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(28.12.29) 原子力発電の時代の終わり 東芝は世界の潮流を見誤った。

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 おそらく東芝にはもう後がないのだと思う。昨年は粉飾決算操作で16年3月期の最終損益は4600億円の赤字だったが、今年も同程度の赤字になるという。
決算操作はパソコンや白物家電が全く利益が上がっていないのにあたかも利益があるように決算操作をしていたのだが、これは中国の国営企業が行っている方法と全く同じで、その結果累損を拡大してしまった。

注)決算操作の明細は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/12/ppp-5492.html

 今年はそうした決算操作をやめ、かつ半導体部門が好調になってきたので黒字に転換すると予測されていたが、ここにきて一気に暗雲が垂れ込めた。
グループ会社のウェスチングハウスWH)に巨額な特別損失が発生することが分かったからだ。
WHはアメリカにある原子力発電所の建設やメンテを行っている巨大会社だが、東芝が2006年に約6000億円で買収した。
このWHが昨年買収したS&Wという会社に数千億規模の含み損があることが分かったからだ。
S&WとWHは企業連合を組んでアメリカの原子力発電所の建設を行っていたが、これをゼロ円でWHが昨年買収した。
ゼロ円で巨大会社を買収できるなんて快挙だ」当初東芝はそう判断したが、これが実際はクズのような会社で、WHはS&Pの借金を肩代わりしただけになった。

 東芝が原子力部門で判断ミスを繰り返しているのは、原子力の時代が終わって世界的規模で原発の建設が中止になっているときに、なお原子力が未来の産業だと誤認しているところにある。
福島原発事故で日本では原子力発電の稼働がほとんど止まり、新たな建設など夢のまた夢になっているが、これは世界的にもそうで「原発は建設費用や運転費用は安くても廃炉に莫大な金額がかかるから全くペイしません」というの常識になっている。
福島第一原発などは約1兆円で建設されたのだが、廃炉費用に約8兆円がかかるという。
考えても見てほしい、家を建設するのは1200万円でできるがそれを取り壊すのに1億円もかかる建物など誰が建設するだろうか。

 福島第一原発が例外だと思ってはいけない。今では廃炉にはその程度かけて慎重に行わないと国民が納得しない。
また建設費用も地震対策などを何重にも行うので、いったいいくら金をかければいいのだろうかといった状況になっている。

 簡単に言えば原子力発電ほど金のかかる発電はなく、今原子力発電所を建設するのは単に愚かさだけの象徴のようなものだ。
特に先進国においては電力消費量は低減しており日本も人口減少が始まり、工場の海外移転が本格化した2005年ごろから漸減局面に入った。
もはや電力は有り余っているので馬鹿高いコストのかかる原子力発電は見向きもされなくなった。

 こうした中で東芝は相も変わらず原子力部門と半導体部門を経営の軸にし、実際は原子力の方に傾斜していったのだから完全に時代を読み誤った。
WHが赤字経営なのも、また買収したS&Wに膨大な赤字が累積していたのも、原子力という斜陽産業を無理やり維持しようとしていたからで、日本の昭和30年代の石炭産業と同じ運命をたどっていると思えばいい。

 すでに先進国では電力需要は減少しており、新興国も頭打ちになってきている。今電力需要が伸びるのはインドといった後進国しかないが、ベトナムの例でみられるようにコストが天文学的に増えつつある原子力発電の建設は取りやめが続いている。
東芝がいつまでも原子力部門にこだわればほとんど明日はないという状況に追い込まれているが、一方でWHを売却して退却しようにも買い手は中国以外にはありそうもない。

 

 

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