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2016年11月

(28.11.30) 4者会談のバトル 小池氏はバレー会場で最後の抵抗

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  思わず笑ってしまった。本日(29日)開催された4者会談の内容にである。2020年に開催される東京オリンピックの会場選定で、小池東京都知事が「3兆円もかかる」とクレームをつけていた件で、東京都、国、IOC、組織委員会のトップクラスの会合がもたれたのだが、冒頭小池知事の独壇場になってしまった。

 当初は事務方の説明があってそれに従って議論を進め、重要な場では非公開にする予定だったがその段取りを小池知事がひっくり返した。
まず私が話をします。すべて公開でやります」としゃべり出したものだから森組織委員会会長が腰を抜かした。
また、このあまが自分勝手なことをしゃべりだして、これまでも散々迷惑してきたのにまたか!!」という不愉快千万という態度がありありだった。

 小池氏にはディベートの才能があり、まず最大値の3兆円という数字で脅しをかけ、言葉の隅々に一般の日本人が使わない英単語をちりばめて相手を混乱させる手法はなかなかのものだ。
公開の席を好み朗々と自説を述べるのが得意なのだが、一方森氏は昔から配慮とネゴの人だから公開の席が最も苦手だ。しゃべり方も昔の政治家のスタイルでさっぱり垢抜けしない。
互いに気持ちを汲んでいい加減なところで折り合おう」なんて公開の席では言えないので小池氏のペースになってしまう。

 小池氏が提案した3会場の変更案については小池氏の方が2会場を降りたが、ボートの宮城県長沼での開催案はもともと無理があった。なかでも村井知事が提案した災害者用の仮設住宅を選手のホテル代わりにする案は、不適を通り越して愚かだった。
オリンピック選手に災害体験をさせるためにあえて最悪の環境を提供しようというのだから、オリンピック関係者だったら誰でも目をむく。
あんた、オリンピック選手はオリンピックに出場するために日本にきているので災害体験をするために来たのではないのですよ!!!」
さすがに小池知事もこの案のばかばかしさに気づいたのは幸いだ。

 水泳会場は規模を2万席から1万5千席にする案で新設することになったが、この案も妥当だ。もともと2万名も集められる水泳大会など存在しない。辰巳で行われている日本選手権など2000名程度しか集まらないのだから、オリンピックといえども2万は無理だ。常に閑古鳥ばかり鳴いて維持費ばかりかかる会場の建設はやめたほうがいい。

 小池知事は自ら提案したボートと水泳の会場の変更には降りたが、バレーの会場については自説を曲げなかった。
有明に新設するか横浜アリーナを使用するかはクリスマスまで待っていただきたい
あんた、一か月まって何をするんだい
いろいろ検討することがありますから
私の得た情報では横浜はバレー開催に否定的なんだけどね
いえ、とても良い感触を得ています
小池氏と森氏の会話は全くかみ合っていなかった。

 オリンピック経費の算出は実はかなり難しい。特に警備費等の国の経費をオリンピック経費に含めるか否かで全く異なってくる。だいたい純粋のオリンピック経費は1兆円前後で収まるものだが、そこがテロの可能性がある場所だと警備が厳重の上にも厳重になるので経費はとどまるところを知らなくなる。
たとえば北京大会はウイグル人のテロが予測されたので史上最大規模の警備になったので最終的には3兆円を上回ってしまった。ロンドン大会も同様でイスラム過激派のテロを警戒してこちらも3兆円を上回った。

 今はオリンピックそのものの経費よりテロ対策費のほうがかかる時代で、小池氏の言う3兆円もその警備費を含んだ金額だったので、最終的にはその程度かかる可能性はある。
然し森氏としたらオリンピック経費は純粋にオリンピックを開催するための経費で会場建設費や運営費だけのつもりだから 「あんた、いくらなんでも3兆円はないよ。せいぜい1兆円以内だよ」と反論したくなるのは当然だ。

 世の中がひどく物騒になり平和の祭典のはずのオリンピックがテロの標的に使われる可能性が出てきて、安全とは程遠い状況になっている。実際にテロがあったのはドイツのミュンヘン大会でイスラエルの選手11名がパレスチナ武装組織によって殺害されている。
今では警備費を負担できる国だけがオリンピック招致が可能な状態になっているのが実情で、経費も警備費を含めるか否かで全く異なる数字になっている。

 

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(28.11.29) 原子力時代の終わり 廃炉処理に20兆円は高すぎる!!

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 いやはや高い買い物になったとため息が出そうな数字だ。福島第一原発の処理費用が全体で20兆円になるそうだ。大まかに言って賠償費8兆円、除染費用5兆円、中間貯蔵施設建設費1兆円、そして廃炉に6兆円だそうだ。
このうち賠償費については東電とその他の大手電力と新規参入した新電力が負担しており、除染費は政府の東電株の売却を当てることにしており、中間貯蔵施設建設費は税金を投入する予定だ。だから東電単独で負担している金額は廃炉費用の約6兆円になる。

 今問題になっているのはこの6兆円を東電単独で負担可能かという問題だ。東電は「これでは倒産します。どうか助けてください」と悲鳴を上げだした。
東電の営業利益は毎期4000億円程度だから6兆円を負担し続ければ15年かかることになり、悲鳴を上げたくなる気持ちもわかる。

 しかし考えてみると原発一基を作るのに3000億円から5000億程度でできるのだが、廃炉にするとなると途方もない金額がかかるのには驚く。
福島第一原発の1から4号基が廃炉になるが、単純計算で2兆円で建設して20兆円かけて廃炉にしているので約10倍の費用負担だ。
もっとも純粋の廃炉費用だけなら約3倍だがそれにしてもすさまじい金額だ。
こんなに金額がかさむなら原子力発電などしなければよかった」と誰でも思うだろう。

 一方で日本では今電力消費量は毎年のように減少している。日本における電力消費量の推移は21世紀になって完全に頭打ちになり2007年をピークに減少に転じた。
日本から多くの工場が海外に進出した結果が最も大きいが、さらに電力の効率的な利用や日本人の人口が減少し老人比率が高まっているからだ。簡単に言えば老人は夜更かしなどしない

 20世紀をとおして電源開発は国の使命のようなところがあり、かつては電源開発とさえ言えば何でも許されるような状況だったが、今では環境破壊の元凶のような存在になっている。
その中で原子力発電は福島原発の事故が起こる前までは火力発電に比較してクリーンなエネルギーだと東電とその御用学者が盛んに吹聴していたが、とんだ食わせ物だった。
地震による原発事故そのものは東電の責任ではないが、いったん原発が事故にあうと途方もない金額の処理費用が掛かることをわからしてくれただけでもその意義は大きい。

 最近まで世界では中国が電力をがぶ飲みしていたので、電力需要は世界的な規模で増大すると思われていたが、中国の経済失速によってすっかり様変わりになってしまった。
どこの国も毎年のように電力需要が縮小するので「もうこれ以上発電所はいらない」という状況であり、ましてや廃炉に途方もない金額がかかる原子力発電所の建設は見向きもされなくなりつつある。
ベトナムで日本主導の原発建設が検討されていたがこれが中止になったのはその例だ。

 さらにアメリカではトランプ氏が大統領になり保護主義政策をとるようになれば経済規模は世界的に縮小し今でも有り余っている電力がさらに不要になってくる。
中国はいまだに原発の推進を図ろうとしているまれな国だが、ここも見直しが始まるのは時間の問題だ。
主席、原発を稼働させても中国中から工場が消えてしまって使用者がおりません。ただ原発だけが稼働して電力をどぶに捨てていますが、さらに原発を建設する意義はあるのでしょうか

 20世紀の花形技術だった原子力は今黄昏を迎えており、特に日本では福島原発事故の関係からも見向きもされない技術になろうとしている。
今や原子力は捨て去られる技術になってしまった。


 

 

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(28.11.28) 北朝鮮に対する人道支援物質はすべて軍人に回される。 愚かな赤十字の人道支援策。

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 赤十字社の人道支援
といえば一も二もなく賛成してしまうのが日本人だが、こればかりは賛成しかねる。国際赤十字が先頭になって進めている北朝鮮に対する人道支援約18億円のことである。
北朝鮮では9月までの長雨で北朝鮮北部では大規模な洪水が発生し推定で500人の人命が失われ、多くの田畑が水につかった。
国際赤十字は何回かの視察の後約18億円規模の食料と衣類の人道支援を行うことを決定し国際社会に呼びかけたが、募金の集まりは3割程度で中国を除けばほとんど支援金の支出がないも同然の状況になっている。
これに業を煮やした国際赤十字は日本赤十字の社長でかつ国際赤十字の役員でもある近衛氏を北朝鮮に派遣して、国際社会(特に日本)に募金を呼びかけるアピールをするという。

 しかし北朝鮮に対する人道支援は二つの意味で問題がある。

 一つは北朝鮮政府がまともな救援活動をせず、もっぱら核開発とミサイル開発に邁進しており、「いつでも韓国と日本とアメリカを火の海にする」と脅しまわっていることだ。
おかげで韓国、日本、アメリカはこれへの対応を余儀なくされ、韓国ではTHAAD高高度ミサイル防衛システム)、日本ではPAC3による防衛に大わらわになっている。
あんた、いくら何でも自国民が飢餓に瀕しているときに、それをそっちのけで他国を撃滅すると騒ぎまわっているのはお門違いではないかい。まず自国民の救援に当たるべきで、予算もそちらに回すのが筋だ
だが北朝鮮は他国を撃滅して火の海にさせるための核やミサイル関連予算を増やしても、自国民の救助にはびた一文出さないという態度だ。

 さらに問題なのは人道支援が実際は人道支援にならず北朝鮮を支える軍人の食糧支援になってしまうことだ。赤十字社もそのことを危惧して監視団を送って監視をしているが、すべてを監視できるような要員はおらず、さらに北朝鮮はパフォーマンスとして幼児に配るように見せて、後で回収するという手段まで取ってこの食糧援助のほとんどを軍人の食料に回してしまう。

 北朝鮮は慢性的な食糧不足で、軍人といえどもまともな食糧を与えられていない。そのため栄養失調で体がむくんで軍服もまともに着られず、目もかすんでミサイル発射ボタンと自爆装置ボタンを間違えれ押してしまいそうになっている。
わが赫々たる軍人が栄養失調で動けなければ38度線を突破する前にへたり込んでしまう。これでは戦争にならない。食料は軍人に優先的に配分されなくてはならない
こうして将軍様のご慈悲で赤十字の支援物質はほとんどが軍人の食料になってしまう。

 だからこうした国に人道援助をするのはキチガイ沙汰なのだ。韓国や日本に向けて今にも核攻撃をしかねない国に対する正しい対策は、食料を断って軍人が動けないようにしておくことで、いくら将軍様といえども栄養失調だらけの軍人では他国を侵略する意欲を失う。
赤十字社は子供の哀れな写真などを撮って世界に食糧援助を求めるが、どのように援助をしても写真の哀れな子供に食料が配布されることはない。
おろかな赤十字をだまかして今回も食料を調達してくれた将軍様に感謝をしよう」と軍人たちが援助物質で久方ぶりに大宴会をする姿が目に浮かぶ。

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(28.11.27) さらに混迷を深めた豊洲移転問題。 誰を処分しても問題は解決しない

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 前にも記載したが築地市場の豊洲への移転問題半永久的に不可能になりつつある。
小池知事はこの問題で議会に対してうその証言を繰り返してきた都の幹部市場長、部長クラス18名に、最大減給5分の1、期間6か月の厳しい処分を言い渡した。
現役の職員12名はこの処分を受け入れるとのことだが、退職者6名のうちには不満を口にする者がいるという。

  豊洲問題の本質はこの場所が東京ガスの跡地でいわば工場跡地だったことにある。
調査をすると有害物質が基準を上回る水準ででてきて、特にベンゼンは局地的に国の基準の43000倍という高濃度だった。
この段階で本来は跡地の使用をあきらめ、夢の島がそうであったように公園にするのが最も最適な案だった。
しかしそうはしないで強引に豊洲に移転しようとしたことからボタンの掛け違いが始まっている。

 専門家会議に諮問して4.5mの盛土をするなら施設を建設して良いということになった。
専門家会議はすべての土地に4.5mの盛土をするように諮問したのだが、実際の建設設計の段階になるとこれはとても不可能な提案であることが判明した。
現在の大規模建設で地下が使用できないような建物はない。どの建物でも地下は最も重要なインフラ部分で、電源設備、空調設備、ディスクやコンピュータの設置場所、倉庫等に使用されており、地上より地下のほうが利用空間として大きい建設物はいくらでもある。

 だから設計段階で地下空間の利用を東京都は専門家会議に再諮問しなければならなかったが、実際はそうはせず事務方の秘密事項として建設を進めた
なぜ再諮問しなかったのかの理由は明確で、そうすれば再び地下を利用してよいかの環境アセスメントが必要になりほぼ1年間は工事に取り掛かれないからだ。
さらに新たな案が出されればそれへの対応が必要になり、いつまでたっても豊洲への移転ができなくなる。
ここは黙ってやってしまおう。地下が利用できない建物なんてエンジンのないジェット機のようなものだ。専門家会議は盛土で凝り固まっているからこれ以外に手はない

