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(28.11,21) 巨龍中国 人民の1800兆円の金を強奪せよ!!

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 NHKが放送しているNHKスペシャル巨龍中国 成長産業に金を流せ 14億人の資産の行方」は実に面白かった。中国には約1800兆円の個人資産があると推定されているが、この資産を成長産業に流すプロジェクトが大々的に発動されているという。
1800兆円といえば日本の個人資産とほぼ同額だから何とも巨大な金額だ。

 習近平政権は放っておくとこの資産が海外にみな逃げ出してしまうので、何とかして国内にとどめ国内産業の振興に使わせようと躍起になっている。
国営銀行が資金供給すればいいようなものだがそれはできない。国営銀行は国営企業のための銀行であって民間産業にはびた一文も金を貸さないから、民間産業に金を流す仕組みが必要になっている。

 しばらく前までは日本でいえば高利貸しに相当する民間金融がこれに当たっていたが、これでは十分な資金供給ができないのと、あまりに高利なので民間産業がさっぱり育たなかった。
そこで編み出した方法が投資会社という制度である。アメリカの投資会社をまねたものだがこれには二つの方法があり、一つは資産家に大金を投資させてこれを高利回りで運用するものであり、もう一つはインターネット金融と言ってインターネットで小口の金融をファイナンスするものだった。

 この投資会社が現在22000社余りあるというのだからすさまじい。放送では会社を設立するのはいたって簡単でかつ税制面での優遇もあると言っていたが、若者がこの会社設立に群がっていたのでほとんど資本金もいらないのだろう。
放送では2名の投資会社の責任者と称する人が出ていたが、前者の資産家に投資させて高利の運用利回りを確保する会社のリーダはとても美しい才媛だった。イギリスの有名大学の大学院を優秀な成績で卒業してこの業界に入ったそうだが、もっぱらベンチャーの成長産業だけに投資を行い投資目標は年利回り30%だという。
あのアメリカがサブプライムローンで舞い上がっていたころの投資会社が目指した利回りである。
中国がアメリカと同じように舞い上がってくれればこのビジネスモデルも成り立つのだが、ベンチャー企業として成長が可能な企業は100社に1社ぐらいだから、才媛と言えども30%の利回りを確保するのは難しいだろう。

 後者のインターネット金融は完全な小口金融であって150万円とか300万円とかの金額を借りたい企業の明細を公開してインターネットで集めるやり方だった。この方法のみそは「投資金の元利保証をする」ということだったが、年利はだいたい9%が平均で高い場合は13%程度だという。
たった数人で会社を運営し、全国から金を集めさらに元本保証までするというのだから信じられないような条件だ。
見ているとインターネットで条件を公開して20分程度で10人程度の人が出資に応じていたが、たしかに簡単に資金が集まっていた。

 なぜこのように資金が集まるかというと特に少額の小金持ちにとって資金を運用する手段が全くと言っていいほどないからである。
しばらく前までは株式投資という手段があり、上海総合指数などは2000から1年余りで4500まで上昇し、人民は競って株式投資にのめりこんだが、これは官製相場だったから政府が手を引くと一斉に値下がりし今は3000前後で低迷している。
もう株式はこりごりだ。不動産は高くて手を出せない。海外にそっと資金を移す方法も知らない。あとはこの投資会社に投資するだけだ」 

 このインターネット金融の投資先はほとんどが中小企業の資金繰りに窮した鉄鋼会社や洪水で施設を水に流された農業法人だった。
中国では国有の大企業がすべてといっていいほど赤字経営になっており下請け会社の支援が不可能なので、民間資金1800兆円を何とかながして延命させようという地方政府の意図が見え見えだった。
また中国では洪水が常時発生していて農業をとりまく環境は悪化して失敗の連続だ。
番組ではあまり明確に説明されなかったが投資案件で3件に1件の割合でトラブルが発生しているということだったが、これは当然だ。

 一般的に利子率は経済成長率の範囲にとどまるのだが、それ以上だと企業家でなく金融業者が増えたパイをすべて独り占めすることになる。
現在の中国の成長率は公表で6.7%、実質は0%かそれ以下だからこの9%利回りの融資は赤字見合い資金と言っていい。
だから回収に滞りが起こるのは当然で投資会社が元本保証などできないのも当然だ。
こうした場合どうするかというとさっさと会社をたたんでトンずらしてまた新しい会社を作ればいい。日本のマルチ会社が行っている方法で投資者は会社が突然消えるので驚愕する。

 中国政府は国内の1800兆円を何とか拠出させようとしてあの手この手を使うが、株式投資で散々騙され、不動産投資は実際は幽霊屋敷ばかりだから人民もそうやすやすとは騙されない。政府の幹部や大企業の幹部はさっさと国外に資産を移転させて中国経済崩壊に備えているが、それができない人民は投資会社に投資をしている。しかし次々に投資会社が倒産するので人民の苦悩は続いているようだ。

 こうして巨龍中国が巨龍でなくなる日がますます近づいている。


 

 

 

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