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(2.2.12) 人類衰亡史序説 オーストラリア その1

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  日本やヨーロッパ各国が人口減少に悩む中で、そうした悩みとは全く関係ない国がある。オーストラリアだ。
現在オーストラリアの人口は2550万人だが、今後50年間でさらに1000万人程度の人口増加を見込んでいる。先進各国が軒並み人口減に悩まされているときに信じられないような強気の数字見込みだが、そのほとんどを移民で賄おうとの計画だ。
オーストラリアの移民政策は紆余曲折をたどって、今は有能な技術を持った移民を積極的に受け入れている。

 私も昔オーストラリアに移民しようかと思ったが、当時は5000万程度の資金をオーストラリアの銀行に預金するのが条件で、私のような貧乏人にはとても手の届く金額でなかったのであきらめた。今は技術者であれば受け入れてくれるが、すでに定年退職者で年金暮らしの老人はおよびでないようだ。

 なぜオーストラリアがこのように移民受け入れに寛容だったかといえば、オーストラリア経済が1991年以降27年近く拡大基調で毎年のようにGDPが増大し、何より人手不足が続いたからだ。
オーストラリアは大変な鉱山資源国であり、埋蔵量一位の鉱物として鉛、ニッケル、ウラン、ボーキサイト、アルミナがあり、さらに鉄鉱石、石炭、天然ガス、石油までふんだんにあるので土地を掘れば資源が出てくるような土地柄だ。

 特に2000年初めの資源ブームではあまりの資源開発の活発さのために、資源を運搬するトラック運転手が足らなくなり、信じられないような高給で運転手を集めていた。
私の息子の嫁さんはオーストラリア人であり手蔓があったので、息子は真剣に日本での仕事をやめ大型トラックの運転手になろうかと悩んでいた。
おやじ、オーストラリアでトラックを運転すると月100万だそうだ。転職したほうがいいかな?」などと相談された。

 輸出の3分の2が鉱物資源で、その3分の1が中国向けだったのだが、ここにきて中国経済の減速が鮮明になり鉱山資源ブームも収束してしまった。18年前半までGDP伸び率は2.5%から3%で推移していたが、18年半ばごろから急激に経済は下り坂になり、現在の伸び率は1%台に落ちてしまい、傾向的にはさらに低下しつつある。
順調な経済を背景に積極的な移民受け入れ策をとってきたオーストラリア政府だが、こうなると人余りが発生する。しかも移民の多くは中国人とインド人であり、オーストラリア中に中華料理屋とインド料理屋が乱立し、ここは一体どこの国だというような状況になってきた。

 そのため現政権になって移民枠がだんだんと絞られている。特に中国人が不動産を買いあさって不動産価格が急騰しオーストラリア人の購入能力を超え始めたことが中国人に対する反発となっており、政府は急きょ中国人の不動産購入の抑制策をとり始めた。
オーストラリアもだんだんと国を閉ざし始めたが、経済的結びつきの強かった中国の経済減速により開放経済のメリットがなくなりつつあるからだ。
資源価格はこの先趨勢的に低下しそうだし、中国は鉄鉱石や石炭を買わなくなるし、もしかしたらオーストラリア経済の拡大も終わったのかもしれない・・・・・・」不安感がよぎる。

 さらにオーストラリア人の気持ちを暗くしているのは毎年のように森林火災が発生しかもその規模がだんだんと拡大していることだ。

オーストラリアの夏は高温でからからに乾き、ユーカリの木が風にあおられると摩擦ですぐに火がついてしまう。昨年の9月に発生した山火事は今年の2月まで沈火しなかったが2月になってようやく大雨が降って収まった。この火災焼失面積はほぼ日本列島分の2分の1の大きさに匹敵し、コアラやカンガルーといった生物が10億匹死んだと推定されている。

問題はこの山火事が一過性ではなく毎年のように襲来しそうで、しかもその規模が拡大しそうなことだ。夏は高温で冬は乾燥、もはやオーストラリアの内陸部は人の住める場所でなく、人々は海岸べりに追いやられている。

 オーストラリアは有り余る鉱山資源を開発し、それを主として中国に販売して成長したが、中国は二酸化炭素をばらまいて地球の環境を悪化させ、環境は毎年毎年荒々しくなり、オーストラリアの国土を襲っている。

中国とのタイアップは国土消失との二人三脚だったわけで、さすがのオーストラリア人もこの結果に慌てふためいている。だが中国人が反省することなどないから相変わらず二酸化炭素の排出は続き、その結果オーストラリアで住める場所が縮小されていくのだが中国という21世紀の悪行国家を商売相手にしている以上仕方のない面もある。










 

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