 石原都知事や猪瀬都知事の時代は豊洲への移転に積極的だったから、たとえばれても「ここは地下から再び有害物質が出た場合の処理施設です」といえば信じたふりをしてくれると踏んでいた。
大丈夫だ。石原さんも猪瀬さんも分かってくれるはずだ。東京オリンピックもあるし築地市場の下に高速道路の整備もしなければならないから黙認するだろう

 しかし思わぬことで知事が次々に代わり小池知事になって様相が一変した。
小池氏は自身の権力を見せつけるために豊洲問題に待ったをかけたのだが、そのために過去のすべての魑魅魍魎の妖怪が出現してしまった。
工場跡地に市場を移設することの無謀さと、それを回避すべく議会にも都民にも無断で実施してきた地下空間の利用が白日の下にさらされてしまったからだ。

 今回の18人の処分により問題はさらに深刻化する。今回の処分決定でもだれが地下空間を設置する決定をしたのかあいまいなままだったからだ。それは当然で黙って実施する案件に正式な決定記録などあるはずがない。
CIAのミッション・インポッシブルの世界だから証拠はすべて破棄される。
例によって、君、もしくは君のメンバーが捕えられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しない。成功を祈る。なお、このメッセージは5秒後に自動的に消滅する」世界なのだ。

 この問題は当初からボタンの掛け違いがあり、地下空間のない巨大建設などありえないのでそれを黙認という形で建設したのだが、ばれてしまえばこのミッションは終わりだ。
いつまでたっても誰が決定したかという問題が再提起され、もともと工場跡地だから有害物質問題は解決できず、半永久的に議論が空回りしてしまう。
この建設に5900億円の巨費を投じたが一瞬のうちに海の藻屑になってしまった。
小池知事は自身でほじくりだしたこの魔物の処理をすることは不可能だろうから、だれも利用しない21世紀の市場という施設が豊洲に幽霊のごとく存在し続けることになる。



 

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(28.11.26) ようやくオリンピック3競技場はきまるようだ。長沼ボート場不採用で他の競技場は観客席圧縮

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 オリンピックの会場新設問題
はどうやら今月末に開催される4者会談国、東京都、IOC、組織委員会)のTOP会談で決着が図られるらしい。
決着の方向性は以下の通りだという。

① ボート・カヌー会場は東京都に海の森水上競技場を仮設形式で経費を圧縮し新設する。小池知事が推奨している宮城県長沼ボート上は使用しない。
② 新たに建設する水泳競技場は観客席を2万席から1万5000席に縮小して建設する。
③ バレー会場は有明アリーナを新設するか、現有の横浜アリーナの観客席を1万5000席に増設する案の2案で採決をとる。


 上記3会場についてはいづれも小池東京都知事が建設費が高すぎるとして見直しを要求していたもので、小池氏の案は代替施設で実施する案ボートは宮城県の長沼ボート場、水泳競技場は辰巳国際水泳場、バレーは横浜アリーナを使用する案だった。

 小池氏は自身の権力を示すためにかなり強引に政策を進めており、代替案の中でも最も強引な案はボートの長沼開設案だった。この開設案に小躍りした村井宮城県知事は宿泊施設に災害時の仮設住宅を当てて建設費を圧縮すると言っていたが、この案ほどまったくオリンピック精神を理解していない案はなかった。
村井氏は「世界に災害の実情を見てもらうのに最適だ」といい長沼ボート場を視察に来た小池知事も同意していたが、二人はオリンピック選手が災害の視察に来るものと勘違いしているらしい。

 オリンピック選手はメダルを取るために自身と国家の名誉をかけて出場しているのであって、東日本大震災とは何ら関係がない。その選手をプレハブの仮設住宅に寝かせて震災体験をしてもらおうとはどういう了見なのだろうか。
隣の騒音がかまびすしく快適とは程遠い仮設住宅に選手を放り込んだりしたら世界の笑いものになり、送り込まれた選手団からクレームがつくのは確実だ。
日本は実に陰湿な方法で競技妨害行為を図った。もっとも悪質な住居環境で我が国の選手の睡眠妨害を図り、隣の部屋から騒音をまき散らしその結果我が国はメダルを失した。この妨害行為は明らかにオリンピック憲章違反だ
出場選手には最高の住居環境と食事環境を整えることがホスト国の義務になっているが、最悪の住居環境を経験させるとは頭の程度が疑われる。

 長沼案はひどすぎたが他の水泳場とバレー場の観客席の縮小は実はかなり妥当な案なのだ。組織委員会はどちらも2万席を要する競技場を建設する予定だったが、オリンピックといってもこのように多くの観客が押し掛けることはない。リオのオリンピックを見て特に気が付いたことはブラジル人の大好きなサッカー会場を除けばどこも競技場はがら空きだった。
ブラジルの人口は約2億でおおよそ日本の倍だがそれでも人気のない競技のオリンピック会場は閑古鳥が鳴いていた。

 私はかなりのスポーツオタクで現役のころは国立競技場に陸上の日本選手権を見に行ったり辰巳国際水泳場に水泳の日本選手権を見に行ったが、国立競技場などはいつも1万人程度の観客しかおらず5万人の収容人員の5分の1だった。
また辰巳の水泳場は5千席だったがこちらも3分の1程度で観客の多くは関係者で私のようなスポーツファンはごく少数だった。
スポーツで観客動員力があるのはサッカーや野球のように地元にファン組織が組織されており、そうしたファンが押し掛けるスポーツだけで、後はどの競技もガラガラなのだ。

 だからオリンピックだといっても水泳や陸上やボートに人が押し掛けるはずはなく、多くはテレビで観戦して満足するはずで、実際競技場に行っても陸上などはさっぱり面白みはなく、100mなどは10秒で終わってしまい興奮する間もない。一方テレビで見ていると有力選手の微妙な表情もわかり、またスタートの瞬間から最後まで何回もリプレイしてくれるので走っている人の呼吸さえ感じるほどだ。
だから競技場に出向く人は相当のスポーツオタクで特定の選手を応援していたり、また何とも間延びをした時間を絶えることができる一握りの人に過ぎない。

 確かに組織員会はオリンピックを誘致するためにかなりの大ぶろしきを広げそのための施設も過大になっている。そこを突いた小池知事はなかなかの政治センスだが、ただ経費を縮小しろというのでは限界がある。特に参加選手に災害体験をさせるなどはもってのほかでオリンピックと被災者救援をとりちがえているといわざるを得ない。

 結局競技施設は妥当な規模に縮小して建設することになるだろうが、長沼案だけはオリンピック史上に汚名を残す案なので小池知事がいかに推奨しても賛成できない。

 


 


 

 

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(28.11.25) 赤ひげ診療譚  老人の最後のご奉公は子供への教育サポート

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 11月だというのに外は54年ぶりに雪が降っている。10㎝程度は積もっているようだが、積雪になったのは明治に気象庁ができて初めてだそうだ。
外は非常に寒く家で炬燵に丸まっていたら、塾の生徒がやってきた。中学三年生の男子である。
こんなに寒いのによく来たな!!!」
私は今日は誰も来ないものだと思っていて大相撲を見ていたので驚いてしまった。

 私がボランティアで子供たちに勉強を教え始めたのはほぼ4年以上も前になるが、最初は小学校の6年生の子供だった。その後数がだんだんと増えてピーク時には7名程度になったが、これでは十分に一人一人に教えることができないので、今は4名程度に絞っている。
現在は高校生が1名と中学生が3名でだいたい5時ころから8時ごろまで教えている。
来る子供によって時間が一定しておらず、5時から8時まではいつ来てもよいことにしている。

 当初は数学だけを教えるつもりだったが中学校でよい成績をとるには5教科をまんべんなく得点しなければならないので今はすべての学科を教えている。
また高校生には数学だけのつもりだったがこちらも英語と古文と漢文、それに化学と生物まで手を出すようになってしまった。
最も化学や生物は昔の知識は何の役にも立たないから一緒に教科書を読み、一緒に問題集を解いているのでまさにプレイイングマネージャーのようなものだ。

 当初私がボランティアで子供たちに数学を教えようとしたのは、中学の数学はほんのちょっとした手助けで楽々と理解できるのだが、実際は多くの子供が数学の理解に失敗し学業を放棄しているのを放っておけなかったからだ。
また高校の数学レベルは世界的にも高くどうしてもコーチがいるのだが、それに恵まれないとほとんどの高校生が数学を放棄する。
これはまずい。俺ができる範囲で子供の手助けをしてやろう

 幸い数学については趣味で勉強を継続していたので教えるのにストレスはなかったが、当初中学の英語や理科には苦戦した。
英語は全く文法無視の読み専門だったし、理科はすっかり内容を忘れていたのでこちらは教科書や参考書を購入して毎日のように特訓を繰り返したものだ。
特に理科のイオンについては私が中学生の時には教えられていなかったので「なんだい、今の中学生はイオンが必須なのか」と驚いたものだ。

 子供たちは週に4回程度来るのだが、試験前の2週間は特訓期間になって毎日教えている。時間も必要に応じて伸ばすのだが、日曜日などは3時から9時ごろまで6時間も教えるとくたくたになってしまう。
もうだめじゃ、死んでしまう」子供が帰るとすぐに寝てしまうが、そうでもしないと体力がもたない。

 今はボランティアといっても私が購入する参考書や資材程度のお金はもらっていて完全なボランティアではないが、さすがに定年退職者なので持ち出しはきついので致し方ない。
しかし貧しいそうな家庭の子供には相変わらず無料で教えている。
赤ひげじゃ、赤ひげじゃ!!!」山本周五郎氏の小説が頭をよぎる。

 私は老人の最後のボランチアとして子供に勉強を教えるのは最適な行為だと思っている。特にかつて中学や高校で成績優秀だといわれていた人は子供の勉強を積極的にサポートをするのは義務ではないかと感じている。
こうした人はほとんどが国立大学に入っているが、国立大学の授業料は私のころは年間に12000円だった。
それで4年間の教育を受け、当時は高度成長期だったから日本の著名な企業に就職し、定年後も年金生活で何不自由なく暮らしているのが普通だ。
これはたまたま高度成長期に遭遇した僥倖に浴しているので、自分自身の才能だけでこうした生活をしているのではない。

 大学は無料に近く、また日本国の最も成長期に遭遇した幸運だけで、後はただ自分の楽しみだけで余生を過ごすのはあまりに不公平だ。今の学生は教育費は格段にかかり、また低成長下の日本では自らの教育投資だけが未来を切り開く手段になっている。
だからかつては勉強ができた老人の最後の務めは子供たちに対する勉強のサポートになる。
俺が手助けしてやろう。君たちは勉強して良い大学に入って頑張るんだ。それだけが君たちの未来を切り開く!!!!」



 


 

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(28.11.24) 21世紀の北方領土問題。人が消え領土の概念があいまいになる。

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 ロシアのプーチン大統領12月の15.16日に日本を訪問する予定だが、いつものように北方領土の返還と平和条約の締結の機運が高まっている。
現在ロシアも日本も最強の国家指導者が国営を運営しているので、この機会を逃せば半永久的に解決は困難と思われるが、一方でこの問題は簡単には解決が可能でない問題でもある。
領土問題は国家のメンツがかかった基本的には一歩も後に引けない問題で、簡単な譲歩は政権の命取りになる可能性があるからだ。
プーチン大統領も「のりは簡単なものとは程遠い」と先のAPECでの日ロ首脳会談の後述べていた。

 だが一方で領土問題のほとんどは象徴的な意味しかなく実質的な意味合いがないものがほとんどだ。
北方領土といわれる4島においても、住民が住んでいるのは国後と択捉の2島であり、歯舞・色丹などは国境警備兵が駐屯しているだけの何もない島だ。
二島返還で最終的合意を図る」といわれている歯舞・色丹が返還されても無人島が帰ってくるだけのことに過ぎない。

 さらに言えば日本に本当に北方4島が返還されれば困るのは日本だ。日本は現在人口が急減しておりとくに北海道の東部から激減している。返還交渉を行っている北方4島は北海道東部のさらに北部だ。
北海道東部でさえ人が住まなくなりつつあるのに、そのさらに北部の僻地に日本人が移住するはずはない。
もちろん自衛隊のような国境警備兵は駐屯するだろうが、民間人はまず住むことはない。

 実はロシア側も同じようなものでロシアも人口減少に見舞われており、極東ロシアからの人口流出に悩まされている。問題の北方4島などはロシア人でも住むのが嫌で特に若者はさっさとウラジオストックやモスクワに逃げ出しており、現在住んでいる住民の寿命がその島の寿命になりつつあるのは北海道東部の日本と同じだ。

 領土問題となるとつい興奮してしまうが、領土という概念ができたのはイギリスで産業革命が起こり国民国家という概念ができてからで、それまでは領土といってもかなりいい加減なものだった。
今問題になっている北方4島などは江戸時代は化外の地であり、伊能忠敬がこの北海道東部を測量したのは19世紀の初めのことで、それまでは蝦夷などは江戸幕府にとってどうでもよい土地だった。
日本が領土意識を持ったのは明治になってからで、それまでは米がとれない場所は領国という意識はなかったから何もない島など見向きもしなかったものだ。

