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(29.2.25) NHK「リアルボイス・ダイナー」 貧しい白人の本音が聞ける

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 先日何気なくテレビを見ていたらNHKで「リアル・ボイス」という番組を放送していた。私は初めて見たが世界各国に出かけて行って大衆食堂にマイクとカメラを設置して、自由にその大衆食堂にやってきた人に本音をしゃべってもらう番組らしい。
私が見たのは「リアル・ボイス・ダイナー」という番組で、アメリカのあちこちにある大衆食堂での収録だったが、大衆食堂のことをダイナーと呼ぶらしかった。

 マクドナルドやフライドチキンのようなチェーン店とは異なった個人商店のようなものらしく、見た目は日本のファミリーレストランに似ているがメニューはその土地特有の料理のようだった。
値段は高くても1000円程度で600円前後からのメニューがあったから、日本のファミレスより低価格帯で料理の量が多いところなどは確かにアメリカの大衆食堂なのだろう。

 この番組がここにマイクを据えたのはアメリカのエスタブリッシュメントが多い、ニューヨークやワシントンでなくアメリカの田舎のアメリカ人の本音を探ることが目的だったからで、そこに集まる人々はほとんどが労働者階級だった。
番組はトランプ氏が大統領に選出され、まだ正式に就任する前の期間を取り扱っており、アメリカの4州のダイナーでの収録だったが、特に印象的だったのはGMの本拠があるミズーリ州のダイナーだった。

 ちょうどGMが数百人規模の指名解雇を行うことが決まっており、解雇は臨時雇いの職員を中心になされるためダイナーには解雇される職員が最後の細々とした食事をしていた。
こうした人々にとって最後のよりどころはトランプ氏で「何とかトランプがここにやってきてGMの解雇を思いとどまらせてもらえないだろうか」と懸命に訴えていた。
ほとんどが白人であり私が子供のころに抱いていた豊かで鷹揚な白人とは全く異なっていて、醜く太って大衆食堂でしか食事ができない貧しい人々だった。

 あるGM関連のトラック運転手も解雇されたのだが、どこにも行くべき場所がなくこの大衆食堂にたむろしていたが金がないために食事を頼むこともできない。たまたま雪が降って入り口に積もっていたため、その雪かきを行うことで店からコーヒーを飲ませてもらっていた。
ただひたすら貧しく追い詰められた人々で、製造業がアメリカ国内ではリストラを進めるためますます貧しくなるプア・ホワイトの悲哀がよくわかる番組だった。

 こうしたプア・ホアイトにとっては世界のことなどまったく関心がなく、難民も移民も自分たちの職場をおびやかす存在であり、また自由貿易で企業が中国やメキシコに出て行ってしまえば他に就職する先はない未来なき人々だった。
ほとんどが高校卒で工場労働者になった人々であり、東部や西部の著名な大学や大学院を出てニューヨークやワシントンで活躍するエリ-トとは全く異質の人々がいることをこの番組は教えてくれた。

中国人やメキシコ人をぶっ潰してこの国を救ってくれるのがトランプ大統領で、俺たちに誇りを取り戻してくれるのもまたトランプ大統領だ」とプア・ホワイトは叫んでいる。
こうした貧しいアメリカ人がアメリカ人の半数を占めていることで、トランプ氏は当選したのだが、トランプ氏はそのために世界中から工場をアメリカに呼び戻そうとしえいる。
保護貿易主義こそがアメリカの貧しい白人を救う唯一の方策になっており、最大の武器が保護関税と不法移民や難民をアメリカから排除する方策だ。

 確かにこれでアメリカの製造業は復活するが中国製品やメキシコ製品より安い製品を作ることは不可能なので、高率の保護関税で国内市場を守るよりほかに対策はない。
すでに世界貿易は縮小し始めているが、アメリカが本格的に保護貿易にかじを切れば世界貿易は激減する。
中国や韓国といった貿易立国はその生存基盤を失うし、日本の輸出産業も少なからず影響を受けるだろう。

 世界中で保護主義が蔓延すればすでに国内に豊かな市場を持っている国以外は成長すらおぼつかなくて貧困が固定したままになる。
そうなっても人々は世界のことには無関心になり人類は互いに他人というあの19世紀以前の時代に逆行しつつある。
アメリカは豊かになるが世界中が貧しくなる時代がやってきた。

 

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コメント

お邪魔します。
 世界には今なお多くの人が飢餓や貧困で苦しんでいますが、残念ながらそういう人全てに分け与えられるだけの富はありません。当ブログで拡大の限界を悟って今のイギリスに壁を作った古代ローマの皇帝を知りましたが、今成長の限界に達し(地球の資源や環境がもたない?)、再び壁を作って自分達の富を守ろうという動きが出てきているのでしょう。漫画『進撃の巨人』では壁を作って当面の平和を確保していましたが(物語冒頭までは)、現実には壁を作ったところで、壁の内側で「他者から奪ってでも、自分がより多くを得たい」人間による抗争が起こるのではないかと思われます。思えばタックスヘイブンよろしく、製造の拠点を賃金の安い(生活水準の低い)途上国に移す事で、自国の労働者の富を奪ってきました(資本家だけではなく消費者も)。壁ができればそれがより露骨(北朝鮮の金正男殺害波に?)になるのではないかと思われます。
 ネットで「メキシコの不法移民が増えたのは、NAFTAで大枚の補助金を受けたアメリカの農業が、メキシコの農業に壊滅的打撃を与えた事も一因」というのを見ました。従来アメリカの農業が受けていた恩恵がアメリカの製造業の労働者に回れば良いのですが、「今あるものを失うのを恐れ、抵抗する」のが人の性ですから。

投稿: ブロガー(志望) | 2017年2月25日 (土) 12時46分

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