« (29.2.21) なぜ毎日数学の問題を解いているのか。 老人の最後の勤め | トップページ | (29.2.23) トランプ政権のロシアンゲート 「まずい、フリン隠れていろ!!」 »

(29.2.22) 21世紀中世文明とトランプ大統領 「信念こそ真実だとなぜ理解しない!!」

Dscf6379 

 21世紀中世文明と資本主義文明の相克
が起こっている。21世紀中世文明の代表者はアメリカのトランプ大統領で、大統領にとっての真実とメディアが把握している真実がことごとく異なっている。
典型的なのは大統領就任式典の参加者数で、トランプ氏はオバマ大統領の就任式の参加人員より多かったと主張して止まない。
メディアは当時のビデオや写真といった証拠を提出して明らかにオバマ氏の就任式のほうが多かったと反論したが、トランプ氏は一顧だにしない。
俺のほうが多かった。絶対だ

 客観的証拠ではなく主観的信念が真実となっており、トランプ氏にとって信念こそが真実なのだ。
大統領令では中東7か国のイスラム教徒の入国を禁止したが、これもこの国民がテロを起こすとの信念からだ。
メディアや裁判所がこの7か国の国民がテロを起こしたという証拠はないと反論しても、トランプ氏の信念はゆるがない。
うるせい、フェイクニュース(偽ニュース)のメディアは間違っている。確実にこの7か国のイスラム教徒はテロを起こす

 中世的信念とは「主観こそ真実で客観などありえない」という断固とした意志で、かつてのキリスト教会でとっていた態度と同じだ。
天が動いており大地は動かない。神がそう教えたもうた
多くのメディアは当惑しているが、メディアの基本的精神が客観性を重視していて、客観的証拠こそ真実を実証すると判断しているからだ。
これを資本主義文明の精神というのだが、トランプ氏のような21世紀中世人には全く効果がない。判断基準が主観であり客観ではないからだ

 メキシコ国境に壁を建設するのも主観的態度であって、3000kmあまりに壁を建設してもメキシコ人は飛行機やバスで観光客を装えば入国できる。壁を乗り越えている人々はこうした運賃を払えないほど貧しい人々だが、国境を壁で封鎖されれば今度はバスを使うだろう。
だから入国阻止などは不可能なのだが、「いや絶対に壁だ。何が何でも壁だ」とトランプ氏は叫んでいる。トランプ氏の信念にとっては壁があればメキシコ人は一人も入国できなくなっているからだ。

 オバマ氏は資本主義文明の精神の中にいたからTPPによって環太平洋地域の貿易拡大を目指したり、自由・平等・博愛の精神から核兵器の廃絶やオバマケアや難民問題に好意的だったが、こうした資本主義文明はトランプ氏にとって我慢のならないものだ。
人類などという精神とは無縁で、アメリカンファーストであり、そして本音ではアメリカン・ホワイトファーストなのだ。
トランプ氏が目指しているのはかつて製造業で働いてアメリカの中産階級の中核を担っていたホワイトの復活であり、そのために製造業をアメリカに呼び戻すことに熱心だ。

 自動車産業こそがその中核だからフォードやGMやトヨタが狙い撃ちにされ、メキシコに工場を建設することがほとんど不可能になりつつある。
どうしてもメキシコかい。なら35%の報復関税だ
メキシコとの間にはNAFTAという自由貿易協定があるのだが、すべては大統領令で覆すつもりだ。
法律や条約より大統領令が優先するのがトランプ氏の信念だから、裁判所がトランプ氏のイスラム7国民の入国を禁止した大統領令に反対すれば、「あの裁判官のくそ野郎が・・・・大統領と裁判官のどちらが偉いと思ってんだ、おれは法王だぞ!!」とツイッターで悪態をつく。
資本主義文明の成果である三権分立など歯牙にもかけず、トランプ氏の信念はゆるぎない。

 これを21世紀中世と資本主義文明の相克という。資本主義文明は人類が発明発展させた文明で最も成功した文明だが、その基本精神が生産力の増強(GDPの増大)だったため、生産力が頭打ちになると黄昏が訪れた。
表面的にはまだGDPが増加していることになっているが、中国の統計操作による改ざんと、アメリカ、日本、EUが相次いで採用した輪転機経済で株価と不動産価格を押し上げて無理な成長を演出しているからだ。
本来必要なモノとサービスは有り余ってしまい「これ以上何が必要なの」という段階に到達し資本主義文明の活力がなくなった。

 トランプ氏がいくらアメリカに製造業を回帰させてもメキシコや中国や日本の製造業が縮小するだけだから世界全体としてGDP が増大するわけでない。しかしアメリカのプア・ホワイトにとっては福音だからトランプ氏の信念はここでも揺るがない。
世界のことなど知ったことではない。アメリカよ、アメリカ。それも白人の地位が向上すればいいんだ!!!



 

 

 

 

|

« (29.2.21) なぜ毎日数学の問題を解いているのか。 老人の最後の勤め | トップページ | (29.2.23) トランプ政権のロシアンゲート 「まずい、フリン隠れていろ!!」 »

評論 世界経済 アメリカ経済 トランプ大統領」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« (29.2.21) なぜ毎日数学の問題を解いているのか。 老人の最後の勤め | トップページ | (29.2.23) トランプ政権のロシアンゲート 「まずい、フリン隠れていろ!!」 »