 国民国家は資本主義経済の発展とともに世界中に浸透して、今では国家と言えば領土と国民を包括する概念になっているが、19世紀と20世紀をかけて恐竜王国を築いたその資本主義文明がついに限界に達し、衰退期に入ってきた。その具体的現象はGDPが増加せずかえって減少し、さらに人口が減少してきたことに表れている。

注)資本主義文明の衰退についての具体的考察は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/post-6dc5.html

 特に日本とロシアはそのトップを走っているようなランナーで、人口が減っていけば僻地に住む住民から消え去っていく。若者は都市に集まり老人だけが僻地にとどまるがその老人の寿命がその集落の寿命になるのはどこも同じだ。
21世紀を通じて両国とも人口が激減するのは確かで、たとえば国連の公式統計でもこの世紀の終わりには日本は8300万人と推定されている。現在の人口より5000万人も少ないが現実はもっとドラスチックでまず半減は覚悟しなければならない。
それはロシアも同じ事であの広大な領土に人がほとんどいなくなってしまう。

 考えても見てほしい。今の人口が半減した世界で自然環境が極度に厳しい国後や択捉に人が残っているだろうか。人々は都市に集中して住み僻地は顧みられなくなってただ草木が生い茂り、18世紀以前の領土問題以前の状態に戻っていく。北海道も札幌や一部都市以外には人はおらず、農地も今の半分程度に減って耕作に適さないへき地は見捨てられる。
この状態はギリシャやローマ時代の都市国家の状態に近く、都市とその周辺の農地だけが国家でありそれ以外はバルバロイ(野蛮人)が住む化外の土地だ。

 21世紀に入り領土問題が本質的な意味を待たなくなりつつあるのは、資本主義文明が衰えどの国も人口が減り、その結果人がいなくなれば領土などといっても何の意味もないからだ。特にその場所が石油などの鉱物資源を埋蔵しているといったような特殊な場所でない限り簡単に見捨てられる。
北方領土などはまさに何もない僻地であって、21世紀を通じて見捨てられた土地になることは確実で、このような場所の領有権を主張してもただむなしいだけの状況になりつつある。それが21世紀なのだ。

 

 

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(28.11.23) 日本に対する怨念はそっちのけで韓国伝統の政争再開。パク大統領は絶体絶命に追い詰められている。 

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 韓国では大統領が無事に余生を送ることができず、自殺をしたり投獄されたり親族が逮捕されたりするが、パク・クネ氏の運命も監獄行きがほぼ決まった。
検察が祈祷師のチェ・スンシル氏とパク大統領の側近二人を起訴したからだ。いづれもパク大統領の指示で行ったと自白しているからパク大統領の言い逃れは不可能だろう。
当初はパク大統領は検察の事情聴取に応じる構えだったが、さらに窮地に陥ることが確実なのでこれを拒否した。

 検察がつかんだ容疑では、チェ・スンシル氏が実質的に支配している財団にサムスングループが寄付した金額は80億円規模といわれており、さらにロッテや他の財閥も寄付をしているがすべて青瓦台からの強要だったという。
簡単に言えばチェ・スンシル氏の祈祷料をパク・クネ大統領が財閥に代わりに支払わせたのだ

 野党は完全に硬化してパク・クネ氏の妥協案には一切応じない構えだから、野党側から弾劾訴追が出るのは確実で、国会は野党と与党の攻防の場に変わってきた。
現在国会は与野党伯仲しているから、与党の反主流派が弾劾に賛成すれば、成立に必要な3分の2は確保できる。
然し弾劾が決まっても最高裁判所は約半年にわたって弾劾の妥当性を審査するから、結局は1年余りもすったもんだして、あと1年数か月の任期しかないパク大統領は任期を全うする可能性が高い。

 かくして朴大統領の任期期間中韓国の政治はダッチロールを繰り返し、政治決断は何もできず、国会は怒号に明け暮れ、パク大統領は涙を流して国民に謝罪を繰り返し、それでも国民は許さずパク大統領罷免のデモが国会や大統領府周辺で頻発するだろう。

 しかしこれは日本にとってはまさに僥倖と言っていいような状況なのだ。本来なら他国の不幸を見て喜ぶのは慎むべき態度なのだが、こと韓国に関してはこの原則は当てはまらない。
韓国は日本にとってやくざと同じで、常に因縁をつけては日本から金や仏像や島を強奪する実に厄介な存在なのだ。
特にひどいのが従軍慰安婦問題で存在もしなかった従軍慰安婦を、日本の朝日というごろつき新聞がでっち上げたのをいいことに、「あんたこの落とし前をどうつけてくれるんだい」と脅し、韓国の日本大使館前やアメリカの街角に従軍慰安婦像を設置しまくっていた。
さらに国連やアメリカやEUや中国で「日本は世界で最悪な国家で、みんなで日本をつぶしてしまおう」と叫びまわっていた。

 日本政府もほとほと困り切って仕方がないので10億円の基金を出資してこの問題の解決を図ったが、日本から金品を奪うことが韓国やくざの常套手段になっている。
だが、国内で政争が始まると日本の山口組系の内紛のようにいつまでたっても止まず、互いに相手の首を取ろうとして血で血を流す「仁義なき戦い」になるので、その間は日本に対する強奪は止む。
やれやれ、これでしばらくはやくざの脅しを受けないで済む」日本はやっとほっとできた。

 韓国では恨みを1000年間継続することが先祖の汚名を晴らすことになるから日帝36年の恨みをいつまでも持ち続けなければならず、パク・クネ氏もその伝統に忠実に従ったまでだが、戦後70年もたてばすべて水に流す清めの国家日本から見ると信じられないような態度だ。
恨みじゃ、恨みじゃ、怨念じゃ。日本に対しては1000年間落とし前をつけさせてやる!!」
だが、そのパク・クネ氏が韓国内の政争で日本に対する恨みを忘れているので、この時が日本は唯一の安息日になるのだ。

 


 

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(28.11.22) トランプ相場に市場は大揺れだが、実際はイエレン議長の利上げに対応しているだけ!!

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  急激に円安ドル高になって株式市場がはしゃいでいる。円は対ドルで111円になり、株価は久方ぶりに18000円を回復した。円安で輸出関連産業の株価が上昇しているからだ。
この現象を市場関係者はトランプ現象と称しているが、そういっていいかいささか疑問が残る。

 実際はこのドル高には二つの原因があり、それは短期のものと長期のものに分かれる。
短期要因は明確でFRBのイエレン議長12月にアメリカの指標金利を引き上げることが確実で、このためにアメリカ国債の利回りが上昇しているからだ。
一方日本ではマイナス金利政策をとられており、10年物国債の利回りなどはマイナスになるくらいだから、アメリカ国債にシフトするのは当然だ。

 しかし長期的な見通しは実は定かではない。大雑把に言ってトランプ氏の政策は国内市場保護と反ウォール街だから、金融は徐々にタイトになることは予想される。
グリーンスパン、バーナンキと続いた金融の超緩和策によって市場には約45兆ドル500兆円)の資金が出回っており、このおおよそ4割がMBSサブプライムローン債権)を担保とした与信だから、FRBは全く無価値な担保をもとに通貨を発行していたことになる。
簡単に言えば200兆円はただ紙幣を印刷して大手銀行や投資会社を救っていたのだ

 こうしてばらまかれた紙幣がドル高によって今急速にアメリカに回帰している。問題はこの回帰してきたドルをトランプ政権がどのように扱うかが今後の金融政策のカギで、市場の予想はこの回帰してくるドルをFRBの200兆円規模の不良債権の回収に回すと思っている。
放っておけば国内にドルがあふれかえり再びあの不動産投機の熱狂に向かうから、これはウォール街を喜ばすことだけになるからだ。
だからトランプ政権は自身を支持してくれたプア・ホワイトのためにも、健全な財政金融政策をとるだろうというのが市場関係者の見方のようだ。

 最もドル高になると国内企業の国際競争力は弱まるが、トランプ氏の基本政策は保護政策だからその場合は関税障壁を高くし、あるいは非関税障壁を駆使して国内市場を守るだろうからドル高になっても国内市場は安泰だと予想されている。

 こうして長期的な見通しはあまり定かではないものの市場の熱狂はドル高に向かっており、トランプ氏の政策が明確になるまでこの傾向は続きそうだ。
何しろ保護貿易と反ウォール街は絶対のキーワードだからそれにかけてみよう」というのが市場関係者の態度で転んでもただでは起きないところはタフだ。
だが長期相場は本当のところは誰にもわからないので、当面は明確なサインを出しているイエレン議長の利上げに対応しているというのが本当のところだろう。

   

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(28.11,21) 巨龍中国 人民の1800兆円の金を強奪せよ!!

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 NHKが放送しているNHKスペシャル巨龍中国 成長産業に金を流せ 14億人の資産の行方」は実に面白かった。中国には約1800兆円の個人資産があると推定されているが、この資産を成長産業に流すプロジェクトが大々的に発動されているという。
1800兆円といえば日本の個人資産とほぼ同額だから何とも巨大な金額だ。

 習近平政権は放っておくとこの資産が海外にみな逃げ出してしまうので、何とかして国内にとどめ国内産業の振興に使わせようと躍起になっている。
国営銀行が資金供給すればいいようなものだがそれはできない。国営銀行は国営企業のための銀行であって民間産業にはびた一文も金を貸さないから、民間産業に金を流す仕組みが必要になっている。

 しばらく前までは日本でいえば高利貸しに相当する民間金融がこれに当たっていたが、これでは十分な資金供給ができないのと、あまりに高利なので民間産業がさっぱり育たなかった。
そこで編み出した方法が投資会社という制度である。アメリカの投資会社をまねたものだがこれには二つの方法があり、一つは資産家に大金を投資させてこれを高利回りで運用するものであり、もう一つはインターネット金融と言ってインターネットで小口の金融をファイナンスするものだった。

 この投資会社が現在22000社余りあるというのだからすさまじい。放送では会社を設立するのはいたって簡単でかつ税制面での優遇もあると言っていたが、若者がこの会社設立に群がっていたのでほとんど資本金もいらないのだろう。
放送では2名の投資会社の責任者と称する人が出ていたが、前者の資産家に投資させて高利の運用利回りを確保する会社のリーダはとても美しい才媛だった。イギリスの有名大学の大学院を優秀な成績で卒業してこの業界に入ったそうだが、もっぱらベンチャーの成長産業だけに投資を行い投資目標は年利回り30%だという。
あのアメリカがサブプライムローンで舞い上がっていたころの投資会社が目指した利回りである。
中国がアメリカと同じように舞い上がってくれればこのビジネスモデルも成り立つのだが、ベンチャー企業として成長が可能な企業は100社に1社ぐらいだから、才媛と言えども30%の利回りを確保するのは難しいだろう。

 後者のインターネット金融は完全な小口金融であって150万円とか300万円とかの金額を借りたい企業の明細を公開してインターネットで集めるやり方だった。この方法のみそは「投資金の元利保証をする」ということだったが、年利はだいたい9%が平均で高い場合は13%程度だという。
たった数人で会社を運営し、全国から金を集めさらに元本保証までするというのだから信じられないような条件だ。
見ているとインターネットで条件を公開して20分程度で10人程度の人が出資に応じていたが、たしかに簡単に資金が集まっていた。

 なぜこのように資金が集まるかというと特に少額の小金持ちにとって資金を運用する手段が全くと言っていいほどないからである。
しばらく前までは株式投資という手段があり、上海総合指数などは2000から1年余りで4500まで上昇し、人民は競って株式投資にのめりこんだが、これは官製相場だったから政府が手を引くと一斉に値下がりし今は3000前後で低迷している。
もう株式はこりごりだ。不動産は高くて手を出せない。海外にそっと資金を移す方法も知らない。あとはこの投資会社に投資するだけだ」 

 このインターネット金融の投資先はほとんどが中小企業の資金繰りに窮した鉄鋼会社や洪水で施設を水に流された農業法人だった。
中国では国有の大企業がすべてといっていいほど赤字経営になっており下請け会社の支援が不可能なので、民間資金1800兆円を何とかながして延命させようという地方政府の意図が見え見えだった。
また中国では洪水が常時発生していて農業をとりまく環境は悪化して失敗の連続だ。
番組ではあまり明確に説明されなかったが投資案件で3件に1件の割合でトラブルが発生しているということだったが、これは当然だ。

 一般的に利子率は経済成長率の範囲にとどまるのだが、それ以上だと企業家でなく金融業者が増えたパイをすべて独り占めすることになる。
現在の中国の成長率は公表で6.7%、実質は0%かそれ以下だからこの9%利回りの融資は赤字見合い資金と言っていい。
だから回収に滞りが起こるのは当然で投資会社が元本保証などできないのも当然だ。
こうした場合どうするかというとさっさと会社をたたんでトンずらしてまた新しい会社を作ればいい。日本のマルチ会社が行っている方法で投資者は会社が突然消えるので驚愕する。

 中国政府は国内の1800兆円を何とか拠出させようとしてあの手この手を使うが、株式投資で散々騙され、不動産投資は実際は幽霊屋敷ばかりだから人民もそうやすやすとは騙されない。政府の幹部や大企業の幹部はさっさと国外に資産を移転させて中国経済崩壊に備えているが、それができない人民は投資会社に投資をしている。しかし次々に投資会社が倒産するので人民の苦悩は続いているようだ。

 こうして巨龍中国が巨龍でなくなる日がますます近づいている。


 

 

 

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(28.11.20) JR北海道の苦難と日本の将来 人は消え田畑は原野に戻る!!

