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(28.11.1) 中国農民工の大奔流  行くべき場所はどこにもない!!

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 10月30日のNHKスペシャル巨龍中国1億大移動 流転する農民工」は実に興味深いレポートだった。現在中国には約3億人の農民工がいると推定されているが、そのうちの1億人を現在居住している沿岸部の大都市から内陸部の中小都市に移動させて都市市民として居住させる計画がある。
なぜそのような措置が必要かというと、沿岸部の工場地帯が過剰生産に陥り農民工を必要としなくなって追い返したいのだが、一方農民工が帰る農村はすでに崩壊してしまって帰るべき場所がないからだ。

注)ほとんどの村から家族そろって農民工として都市部に出てしまったため、農村部には小学校も残っていない。

 そのため農民工が流浪の民になって全国を渡り歩くようになりかつての王朝末期のような状況になってきた。
このままいくと約3億の農民工が反乱分子になってしまう。何とか定住させて社会を安定させよう
習近平政権が苦肉の策として打ち出したのが内陸部の中小都市の再開発で内陸部に近代的な都市を作りそこに住まわせるという案だが、これが実際は全く機能していないさまがNHKのレポートで分かった。

 移住のためにはまず都市部のスラム街から農民工を追い出す必要があり、こちらは強権で追い出しているのだが、追い出された農民工は貧困階級だから中小都市のマンションを購入することができない。
マンション建設は地方政府の役割で実に立派な都市が建設されており、ちょうど幕張の新都心のような雰囲気だがそこに住む人は全くと言っていいほどいない。
なぜそれがわかるかというと夜半になると15階程度の新興住宅で明かりのついている住居は2から3軒程度しかないからだ。
おそらく一棟60軒はありそうなマンションで2から3軒である。比率にして約5%程度だがこれがどこの中小都市に行っても同じなのだ。

 中国では毎年6.5%前後の成長をしていることになっているがその成長の実態がこのマンションである。
社会主義国特有の統計手法だが中国には生産統計はあるが販売統計はない。正確に言うとGDPに反映させるのは生産統計で販売統計は無視される。
なぜそうなるかというと社会主義経済の建前では「必要なものを生産している以上生産されたものは必ず完売される」ことになっているからだ
だから売れようが売れまいが無視してひたすら生産に励むのが社会主義経済の特色だが、このためにマルクスの言う過剰生産恐慌に陥ってしまう。

 現在の中国がそれで鉄鋼も石炭もアルミも液晶パネルも生産過剰になりそしてマンションも生産過剰になって購入しているのはこのマンション群を建設した関係者(主として役人)だけになってしまった。
当初目的の農民工は沿岸部の大都市から追い払われ、もといた農村部は崩壊しており、政府が主導している中小都市のマンションは高価すぎて購入できないというひどいジレンマに陥っている。
このため農民工は職を求めて中国中を流浪することになり、政権末期の様相を呈し始めている。

 社会主義経済の決定的な弱点は生産至上主義であり、市場を全く無視するため必ず過剰生産に陥ってしまうことだ。売れなければ販売者(マンションの場合は地方政府や第3セクター)に赤字が累積されるのだがそれを国有銀行がファイナンスして生産を継続させる構造をとる。
だから生産過剰はいつまでたっても収まらず国有銀行が崩壊するまで継続される。ソビエトロシアはそうして崩壊したが、今また中国がそのわだちを踏みつつある。
マルクスの予言通り「社会主義経済は過剰生産恐慌を繰り返して崩壊し、最後は資本主義経済になるのだ
農民工は「鉄鎖以外に失うものはない」のだから必ずそうなるというのがマルクスの予言である。



 

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