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(29.6.6) 「カタールよ、イランになびくことは許さん」サウジの最後通告

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中東の地政学は日本人にとっては今一つ訳が分からないところがある。基本的にはスンニ派とシーア派との宗教対立があり、かつてはヨーロッパにもあったプロテスタントとカソリックの対立とよく似ていて互いに敵視し殺し合いをいとわない。
スンニ派の盟主はサウジアラビアで一方シーア派の盟主はイランだ
したがってサウジとイランの宗教対立抗争を中心に中東情勢を見ていけばたいていは当たるのだが、今回のカタールに対するサウジ等スンニ派連合の国交断絶には驚いた。

 カタールはサウジとイランに挟まれてペルシャ湾のサウジ側に存在する国土が秋田県ほどの小国である。人口も200万人を少し超える程度だから日本でいえば中規模の県のイメージだが、一方天然ガスと石油で潤っており世界でも屈指の金持ち国といっていい。
特にLNGの輸出では世界最大でそのうなるカネで2022年のワールドカップの招致に成功した。宗教はスンニ派でサウジと同じであり、従来はサウジ派と思われていた。

 そのサウジ派と思われていたカタールとサウジが国交断絶にまで及んだのはイランとの関係である。本来はスンニ派のカタールとシーア派のイランは犬猿の仲になるはずだが、ペルシャ湾の海底にはイランとカタールにまたがる油田や天然ガス田があってこれの開発はイランとの共同開発が必要になる。
一方的に行うと戦争状態になるから話し合いが必要で、カタールは宗教の対立を越えて経済的利益でイランと結びつき始めた。金持ち国は宗教よりぜぜこだ。

 カタールのイランへの急接近に危機感を持ったサウジがその他スンニ派のエジプト、UAE,バーレーン、イエメン等を糾合して今回の国交断絶を主導した。
サウジと並ぶ大国のエジプトなどは地政学的にはカタールと離れておりこの断行に参加するのは不思議だが、エジプトの軍事政権はスンニ派原理組織ムスリム同胞団と戦闘状態があり、その同胞団にカタールが裏で資金提供しているために断行に参加した。

 アラブの金持ち国はどこも同じだが自国の安全を金をばらまいて守っている。暴力団にみかじめ料を支払っているようなものだが、スンニ派の過激派組織ISにはサウジから資金が流れ、ムスリム同胞団にはカタールから資金が流れている。エジプトのような貧乏国はみかじめ料の支払いがないからいいように国内でテロを決行されるという構図になっている。
なぜ中東でこうした過激派組織が棟梁跋扈するかの原因は金持ち国が資金提供をして「わが国ではテロをしないでくれ」とテロ集団に依頼しているからで、テロが起こるのはイラクやアフガニスタンやパキスタンやエジプトといった貧乏国ばかりなのはそのせいだ

 今回のカタールに対する国交断絶はサウジはイランとの対立でカタールをけん制し、エジプトはムスリム同胞団への資金提供に対抗して断絶に参加したものだ。
何とも中東の地政学は分かりずらい。

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