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(28.11.4) 病気療養中のため二日に1回の割で過去のシナリオを掲載しています。 「ハバロフスク(第三回 )

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 このシナリオはソ連邦が崩壊した1990年前後を扱ったものです。歴史的なシナリオを描いてみたくて挑戦したものです。(一回からの続き)



〇 校長室(続き)

校長「ああ、リューバ先生、あなたですか」
教師「校長先生、いかがでしたか」
校長「サーシャですか、彼なら問題ない」
教師「いえ、ペーチャです」
校長「うむ、よくないですな。成績も悪いが素行が悪すぎます。やはり親のせいですかな」
教師「親御さんに何かあったのですか」
校長「うむ、ここだけの話にしてほしいのですが、ペーチャの父親がイスラエルに移民申請を出しています。先日KGBから連絡がありました」
教師「(驚いて)まあ、イスラエルに移民だなんて、国賊的行為ですわ。やはりユダヤ人はユダヤ人ですわね」
校長「(威厳を込めて)そのような民族主義的な発言はソビエト国家には似つかわしくありませんな。(一息おいて)しかしペーチャの父親ですが今は勤めていた鉄工所をやめて失業中です。この国では失業自体が犯罪ですので、いづれ強制収容所行は免れないでしょう。とても移民申請が認められるような立場ではありませんな」
教師「やはり家庭環境は恐ろしいですわ、そうですか・・・・・」

 不吉な効果音

〇 栄光広場(学校の帰り)

 町の中心にある栄光広場の前でサーシャと同じクラスのイリーナ(女性)が話し合っている。イリーナは栗毛の髪の毛が美しくなびいている美少女。
小鳥の鳴き声。子供たちの遊ぶ声。栄光広場の火を守るピオニールの歩哨。

イリーナ「それでサーシャは特別英語学校に行くことにしたの」
サーシャ「うん、イリーナ、チャンスだからね」
イリーナ「(寂しそうに)そう、じゃ、一緒に勉強できないわけね」
サーシャ「君も特別英語学校に来ればいいじゃないか。成績だって僕と変わらないし」
イリーナ「私の場合校長先生から何も言われないの。もしかしたらだめかもしれない」
サーシャ「どうして」
イリーナ「ペーチャが言うの。コネがないからダメだって。コネのない人は何をしたって無駄だって。だから勉強なんかしてもしょうがないって
サーシャ
「そんなことはないよ。ペーチャは少しひねくれてるんだ。ここは自由と平等が保証されたソビエトだよ。ペーチャの言うことなんか聞かないほうがいいよ」
イリーナ「そうね、そうよね。(気を取り直して)それよりもサーシャ、喜んでほしいの。今度の戦勝記念日の日、私、無名戦士の墓を守る歩哨のリーダに選ばれたの」
サーシャ「(目を輝かせて)イリーナは勉強ができて素行がいいから選ばれて当然だよ」
イリーナ「私、本当にうれしいの。だった私この国がとっても好きだし、平和を愛する唯一の国でしょ。科学だって世界一だし、スポーツだって宇宙開発だってアメリカなんかに負けないわ、でも・・・・・・・・・」
サーシャ「でもどうしたの」
イリーナ「でも私、本当はサーシャと一緒に勉強したいの、サーシャと別れるの嫌なの」

 見つめあう二人。手がふれあい、イリーナの栗毛の長い髪の毛が風になびいてサーシャの肩にかかる。

〇 2年後(サーシャの思いで)

サーシャ「(独白)当時僕はクラスのあこがれの的だった。成績はオール5、そして栄えあるピオニールの班長。若くして未来が約束されていたようなものだ。事実僕はそれだけの勉強をした。決して親父がハバロフスク州共産党中央委員会第二書記だったからではない。
僕はその後特別英語学校に進んだ。英語学校のレベルは高く僕の成績は上の下あたりになったが、それでも僕が希望するたいていの大学はいれる成績だった。モスクワ大学だって夢じゃない。しかしイリーナはなぜか特別英語学校には入学できず、オケアン第一中等学校にとどまった。僕は勉強が忙しくイリーナにも会えない。この間町で偶然にイリーナに会った時、栗毛の後ろ髪が風に吹かれ、それが逆光の中で光っていた。ああ、イリーナもう少し待ってくれ。僕がモスクワ大学に入学できたらまた栄光広場の前で、ソ連邦の未来と僕たちの未来を語り合おう」

(続く)













 

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