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(29.6.10) イギリス大乱 EU脱退も残留もできない。どうしたらいいの!!!

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 イギリス大乱
といってもいい。一人で世界政治をかき回しているようなものだ。昨年の6月にはEU残留をかけた国民投票でキャメロン首相が敗北し「本当に脱退かね」と世界をおどろかせたものだ。
そして今回はキャメロン氏の後を継いだメイ首相が「EUとの強い交渉力を求める」と総選挙を前倒しで実施したが、結果はメイ首相率いる保守党の惨敗になり、せっかく確保していた過半数さえ割り込んでしまった。

 イギリス政治の実態はEU残留派と脱退派がほぼ拮抗しておりその時の情勢でどちらにころぶかまったくわからないが、今回は残留派が勝利した。
メイ首相に強い交渉権などあたえない。EU残留のための国民投票をもう一度しろ
国民の声は一年前と全く反対になっていた。

 イギリスの経済はシティを中心とする金融業と北海油田だけで持っているようなもので、主要な工場はすべて倒産するか海外に移転してしまっている。
19世紀までイギリスは世界の工場だったが、20世紀に入ると金融業だけが突出し金融エリ-トと北海原油関連に勤める労働者以外が職場を失ってしまった。
ちょうどトランプ政権下のアメリカと同様の中産階級の崩壊である。

 昨年6月の国民投票では「イギリスは金融業さえあれば食っていける。アメリカもそうしているではないか。我が国はヨーロッパよりアメリカに近い」と主張したが、トランプ政権ができてから風向きが変わってしまった。
トランプ氏はアメリカ一国主義でイギリスのことなど知ったことではないと主張しているからだ。
アメリカ派に寝返ろうとしたけどアメリカはおよびじゃないという。それなら離脱交渉は穏便に行い、場合によってはEU にとどまる選択もありじゃないか・・・・・・
何とも宙ぶらりんの選択方法になってしまった。
隣の韓国は中国とアメリカの間で蝙蝠外交を繰り返しているが、イギリスはアメリカとEUの間で蝙蝠外交を繰り返すことになった。
しかし蝙蝠外交はどちらからも信頼されない。

 メイ首相としては北アイルランドの民主統一党の閣外協力を得て過半数を確保し首相を続投すると宣言したが前途は多難だ。
閣外協力を得られなくなれば労働党を中心とする連立政権ができる目もあり、EU との交渉よりも国内の反対派対策でほとんどのエネルギーを費やすことになりそうだ。

 ドイツのメルケル首相やフランスのマクロン大統領としたらしてやったりの状態だ。
チャンスよ、ここでイギリスを追い詰めてEU 離脱が不可能なことを悟らせましょう」メルケル首相が手ぐすねをひいて待っている。
EU離脱交渉はイギリスにとって困難を極め「こんな面倒な交渉をするくらいならEUにとどまってもいいじゃんか」という世論が形成されるのをメルケル首相は待つ戦略だ。

   EU脱退を指導したのは金融業と北海油田だけで経済を保てると主張したイギリスエリートだったが、その戦略は大失敗に終わった。金融業は確かに金融エリートに莫大な富をもたらすが、一般の労働者は職場もなくただ貧困にあえぐだけだ。
脱退してもしなくてもイギリスの未来はあかるくない。
脱退派と残留派の確執は続き、今後もイギリス大乱は継続しそうだ。
 

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