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(31.1.31) 日銀の愚かな見込み違い 何をやっても物価は2%上昇しない

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  日銀が長い間目標にしてきた消費者物価2%上昇を取り下げた。
とても19度中に物価が2%上昇する要因はない」と白旗を上げている。
日銀にはきのどくだが、物価上昇が日本で起こらないのには二つの理由がある。

 一つ目は日本の人口構造の変化であり、日本人の人口は世界最速で減少しており、かつ驚くほどのスピードで老人人口が上昇している。
人がいなくなれば消費財に対する需要はその分減少するし、さらに老人が増えれば消費が傾向的に減少する。

 老人になってみればわかるが食欲などほとんどわかず、衣類なども着飾る必要はなくなり、頭は剥げてしまうから床屋に行く必要もなく、家屋はすでに手配済みだからメンテナンス以上の費用はいらない。子供に対する教育費などは子供が成人してしまっているからかかりようもなく、旅行に行こうにも体力がなくなると時差のある外国などにはいきたくない。
かかるのは医療費だけだが、ひどい病気をしない限りは上昇分はわずかだ。
これで消費財に対する需要が増加すると思うほうがどうかしている。需要そのものがなくなるのだから物価は上昇しない。

 もう一つの理由は金融緩和が消費材の需要に結びつかないことだ。
日銀にすれば史上空前の金融緩和を実施中であり、毎月10兆円規模の資金を市場に放出しているが、その金は株式や不動産や他の投機物件に流れるだけであり、消費財の需要には向かない。
ひたすら投機財だけ価格を上昇させており、それにうまく対応できる一握りの投機家だけが裕福になる。
日本経済は過去最長の経済成長だといわれているが、成長しているセクションは投機財産業だけだから、それと縁のないサラリーマンや多くの老人にとっては全く余禄がなく、「実感のない成長」なのは当然なのだ。
 実際先進国では消費財産業や投資財産業の成長は限界に達しており、日本でもアメリカでも投機財市場の成長以外は不可能になっている。
そして投機財市場を活性化する唯一の手段は金融緩和だけだ。
ほれほれ、金はいくらでも印刷するからこれを使ってマネーゲームをしてくれ!!」そう言っているのだ。

 だから消費財の物価は日銀の期待とは裏腹にわずかしか上昇しないのだが、本来は消費財物価は上昇しないのが一番なのだ。
物価上昇はサラリーマンや年金生活者の生活を脅かし、一方物価下落は企業家の利益を損なう。経済学においても物価は中立的なものがよいというのが大勢で、実際黒田日銀総裁が出現するまでの日銀のスタンスは物価を中立的に保つことだった。

 だが現在の主要国の物価政策は安定的上昇であり、それなくして経済成長はないとの強迫観念にとらわれている。
そしてその経済成長は投機財産業の成長であり、消費財産業や投資財産業の成長ではない。
成長しないよりは何であっても成長したほうがましとばかり、政府も日銀も金融緩和に余念がないが、そのような経済成長が本当に必要なのか、今先進諸国に根本的に問われている問題だ。

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