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(30.2.4) 大学入試試験問題作成では予備校講師が最高という現実

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 このところ京都大学や大阪大学といった日本を代表する大学で入試問題の出題ミスが続いている。
最近になって両大学とも試験のミスを認め、京都大学は17名、大阪大学は30名の追加入学を認めて陳謝した。
このミスの出題については昨年の早い段階から予備校の講師や高校教諭から出題ミスの指摘があったが、断固としてそのミスを認めてこなかった。
予備校講師ごときに崇高な大学教授が作成した問題にケチをつけられてたまるか」といったところだろうが、何度も指摘されて1年たった今年になり「どうやっても白を切ることは不可能だ。ミスを認めよう」ということになったようだ。

 大学の中では順番に入学試験問題の作成担当が回ってくるようだが、教授間ではすこぶる評判が悪い。
高校の授業内容なんて知らないし、こちらは研究も授業もしなくてはならないのに、なんで私が問題の作成担当になるんだ
ちょうど町内会の役員のようにみんな逃げ回っているが、「順番であるなら致し方ない」と最後は担当を引き受けているようだ。

 しかしいやいやながらの仕事のためどうしてもミスが出てしまうし、同僚にチェックをしてもらっても同僚もまともなチェックをしてくれないから、自身で10回以上もチェックするのだが自分のミスを自分で発見することは難しい。
しかもミスが判明すれば社会的に袋叩きだし責任問題にもなるので、「なんて俺は運が悪いのだろう」と思いながら問題の作成を行っている。

 私立大学などではとっくに自身で問題作成をすることをあきらめた大学が多く、予備校の講師に問題作成と採点を依頼しているが、さすがに国立大学では 「なんだこの大学は入試問題も作れないのか」などと悪評が立つのを恐れて自身で問題作成をしている。

 しかし大学入試問題の作成では予備校の講師が一番で大学教授など及びもつかないノウハウを持っているからとても競争にならない。
文部科学省も思い余って、「すぐに模範解答例を公表して予備校の講師にチェックしてもらえ」と、大学の権威を逆なでするような通達を出した。

注)国立大学で模範解答例をすぐに出すのは4割程度で京大も阪大も模範解答例を出していない。

 私も高校生に数学を教えているからよくわかるのだが、高校の参考書作成では予備校の講師(あるいは講師経験者)の参考書がもっともすぐれている。
馬場敬之とか坂田アキラとか細野真宏といったスターがいて、こうしたスターが書いた参考書で受験勉強すれば確実に望んだ大学に入れるのだから大したものだ。
書き方には共通の特色があって、誰でも理解できるように細かな注意書きがされていて、数学の低能児でも理解可能なようになっている。
かつては大学教授が作成した参考書が幅を利かしていた時期があったが、こうした参考書の多くは「この程度を知らんでどうする」といった態度で記述されているから高校生からそっぽを向かれるようになった。

 もはや大学受験問題に関しては予備校の講師にかなう大学教授など皆無になりつつある。国立大学も白旗を上げて私立大学のように問題を予備校講師に作ってもらうか、あるいは文部科学省の言うようにすぐに模範解答を公表し、予備校の講師や高校教諭の厳しいチェックを受ける以外に公正な大学入試試験を行えないところまで追い込まれてしまった。 
どこの世界にも下克上というものがあり、権威だけで国立大学の大学入試問題作成を乗り切るには京大も阪大も失敗してしまったようだ。

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