« (2.2.5) 人類衰亡史序説 韓国 その3 | トップページ | (2.2.7) 人類衰亡史序説 イギリス その1 »

(2.2.6) 人類衰亡史 北朝鮮 その1

2023_031

 北朝鮮の人口や経済状況(GDP)については全く推測の域を出ない。理由は北朝鮮当局が統計数字をほとんど発表しないことと、たまに発表しても何を言っているのか第三者には判別不能だからだ。
発表数字は政治的粉飾が施されており、例えば国連から経済援助を得るときは農業生産が壊滅した等の数字になっているが、一方韓国とのGDP比較などするときはひどく威勢のいい数字になっている。
中国でも統計数字は意図的だが、それをさらに上回っているのが北朝鮮の統計だ。

 仕方がないので韓国銀行等が農業生産や工業生産の推計を行ってGDPを計算しているが、それによると韓国のGDPの50分の1程度。一人当たりでは30分の1程度で約1000ドルということになっている。この数字はタンザニアやエチオピアやネパールの水準に近い。ただしこれは平均で独裁国家では富の偏在が著しいから、キム・ジョンウン一族や取り巻き連中は相応に裕福だが一般人民は飢餓線上にあると思ったほうがいい。
その傍証になるのが北朝鮮ではデブはキム・ジョンウン氏ただ一人であり、後はがりがりかそこそこ痩せている。
アメリカなどでは石を投げるとデブに当たるのだが、北朝鮮では絶対にありえない光景だ。

 人口統計も実に怪しく、公表は2500万人だそうだが、信ずる人はいない。1990年の推計で約2000万人といわれていたが、1990年代に北朝鮮では飢饉が頻発し多くの餓死者が出た。その間も人口は増加していることになっているが餓死者が出るほどの飢饉で人口が増加するはずはなく、おそらく1990年代を通して北朝鮮の人口は減少したはずだ。
21世紀になって大規模な飢饉は収まったようだが、一方でGDP推計ではほとんど上昇していないかあるいは最近のように毎年4%前後縮小している。
生活はますます苦しくなって人々は生きるにやっとなのに人口が増えることは想定しにくいから、おそらく1990年以降北朝鮮の人口は減少に転じていただろう。世界で最初の人口減少国だ。

 北朝鮮は核とミサイルのほかは何もない国で、人民はやせ細り生きていくのもやっとのありさまだが、対外的プロパガンダは実に勇ましく、ソウルや東京やグアムを一瞬のうちに火の海にすると絶叫している。
最も最近はアメリカのトランプ政権と核と経済援助のディールを行っているが、トランプ大統領の本音は北朝鮮を静かに安楽死させることだから、なかなか北朝鮮が望むような結果は出ない。
昨年の12月を期限としてアメリカに回答を迫ったがアメリカからは完全に無視された。
回答がなければ手痛い反撃にあうだろう」などと脅していたがアメリカは痛くも痒くもないから脅しがいがない。

 最近になり北朝鮮が本腰を入れているのがサイバー攻撃で、セキュリティーの甘い銀行から資金を盗んだり、仮想通貨の管理会社を襲って仮想通貨を強奪している。こちらは意外と健闘していて中国のサイバー攻撃が主として先端知識やアメリカ政府の極秘情報を盗むことに対し、もっぱら北朝鮮は窃盗に特化している。ここ数年日本の仮想通貨の管理会社のサーバーから数千億円の資金が盗まれたが、北朝鮮の仕業と思われている。
国内生産は工業も農業も商業も全く振るわなく、国民から税金をとることもできない。労働者をロシアや中国や東欧諸国に送り込んでその賃金の8割から9割をピンハネしていたが、国連制裁でその手も使えなくなった。
あとは強奪しかないではないか」というのが北朝鮮当局者の本音だ。

 こうした国が生き延びているのは何とも不思議だが、独裁国家は意外と長続きする。理由は反対者を投獄するか銃殺してしまってあとはイエスマンしか残っていないからで、死ぬよりはイエスマンのほうがましだと人民は諦めている。
北朝鮮があと何年生き延びるかは想像するのは難しい。人民をすべて殺してキム・ジョンウン氏一人になるまで頑張るかもしれないからだ。
人類史は進歩だと思っている人には北朝鮮は最適な反例といえるだろう。



 

 

|

« (2.2.5) 人類衰亡史序説 韓国 その3 | トップページ | (2.2.7) 人類衰亡史序説 イギリス その1 »

評論 人類衰亡史」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« (2.2.5) 人類衰亡史序説 韓国 その3 | トップページ | (2.2.7) 人類衰亡史序説 イギリス その1 »