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(2.2.1) 人類衰亡史序説 (中国)その2

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 私がまだ金融機関で現役であったころ、融資のために企業の財務資金分析をしていたが、このとき財務分析は全くあてにならず一方資金繰り分析はその企業の実態把握に実に役立った。財務分析がだめなのはほとんどの企業で決算操作を行っており、業績の悪い企業は利益が出たように装い、一方業績のよい企業は利益の圧縮をしていたからである。
ところが資金繰りについてはこうした操作が不可能なため、赤字見合い資金の融資依頼などは一発で見破ることができた。
当時はまだ金融機関が優位な立場だったから「残念ながら融資に応じるわけにいきません」などと冷たく断ったものである。
しかしその後バブルがはじけ、企業と金融機関の立場が逆転すると「なんでもいいから貸し出しをしろ」ということになり、資金繰り分析などしても仕方なくなってしまった。せっかく磨いた技術が役に立たなくなってしまったのだ。

 しかし企業実態は資金繰りに現れるということは事実で、意外にも国家財政の分析にもこれが役立つことを最近知った。いくらGDP が順調に推移していたとしても資金が不足をしてやたらに資金調達に走る国家は危ういといえる。
最近まで中国経済はライジングサンであり、未来永劫に成長するように思われていたがどの経済にも成長限界点があり、とうとう中国経済もその点に達したようなのが資金繰りに見える。

 中国の準備資産は一時4兆ドル近くあったのが、現在は3兆ドルをわずかに超える程度に縮小している。この準備資産の中で流動性がありすぐにも現金化できるアメリカ国債は1.1兆ドル程度でこれは日本の米国債残高より少ない。
後の2兆ドルは外国の独裁政権の支援等で鉱山開発や軍港等に化けており固定化された債権になっているので、実質的には準備資産としての使用はできない。
例えば南米のベネズエラに中国は石油を担保に約5.5兆円の資金をつぎ込んだが、全く返済が滞ってしまった。石油価格は低下し販売してもとてももとは取れず、さらにチャベス政権は政権維持のため中国マネーを完全に踏み倒そうとしている。
ボリビアでも中国マネーが猛威を振るっていたが、国民生活が豊かにならないため国民の中国嫌いが蔓延し始めた。
今南米からは中国は追い落とされそうだ。

 このため中国は資金の融資先をインド洋を取り巻く諸国に移し、ミャンマー、スリランカ、パキスタン、バングラディシュ、モルディブとうに工業団地や軍港(貿易港)を建設し、資金の担保として工場団地や軍港を租借している。今やインド洋は中国の内海のような状態でこの海の制海権を握ってしまった。
したがって南米での失敗を何とかインド洋でカバーしている状況で、すべてについて後退ではないが今までのような完勝というわけでなくなった。
国内に目を転じると国有企業の社債の償還が滞り始めている。現在の社債のデフォルト率は約4.5%程度で、市場は疑心暗鬼になっておりかつてのように中国国有企業であれば無尽蔵に資金調達していた時代は終わった。
第二次世界大戦のイメージでいえば、日本のガダルカナルであり、ナチスドイツのスターリングラードといったところで、成長限界点に達した。

 さらに言えば中国が鳴り物入りで作った国際金融機関AIIBもほぼ開店休業になっている。まだ融資担当の専門職員が育ってないというのが公式声明だが、実際は貸し出しをする金がないというのが実情だ。日本とアメリカが参加しなかったからだが、中国だけでこの組織を支えることは不可能になっている。
くそ、日本をだまして日本資金を導入しようとしたが乗ってこない・・・・・・」歯ぎしりをしてもどうにもならない。

 かくして中国がライジングサンであった時代は終わった。明確に後退しているとまでは断定するのは早いが、成長が止まったのは確かだ。アメリカとは通商摩擦とハイテクの覇権争いをしており、貸し出す資金は日本からだまし取ることもできず、国有企業の一部ではデフォルトが発生し、南米からは追い出されている。
中国の衰亡がだれの目にも明確になるのはもう少しかかりそうだが、実際は中国の成長神話は終わっている。

 

 

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