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(29.11.16) 金融機関受難の時代  利鞘が消えていく!!

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 私が高校時代に世界史を学んだ時、最も不思議なことの一つが中世キリスト教世界では金を貸しても利息をとることが禁じられ、またイスラム社会では今でも利息をとることが表面的には禁じられていることだった。
それじゃ金融業が成り立たないではないか・・・・・・
どっぷり先進資本主義文明の渦中にあった高校生の私はずいぶん当惑したものだ。

 しかしその先進資本主義文明に黄昏がおとづれ経済成長の時代が終了すると,先進資本主義文明の日本で利息がなくなってきた。正確に言えば1%程度の利息は科せられるのだが、この数値が加速度的にゼロに近づいていて、金融機関では利ザヤが取れなくなっている。
貸し出しが主業務の地方銀行の収益が特に悪化しており日銀の調査で約半数の地方銀行が本業で赤字に陥っている。

 このためメガバンクは自主的に、地方銀行は日銀の指導でリストラや合併が進んでおり、金融機関に従事する人員が激減し始めた。
メガバンク3行のリストラ計画は約3万人の人員削減と支店の廃止や縮小であり、地方銀行の場合は合併による人員と店舗の統廃合になっている。
私が金融機関に就職した約50年前は高度成長の真っ盛りであり、企業の資金需要は貸出余力をはるかに超えていたから、金融機関にとってわが世の春のような時代だった。
オタクの業界はあまり成長が見込めませんので融資はできません」偉そうに言っていたことを思い出す。

 あれから50年、世の中は様変わりで人口は減少しその結果経済成長はアベノミクスという劇薬を投与しても1%程度に低下してしまった。企業には内部留保が十分にあるから金融機関からの融資は必要なく、仕方なく金融機関は集めた資金を海外投資まだ経済成長をしている国の国債や投資信託)に投資し収益を上げているのが実態だ。
しかし海外の実態はアメリカのかつてのサブプライムローンや中国がそうであるように魑魅魍魎の世界であり、いつ大損失が発生するかはわからない。

 国内では赤字で金融業が成り立たなくなりつつあり、一方海外ではリスクが大きすぎていつ大損するかわからず存立基盤が揺らいでいる。成長が止まった世界では企業の成長資金の需要がなくなり、個人の消費金融ばかりになるから本来は利息をとることができない。
例えば企業が毎年20%の成長をしていれば5%程度の利息の支払いは確実にできる。
一方個人の場合は生活費に投入されて利益を生まないから、元本を返済するのがやっとでとても利息の支払いなどできない。
先進資本主義国はいづれも同様ですっかり金貸し業が寂れ、アメリカのようなばくち金融以外はすっかり上がったりになってしまった。

 かつて中世キリスト教社会に金融業が成り立たなかった理由は、成長がない社会だったから貸し出しは主として生活費に回りその結果利息の徴求が不可能だったことに気が付いた。
今日本で金融業の崩壊が始まったのは日本が成長なき社会中世)に突入したからだ。
そうか、産業革命から約400年、ついに資本主義文明も活力がなくなり、成長なき時代に入ったため中世と同様に金融業が成り立たなくなったのか・・・・・・・・」
かつて金融業に従事していたものとして感無量だ。

 

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