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 JR北海道
が手をあげた。もうこれ以上の営業は不可能だという。具体的には全路線の約半分に相当する10路線13区間を廃止するか自治体で駅舎や線路の管理をしてもらいたいと宣言した。
これまでもJR北海道は10路線余りを廃止してきたが、JR北海道で黒字なのは札幌周辺の一部路線だけで、今後黒字が期待できそうなのは北海道新幹線だけになっている。

 JR北海道はもともと赤字覚悟の会社で、国からの基金約8000億円で何とか営業赤字を補てんする構造だった。しかし昨今の資金運用難で補てん金額は毎年のように減少し現在は営業赤字400億に対し補てん金額は300億程度になっており、どのようにしても最終利益は100億程度の赤字になる。
このため維持している線路の保線や特急列車の保守に手が回らず、線路はいたるところで規格より広くなって脱線を繰り返し、特急列車は火を噴くありさまだった。
もうとても経営できない。無理だ」こうした状況に思い余って次々に社長が自殺してしまった。

 私は北海道ファンで夏になると必ずと言っていいほど徒歩で歩いたりマラソンをしたり自転車旅行をしてきたが、北海道のローカル列車の悲惨さは目に余った。一日数本の本数しかなく間違って無人駅などに降り立つと半日あまり列車が来ない。
周りには元は農家があったはずだがほとんど廃屋になり、半日いても自分以外にだれも人を見ない。駅舎には古い帳面がおいてありここに降り立った旅行者の感想文が書いてあるのだが、一冊で数年分の記載になっており、「こんなに静かで何もない駅があるなんて日本は素晴らしい」というような内容が書いてある。
ほとんど世界遺産並みの扱いだが、実際そこは人々が消えてしまった場所なのだ。

 JR北海道の経営にとって最も重要なのは人々が多くいて鉄道を利用してくれることだが実際は真逆だ。
人口540万人だが1997年のピーク時より30万人も減って、さらに少子高齢化が進んでいる。子供がいなくなれば通学客が減り、残った人はもっぱら自動車で移動する。
一日数本の列車を待っていては何もできないからで、北海道では自動車が主要な交通手段になってJRは見捨てられてしまった。

 今回のJR北海度の発表に対し関連の自治体からは「高齢者や通学客に支障が出る」と反対の声が上がっていたが、今回廃止を検討しているへき地にはほとんど子供はおらず、学校は次々に閉鎖され、老人はとても駅まで歩いていけないからもっぱら自動車を利用している。
現在のJR北海道はただ空気を運ぶための鉄道になってしまい「まあ、それでも補助金があるから仕事をしているふりさえしていれば生きていける」という失対事業に近くなっている。
だからまじめな経営者だったら、「これ以上経営は不可能だ」と匙を投げるのは当然なのだ。

 現在日本では少子高齢化が進み子供はいなくなり、老人ばかりが増えている。特にその傾向は北海道で著しく北海道東部や北部の気候条件が厳しい場所からは人が消えつつある。私は北海道を自転車で走るたびに「またこの集落は寂しくなってるな。ここに生きている人の寿命がこの集落の寿命か」と感慨深い思いをするが、こうした場所で人に会うことはめったになくましてや子供を見ることはまずない。

 だからJR北海道がどのように経営改善に取り組んでも、顧客がいないのだからどうにもならないのだ。
今日本は急速に人口が減少しつつあるが、これは日本だけでなくヨーロッパやロシアも同じで、またトランプ政権下のアメリカも急速に人口が減少するだろう。移民を制限すれば人口増の要因がなくなるからだ。
人が少なくなればそれに応じて経済が縮小するのは当然で、経営をスリム化して生きていくのは企業としては当然だ。

 北海道は日本の将来の縮図をもっとも端的に表している場所で、いずれ四国や九州や山陰地方や北日本がこの北海道と同様の人口減少に襲われ経済の縮小が始まる。
人々は大都市周辺にだけ集まり田畑は耕作されずに荒れるに任され、昔の原風景に戻っていく。
陶淵明帰去来の辞で歌った「帰りなんいざ、田園まさにあれなんとす」の世界が21世紀の原風景なのだ。

 

 


 

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(28.11.19) 資本主義文明の終焉 アメリカがリーダを降りた。

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 トインビー
が名著「歴史の研究」を完成させたのが1961年で、その研究で21の文明の発生から成長、衰退、解体を描いたが、その中に記載されなかったもう一つの文明が今衰退し解体期に入ってきた。資本主義文明である。
資本主義文明とは18世紀後半のイギリスの産業革命に始まり、19世紀中はイギリスがこの文明をリードし、20世紀に入りアメリカが引き継いで今日まで継続してきた文明をいう。

 この文明を支えた基本的なコンセプトは「富の極大化」だが、国家レベルでそれを表明するときはGDPの極大化という言葉で置き換えられてきた。
GDPは計測しやすく目標にしやすいが、富は計測しにくくさらに国家目標としてはあまりに露骨だったからで、そうしてもGDPは富に近似できたからである
特に20世紀の後半はこのGDPが、もっとも華やかに花開いた時期で人々は口を開けばGDPと唱えていたものだ。
明日は今日より豊かになる。GDPが毎年のように増大するからだ!!!!」

 しかし21世紀に入りこのGDPの増大がピタッと止まりだした。最初は先進国と呼ばれたアメリカやEUや日本だけだったが、その後新興国と呼ばれた中国やロシアやブラジルや韓国といった国も成長が減速し実質的に止まってしまった。
何が起こったのだ!!!!」
国家政策者は周章狼狽し、これに対処する手段を考案したのだがそれが金融緩和策という手段で、非常に簡単に言えばお金を印刷してばらまくという手段だった。
バーナンキ元FRB議長の言う「金を印刷してヘリコプターでばらまけば景気は回復する」という手段である。

 先進国でGDPが増大しなくなった最大の原因はこれ以上モノやサービスを生産しても人々が使いきれなくなってしまったからで、「なんで熊だけが遊ぶ高速道路をこれ以上作ったり、大阪まで新幹線で行けば十分なのにまだリニアが必要なのだろうか」と困惑し始めたからだ。
そこでこの状況を打開すべく考案されたものがばくち経済である。ほかの言葉でいえば投機であるがばくちはいくらやっても飽きないことに気が付いた。

 食糧生産や衣類や家といった実物の保有には限界があるが、ばくちには限界がない。アメリカもEUも日本も一斉に金融緩和に走り投資会社や金融機関という名のばくち屋に世界的規模でばくちを奨励した。
金はいくらでも印刷する。あんたらは株式や不動産投資や資源投資で儲けておくれ。そしてGDPを増大させてくれ

 確かにこの方法でも株や不動産投資で儲けた個人はボジョレーワインを飲んで散財するからGDPは伸びるし、投資銀行や金融機関の所得は伸びるのでGDPは増大する。
21世紀に入りアメリカをはじめとする先進国が一斉に行ったこの方法で毎年数%の成長が可能になった。
ほれ見てみろ、紙幣を印刷するだけでGDPは伸びる。資本主義体制は盤石だ!!!」

 だが、しかし突然というような形でこのばくち経済が終了し始めた。アメリカでトランプ氏が大統領になり「1%の国民より99%の国民の生活を守れ!!」という大合唱が始まり、アメリカが資本主義文明のリーダから降りてしまったからだ。
ばくち経済の実質的担い手はウォール街で、ウォール街はこの経済を世界に広げるために自由貿易を唱えたが、トランプ氏を支持する怒れる99%は保護主義の権化となってアメリカ市場を世界から切り離そうとし始めている。
くそったれの金融業者だけが儲けて、俺たちは失業者か。アメリカはまじめな生産者の国でばくち屋の国でない。生産者のためにアメリカ市場をとざし中国製品や韓国製品や日本製品は関税障壁を高くして一切入れるな

 世界貿易は中国経済の凋落によって既に2年前から減少に転じていたが、アメリカ経済の保護主義によってそれが決定的になる。資本主義文明はそれを世界に広げることでGDPを拡大してきたが、今その世界市場が閉じられ狭い国内市場だけになりつつある。
国内市場の規模はおおよそ現在のGDPの約6割だが、その6割に向かって経済は終息し始めた。
世界中が日本の江戸時代のように鎖国体制に入りつつあり、貿易も投機行為も縮小していく。

 トインビーはあらゆる文明は生まれ成長しそして死ぬと唱えたが今19世紀と20世紀に恐竜王国を築いた資本主義文明が死に絶えようとしている。
そして世界中が江戸化しローマ帝国亡き後の静かだが面白味はないあの中世世界に入っていきつつある。

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(28.11.18) 笛吹けど踊らない中国不動産市場 地方政府の借金だけが累積されている

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 中国の不動産統計は実に魔訶不可思議だ。中国政府が発表した主要70都市の不動産指数によれば15年4月を底値に毎月のように上昇し、特に都市部での上昇が激しく過去最高値を更新している。
見よ、我が国の経済は至って順調に発展している
中国政府は胸を張って6・7%の成長が達成されたのは不動産市場の好調さにあるという。
だが実態はGDP6.7%は中国政府の目標数字で、またこの不動産統計も目標数字に過ぎない。

 それがなぜわかるかというと、先日NHKスペシャルが「巨龍中国一億大移動」で報じた内容では、不動産は全くと言っていいほど売れていないからだ。
中国は約1億人の農民工を都市に定住させる計画をたて、中国内部の中小都市に住宅建設を加速させており、実際瀟洒な街並みが次々にできているが、そこに住む人はほとんどいない。
映像では夜になって明かりのついている部屋が全体の5%程度しかなく、次々に建設されるマンションはすべてといっていいほど幽霊屋敷になっている。

注)NHKスペシャル「巨龍中国一億大移動」の詳細は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/ppppp.html 

 不動産価格は着実に上昇しているのに、実際は全くと言っていいほど売られていない。この酷いアンバランスはどう解釈したらいいのだろうか。
現在中国では過剰生産恐慌に陥っており、国有会社はいづれも倒産の危機にある。それでも倒産しないのは政府が国有銀行を通じて赤字見合い資金の融資を継続しているからで、この輸血を止めればただちに倒産してしまう。
資本主義社会ならば企業倒産を通じて需給バランスは回復するのだが、中国の場合はそれができない。
国有企業は中国共産党の牙城であり従業員はすべてといっていいほど共産党員で、企業倒産は即中国共産党員の失業につながるからことは面倒だ。
「なんだい、おれたちのおかげで共産党は持っているのに首切りかい。それなら共産党員をやめる

 習近平政権がこの過剰生産対策のために打ち出したのが「農民工を都市に定着させる大プロジェクト」で、中国内部の中小都市に一億人分の住宅建設に乗り出した。1億人といえば日本の人口とほぼ同じだから日本一国分の住宅建設に相当する。
NHKスペシャルの影像でも沿岸部に住んでいた農民工が追い出されて中小都市に移り住むように勧誘されている実態が映し出されていたが、実際は農民工はマンションに住むことはできない。
理由は簡単で持っている資金は4百万円前後だがマンション価格は1千万円を超えるからである。

 それでも住宅建設をやめないのは過剰生産恐慌に陥っている国有企業の救済措置が必要だからで、しかも中国では生産することが大事で販売は二の次だから地方都市の共産党組織は胸を張って党中央に報告している。
標の2千戸は完成しました。GDPは6.7%成長です。え、住んでいる人がいるかという質問ですか。お喜びください共産党幹部だけが住んでいます

 しかしこれでは国有企業は販路先を見つけることができても、実際にマンションを建設して販売責任がある地方政府には全くと言っていいほど売り上げ代金が入ってこない。
それでも平気なのは国有銀行が融資を継続してくれるからで、国有銀行は地方政府をつぶすことはできない。
日本でも夕張市以外の地方都市の倒産はないが中国でも同じだ。

 だが、これでは経済が回らないのでそこで登場するのが不動産統計だ。まったく売れてない物件があたかも販売されているように装い販売促進を図ろうという算段である。
「間違いなく価格は上昇します。お客さん今が絶対の買い時ですよ。この不動産統計を見てください。15年4月以降上昇の一途です

 もちろんこうした数字操作をしても現地で暮らす中国人はやすやすとだまされないが、外国人は違う。統計数字だけ見て判断する投資家が多ければ「中国の不動産は絶対の買い時だ。どこでもいいから買いまくれ」となって海外から資金を導入できる。
それを見た中国人がこんどは提灯買いをするので、再び不動産市場は活況を取り戻し国有産業の過剰生産恐慌も解消できるという算段だ。

