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(28.11.9) 20世紀型猛烈企業の崩壊 電通に強制捜査が入った

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 また一つ20世紀型企業が崩壊し始めた。電通のことである。電通は日本を代表する広告代理店で20世紀の高度成長期には花形産業だった。給与は高かったが一方で仕事はきつく、それでも日本経済をリードしている自負があったので社員のモラルは非常に高いものがあった。広告代理店業界では「電通でなければ人でない」という雰囲気があったものだ。

 しかし21世紀に入り日本経済が完全にピークを打ちさらに人口が毎年のように減少し老人ばかりが増える社会になると、広告業自体が不要になってくる。
老人は何しろ新しいものが嫌いだし、広告など見たくもないからいくらテレビや新聞や雑誌で広告を打ってもだれも見向きもしない。
毎年のように消費が減少し、消費者物価が低下するので日銀の黒田総裁も手を挙げた。
駄目だ、日本では消費は拡大せず消費者物価は上昇しない

 21世紀の世界では売るものも買うものもこれ以上必要なくなり、そして広告宣伝も徐々に仕事を減少させざるを得ない。
簡単に言えば縮小再生産が21世紀の企業活動の指針になる。
然し電通は相も変わらず20世紀型の思考で突っ走っており、鬼の十則といういかにも二十世紀型人間が考えそうな規則で社員を叱咤激励してきた。
この第五則がすごく「 取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは……」というものだ。

 社員は仕方なく夜の10時ごろまで残業し月に100時間を越す残業をしていたが、電通の規則では70時間が上限なので社員は自らの意思か、あるいは上司からの指示で残業時間を70時間以内に記載していた。
仕事自体に意義がありしていることに価値を見出せれば人間は体力の限界まで頑張れるものだが、していることに価値を見出せなければ精神的に切れてしまう。
なぜ、広告なんかもう必要しなくなってきているのに私はこんなに努力しなければならないのだろうか
 
 電通の職員だった高橋まつりさん(24歳)が自殺して、これが過労死であるとの裁判が行われているが、このたび厚生労働省が電通に対し一斉に強制捜査を実施した。労働基準法違反の疑いだが、70時間を超えて労働させ、さらに残業の過少申告を強要してきた疑いである。

 私は何回もこのブログで21世紀は人口が減少し老人が増えGDPが縮小していくので過剰労働をすればそれが生産過剰を引き起こし恐慌を起こすと主張してきた。
隣の中国では鉄鋼など日本の8倍も生産するがGDP比較では2倍が適当だから残りはただ無駄に生産しているだけだ。
地方都市ではこの鉄鋼を使って新都市が次々に建設されているが、だれも購入する人がいないので幽霊のようなビルが乱立している。
それでも中国では生産すればGDPにカウントするので「わが国のGDPは6.7%上昇している」などと愚かな数字を公表して悦に入っている。

 もっとも中国ばかり笑っていられないのは日本のような先進国では消費財の需要がさっぱりなので、後は投機財の価格を上げることしかできなくなり日本もEUもアメリカも金融緩和しか手がなくなっている。
金融を緩和すれば株式と不動産価格が上がるからうまく売り抜けた人の所得は上昇し、金融機関や証券会社の利益が上がるから確かにGDPは上昇するのだが、これらは投機財であって、あってもなくてもいいようなものだ。
しかしそれ以外にGDPを増大させる手段はない。
先進国では本当に必要なものはもう十分でありこれ以上の財やサービスは必要ないのだ。

 だから電通のような広告代理店がいくら笛を吹いても国民はおどらなくなっており、広告業自体が衰微しつつある。
そのような中で相も変わらず20世紀の精神で職員をこき使ったら自殺者が出るのは当然だ。
私たちはなんでこんな無価値な作業を100時間以上も残業して遂行しなければならないのだろうか」21世紀の人間ならだれでも持つ疑問だ。


 

    

 

 

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