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(28.11.18) 笛吹けど踊らない中国不動産市場 地方政府の借金だけが累積されている

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 中国の不動産統計は実に魔訶不可思議だ。中国政府が発表した主要70都市の不動産指数によれば15年4月を底値に毎月のように上昇し、特に都市部での上昇が激しく過去最高値を更新している。
見よ、我が国の経済は至って順調に発展している
中国政府は胸を張って6・7%の成長が達成されたのは不動産市場の好調さにあるという。
だが実態はGDP6.7%は中国政府の目標数字で、またこの不動産統計も目標数字に過ぎない。

 それがなぜわかるかというと、先日NHKスペシャルが「巨龍中国一億大移動」で報じた内容では、不動産は全くと言っていいほど売れていないからだ。
中国は約1億人の農民工を都市に定住させる計画をたて、中国内部の中小都市に住宅建設を加速させており、実際瀟洒な街並みが次々にできているが、そこに住む人はほとんどいない。
映像では夜になって明かりのついている部屋が全体の5%程度しかなく、次々に建設されるマンションはすべてといっていいほど幽霊屋敷になっている。

注)NHKスペシャル「巨龍中国一億大移動」の詳細は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/ppppp.html 

 不動産価格は着実に上昇しているのに、実際は全くと言っていいほど売られていない。この酷いアンバランスはどう解釈したらいいのだろうか。
現在中国では過剰生産恐慌に陥っており、国有会社はいづれも倒産の危機にある。それでも倒産しないのは政府が国有銀行を通じて赤字見合い資金の融資を継続しているからで、この輸血を止めればただちに倒産してしまう。
資本主義社会ならば企業倒産を通じて需給バランスは回復するのだが、中国の場合はそれができない。
国有企業は中国共産党の牙城であり従業員はすべてといっていいほど共産党員で、企業倒産は即中国共産党員の失業につながるからことは面倒だ。
「なんだい、おれたちのおかげで共産党は持っているのに首切りかい。それなら共産党員をやめる

 習近平政権がこの過剰生産対策のために打ち出したのが「農民工を都市に定着させる大プロジェクト」で、中国内部の中小都市に一億人分の住宅建設に乗り出した。1億人といえば日本の人口とほぼ同じだから日本一国分の住宅建設に相当する。
NHKスペシャルの影像でも沿岸部に住んでいた農民工が追い出されて中小都市に移り住むように勧誘されている実態が映し出されていたが、実際は農民工はマンションに住むことはできない。
理由は簡単で持っている資金は4百万円前後だがマンション価格は1千万円を超えるからである。

 それでも住宅建設をやめないのは過剰生産恐慌に陥っている国有企業の救済措置が必要だからで、しかも中国では生産することが大事で販売は二の次だから地方都市の共産党組織は胸を張って党中央に報告している。
標の2千戸は完成しました。GDPは6.7%成長です。え、住んでいる人がいるかという質問ですか。お喜びください共産党幹部だけが住んでいます

 しかしこれでは国有企業は販路先を見つけることができても、実際にマンションを建設して販売責任がある地方政府には全くと言っていいほど売り上げ代金が入ってこない。
それでも平気なのは国有銀行が融資を継続してくれるからで、国有銀行は地方政府をつぶすことはできない。
日本でも夕張市以外の地方都市の倒産はないが中国でも同じだ。

 だが、これでは経済が回らないのでそこで登場するのが不動産統計だ。まったく売れてない物件があたかも販売されているように装い販売促進を図ろうという算段である。
「間違いなく価格は上昇します。お客さん今が絶対の買い時ですよ。この不動産統計を見てください。15年4月以降上昇の一途です

 もちろんこうした数字操作をしても現地で暮らす中国人はやすやすとだまされないが、外国人は違う。統計数字だけ見て判断する投資家が多ければ「中国の不動産は絶対の買い時だ。どこでもいいから買いまくれ」となって海外から資金を導入できる。
それを見た中国人がこんどは提灯買いをするので、再び不動産市場は活況を取り戻し国有産業の過剰生産恐慌も解消できるという算段だ。

 中国ではあらゆる統計資料が政府の意図のもとに製作されているので、それを見れば政府が何をしようとしているかはわかるが、一方実態とは全く関係ない。不動産指数の上昇とは中国政府が不動産投資による不況の打開を図ろうとしている意思表示だが、最近では海外投資家といえどもそれに乗せられる人は少なくなってきている。
その結果販売できないマンションが幽霊のようになって林立しているのが実態だ。


 

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評論 世界経済 中国経済 不動産投資・統計」カテゴリの記事

コメント

数年前、伊藤忠が中国不動産業界に大々的に投資するという話を思い出しました。
もちろん、大成功しているんでしょうね....

投稿: ken | 2016年11月18日 (金) 07時05分

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