 中国ではあらゆる統計資料が政府の意図のもとに製作されているので、それを見れば政府が何をしようとしているかはわかるが、一方実態とは全く関係ない。不動産指数の上昇とは中国政府が不動産投資による不況の打開を図ろうとしている意思表示だが、最近では海外投資家といえどもそれに乗せられる人は少なくなってきている。
その結果販売できないマンションが幽霊のようになって林立しているのが実態だ。


 

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(28.11.17) 韓国の政治と経済が火を噴いても鎮火させるのは自助努力!! 日本は相手にしてはいけない。

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 韓国の政治と経済が崩壊過程に入ってきた。
パク・クネ大統領チェ・スンシル氏という呪術者の呪術によって政治を行っていたことが判明し、21世紀の政治家としては不適切ではないかと韓国人も気が付いた。
これではウエノムの卑弥呼の政治と同じではないか!!」
支持率は5%に落ち、若者だけにかぎると0%だ。
韓国政界は大混乱に陥って弾劾一色になり、パク・クネ氏は何も手が付けられず完全なレームダックになっている。あとはいつ辞任するかのカウントダウンが始まっている。

 一方韓国経済の凋落はすさまじく自慢の輸出は月を追って低下して特に輸出に関連する企業の業績悪化は目を覆わんばかりだ。海運会社の韓進海運は倒産し、造船会社はほとんど作る船がなくなり、化学会社は中国との競争に敗れてあとは倒産を待つばかりになっている。
そして韓国の屋台骨といわれたサムスン電子アイフォーン7との火のような競争に打ち勝つべく投入したギャラクシー・ノート・7が本当に火を噴いてしまい、世界各国で販売中止に追い込まれた。当初はサムスンSDIが提供したバッテリーの不具合と思われたが、バッテリーを変えても火を噴くので設計上のミスだということになり、280万台販売した段階で生産中止に追い込まれた。その損失額は約1兆円と見積もられている。

 スマートフォンだけかと思っていたらアメリカで販売された洗濯機が異常な振動をし始め使用者にぶつかるので250万台の洗濯機のリコールに発展している。
サムスンが作る電気製品は火を噴いたり地震のように振動したり、少しどうかしているんじゃないか。まともに設計する気があるのか!!」世界中でサムスンに対する不信感が広がっている。

 韓国のGDPの約20%を稼いでいるサムスン電子もパク・クネ氏と同様世界での支持率の急低下に悩まされており、世界トップといわれた家電メーカーに黄昏が訪れた。
サムスンにさえ明日がなければ韓国経済はどうしたらいいのだ・・・・
韓国メディアは毎日嘆き節一色で、しばらく前までは「このままでは日本の失われた20年になる」と警告を発していたが、今はそれどころでないことに気が付いた。
今、韓国が崩落している。ほとんど福島の原発のようだ・・・・・・・

 かつては日本非難一色で非難するのがメディアの役割と思っていたが今では日本に援助を求める報道ばかりだ。      
日本とスワップ協定を再締結せよ。日本技術を導入して韓国経済の再生を図れ。アメリカ日本との連携を重視せよ。ただ日本を非難すればいいという問題ではない・・・・・・・」

 だがしかし日本が韓国に援助をして韓国の再生をはかるのは考え物だ。かつて朴正熙大統領の時代に日本企業は惜しみなく韓国企業に技術を提供し、また韓国企業が技術を無断で盗んでも鷹揚に見てきた。
「韓国経済の発展が日本との友好関係を深めるに違いない

 しかし実際に起こったことはサムスンを代表する企業が日本企業を駆逐しだすとイ・ミョンバク大統領は「日本はもう目ではないから何でも言っていい」と日本非難の大合唱になり、パク・クネ氏になると存在もしなかった従軍慰安婦問題で日本を世界中の笑いものにするのが韓国外交の基本政策になった。
日本は世界で最も悪辣な国家だ。くそったれの日本を葬り去れ」国連で、アメリカで、ヨーロッパで、そして中国でそう叫びまわっていたのがパク・クネ氏である。

 韓国を救うと日本非難の大合唱になるのが歴史の教訓である以上、日本は同じわだちを踏むべきでない。
ひたすら無視し相手にしないのが最高の政策で、隣に住んでいるやくざと近所付き合いをしないのと同じだ。
韓国さん、今度は日本は韓国救援は致しません。自力で再生してください。まあ、がんばりなさい」韓国は助けると恩にきることはなくそれを非難する国家だから無視して関係しないのが最高の戦略になる。
それが歴史の教訓だ。

 

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(28.11.16) 人権外交の時代の終焉 オバマ氏からトランプ氏へ

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 世界の指導者から人権擁護を標榜する指導者がまた一人いなくなろうとしている。
オバマ大統領が去りトランプ氏に代わればアメリカが人権を標榜することは全くなくなるだろう。

 トランプ氏にとっては「アメリカにとっていいことが正義」なのだから、国境を越えてアメリカに不法入国した約1000万人のメキシコ人は犯罪者で追い返す存在であり、イスラム教徒はすべてテロリストということだから入国などさせない存在になる。
あいつらはアメリカ人じゃないから保護の対象にならない」トランプ氏はそう叫ぶ。

 中国のチベットやウイグルで習近平主席が独立派を片っ端から投獄して殺害しようが、プーチン大統領が反体制派を秘密警察を使ってひそかに殺害しようが、アメリカとかかわりのないことであればどうでもいいことで、トランプ氏は間違っても人権を振りかざして政治介入などすることはない。

 今トランプ大統領を最も歓迎しているのはプーチン大統領だが冷え切った米ロ関係を修復させる絶好の機会が到来したからだ。
お互いにビジネスライクで付き合おうじゃないか。相手国の国内事情には全く介入せず間違っても人権など標榜せず仲良くやろうや」プーチン大統領のメッセージにトランプ氏が答えるのは確実だ。
俺はオバマとは違う。クリミヤやウクライナで何が起ころうとそれはそっちの問題だ。またシリアでロシアがアサド政権を助けているがシリアなど我が国は何のかかわりもない。まあ勝手にやってくれ。アメリカはシリア問題から手を引く

 世界政治の指導者は大きく分けて理想派と現実派がいるが、今までの理想派のチャンピオンはアメリカでそれに追随するのがヨーロッパと日本という構造で、一方現実派のチャンピオンは中国とロシアだった。
その理想派のチャンピオンだったアメリカが降りてしまうと残された理想派は難民保護を主張して止まないドイツのメルケル首相と、南スーダンンのPKO活動で駆けつけ警護まで行おうとしている安倍首相ぐらいになってしまう。

 だがメルケル首相の任期は来年までで次回は首相に立候補しないといわれているので最後に残された理想派の首相は安倍首相だけになってしまう可能性が高い。
日本だけが相変わらず国連のPKO活動に熱心に行いケニアなどの国連軍が撤退した後の穴埋めをしようとしているが、安倍首相としても一人で国連を支えるわけにいかない。
しかも実際の国連は韓国のパン・ギブン氏が事務総長になってから中国と韓国の手先に成り下がり、ユネスコや国連人権委員会を通じて日本非難の大合唱を行っているのでいくら人のいい日本人といえども国連というだけで協力する気持ちはなくなりつつある。

中国と韓国の手先で世界で最悪の国家は日本と言ってやまない国連に日本は分担金を支払いPKO活動を継続する理由はあるのだろうか?????」
かつては国連を至高の存在と思ってきた日本人も理想から目覚める日は近くなっている。
こうして世界中から今理想派の指導者がいなくなり、すべてが現実派に変わろうとしているが、現実派とはすべて利害関係だけで判断するということであり、イデオロギーや人権といった何か特別な理想のために行動しないということだ。

 地中海でアフリカの難民が海の藻屑と消えても、イラク北部やシリア北部でISが敬虔なイスラム教徒以外の首をいくらはねても、また北朝鮮でキム・ジョンウン氏がミサイル開発と核開発に金を使いすぎ国民を餓死させても、香港の活動家が中国当局の拷問にかけられようとも、自国と関係がなければ見て見ぬふりをして黙殺するという時代に入ろうとしている。

 20世紀の後半は人権外交の時代で特にカーター大統領のころからその傾向は明確になっていたが、いまトランプ大統領になって人権外交の時代が完全に終わろうとしている。
人権とはわが国民の人権であり他国の人権とは違う。人権にも国それぞれの違いがあり人類共通の基準ではない
第二次世界大戦以前の人権は白人社会だけに付与されたもので東洋人と黒人はそれぞれ黄色いサルと黒いサルだったから人権擁護の対象になっていなかった。
サルは人間でないから人権などあるはずがない。

 黒人に人権が与えられたのはアメリカの公民権運動の結果であり、黄色人種に人権が与えられたのは日本が1960年代から驚異的な経済成長をして世界第二位の経済大国になったからであり、世界も黄色いサルが人間だということを認めG7の主要国サミットに日本を加えざる得なくなってからである。
しかしこうした人権の拡大期は終わり、今また人権は自国民にだけ与えられた権利に収縮しつつある。
他国に何が起ころうとあっしにはかかわりのないことでござんす」木枯し紋次郎の世界が21世紀の世界風景になろうとしており、人権の時代が終ろうとしている。



 


 


 

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(28.11.15) 輸出立国の崩壊 中国経済がこけアメリカが保護主義になれば貿易は激減する

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 輸出入を合わせた世界貿易が毎月のように減少している。この原因は世界貿易をリードしてきた中国経済が2014年夏を境に崩壊過程に入ったためであるが、ここにきてさらに追い打ちをかける事態が発生した。
アメリカでトランプ氏が大統領になり保護主義政策を実施することが確実になったからだ。
世界貿易のウエイトでは中国がダントツでその約6割ぐらいのウェイトでアメリカとドイツが続くがその世界のトップの2国が一方は経済崩壊、他方は保護主義による関税障壁で貿易量を減らしていけば、世界の貿易額は激減する。

 特に影響が大きいのは貿易立国でGDPに対する輸出の割合は韓国が約40%、中国が約25%、日本が約15%、そしてアメリカが約10%だから、現在最も大きな影響を受けている輸出大国は韓国ということになる。
実際韓国経済は瀕死の重傷で造船や海運はすべてゾンビ企業になり、サムスンは自慢のギャラクシーが火を噴いてスマートフォン市場でシェアを激減しているし、現代自動車は国内労組のストでまともに自動車生産ができなくなってしまった。
さらに政治情勢は末期的症状でいつパク・クネ大統領が辞任するかというカウントダウンが始まっている。

 中国経済の失速でこの有様だが、さらにアメリカ経済が関税障壁で輸入を制限するとアメリカへの輸出量が多い中国、カナダ、メキシコに決定的な影響が出る。特にひどい影響が出るのは中国で、安価な中国製品も関税をかけられてアメリカ国内製品と競争するのではもはやアメリカへの輸出に頼れないことは確かだ。
20世紀後半はアメリカ主導で自由貿易が花開いたが、21世紀は同じくアメリカ主導で保護貿易が花開くことになる。

 このため各国は貿易に頼ることができなくなり、最終的には国内市場だけがその国の企業の市場になってしまう。勿論貿易は行われるが必要最小限に限られ日本でいえば国内で算出しない原油や天然ガスや鉄鉱石といったところで、国内に代替製品があるものは関税障壁ですべて守られるから農産物の輸入などほとんど発生しないことになる。
この結果GDPは加速度的に減少するがそれは大雑把に言えば国内消費の割合まで減少するだろう。
GDP水準は日本だったら現状の約6割、アメリカで約7割、中国や韓国で約5割程度まで落ち込んでそこで安定するが、もはやGDPが増加するなどとは夢のまた夢になる。

 現在先進国では財やサービスが行き渡ってしまいこれ以上生産を増加してもどうしようもない水準になっているが、それでもGDPが増加しているのは株式と不動産に資金を投下して金融や証券関連の利益でGDPのかさ上げを行っているからだ。
日本の黒田総裁の金融緩和もアメリカやEUの金融緩和も資金は通常の財やサービスに向かわず株式と不動産、そしてしばらく前までは天然資源に向かっていた。

 だが、この金融緩和策も限界に近付いている、富が金融証券関連や不動産関連に集中して1%の国民が富を独占するようになり、それゆえトランプ氏のようにウォール街に反旗を翻す大統領が当選したからだ。
選挙では99%の怒れる国民が勝つから、もはや金融緩和によるGDPの拡大策も終わりに近づいた。

 貿易立国もダメ金融緩和による一部国民に対する富の集中もダメということになれば、後は国内消費だけをあてに細々と経済運営を行う以外に対応策はない。
それが21世紀の現実であり、今後とも世界の貿易金額は漸減し、金融緩和が限界に達すれば先進国経済は完全にストップする。
まだ財とサービスを必要とするインドやアフリカのような諸国はあるものの、一方で先進国や振興国は過剰生産に陥るから全体としたらGDPは減少する。

 何度も言うように成長の20世紀は終わり停滞と後退の21世紀が始まり、成長神話も崩壊したのだ。これを新しい中世と呼ぶことは何度も説明してある。




 

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(28.11.14) パク・クネ氏は霊媒者によって支配されていた。 言霊政治の末路

