(29.4.10) 何ともきな臭い東芝たたきが始まった。 米国貿易委員会による特許侵害調査
どうもまたおかしな動きがある。アメリカの貿易委員会(ITC)が東芝の半導体フラッシュメモリが台湾のマクロニクスの特許を侵害しているのではないかと調査に乗り出したことだ。
これはマクロニクスの申し立てによってITCが調査を開始したのだが、侵害が確定すれば東芝のフラッシュメモリを搭載した商品のアメリカへの輸出ができなくなる。
こうした特許論争はどこにでもありしばらく前まではアップルとサムスンが互いに訴えあっていたが、きな臭いのはマクロニクスが東芝が半導体部門を売却しようとしているときにタイミングを見計らって申し立てをしたことだ。
マクロニクスとしてはこの時期に申し立てをすれば東芝は最後まで争うことなく示談に応ずると読んだのだろうが、どうもそれだけではないような気がする。
注)貿易委員会に訴えるのは裁定が40日程度で出て裁判に訴えるより非常に早く対応がされるため。
アメリカ側の事情もありそうで東芝がWH(ウエスチングハウス)を連邦破産法第11条の申請をして倒産させたことに対する報復措置ではないかと疑われる。
WHを破産させることに対しては、米政府から厳しいクレームがついていたのだがそれを無視して破産法の申請を東芝は行っている。
この会社には従業員が14.500人おり、その失職問題が発生するのをトランプ政権が非常に危惧していたからだ。
「アメリカから撤退することはゆるさない」とのメッセージである。
破産法11条は日本の民事再生法にあたり会社再生のための法律で、金融機関等の大口債権者の借金を棒引きし、自らは従業員を馘首して体質を強化して再び事業を継続することを目的とする。
GMなどもこれで再建されているので東芝が11条の申請をしたとしても別段法的には問題はないが、トランプ政権の反対を押し切って申請した以上その報復措置が取られるのは予想できたことだ。
しばらく前にトヨタが全米の販売で一位になったとたんにプリウスの急発進問題が発生し、トヨタの社長はアメリカ議会の公聴会でつるし上げにあった。
プリウス問題は販売低下で倒産したGMや経営不振だったフォードが立ち直るまでつづけられたが最後は無罪だった。
米国は法治国家だが、正面から攻めきれないときはこのようなからめ手の戦術をよくとる。
もう一つの目的と考えられるのは特許侵害の申し立てが東芝の半導体部門売却でアメリカに有利に働くことだ。
現在東芝の半導体部門の購入に名乗りを上げているのは10社程度あるが、本命は台湾の鴻海の3兆円とアメリカのブロードコムの2兆円で、一方日本政府は販売先が中国、韓国、台湾の場合は差し止め命令を出す可能性が高い。
現状ではブロードコムに落札される可能性が高いのだが、特許侵害訴訟があれば当然落札価格を低くすることが可能になる。アメリカ政府がそのために裏で糸を引いているのではないかと疑われる案件だ。
アメリカとしたらWHを倒産させるなら、東芝の半導体部門を安く買いたたくということだが、一方日本政府は裏で盛んに日本連合による購入を画策している。
日本連合の中核には富士通の名前が挙がっているがこちらは購入したくはないが通商産業省の強い申し出であれば致し方ないという態度だ。
アメリカは「特許紛争で勝利したければアメリカのいうことを聞け」ということで、ブロードコムに落札させてアメリカ政府を無視したWH倒産の仇を討とうということのように見える。江戸の敵は長崎でということだ。
(別件)
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