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(30.1.23) メディアの凋落と主観の時代 新聞や雑誌には明日がない

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 20世紀と21世紀の最大の相違を述べよと問われれば、「マスコミの凋落」と答えるのが最も妥当なように思われる。
20世紀はマスコミが第4の権力ともいわれ、20世紀の寵児だった。学生はこぞって新聞社や雑誌社や放送局に就職先を求め、こうした職場で正義を実現したいと抱負を述べていたものだ。

 しかし今そうしたメディアのうち生き残る可能性があるのは即時性がある放送だけであり、常に旧聞しか掲載できない新聞社や雑誌社は読者離れがひどくいつ倒産してもおかしくないような状況に置かれつつある。
特にその傾向が顕著なのはアメリカで、ニューヨークタイムズやワシントンポストといったアメリカを代表する新聞社は身売りのうわさが絶えない。

注)特にニューヨークタイムズは中国資本が狙っていていつチャイナタイムズになってもおかしくない

 なぜこのように新聞社や雑誌社(特に月刊誌や週刊誌を発行している雑誌社)の読者ばなれが進み財政的に追い込まれたかというと、21世紀に入ってインターネットという新たなメディアが登場し、しかもこのインターネットの世界では情報が原則無料になってしまったからだ。
かつては情報はメディアが独占しており、それゆえ価格をつけて情報を販売することが可能だったが、今やSNSやツイッターやブログやユーチューブに無料で迅速でかつ有用な情報があふれかえっている。

注)ただしその情報の価値を見出すのはすべて自己責任になっている。

 私の息子などは新聞もテレビも見ることなく、必要と思われる情報はすべてスマートフォンの検索で済ましているが、こうした人々が加速度的に増えている。
電車に乗っていて気が付くことはほぼ全員がスマートフォンをのぞき込んでいて、新聞を読んでいる人を見かけることは非常にまれだ。
見ると新聞を読んでいる人は老人と決まっていて、「この老人の寿命が新聞の寿命とほぼ一致しているのか」と私などは長嘆息している。

 メディアがいかに凋落しているかはアメリカの現実が如実に語っている。いまアメリカでは新聞や放送メディアが束になってトランプ政権を追い落とそうとしているが、トランプ氏のツイッターには遠く及ばず、どのように足を引っ張ってもトランプ大統領の基盤は盤石なままだ。
20世紀にはニクソン氏をワシントンポストが辞任に追い込んだが、今やその実力は微塵にもない。
だれも新聞やお堅い政治番組を見ないから、いくらワシントンポストが「トランプ氏の1年で、嘘は2140回で一日平均6回だ」といっても何の影響力もない。

 20世紀は異常に客観性が重んじられ事実求是の精神が席巻した時代だったが、21世紀に入りそうした事実求是の精神が急速に衰えている。
トランプ氏がどんなに虚偽を言ってもホワイトハウスは「これはオールタナティブ(もう一つの)な真実だ」と居直っているが、物事が主観によって決まるのなら確かに真実は人の脳の数だけ存在することになる。

 20世紀、新聞や雑誌社等のメディアは「真実を伝えるのが使命」と称して権力を振るっていたが、客観の世界が今主観の世界に移りつつある21世紀には、そうした響きがうつろに聞こえる。
かつてローマ帝国という極度に客観性を重んじた社会がゲルマン民族によって崩壊された後、ヨーロッパを支配したのは教会という主観の世界だった。
現在まだ客観と主観のせめぎあいがあって勝負の行方が決まらないが、トランプ氏がメディアに打ち勝って辞任することもなく再選を果たすならば、これは決定的に主観の時代が来たと断定できるだろう。

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評論 世界 文明論」カテゴリの記事

コメント

「真実を伝えるのが使命と称して権力を振るって」とおっしゃいますが、かなりの部分フェイクで、それをネットで次々と暴かれる現状が加速度的に既存メディアから離心しているのが実態ではないでしょうか。何のためのフェイクかといえば、自分たちの考える価値観に、国も国民も従わせ、あるいは洗脳したいがためで、その行為はネットの厳しい事実検証に耐えられなくなっているように見えます。なかんずく朝日は発狂状態で、自身への検証・批判は狂犬のように噛みつき醜態を晒しています。

投稿: ken | 2018年1月24日 (水) 17時08分

今の日本でマスメディアの一番の問題は、新聞もさることながら、テレビの報道番組の無茶苦茶ぶりに全く歯止めがかからない点だと思います。
詳しくは、小川栄太郎氏の著書「テレビ報道 嘘のからくり」に非常に分かりやすく書かれていますが、徹底的に安倍首相を貶めようとする印象操作・画像操作・情報誘導・事実の隠蔽・意図的なウソ・あまりに極端な左傾化ぶり(政治的な不公正)など、もはや報道番組と呼べない状態で、これはもうメディアによる暴力であり、社会に与える影響を考えても巨大な犯罪だと言えます。これにより、現代の民主主義を形成する世論が不当に歪められています。
若い人達は比較的テレビ離れが進んで、テレビの洗脳から逃れていますが、生活に追われる中高年層でテレビや新聞でのみ政治報道を見聞きしている多数の国民は、すっかり騙されてしまい、それが世論となって日本国の政治を誤った方向へ向かわせてしまいます。
せめてNHKだけでも、まともな報道姿勢に正さないと、騙される国民が後を絶たないと思います。
司法は、こういう時こそ、メディアによる社会的な犯罪を毅然と裁くべきです。

投稿: 小東洋 | 2018年1月25日 (木) 10時15分

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