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(1.5.12) 覇権戦争はどちらかが敗北するまで続く アメリカと中国のハイテク戦争

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 当然のことだが覇権争いは生きるか死ぬかのガチンコ相撲になる。アメリカが覇権国家になったのはイギリスが第一次世界大戦でドイツとの戦闘でよれよれになったのに乗じたからだが、その後の覇権争いは完全にガチンコ相撲になった。
アメリカはソ連との軍事戦争に勝利し、また日本との経済戦争に勝利したがどちらも完勝に近いものだった。
特に日本との経済戦争は目の覚めるような勝利で、その後日本は約20年に及ぶ経済停滞に陥ったが、私が現役でいた最後の20年間はその敗戦処理の期間だった。

 アメリカと日本との覇権争いは主戦場が金融市場で、バブル真っ最中のころの日本の金融機関は融資をしまくり世界の十傑をほぼ独占していた。私が勤務していた金融機関も世界第○○位だなどと言われ、「そうか俺は世界企業に働いているのか」などと自尊心をくすぐられたものである。
しかしアメリカが仕掛けた金融戦争は実に巧みでBIS規約を世界標準と称して日本に押し付けてきたが、日本の金融機関の融資規制を狙ったものだった。
当時の日本の金融機関はほとんどがオーバーローン状態で土地資金を貸まくっており、それが日本経済のバブルを支えていたがそこに規制をかけたものだった。
自己資金が8%以上ない金融機関は国際市場での融資はできません」というのがポイントで当時の日本の金融機関の自己資金比率は3%以下がほとんどだったから、恐慌状態になってしまった。自己資本を上げるには貸し出しを回収しなければならず土地資金が市場から消えたためバブルが一気に消滅した。これ以降日本の金融機関の世界的退潮が始まり、長銀や日債銀や拓銀は倒産し、興銀や富士といった日本を代表する金融機関も名前が消えてしまった。
土地資金融資規制こそがアメリカが狙った日本追い落とし作戦だったわけである。

 ソ連と日本を追い落として盤石な覇権体制を整え、「歴史の終わり」と豪語したアメリカに今果敢に挑戦する国家が表れているが、それが中国である。アメリカと中国との主戦場はハイテク部門で、長く中国は日本やアメリカの技術を盗み国家の庇護のもとにAIを中心とするハイテク産業を育て上げ、今やファーウェイといったハイテク企業が世界を席巻するほどになった。
それまでスマートフォンで世界屈指の企業だった韓国のサムソンはかつての日本のソニーのように崖から転がり落ち、アップルさえ中国企業に中国市場から追い出されそうになっている。

 こうした新たな覇権国家となろうとしている中国に対しトランプ大統領が果敢に反撃に出ている。ちょうどヒットラーに対抗したチャーチルのようだ。トランプ大統領は輸入品の約40%程度に25%関税をかける大統領令を発し、さらに中国がごちゃごちゃいうのであればすべての商品に25%の関税をかけると脅している。
トランプ大統領としては盗まれた知的財産権の特許料を取り返しているような感度で、当然の報酬を得ている感度だ。

 トランプ大統領が現在仕掛けている貿易戦争は貿易の名を借りた覇権戦争であり、中国がハイテク部門でアメリカを凌駕し、世界国家になるのを食い止めるために血眼になっている。
日本の経済評論家の多くは「貿易戦争に勝利者はいない。だから関税競争はやめるべきだ」などとしたり顔に言っているが、現在の貿易戦争はアメリカと中国の覇権戦争であるので、どちらかが勝利しない限りこの戦争は終わらない。
日本が白旗を上げアメリカの軍門に下ったので、現在の日本とアメリカの関係は過去にないほど良好だが、これは日本がアメリカの支配を受け入れ完全な子分になっているからだ。

 トランプ大統領はアメリカのハイテク企業の知的財産権を守るため、中国の国内法で知的財産権を守らせるようにしようとしているが、中国はこの法整備を拒否している。それは当然で、中国の知的財産はほとんどが盗んできたものでそれゆえあらゆるハイテク商品を安価に生産でき世界に躍り出ているわけで、ここの首を絞められれば中国企業の生きるすべはない。
日本の金融機関がBIS規制で動きが取れなくなったように、法的に中国企業を締め上げようというわけだ。

 中国は対抗措置をとると息巻いているが、どう見てもこの勝負は勝ち目がない。何しろ貿易の不均衡は圧倒的に中国の輸出過多だから、アメリカからの輸入品に関税をかけるにもかける商品がない。
習近平政権がどんなに息巻いてもアメリカには勝てそうもないので、日本のようにしっぽを巻いて白旗を上げれば覇権戦争は終わるが、中国は世界にかんたるメンツの国だから、おいそれとは降参しない。
したがってこの貿易戦争に名を借りた覇権戦争は長期間続くことになる。



 

 

 

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