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 パク・クネ大統領
の辞任は時間の問題となっている。ソウルではパク氏の辞任を求めるデモが何回も起こっており、過去最大規模の100万人デモに発展している。
現在検察は女性実業家といわれているチェ・スンシル氏を逮捕して取り調べを行っているが、容疑は青瓦台の秘書官と組んで大企業から自身が責任者である財団に献金させた罪と、その献金を私的に流用した罪であるが、本当の問題点はその所にはない。

 一番の問題はチェ・スンシル氏が秘書官でないにもかかわらずパク・クネ氏の最大のアドバイサーで政府の極秘事項がチェ・スンシル氏に漏れていたという問題だが、当初私はチェ・スンシル氏がキッシンジャーのような知的なアドバイスを行っていたのだと思っていた。
しかし逮捕された映像を見てみると、この人はまったくのおばさんであり「大変なことをしてしまった」などと言って泣き崩れているのを見て、この人がしていたことは全く別次元のことだと気が付いた。

 実際はチェ・スンシル氏は韓国によくいる霊媒であり、日本語で言えば巫女であり、天童よしみさんが珍島物語で歌った「ヨンドンサリ」であることが分かった。
パク・クネ氏は自身の判断に自信が持てないときは、このチェ・スンシル氏に占ってもらっていたことになる。
日本大使館や世界各国の街角に従軍慰安婦の少女像を建立することはいかに
パクよ、神のお告げを聞くのじゃ。これは神託であるぞ。世界中の街角という街角に少女像を建立しなければ1000年間もお前は従軍慰安婦によって祟られるぞ。神のお告げじゃ

 私は長い間パク・クネ氏の政治がどこかファナチックで一貫性がなく、先進国の指導者としてはあり得ないメンタリティーであることに驚いていた。
日本から盗んだ仏像を「自分のものだと600年前にさかのぼって証明しなければ返さない」などというのは精神異常の何物でもないし、韓国の高校生がフェリーの中で300人も溺死しているときにチェ・スンシル氏の元夫と逢引きしているとは異常だ。
私は本当に逢引きしていたのだと思っていたが、今回チェ・スンシル氏が霊媒だということを知って、このときも託宣を受けに行ったのではないかと考えを変えた。
神よ、教えてたもれ。いかにしたら高校生を救うことができるのじゃ
ただ祈れ、ひたすら祈れば救われる
チェ・スンシル一派は霊媒集団でその力でパク・クネ氏の政治を操っていたことになる。

 チェ・スンシル氏の財団にパク・クネ氏が大企業に献金させるように圧力をかけたのもこの霊力に対するお布施だと知れば理解可能だ。
こうした霊媒者が政治に登場することはよくあることで、日本でいえば奈良朝時代の道鏡であり、ロシアのロマノフ王朝のラスプーチンが有名だが、朝鮮政治にはこうした霊媒者がよくあらわれる。
パク・クネ氏のあまりにファナチックな判断も、言霊政治の結果だと理解すればその行為の非合理性もようやく理解可能な範囲に入ってくる。

 だがこれでは韓国の特に若者の支持は得られないだろう。すでに支持率は5%余りまで落ち込んでいるが若者だけ見れば0%だ。
パク・クネ氏はただひたすら日本大使館の前や世界各地の街角に従軍慰安婦像を立てることだけを政治だと思い、韓国経済が奈落の底に落ちていくのを「神に祈るだけ」だったが、これがこの人の政治スタイルなのだから止むおえない。

 神聖政治は先進国ではすたれたとばかり思っていたが、どっこい現在まで生きていて、いまだに日本の卑弥呼の政治を行っていたのは驚きだった。


 
 

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(28.11.13)「黒い猫でも白い猫でもアメリカに金を払う猫がいい猫だ」 トランプ氏の経済軍事戦略

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 トランプ氏
鄧小平氏に酷似している。
黒い猫でも白い猫でもアメリカに金を払う猫がいい猫だ」と言ってはばからない。イデオロギッシュでないから中国やロシアに対しても先入観を持たない。
ロシアがクリミアやウクライナを編入しても中国が南シナ海や東シナ海を内海にしてもアメリカにかかわりがない限り特別な関心を示さない。
もちろん人道主義とは無縁だから北アフリカの難民が地中海で海の藻屑になっても「それがどうしたの」という態度だ。
ISが棟梁跋扈するするイラク北部での戦闘にも関心はない。イラクがどうなろうともアメリカ経済には全く影響がないからだ。

 トランプ氏はビジネスマンであり政治家でないからすべてはビジネスライクに考察する。
それで我が国はいくら儲かるのかね?」
トランプ氏の経済政策は明白で国内経済を守るためには関税障壁を鉄壁にし、自由貿易と戦うことだ。
国内の製造業を守り、プア・ホワイトを再就職させ彼らに再び誇りを持たせるのが俺の仕事だ。国内市場はすべてアメリカのものだからアホンダラの外国になんか渡さんぞ
世界で最も自由といわれていたアメリカ市場が閉鎖され、今後アメリカとの貿易は激減する。
世界全体でみると輸出入が年を追って減少していくが、「それがどうした。アメリカとは何ら関係ない」とトランプ氏はいうだろう。

 経済以外のチェンジでは軍事政策が大幅に変更される。
黒い猫でも白い猫でもアメリカに傭兵料を支払う猫がいい猫だ」というのがトランプ氏の軍事政策だ。
今アメリカはアフガン、ドイツ、日本、韓国、イタリアといった地域に多くのアメリカ兵を駐屯させているが、こうした場所には「傭兵料を払わない限りお前の国を守ってやらない」と通告してくるだろう。
日米安保も金次第だ。我が国は日本を守る義務はあるが日本は我が国を守る義務がないような片務的条約はこりごりだ。守ってほしければ金を払え

  トランプ氏は誤解しているが日米安保条約が片務的なのは締結された1951年時には日本に軍隊がなかったからだ。自衛隊ができたのは1954年で、それまでアメリカは日本に軍隊を持たせる気持ちはなかった。
すべての日本防衛はアメリカが面倒を見る。お前の国はアメリカの植民地なのだからただアメリカに従っていればいい。憲法第9条はお前の国が植民地だということを明確に規定したものだから、間違っても憲法改正などしたら許さないぞ

 それから65年、日本は延々とアメリカの属国でありつづけたがその見返りにアメリカが日本の防衛を引き受けてくれた。最近では約2000億円の思いやり予算という傭兵料を支払っているがとても米軍の経費すべてをまかなうわけにはいかない。
現在日本の防衛費はGDPの1%以内をめどとしており約5兆円規模だが、これほど安価な防衛が可能なのは駐留米軍が日本を核で守っているからだ。
あんた、日本の防衛も金次第だよ。2000億などはした金じゃないか。米軍4万人の駐留経費を全額払ってもらいましょう
それがいくらになるかわからないが数兆円規模になることだけは確かだ。

 日本以外ではドイツに5万人、イタリアに1万人が駐留しているが、こうした国に駐留している本当の意味は第二次世界大戦の戦勝国が敗戦国を実質支配している構造を維持してきたからだ。
だがトランプ氏には歴史もイデオロギーもないからすべては金次第ということになる。
ドイツやイタリアはNATOという集団防衛組織がありアメリカ軍抜きでも防衛が可能だ。両国は傭兵料を支払うつもりはないからここからアメリカが撤退するのは時間の問題だろう。

 隣の韓国には約3万人の米兵が駐留していて38度線を守っているが、これも朝鮮戦争という20世紀の遺物だからトランプ氏には全く関心がない。
韓国が北朝鮮に支配されようがアメリカにはかかわりのないことでござんす」木枯し紋次郎のセリフが聞こえる。
現在韓国も数百億円の駐留経費を支払っているが、「こんなはした金では米軍は撤退しますよ」とトランプ氏に脅されるのも時間の問題だろう。

 トランプ氏の傭兵ビジネスは特にトランプ氏の大統領就任に力を貸した2000万人以上の退役軍人に対する恩給費に回されることは明白だ。
君たちのおかげで世界平和が守られてきた。その正当な代価を世界中から徴収し君たちの生活を守ってやる
イデオロギーを捨象したトランプ氏の軍事政策は完全に傭兵ビジネスになり、「黒い猫でも白い猫でも傭兵料を支払ってくれる猫がいい猫」になることは確実だ。


 


 

 

 

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(28.11.12) 自由貿易の終焉と保護貿易主義の台頭  そして進歩の時代は終わった。

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 「ちゃぶ台をひっくり返す」とはこのことをいうのだろう。トランプ新大統領の行おうとしている経済政策である。
選挙公約としてTPPも、NAFTA北米自由貿易協定)も韓国とのFTAもそのたすべての自由貿易協定を破棄するというのだから尋常ではない。
戦後70年、アメリカが主体となって推し進めてきた自由貿易の波は一瞬のうちに消滅することになりそうだ。
全部ご破算だ。自由貿易など知ったこっちゃねい!!」

 もともと自由貿易はリカードの比較優位の理論に基づいており、貿易が自由化されればすべての国民に恩恵を及ぼすというものだった。よくある説明では「ある町に町一番の弁護士でかつ町一番のタイピストだった場合でも、本人は弁護士家業に専念すべきでタイピストは雇ったほうが全体の収益は増加する」というものだ。
比較して最も優位な仕事をするようにすればそれが利益を極大化させるというものだが、その反対意見はアダム・スミス絶対優位の理論で、自由化が行われると最も優位な産業を持っている国だけが富むというものだった。

 貿易の自由化が進むと実際に起きたことはアダム・スミスの理論に近く、確かに全世界の富は増えたが、その富を獲得したものは絶対的に強い産業の一人勝ちであり、絶対的に弱い産業は淘汰されてしまった。
アメリカでは金融業とソフト産業が世界を席巻し、一方製造業は日本や中国や韓国に蹴散らされ自動車産業も鉄鋼産業も今では見る影もない。
さらに一国の中でも勝ち組と負け組の明確に分かれ、負け組は絶対的な負け組になるというのが実情で、アメリカ中でかつて製造業に従事していた労働者はプア・ホワイトだらけになってしまった。
俺たちはウォール街の犠牲者だ。あいつらを富ませるために俺たち製造業者はみな失業した

 実際は「強いもの常に強く、弱いものは常に弱い」というジャングルのおきての世界だったわけである。
もう嫌だ。くそったれのリカードを追い出せ」いま世界中で比較優位の理論が放逐されつつある。
これから起きる世界は保護主義の世界であり、貿易の自由化協定は次々に破棄され、国内市場の保護が最優先課題になり、その結果世界貿易は徐々に縮小しGDPは年を追って減少する。
それでいいじゃないか。俺たちの職場は安泰だ。安い外国製品など追っ払って高くてもみんなで助け合って暮らしていこう

 戦後70年たち、トランプ大統領が現れいま突然と言っていいほどの速度で自由貿易が放逐されつつある。世界経済は成長から停滞に入りそして衰退するだろう。 
アメリカはトランプ氏の政策で海外からの移住者を制限するから人口増は望めなくなり、人口ボーナスはなくなるのでGDPが伸びる要因がなくなる。
いやはや、お騒がせの20世紀が終わったんだから21世紀は静かに暮らそうじゃないか
今までは成長と進歩が人類の合言葉だったが、これからは停滞と安定が人類の合言葉になる。
ちょうど今から150年前に終わった江戸時代のような、他国とはほとんど没交渉で国内産業だけで生計を立て、決して明日はより豊かになるなどと夢を持たなかったあの江戸時代が世界中でも始まるのだ。

 「世界の江戸化」というのだが別名を「新しい中世の始まり」ともいう。

 

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(28.11.11) トランプ大統領の描く世界 アメリカは世界帝国から撤退するが日本はなおアメリカ組にとどまる

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 トランプ氏がアメリカ大統領に就任すれば、今まで築いてきたオバマ外交はほとんど見直しを要請されるだろう。
明確なことはTPPをアメリカは批准しないからTPPは空中分解する。環太平洋をめぐる貿易の自由化はなくなり、それぞれの国が保護主義の枠に閉じこもるから貿易量は年年歳歳減少していく。

 またアメリカは地球温暖化対策のパリ協定からは離脱するから中国も同様に離脱し、地球温暖化対策はなくなる。この結果地球の平均気温は毎年のように上昇し、台風や集中豪雨や竜巻はより狂暴化するから自然災害に対する対応力のない国は大混乱に陥るだろう。
日本は地震や風水害が常時発生してきたから幸いにも昔から対応力があり、最高度の自然災害に対する防衛策を築いているので地球温暖化に対しては最も被害の少ない国になる。
この点で北朝鮮や中国は防衛力はないに等しく自然災害で国土が荒廃することは確実だ。

 安全保障の面ではアメリカは各国に傭兵料の徴収を実施するから、傭兵料を支払えない国から米軍は撤退する。今後アメリカは傭兵ビジネスで生きていこうということで、日本は現在2000億規模の傭兵料を支払っているが、これは1兆円規模まで膨らむのは致し方がない。
日本の防衛力の最大の欠点は核がないことで、アメリカの核の傘の下でないと安全が保障されない。何しろ隣国では北朝鮮や中国といった核で隣国を脅す国が存在している以上、日米安保を金で買うしか日本の対応策はないからだ
傭兵料は年年歳歳増加されるので、日本はどこかで独自で核を持つ選択を迫られるだろう。アメリカの核で守ってもらうのがいいか独自で核武装するのがいいかの選択である。

