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(28.11.15) 輸出立国の崩壊 中国経済がこけアメリカが保護主義になれば貿易は激減する

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 輸出入を合わせた世界貿易が毎月のように減少している。この原因は世界貿易をリードしてきた中国経済が2014年夏を境に崩壊過程に入ったためであるが、ここにきてさらに追い打ちをかける事態が発生した。
アメリカでトランプ氏が大統領になり保護主義政策を実施することが確実になったからだ。
世界貿易のウエイトでは中国がダントツでその約6割ぐらいのウェイトでアメリカとドイツが続くがその世界のトップの2国が一方は経済崩壊、他方は保護主義による関税障壁で貿易量を減らしていけば、世界の貿易額は激減する。

 特に影響が大きいのは貿易立国でGDPに対する輸出の割合は韓国が約40%、中国が約25%、日本が約15%、そしてアメリカが約10%だから、現在最も大きな影響を受けている輸出大国は韓国ということになる。
実際韓国経済は瀕死の重傷で造船や海運はすべてゾンビ企業になり、サムスンは自慢のギャラクシーが火を噴いてスマートフォン市場でシェアを激減しているし、現代自動車は国内労組のストでまともに自動車生産ができなくなってしまった。
さらに政治情勢は末期的症状でいつパク・クネ大統領が辞任するかというカウントダウンが始まっている。

 中国経済の失速でこの有様だが、さらにアメリカ経済が関税障壁で輸入を制限するとアメリカへの輸出量が多い中国、カナダ、メキシコに決定的な影響が出る。特にひどい影響が出るのは中国で、安価な中国製品も関税をかけられてアメリカ国内製品と競争するのではもはやアメリカへの輸出に頼れないことは確かだ。
20世紀後半はアメリカ主導で自由貿易が花開いたが、21世紀は同じくアメリカ主導で保護貿易が花開くことになる。

 このため各国は貿易に頼ることができなくなり、最終的には国内市場だけがその国の企業の市場になってしまう。勿論貿易は行われるが必要最小限に限られ日本でいえば国内で算出しない原油や天然ガスや鉄鉱石といったところで、国内に代替製品があるものは関税障壁ですべて守られるから農産物の輸入などほとんど発生しないことになる。
この結果GDPは加速度的に減少するがそれは大雑把に言えば国内消費の割合まで減少するだろう。
GDP水準は日本だったら現状の約6割、アメリカで約7割、中国や韓国で約5割程度まで落ち込んでそこで安定するが、もはやGDPが増加するなどとは夢のまた夢になる。

 現在先進国では財やサービスが行き渡ってしまいこれ以上生産を増加してもどうしようもない水準になっているが、それでもGDPが増加しているのは株式と不動産に資金を投下して金融や証券関連の利益でGDPのかさ上げを行っているからだ。
日本の黒田総裁の金融緩和もアメリカやEUの金融緩和も資金は通常の財やサービスに向かわず株式と不動産、そしてしばらく前までは天然資源に向かっていた。

 だが、この金融緩和策も限界に近付いている、富が金融証券関連や不動産関連に集中して1%の国民が富を独占するようになり、それゆえトランプ氏のようにウォール街に反旗を翻す大統領が当選したからだ。
選挙では99%の怒れる国民が勝つから、もはや金融緩和によるGDPの拡大策も終わりに近づいた。

 貿易立国もダメ金融緩和による一部国民に対する富の集中もダメということになれば、後は国内消費だけをあてに細々と経済運営を行う以外に対応策はない。
それが21世紀の現実であり、今後とも世界の貿易金額は漸減し、金融緩和が限界に達すれば先進国経済は完全にストップする。
まだ財とサービスを必要とするインドやアフリカのような諸国はあるものの、一方で先進国や振興国は過剰生産に陥るから全体としたらGDPは減少する。

 何度も言うように成長の20世紀は終わり停滞と後退の21世紀が始まり、成長神話も崩壊したのだ。これを新しい中世と呼ぶことは何度も説明してある。




 

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コメント

トランプの率いる米国の経済の行く手は暗雲が立ち込めている。私の経済予想は以下の通りです。

今の米国経済は具材がびっしり詰まった弁当箱のようなものだろう。量的緩和の成果だ。もう伸びしろがないから、これ以上の刺激策はインフレになるのが必定。人的資源が逼迫しているのだから、成長の自然増も期待できない。インフレで金利上昇だけが起こり、成長できない経済は新たな実験の場となった。

経済学の主流派は非伝統的な量的緩和を持って雇用目標を達成したからには、好調な景気が持続し、適正なインフレを伴った経済成長も同時に達成すると信じていた。しかし、実際の景気には慣性力がない。

量的に増加したドルは米国外に新興国の負債として存在している。実際に引き上げることは事実上無理だ。新興国通貨の下落で決着する。新興国の経済は通貨下落でドルの返済額は膨らむ。返済が困難になれば、債務の借り換えも困難になる。新興国経済の悪循環だ。しかし、本当の敗者は借り手ではない。ドルの貸し手だ。

これから米国発で、ユーロ圏の金融危機の世界的拡大版が起こってしまうのである。

ユーロはこの問題の解決に債務国に金利低下を促す策を選んだ。この金融政策のために、ユーロ圏の主要国の金利はマイナスに沈んだ。ユーロ圏は相当な期間この状態を維持しなければならなくなった。貸し手の国の国民と金融業界が債務国の債務者救済のために犠牲になったのである。

投稿: pij | 2016年11月15日 (火) 14時06分

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