(29.5.20) 相撲は世界一過酷な格闘技なのに力士の安全は守られていない。 横綱稀勢の里の悲劇
予想した通り横綱稀勢の里の力士生命が風前の灯火になってきた。先場所横綱日馬富士との対戦で土俵下に転がり落ちその時左肩を酷く打ち付けた。しばらく起き上がれないくらいの打撲で、翌日の鶴竜との相撲は全く相撲にならなかったが、千秋楽は照ノ富士との直接対決で奇跡の優勝を成し遂げた。左手は使わず右手一本で勝ったのだから日本国中が驚き称賛した。
だがしかしあまりのひどい打撲のため今場所の稀勢の里は全く精彩がない。得意の左おっつけが稀勢の里の武器だがそのおっつけができないため連日薄氷を踏む相撲をとっている。6日目で4勝2敗だが下位相手にこのような相撲をとっていてはとても上位には通用しないだろう。横綱在位3場所であれほど念願だった日本人横綱がすでに満身創痍になってしまった。
私はこのブログで何回も述べているが、相撲のような、世界で最も過酷な格闘技の一つでこれほど選手の安全を考慮しない格闘技は存在しない。
相撲は裸だが他の競技は何らかの防御のための衣類やプロテクターをつけている。柔道は柔道着で守られているし、アメリカンフットボールの選手などは機械仕掛けのロボットのようだ。
プロ野球のキャッチャーはマスクとプロテクターで顔面と体を守っている。
問題は防御がなされていないことだけでなく相撲は土俵というコンクリートのような地面で行われており、さらに高さは約60㎝程度あり転がり落ちればけがをしないほうが不思議なくらいだ。
柔道もレスリングもマットの上だしリングがあるボクシングはロープで転がり落ちないようになっている。一人大相撲だけが60cmもある高さから転がり落ちてコンクリートのような土俵下に打ち付けられている。
おかげで力士は怪我人のオンパレードになってしまい稀勢の里は肩、白鵬は足裏、鶴竜は首、日馬富士は両肘、照ノ富士は膝、豪栄道は足首と怪我人がけがを押して相撲をとっている。
これほど怪我人が続出しているのに相撲協会は全く力士を守ろうとするルール改正をしない。
なぜこれほど怪我人が増えたのかの最大の理由は大相撲から八百長がなくなって、いわゆるガチンオ相撲になったからだが、数年前に八百長が蔓延していることがばれ以来八百長が禁止になったからである。
かつては相撲が八百長で成り立っていたため、従来は土俵がどんなに高くても安全だった、最初からプロレスのように負けのスタイルが決められておりその通りに負けるのだからけがなどするはずがない。相撲は歌舞伎と同じ見世物でそれゆえ最も近くが上席になって砂被りと称される土俵下に観客がいてもほとんど安全だった。
相撲協会は「八百長はない」と言い張ることで虚業を催していたのだが、だれにも分かる形で八百長がばれてしまった後は本当の格闘技になってきた。
注)相撲が八百長で成り立っていたことは前回のブログで詳細に述べてある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2017/03/pppp.html
そうなれば選手が本気で土俵下に落ちてくるから関取本人も観客も命の保証がなくなってきている。それなのに相撲協会は観客席を後ろに下げたり、土俵の高さを今の半分程度にすることさえせず、また周りにマットを敷くこともしない。
かくして日本人が待ちに待った日本人横綱稀勢の里が在位3場所でよれよれの横綱になってしまった。
相撲協会はいったいいつになったら力士生命を守る改革に着手するのだろうか。このままでは稀勢の里、遠藤といった人気力士が力士生命を失うのは時間の問題だし、アクロバットのような相撲を取る宇良もけがで早期引退を迫られてしまうだろう。
八百長を止めてガチンコ相撲をとるならコンクリートのような固さでしかも60cmもの段差のある場所で裸で格闘技をさせるなどとはキチガイ沙汰といっていい。
いつになったら相撲協会は力士生命を守る改革を行うのか気が気でない。
注)かつてはすべての相撲が八百長だったといっているのではない。八百長が折り合わなかった場合はガチンコになったが、八百長が主でガチンコが従だったと言っているのである。
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