 日本の近隣諸国はアメリカの外交政策の変更にそれぞれ対応を迫られる。 
隣の韓国についてはアメリカが38度線に興味を失うから中国に接近するしか対応策はない。駐留米軍経費を支払うより中国の核に守ってもらう方策を選ぶはずだ。今までもパク・クネ政権は中国の属国になる外交を展開してきたからそれがより明確になる。
台湾もアメリカが防衛を放棄するから中国に編入される。香港と同様の一国二制度になる。
またフィリピンもドゥテルテ大統領が「アメリカ出ていけ」と騒いでいるが、騒がなくてもアメリカはフィリピン防衛を放棄する。何しろここは駐留米軍費を一銭も払う意思はないのだからトランプ氏がフィリピン防衛に米兵を派遣することはあり得ない。
すべては傭兵ビジネスよ!!!」ということだ。

 日本にとっては周りがすべて中国組となるのではなはだ住み心地が悪くなるのは致し方ない。当面問題になるのは尖閣諸島問題だがこれは実質的に放棄せざる得ないだろう。中国と軍事衝突までして守るべき島ではなく、周辺に海洋資源があっても海洋資源など何の値打ちもない。
世界貿易が縮小しGDPが減少していく世界で、シェールオイルの約二倍の生産費がかかる海洋資源の開発など経済的には愚の骨頂で今まで行ってきた海洋開発はすべて放棄される。中国は意地で行うかもしれないがただバカ高い原油の生産になり誰も使用しないから無駄な作業だ。

 日本にとってのもう一つの問題は沖縄で沖縄がアメリカのコミットメントが縮小するのを機会に独立の機運を強めるだろう。
もともと沖縄は中国の属国だった」という主張である。
この問題は駐留米軍との関係で決まるが、アメリカが沖縄に駐屯する意義はすべて傭兵料との関係で決まり、アメリカの世界戦略とは何ら関係しないので日本も傭兵料を支払ってまで沖縄を守る気持ちはなくなるだろう。
どうぞ好きなようにしてください

 領土という認識は20世紀的認識で21世紀になると土地の価値はほとんどなくなる。何しろ人口は急激に減少し僻地から人々はいなくなるから日本中で土地はがら空きになり最も価値のない資産が土地になる。
ばかばかしく金のかかる場所は放棄するのが一番で北方領土も竹島も尖閣諸島も見向きもしなくなるからどこの領土になっても実質的な意味は全くない。18世紀以前の世界はそうした場所が世界中にごろごろあったがその状況に戻るだけだ。

 トランプ氏が大統領に就任しアメリカが世界の大国から降りる以上その後の世界はローカル国家連合の世界になり、アメリカ組、中国組、ロシア組、ヨーロッパ組、インド組、アラブ組に大雑把に分かれるだろう。どれもが団栗の背比べだからどこも世界を仕切ることはできない。日本は今までと同様にアメリカ組の組員となっているが上納金が莫大になるのでかつてのような「水と安全はタダ」というような意識で生きられないことは確かだ。






 

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(28.11.10) パックス.アメリカーナの崩壊 トランプ氏が勝利し中世世界が表れる

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 歴史の転換点
に遭遇することはめったにあることではないが、これはまさしく歴史に転換点だ。パックス・アメリカーナが崩壊したからだ。
戦後の約70年間、世界はアメリカの下での平和を享受してきた。小さな戦争はいくらでもあったが、第二次世界大戦のような大戦争が起こらなかったのは、アメリカが世界の警察官としてにらみを利かせていたからだ。だがそのアメリカは世界の警察官であることに疲れ切り、自らその立場を放棄した。

アメリカは世界のことなどかかわらない。アメリカはアメリカのためだけに生きる。お前らは勝手に生きろトランプ氏はそう宣言してアメリカの大統領に就任した。
この70年間、アメリカがしたことは世界市場を一つにすることで、その思想はグローバリズムと言われたが、その恩恵を得たのはアメリカでは一握りの強い人だけだった。
いわゆる富んだ1%が99%を支配する構造で、ウォール街を支配した金融資本とその周辺に群がった人々である。

 グローバリズムのおかげで金融業は隆盛を極めたが、一方貿易の自由化で製造業は壊滅的な被害をこうむった。自動車産業や鉄鋼産業は政府の支援でかろうじて生き残っている状況であり、かつてそこに勤めていた白人層は大方解雇されてしまった。
アメリカは世界一裕福なのになぜおれたちは貧乏なのだ。なぜ投資会社や金融機関のディーラーだけが億万長者で、黙々と働いてきた俺たち白人が失業者なのだ
アメリカのプア・ホワイトの怒りはすさまじく、事前の世論調査では常にヒラリー氏が優位に立っていたにもかかわらず、トランプ氏の圧勝に終わった。
ヒラリー氏の支持者の多くが棄権し、トランプ氏の支持者はほとんど命を懸ける思いでトランプ氏に投票したからだ。

もう嫌だ。世界のことではなく俺たちのことを考えてくれ。ウォール街などくそくらえだ
トランプ氏のあの騒がしい言説も言っていたことは明白だ。
世界のことなど知らねい。貿易自由化などもってのほかだ。TPPはけとばせ。軍隊を世界中から引き揚げろ。いてほしかったら傭兵料を払え。くそったれのメキシコ人もイスラム教徒もアメリカから出ていけ。俺たちは俺たちだけで生きるから、お前らもお前たちだけで生きろ、バッキャロー

 パックス・アメリカーナの時代はアメリカに頼っていれば生きられたが、それが終わってしまえば自力で生きるほかに手はない。日本は日米安保条約のおかげで中国や北朝鮮の核の脅しから守られていたが、安保条約が空洞化すれば独自で軍備を強化する以外生きる道はない。核の脅しには核で対抗する以外に手はないのだが、それが不可能なら中国や北朝鮮の属国になることになる。

 現在貿易量は世界的規模で激減しているが、今後アメリカが保護主義に走るから更なる貿易量の減少が続くだろう。貿易立国を誇ってきた韓国や中国は国内市場を開拓しない限り経済の崩壊が始まるが、中国はともかく韓国が生き残るすべはなくなった。
日本もアメリカ相手の輸出貿易はほとんど期待できなくなり、輸出産業は東南アジアとインドに活路を求めるだろうが、それでも年年歳歳その規模が縮小していくことは免れない。

 こうして世界は徐々に縮小し、グローバリズムの時代からローカリズムの時代に移り、GDPは年々縮小するからこうした指標を見ても意味がなくなる。
かつてローマ帝国が崩壊した後の地中海世界は、アフリカ北部からローマへの穀物輸出がなくなり、ワイン貿易もなくなり、ローマ街道は荒れるに任され、水道や下水道の公共施設を補修できなくなって過去の遺産となり、イタリア沿岸の都市はイスラムの海賊の棟梁跋扈に悩まされたが、その21世版が今始まろうとしている。

 かつてパックス・ロマーナの後、地中海世界は1000年の中世世界に入ったが、今我々はその中世に再び向かっている。
互いに国を閉ざし、外国人はすべて敵と思い、自給自足生活を基本として、顔見知りの人々とだけ暮らし、違反者は魔女として焼き殺したあの中世世界である。
思えばパックス・アメリカーナの世界はアメリカが世界を睥睨してくれていたおかげで安全で快適だったが、その世界が崩壊する。
私が生きているうちにパックス・アメリカーナの崩壊があるとは思いもしなかったが、時に歴史の流れは突然津波のように襲ってくるものだ。


 
 

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(28.11.9) 20世紀型猛烈企業の崩壊 電通に強制捜査が入った

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 また一つ20世紀型企業が崩壊し始めた。電通のことである。電通は日本を代表する広告代理店で20世紀の高度成長期には花形産業だった。給与は高かったが一方で仕事はきつく、それでも日本経済をリードしている自負があったので社員のモラルは非常に高いものがあった。広告代理店業界では「電通でなければ人でない」という雰囲気があったものだ。

 しかし21世紀に入り日本経済が完全にピークを打ちさらに人口が毎年のように減少し老人ばかりが増える社会になると、広告業自体が不要になってくる。
老人は何しろ新しいものが嫌いだし、広告など見たくもないからいくらテレビや新聞や雑誌で広告を打ってもだれも見向きもしない。
毎年のように消費が減少し、消費者物価が低下するので日銀の黒田総裁も手を挙げた。
駄目だ、日本では消費は拡大せず消費者物価は上昇しない

 21世紀の世界では売るものも買うものもこれ以上必要なくなり、そして広告宣伝も徐々に仕事を減少させざるを得ない。
簡単に言えば縮小再生産が21世紀の企業活動の指針になる。
然し電通は相も変わらず20世紀型の思考で突っ走っており、鬼の十則といういかにも二十世紀型人間が考えそうな規則で社員を叱咤激励してきた。
この第五則がすごく「 取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは……」というものだ。

 社員は仕方なく夜の10時ごろまで残業し月に100時間を越す残業をしていたが、電通の規則では70時間が上限なので社員は自らの意思か、あるいは上司からの指示で残業時間を70時間以内に記載していた。
仕事自体に意義がありしていることに価値を見出せれば人間は体力の限界まで頑張れるものだが、していることに価値を見出せなければ精神的に切れてしまう。
なぜ、広告なんかもう必要しなくなってきているのに私はこんなに努力しなければならないのだろうか
 
 電通の職員だった高橋まつりさん(24歳)が自殺して、これが過労死であるとの裁判が行われているが、このたび厚生労働省が電通に対し一斉に強制捜査を実施した。労働基準法違反の疑いだが、70時間を超えて労働させ、さらに残業の過少申告を強要してきた疑いである。

 私は何回もこのブログで21世紀は人口が減少し老人が増えGDPが縮小していくので過剰労働をすればそれが生産過剰を引き起こし恐慌を起こすと主張してきた。
隣の中国では鉄鋼など日本の8倍も生産するがGDP比較では2倍が適当だから残りはただ無駄に生産しているだけだ。
地方都市ではこの鉄鋼を使って新都市が次々に建設されているが、だれも購入する人がいないので幽霊のようなビルが乱立している。
それでも中国では生産すればGDPにカウントするので「わが国のGDPは6.7%上昇している」などと愚かな数字を公表して悦に入っている。

 もっとも中国ばかり笑っていられないのは日本のような先進国では消費財の需要がさっぱりなので、後は投機財の価格を上げることしかできなくなり日本もEUもアメリカも金融緩和しか手がなくなっている。
金融を緩和すれば株式と不動産価格が上がるからうまく売り抜けた人の所得は上昇し、金融機関や証券会社の利益が上がるから確かにGDPは上昇するのだが、これらは投機財であって、あってもなくてもいいようなものだ。
しかしそれ以外にGDPを増大させる手段はない。
先進国では本当に必要なものはもう十分でありこれ以上の財やサービスは必要ないのだ。

 だから電通のような広告代理店がいくら笛を吹いても国民はおどらなくなっており、広告業自体が衰微しつつある。
そのような中で相も変わらず20世紀の精神で職員をこき使ったら自殺者が出るのは当然だ。
私たちはなんでこんな無価値な作業を100時間以上も残業して遂行しなければならないのだろうか」21世紀の人間ならだれでも持つ疑問だ。


 

    

 

 

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(28.11.8) 病気療養中のため二日に1回の割で過去のシナリオを掲載しています。 「ハバロフスク(第五回 )

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  このシナリオはソ連邦が崩壊した1990年前後を扱ったものです。歴史的なシナリオを描いてみたくて挑戦したものです。(一回からの続き)


〇 校長室(続き)

校長「いや、その、そういわれてもこればかりは明確な基準があるわけではなくて、例えばあなたがサーシャの父親のようにハバロフスク州の第二書記であればお金の問題もないのですが・・・・・・・」
母親「私の父親は大祖国戦争のときスターリングラードの攻防戦で戦死し、祖国より勲章をもらっております。母親はナチスにとらえられウクライナで殺されました。私の夫はアフガンで名誉の戦死をしました。私はノルマを一度たりとも未達成におわったことのない労働英雄です。
同志ブレジネフは年頭の人民に対する論文で、祖国に尽くすものは祖国から報われると言っていたはずです」
校長「いや、いやお母さん。あなたの言うことはよくわかりました。努力してみましょう。とりあえず5000ルーブル用意していただけるでしょうか。それとあなたのところにテンの良い毛皮があればさらに良いのですが。確約はできませんが、まあ、努力してみましょう」

イリーナ「(語り)しかし母のこの努力も、校長の行為も報われなかった。その後母は州の第二書記のサーシャの父親のもとに私の入学の依頼に行ったが、帰ってきたときには母の髪が乱れそして洋服がやぶれていた。母は何にも言わずただひたすら台所で泣き崩れ、そして母はその後二度と労働英雄になろうしなくなった。
わたしは母に何が起こったのかははっきりとはわからなかったが、母の心が崩れるぐらいの悲しみだったことは理解できた。『母さん何があったの。なぜ何も言わないの。母さんもういいのよ、私、特別英語学校には行かない。だから泣かないで、お願い』」

