(30.2.20) これほどまでに人間性溢れたスケーターがいたとは・・・・・・・小平奈緒選手
これは人間の完成度の違いかとしみじみ思ってしまった。平昌オリンピック女子500mスピードスケートで金メダルをとった小平奈緒選手のことである。
小平選手が日本を代表するスケーターの一人だとは知っていたが、人間性においても金メダルに匹敵する優れた人物だということは知らなかった。
このところ私はオリンピック放送にくぎ付けになっており、当然この小平選手が出場した女子500mもライブで見ていたが、小平選手が36秒台の好タイムでトップに躍り出たとき、思わず万歳などといってはしゃいでしまった。
しかし当の小平選手の態度は全く異なっていた。まだ残り二組があったのだが、はしゃぐ日本応援団の人々に手を唇に当てて「まだ騒いではいけません。あとの走者の邪魔になります」と自制を促していた。
そして小平選手の最大のライバルで過去オリンピック2連覇を達成していた韓国の李相花選手が次に走ったのだが小平選手のタイムに及ばず銀メダルとなり、思わず李相花選手は泣き崩れていた。韓国民の期待を一身に背負い金メダル確実といわれた李相花選手の敗北は自身にとっても韓国民にとってひどい落胆だったことは容易に想像できる。
しかし私が驚いたのは泣き崩れていた李相花選手に小平選手が近づき肩をそっと抱いて「私はあなたを尊敬しているよ。とても立派なスケートだった」という趣旨の話を耳元でしていたことだ。
信じられないような敗者に対するいたわりであり、こうしたことを自然といえる人は少ない。
李相花選手はその言葉で元気づけられたことが映像を見ていてもわかった。
小平選手の態度がいかに立派かということは、例えばスノーボードの選手などを見ているとわかる。勝つと勝手にはしゃぎまわってカメラの前でベロを出したり、レンズに顔を押し付けてキスをしている。スノーボードはもともとは遊びから発達した競技でいまだにガキの遊びのレベルであることがわかるが、小平選手にこうした態度とは180度ことなる人間性の完成度を見た思いだった。
小平選手は31歳だそうだが、私のように72歳になろうとしている人間よりはるかに優れたた人物で、世界最速のスケーターだけでなく世界で最も優れた人間性を持った人の一人であることを証明している。
「世の中にはこれほど優れた人物がいたのか・・・・・・・・・」驚きだ。
羽生選手のすがすがしい態度も素敵だったが、小平選手の心の奥の深さには日本人の誇りといっていい態度が見られた。
| 固定リンク
「スポーツ 平昌オリンピック」カテゴリの記事
- (30.3.8) 「そだね-娘」が北見市と北海道を救う。(2018.03.08)
- (30.2.24) コーチの時代 優秀なコーチがメダリストをつくる(2018.02.24)
- (30.2.20) これほどまでに人間性溢れたスケーターがいたとは・・・・・・・小平奈緒選手(2018.02.20)
コメント
山崎所長殿
私もまったく同感です。小平さんは人格的にも本当に優れた方と感じました。さらに付け加えますと、同じスピードスケートの仲間である方が自殺したことを沈痛な表情で語り、「いっしょに滑りたかった、報告したかった」と涙していたことも知りました。
投稿: たぬき | 2018年2月20日 (火) 22時53分