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(29.6.5) 日銀の国債残高500兆円 「だから何が問題なの!!」黒川日銀の居直り

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 日銀の資産が約500兆円に迫り国内GDPとほぼ同額になるとメディアが報じていた。
一般には「だからどうしたの」というのが普通で、そもそも日銀の資産といわれてもほとんどピンとこないのが実態だ。
企業や家計であれば資産が増えれば「資産家ですね」などと褒められるのだが、日銀の場合はその反対だ。

 なぜ日銀の資産が増えてもほめられないかというと、そのほとんどが国債の購入で約420兆円規模になり、さらに毎月のようにこの国債が増大しているからだ。
国債は国の借金だが、黒川日銀異次元緩和を行うと宣言してから年間80兆円規模で市場から国債を購入しており、これはほぼ国家予算の8割に相当する。発行済み国債全体に占める日銀の残高も膨れ上がっており4割を超えてしまった。
国家予算のほぼ半分は国債発行だが、そのすべてを日銀が結果的に購入している構図になっている。
かつて第二次世界大戦中に日銀は、戦時経済を支えるために国債を直接引き受け、その結果戦後に超インフレが起こったがそれの再来ではないかというのが一部専門家の危惧だ。

 実際他国と比較してもGDP対比で中央銀行の国債対比は日銀が93%、FRBが23%、ECBが28%だから日銀の保有残高が突出している。
しかし一部の専門家を除けば政府の国債発行も、またそのすべてを日銀が実質的に購入していることも懸念材料になっていない。
最大の理由はこの異次元緩和によって金に価値がなくなり金利がゼロ%になっているからだ。

 金に価値がないというのは誤解を生じる表現だが、経済学では利子率という概念があってこれは企業の収益率の範囲内で金融機関が分け前を要求できる利率とされてきた。
簡単に言えば金を貸せば利息が入るということで、その利息の多さ利率の高さ)が金の価値だった。
それが0%ということは金に収益を生む価値がないことで、これは有史以来初めての現象といっていい。

 これは黒川氏があまりに日銀券を市場にばらまいたために、だれも日銀券に興味を示さなくなり借入者がいなくなったといっていい。日銀のバランスシートを見てもわかるが国債に対応する負債の太宗は当座預金の約350兆円で、他に日銀券が100兆円になっている。 
せっかく黒田日銀が国債購入で資金をばらまいてもその使用者がいないから再び資金が日銀に還流して当座預金としてとどまっている。
当座預金の利率は基本ゼロ%だから資産も負債も全く新たな価値を生まなくなってしまった。

 政府はゼロ%で実質償還なしの国債を発行しては財政の帳尻を合わせ、日銀はそのほとんどを購入して政府の国債発行を助けている。日銀は資産も負債も価値を生まないからただ残高を膨らませるだけになっているが、「だからどうしたの」と涼しい顔だ。
まことに不思議な状況だがこれが日本の実態であり、日銀が国債購入を続ける限り政府は心置きなく国債発行をして予算をまかなえる。
資金には新たに価値を生む力はないが使用価値はあるので政府はその使用価値を100%利用している。

 反対に言えば黒田日銀が異次元緩和を続ける限り政府は無限に国債依存ができ、財源不足に悩まなくても済むというまことにパラダイスのような世界が現出している。
安倍政権の財政を黒田氏はこのようにして支えており、緩和を続ける限り日本政府は全く財政規律を考慮しなくてもすむのだから夢のような状況だ。






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