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(29.10.27) 時代に取り残された金融機関「商工中金」 危機対応融資に最後の夢をかけたが・・・

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 存在理由がなくなってもまだ存続し続けるとどのような結果になるかの見本のようだ。商工中金のことである。
商工中金は中小企業をターゲットにして融資を行なうのが主要任務の金融機関だったが、バブル崩壊後日本の中小企業は低成長下に陥り、まったくと言っていいほど資金需要がなくなってしまった。

 かつてといっても私が金融機関に入社した50年ほど前の高度成長期のことだが、中小企業の経営者にとって商工中金と取引するのがステータスシンボルで「我が社もようやく商工中金さんに認めてもらえる企業になりました」などと自慢していたものだ。
しかしバブル崩壊後この状況は一転し、好業績の中小企業は都銀が囲い込み、商工中金に残ったのはババばかりの業績不良先ばかりになってしまった。

 さらに2008年のリーマンショックで、日本国中不況の波が押し寄せたが、この時に政府は半官半民の商工中金に対し危機対応融資制度による積極的な融資を行わせて不況を乗り越えようとした。
危機対応融資制度とは政府が利子補給を行いさらに取引先が倒産した場合はその金額を政府が補てんする制度である。
業績悪化先ではあるがリスクゼロの融資制度が転がり込んできたのだ。

 取引先の減少に悩み業績が低迷していた商工中金はこの制度に社運を賭けることになった。
政府の利子補給があるからレートは都銀より低位に設定できる。しかも取引先が倒産してもそれはすべて政府が補てんしてくれる。これこそ天の恵みといわずして何と言おう

 その後商工中金は危機対応融資制度による融資にのめりこみ、全融資金額の3割から4割はこの制度による融資になった。
すべての融資がこの制度によらないのは、「危機対応」という条件があって、明らかに業績が悪化していなければ融資対象にならないからである。

上司なら、すべての中小企業の業績を悪化させればいいではないか
部下「そのように言われても好業績の中小企業はいくらでもあって融資対象に限界があります」
上司「君は中国の国家統計局の仕事ぶりを知らないのかね。上が7%の成長だといえば必ず7%の成長を達成する有能な連中だ
部下「でも、どうすればいいのですか
上司「お前は馬鹿か。決まっているだろう。決算書を改ざんすればいいに決まっている
部下「はあーー


 商工中金の内部調査によると、危機対応融資での不正は4802件、不正を行った職員は444人、処分対象は上司を含めて813人、全支店で不正が行われていたという。こうした調査はどうしても甘くなるから実際はこの数倍の不正があったと思わなくてはならない。
商工中金にとってこの危機対応融資は安全確実に収益を計上できる金の卵だったことがわかる。

 さらに商工中金はこの不正がばれないように経済産業省に報告する「中小企業月次景況観測」では、どこもかしこも業績が悪いように統計を改ざんして、日本の中小企業はリーマンショックから立ち直れずさらに東日本大震災からも全く立ち直れないことになっていた。
経済産業省はこの報告を総務省に渡してGDP基礎資料の一つにしていたが、日本の中小企業の業績回復がままならなかったのは商工中金が意図的に報告書を改ざんしていたからだ。

 商工中金の社長は経済産業省の元次官だが、社長がこうした不正に気が付かなかったのは経営判断がすべてプロパーの副社長以下で決定されて社長はおみこしだったからだそうだが、そのまま信じることは難しい。
商工中金が危機対応融資以外の経営資源がないことは経済産業省もとっくに認識していたから、これは他の省庁や政府にばれるまでは互いに内緒にしようという暗黙の了解だったと思う。
何しろ次官経験者にとって商工中金の社長になることは夢の様の好待遇が約束されていたので、天下り先を失いたくなかったのが本音だろう。

 商工中金という高度成長期にディペンドした金融機関はその後の低成長期に存在意義を問われたたが、危機対応融資という千載一遇のチャンスに恵まれ、社内一丸経済産業省の黙認の下でこの融資にまい進したというのが実態だろう。
すべて虚偽なのは中国方式というんだ。東芝がこの中国方式を採用していたろう。嘘はニッサンも神戸製鋼もしている。わが社もこの方式で中国人に倣って何が悪いんだ

 

 

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