(29.4.2) 中国経済は統計上は回復したが、人民元は誰も見向きもしなくなってきた。
だから言ったじゃないのという状況になってきた。世界市場で中国の人民元のウェイトが低下し始めている。SWIFT(国際決済銀行)の調べで人民元の貿易と投資に利用された割合は15年12月は2.3%だったものが16年12月が1.7%になり最近はさらに低下していると推測されている。
昨年の9月にIMFの特別引き出し権のバスケット通貨に指定されて鼻息が荒かったが、対ドル対比で元安が進み、これは中国人民銀行の予測と全く反対の結果で、人民元は世界から見放されつつある。
中国人民銀行としたらIMFのバスケット通貨になり国際通貨になのだから為替管理はやめる方向にもっていこうと決心したのだが、中国人民は全く別のことを考えていた。
「ようやく為替管理が緩められるのだから、今のうちに中国国内の元を海外に持ち出して、習近平の査察の目から資金を守ろう。投資を偽装して海外送金じゃ海外送金じゃ!!」
16年度にあまりに投資と称する資金逃避が増えすぎたために中国人民銀行が驚愕した。
「習主席、このままでは国内から元がなくなってしまいます。送金を止めなければ中国経済は破綻します」
怒涛のような人民元流失に慌てた人民銀行は昨年の11月頃から厳しい為替管理を始め、他人名義の送金や不動産購入の禁止、海外でのクレジットカードの使用制限、それに地下銀行の摘発を進めた結果、最近になりぴたりといっていいほど資金移動が止まった。
「やはり為替管理こそ中国の生きる道だ!!!国際通貨になろうとしたのが間違いだった・・・・」
周小川中国人民銀行総裁は胸をなぜおろしたが、一方で元に対する悪評は芬々たるもので、「こんな使い勝手の悪い通貨など持ちたくない」と香港の人民元預金などが半減している。
習近平氏としてはAIIBを立ち上げ、世界の金融覇権を目指したが、人民元が全くの不評で融資はドルでしか行われず、元を中国がいくら持っていても仕方のない状況になっている。
人民元の評価は散々だが一方で中国経済はいつもの統計操作によって低迷期を脱したことになっている。
中国の準備預金は減少し決済通貨としての人民元など見向きもされなくなり、国内では短期資金と国債の値上がりがあって国内投資にも支障がきたし始めたが、「まあ。それでも統計結果はいいんだからいいんじゃない・・・・・・」などとブルームバーグや日経といった統計数字至上主義者は「中国経済は回復基調にある」などと評価している。
だが経済(経営)実態が低迷すればどこも統計数字(決算数字)で覆い隠すのは中国でも東芝でも同じことだ。
中国経済は統計数字をいくら見ても無駄で、中国人民銀行と人民元の動きを見ていくのが最も確かな経済実態の把握になる。そして実態は人民元は見捨てられた通貨になりつつあるのだ。
(別件)
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