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(31.2.1) 中国高速鉄道は累積債務の雪だるま

2023_031 

 私は中国の大学教授はすべて御用学者であり、中国政府にとって都合の悪い数字を公表することはないと思っていたが、それは間違いでこのたび発表された北京交通大学の趙教授の論文には驚かされた。

  この論文には世界最大の交通網を誇る中国高速鉄道日本でいえば新幹線)のうちまともなのは北京・上海間路線日本的イメージでは東海道新幹線)と北京・広東間路線日本のイメージでは山陽新幹線)だけであとは大幅な赤字路線だらけだという。
特にひどいのが僻地の新幹線で、蘭州・ウルムチ間は、日本の平均乗車率の7%程度しか乗客がいないという。

 中国では公共工事といえばこの高速鉄道建設がメインで、すでに2万9000㎞と日本の新幹線の3000km約10倍のキロ数を誇っている。一方で債務も雪だるま式に増えており中国鉄路総公司は実態をひた隠しにしているが、赤字額は推定で78兆円規模になるという。
これは日本の旧国鉄が清算した時の赤字幅24兆円に比較すると約3倍強であり、しかも毎年この額は急速に積みあがっている。

 中国の親方五星国旗の威力は日本の比でなく、党中央の命令であれば乗客はパンダだけでも新幹線を建設してしまうが、そうした経済原則を無視した建設が半永久的に続けられるはずはない。
中国政府の国庫は対外的に公表されているような盤石なものではなく、実際は火の車でちょうど倒産間際のダイエーのような状態だから、趙教授が党中央の意向を無視して警告を発した気持ちはわかる。
このままでは中国国鉄は日本の旧国鉄と同じ運命をたどる。しかもその規模は日本の比でないから国家の存亡の危機にもつながりかねない」と警告しているのだ。

 中国は国内だけでなく世界中で鉄道建設を行っているが、海外の鉄道建設ではほとんどがとん挫している。インドネシア、タイ、ロス、メキシコ、ベネズエラではほとんど建設に取り掛かれないか、あるいはキャンセルされている。
最大の理由は中国政府がケチになったことで、従来のように大盤振る舞いの無償借款や買収資金の提供ができない。
何度も言うが中国政府の台所は火の車でない袖は振れないからだ。

 国内ではパンダを載せるだけの目的で新幹線を建設し続け、海外では当地の政治家を買収する資金までけちるようになって「なら高速鉄道なんていらないよ。もともと需要はないんだから」と冷たくあしらわれている。

 中国鉄道は旧国鉄と同様に破産に向かって驀進しているが、中国の公共工事といえば鉄道以外の物件が乏しいため、景気対策として今年も12兆円規模の建設をするという。
趙教授でなくとも警告を発したくなるのは当然だ。

 

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