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(28.12.24) 少子高齢化社会では医療産業以外に成長産業はない

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 日本の人口がますます減少している。厚生労働省の28年度末の人口動態調査推計によると、一年間の出生者数は約98万人で一方死亡者数は約130万人となり、32万人の減少になるという。
日本の人口が減少し始めたのは2007年ごろからだが毎年のように人口減に見舞われておりとうとう世界最速の少子高齢化社会になってしまった。

 65歳以上の人口比率は27%で、次はイタリアやドイツの22%前後だから、ダントツの高齢化社会であり、一方15歳未満は13%でこれも世界最小だ。
日本国中どこに行っても老人だらけで子供は極端に少なくなっており、私の娘は農村地域に嫁いでいるのだが、そこには娘の孫しか幼児はいない。
じいさんばあさんばかりが遊び相手で3歳の孫は「おばあちゃんのところにお茶をしに行ってくる」といって出かけているほどだ。

 この少子高齢化社会は今日本で特に極端に進行しているが、隣の韓国や中国でも進行中であり、ヨーロッパはかなり前から少子化に悩んでいた。
いわば世界的傾向なのだがこれは人類史の転換点がやってきたのだと思っていい。
現在世界人口は約73億人であり、しばらく前の国連推計では100億人に達すると警告が発せられていたが、実際はそうはならない。

 先進国も新興国もGDPが拡大して裕福になったとたんに子供を産む意欲を失なってしまう。最大の理由は子供が消費財になり生産財でなくなることだが、日本で子供を大学に入れると年間で200万円程度は覚悟しなければならない。二人もいると400万円で、日本人の平均年収が約400万円だからとてもやっていけない。
実際は共働きや奨学金等を得て大学に行っているが、大学を出てもよい就職先は年々減少し、また平均年収も減少している。

 日本の大学生は特に文系の学生は全く勉強しないことで有名で遊びに行っているだけだから、親としたら「なんでこんなに苦しんでまで子供を育てなくてはならないのか」と悩んでしまう。そうした親を見ているから子供はできるだけ結婚せず子供も産まないようにして自分だけの生を楽しむことになる。
こうした社会では絶対に人口は増加しない。

 まだ人口が増加しているのはインドといった農業生産比率が高い国だけだが、ここでは子供は労働力だから人数が多ければ多いほど裕福になる。だからいくらでも子供を産むが農業比率が低くなるにしたがって子供は消費財に転化していき、ここでも人口増加はストップする。
簡単に言えば金ばかりかかって何の役にも立たないから子供を産む意欲がなくなるのだ。

 こうした流れは必然で日本は老人ばかりが増えると覚悟して少子高齢化社会に対応する必要がある。
高齢者の最大の特色は病気持ちで何か常に病院通いをしており、ご多分に漏れず私も昨年から大学病院等に通い詰めている。
待合室にいるのはほとんど老人で歩くこともおぼつかない人がわんさかいるので、何か私などは「俺はまだ歩けるから大したものだ」などと優越感を感じるが、歩けることが賞賛に値するのは幼児と老人だけで、若者や成人ならだれでも歩けるのが当たり前だ。
しかし日本ではこの歩けることが価値のある社会に入りつつある。

 簡単に言えば日本の社会で今後需要があるのは老人に対する医療関連だけで、医療と介護以外に成長産業はない。病人だけが今後とも激増するから医者などは最も有力な成長業種で誰もが医者になりたがっているが、日本の医学部はその成長余力に比較して定員が少ない。これはギルド的医師会の反対があって増加できないのだが、これでは日本の唯一の成長産業が羽ばたくことができない。
現在すでに医師免許を持っている人は自身の利益を極大化をするために医師数の制限を働きかけているのだが、それに負けてはだめで少子高齢化で老人ばかりの日本では医療産業を世界最大規模で発展させるのが唯一残された手段といっていい。
そして世界中が老人社会になるのは時間の問題だからこの老人医療大国こそは日本の将来を決定する最後の手段といえる。

 

 

 

 

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