこの分業は高賃金の職場が確保できていることが前提で、いったん経済が不調になり高賃金労働者の馘首などが始まると維持できない。シンガポールの経済不況は19年からだからまだそうした動きがあまり表面化しているわけではないが、不況が深刻化すれば外国人労働者を追い出す政策をとらざる得ない。

さらに中国武漢を震源に世界に蔓延しているコロナウイルスはシンガポール人の心を暗くしている。

シンガポールは開かれた自由貿易を前提に発展してきた国柄で、中国がコロナウイルス拡散防止のため国境を閉ざし、さらに米中貿易戦争で世界貿易が委縮すれば、シンガポールの生き残るすべがなくなる。

 シンガポールはとても不思議な世界だ。町は瀟洒な高層ビルが林立し、ごみは道端に放棄されることなく、一見するとこんな衛生的で素晴らしい社会はないように見える。だがその実は中国にも負けない監視社会でごみやチューインガムを不用意に捨てようものなら、監視員が飛んできて目の玉が飛び出るような罰金をとられる。
私の経験では金融機関が入っている高層ビルの踊り場で外の景色を写真に撮っていたら、怖そうな監視員がやってきてこのビルの監視センターまで連れていかれてしまった。
この男どうしますか!!
まあ、日本人か!!日本人はどこでも写真をとる癖があるが、ここシンガポールでは認められないのだ。まあ、きょうは許してやるが以後注意しろ」などと脅されてしまった。
写真がいいのはマオライオンぐらいで、その他の場所では注意深くしないと危ないことを初めて知った。

 監視社会と経済成長の組み合わせは中国とそっくりだが、経済が急ストップしたことも中国とうり二つだ。シンガポールと中国の結びつきは意外と深く中国の影といわれる華僑ネットワークでつながっている。だからその中国に激震が走ればシンガポールにも津波のように激震が押し寄せてしまうのだ。



 

|

« (2.2.10) 人類衰亡史序説 ドイツ その1 | トップページ | (2.2.12) 人類衰亡史序説 オーストラリア その1 »

評論 人類衰亡史 シンガポール」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« (2.2.10) 人類衰亡史序説 ドイツ その1 | トップページ | (2.2.12) 人類衰亡史序説 オーストラリア その1 »