〇 1990年 ハバロフスク空港 5月

アナウンス「新潟発ハバロフスク行きアエロフロート003便がただいま到着いたしました」

 飛行機の騒音、古ぼけた空港の税関。そこに日本人客が殺到している。税関の恐ろしいくらいの時間をかけたチェック。

税関職員「次、出入国カードとパスポートを見せて、申告することはありませんか。ラジカセは持っていませんね」
旅行者「いえ、なにも」
税関職員「では、スーツケースを開けて」

 スーツケースの中を開けてチェックする税関職員。そこに日本からの旅行客山崎次郎(40歳)が現れる。何回もロシア旅行をしているため税関職員とは顔見知りになっている。

税関職員「はい次」
山崎「相変わらず元気だね、アントン」
税関職員「はは、これは山崎さん、ようこそ。ようやくロシアも春ですよ。ここは一般窓口でチェックは厳しいですから向こうの特別窓口に回ってください」
山崎「じゃ、そうしよう。これは君に頼まれた例のものだ。向こうの隅に置いとくよ。マルボロ5カートンだったね」
税関職員「はは、いつもすいません」
山崎「いつもマルボロではあいてしまうだろう。たまにはセブンスターにしたら」
税関職員「いやこれは自分で吸うわけでないからマルボロのほうがいいのです。これが通貨だというのを知っていて山崎さんも人が悪い」

 笑いあう二人

山崎「じゃ、あちらの窓口から失礼する」

 重たい荷物をもって特別窓口に向かう山崎。

〇ハバロフスク空港の玄関口

 そこにペーチャ(25歳)が山崎を待っている。

ペーチャ「へい、へい、山崎さん、迎えに来たよ。外に車を待たせてある、荷物を運ぼう、相変わらず大荷物だね」
山崎「やー、ペーチャ、元気そうだね。そのスーツケース2個を運んでくれ」

 自動車の置いてある駐車場に急ぐ二人。白樺の葉はまだ出ていないが風にそよぐ様は春を思わす。

ペーチャ「あのジグリがそうだ」
山崎「なんだい、ペーチャ、相変わらずおんぼろのジグリかい」
ペーチャ「大丈夫、今にトヨタか日産に変えて見せる」

 笑いあう二人。ハバロフスク市街に向かって走り始めるジグリ。車内でトロイカを口ずさむ山崎。

山崎「(歌)雪の白樺並木 高鳴るバイアン~~~~~」
ペーチャ「山崎さんは相変わらずロシア民謡かい。今ロシアではロックがナウなんだ。それも重いきりビートの聞いたロックでロシアンロックというんだ」

 ラジオのチューナーを回すペーチャ。突然高温量のロシアンロックが聞こえてくる。
耳を思わずふさぐ山崎。

山崎「ペーチャ、そうした音楽は嫌いなのだ。ラジオを止めてくれ」
ペーチャ「(ラジオを止めながら)山崎さんはペレストロイカがどうも理解できないようだね。このロシアンロックこそがペレストロイカそのものなのに」
山崎「ペーチャ、君のペレストロイカはいいから静かにトロイカをうたわしてくれ」

(続く)

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(28.11.7) アメリカ大統領選挙と世界帝国の終焉 中世が始まる

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 アメリカ大統領選挙がここにきて大混戦になってきた。3回の大統領候補者同士の討論会では圧倒的にヒラリー氏が優位だったので、大勢は決したかに見えたがトランプ氏の思わぬ反撃にあっている。
もっとも反撃に手助けをしたのはFBIのコミー長官で「クリントン氏のメール問題を再調査する」といったものだから、トランプ氏が勢いづいた。
俺が大統領になったらヒラリーを監獄に送ってやる

 現在世論調査の差は1%程度になってしまい、激戦州を制したほうが勝利するといった鼻の差の戦いになっている。
だが今回のアメリカ大統領選挙ほど質が低下した選挙はなく、その責任はもっぱらトランプ氏にあるが、ヒラリー氏も過去の国務長官時代にリビア大使を見殺しにしたり、公的なメールを私的なメールアドレスで発信したり、中国からの献金で選挙を戦ったりしているからあまり褒められたものではない。

 これほど大統領候補の質が落ちたのは、実はアメリカの国家としての質が落ちているからだが、簡単に言えばアメリカの世界国家からローカル国家への転落を象徴しているだけだ。
すでにオバマ大統領は「アメリカは世界の警察官ではない」と明言してアラブ問題から実質的に手を引いており、怒ったイスラエルとサウジアラビアがアメリカと絶縁状態に陥った。
クリミアもウクライナもロシアが思うがままにふるまい、南シナ海や東シナ海では中国が自国領だとベトナムやフィリピンや日本を戦艦や巡視艇で脅しまくっている。

 アメリカが世界の警察官を降りたとたんに世界中で紛争が勃発したが、警察官のいない街がアウトローの街になるのは当然だ。
ちょうどローマ帝国崩壊後のヨーロッパやアフリカで、ローマ帝国の崩壊がその後の約1000年にも及ぶ中世の始まりだったが、いま世界は再びこの中世世界に突入しつつある。

 アメリカではヒラリー氏が勝とうがトランプ氏が勝とうが、グローバリズムが終焉することは確かでTPPは批准されず、世界各地から米軍は撤退をはじめ、地域の紛争はとどまるところを知らず、その結果世界貿易は縮小し、人々は自国の中での安全を確保しようとハリネズミのように防衛を強化するだろう。

 そして国連やその他の世界機関は全く機能することなく、分担金をアメリカや日本が支払いを拒否するために存立そのものが危うくなり「かつては確かにここに国連本部があったのだが、今は廃墟か」などという状況になるだろう。
21世紀に入り突然と言っていいほどの速度で世界からグローバリズムが失われつつあるが、アメリカの大統領選挙もその一環だとしてみれば理解できる。

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(28.11.6) 病気療養中のため二日に1回の割で過去のシナリオを掲載しています。 「ハバロフスク(第四回 )

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  このシナリオはソ連邦が崩壊した1990年前後を扱ったものです。歴史的なシナリオを描いてみたくて挑戦したものです。(一回からの続き)



〇 イリーナの思い出

 アムール川のさざ波。船の汽笛。たたずむイリーナ。  

イリーナ「(語り)私はこの国を信じていた。この国の技術と国力と正義を信じていた。共産主義こそ世界に平和と繫栄をもたらすと、そう、サーシャと栄光広場の前で何度も何度も語り合った。そして二人して口ずさんだ栄光のソ連国歌」

 映像。ソ連国歌を歌うイリーナとサーシャ「自由の国、揺るがぬ国、永遠に生きよ、わがソビエト、もろびとこぞりてたてし国、栄光あれソビエト同盟・・・・・・・」
風になびくイリーナの栗毛の髪の毛。

イリーナ「(語り)サーシャ、教えてほしいの。この国は自由と平等の国でしょ。男女の差別もなく、能力に応じて好きな学校に入れるのでしょ。私、それを信じて一生懸命勉強したわ。数学だって理科だって英語だって夜遅くまで勉強したのよ。成績もオール5なのに、なぜサーシャと同じ特別英語学校に入れないの。先日リューバ先生にご相談したの。先生とても困った顔をされていた。そしておっしゃたわ。最近は成績だけでなく家庭環境も重要になったんだって。家庭環境って何、私お母さんにそのことを話したの・・・・・・・・」

〇 イリーナの家

 あまり豊かとはいえない集団アパートの一室。イリーナが母親(40歳 すらっとした体形で横顔が美しい)に話をしている。

イリーナ「母さん、私、リューバ先生に将来のことを相談したの」
「それで?」
イリーナ「わたし、サーシャのように特別英語学校に行きたいの。でも校長先生がまだ推薦してくださらないんだって」
「お前はオール5だから必ず推薦してくださるよ」
イリーナ「リューバ先生のお話だと、今は成績だけでなく家庭環境も大事だというの。家庭環境ってどういうこと?」
「(困惑して黙って娘の顔を見る)・・・・・・・・・・・」
イリーナ「サーシャのようにお父さんが党の幹部じゃなければだめなの」
「(強い調子で)父さんはアフガンで名誉の戦死をした国の英雄じゃないか。母さんだってノルマを150%達成した労働英雄だよ。家庭環境は申し分ないじゃないか」
イリーナ「そうよ、そうよね、あたし期待して待ってていいのね」

イリーナ「(語り)母さんは翌日校長先生に相談に行った」

〇 校長室(翌日)

 学校のざわめき。愛想よく応接する校長。

校長「これはこれはイリーナのお母さん、今日はわざわざ学校に何の用ですかな」
「(真剣に)今日は娘のことでどうしても相談させていただきたくて」
校長「ほう、なんでしょうか」
「娘は今一生懸命勉強しています。素行もピオニールの活動も申し分ないといわれています。栄光の灯を守るリーダにも選ばれました。特に英語の成績は親の私の目から見ても素晴らしいものだと思っています。でも娘は今大変悩んでおります。校長先生が娘を特別英語学校に推薦してくださらないのではないかと心配しております」
校長「(当惑気に)いや、いや、それは、よく勉強できる子供は祖国の宝ですので当然推薦は致します」
「では、期待してよろしいのでしょうか」
校長「(言葉を失いながら)いや、それが、実は・・・・・・」
「実は、何か?」
校長「(意を決して)実は推薦はしたのです。しかし、まことに残念ながら不採用の通知が来ました」
「あの子は成績も素行もいいはずですが,なぜ」
校長「(咳払い)うむ、大変申しにくいのですが、昨今はそれだけではなんともしようのない状況が生まれていて、うむ、党やコムソモールからその他の筋からの要請が大変強くなっていて、もっともこれは学校だけの問題ではないのですが、要するにそうした手を打たない限り、希望通りの進学ができない状況なのです。私も忸怩たる思いですが、状況は状況として受け入れざる得ないでしょう」
「では、あの子のためにどうしたらいいのでしょうか。お金でしょうか。何ルーブルy都合すればあの子を特別英語学校に入れることができるのでしょうか」

 気まずい沈黙

(続く)

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(28.11.5) パク・クネ氏の辞任は時間の問題 天罰はあるのだろうか?

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 韓国のパク大統領が任期を約1年余り残して辞任する公算が大きくなってきた。友人のチェ・スンシル氏に大統領の演説原稿の推敲を依頼したり、その他の国家秘密を流した罪でだ。
現在検察がチェ・スンシル氏を逮捕して捜査をしているのは秘密漏洩の件ではなく、チェ・スンシル氏の財団への寄付が青瓦台の圧力によったものかどうかで、前首席秘書官が圧力をかけた疑いで逮捕されている。
パク・クネ氏は自分は関与していないと逃げをうっているが、本命は機密漏洩で寄付金の企業への圧力は別件逮捕だから、機密漏洩の件はパク・クネ氏以外に草稿を渡すはずはなくパク氏が弾劾されるか自らやめるかは時間も問題となってきた。

 こうした状況に陥ったのは自らの不徳とするところで日本人から見ると天罰の様に見えるが、パク・クネ氏がここでやめるとなると日本に対する影響が大きい。
何しろパク・クネ氏ほど無能な大統領はなくおかげで韓国経済は崩壊してしまい韓国が世界の経済プレーヤーであった時代が終わってしまった。
韓国は日本のライバルでほとんどの産業で競合しているので、韓国の凋落は日本にとって慈雨に等しい。
だからパク・クネ大統領が政権にしがみつけばつくほど、韓国の政治・経済は崩壊速度を速めるのでこれほど日本にとって都合のいい大統領はいない。
パクさん、頑張って辞めないで」応援したくなるほどだ。

 笑ってしまうがパク氏がしたことは、ありもしなかった従軍慰安婦像を世界中の街角に建てたことだけで、これは日本の朝日新聞というでっち上げ専門紙のねつ造だった。
もう一つの外交成果は韓国を中国の従属国家にすることだったが、これは中国が21世紀の大国になると早まって判断したことで、実際は2014年の夏にピークを打った中国経済は奈落に向かって真っ逆さまに滑り落ちはじめた。
これに完全にデペンドした韓国経済もこちらはよりひどく奈落に落ちているのだが、この判断ミスは決定的だったといえる。

 日本に対する誤った敵対意識と中国に対する従属意識は楯の裏腹だが、これが韓国経済の最大の崩壊要因であり、すべてパク・クネ氏の責任であり、機密漏洩より罪は大きい。
だからパク・クネ氏がいる限り韓国は地獄を見るので何としても政権にしがみついてもらいたいものだと思う。
これから数か月すったもんだした挙句にパク大統領が辞任するのはほぼ確実になっているが、韓国民は5年間余りも世界で最も無能な大統領に指導されてきたのだから、日本が鳩山氏に指導された1年と比べるとその害悪は比較にならない。

 そしてこの韓国史上最悪の大統領が今退任を迫られているさまは、散々ありもしない罪で因縁をつけられてきた日本から見たらまさに天罰の様に見えるから不思議だ。

 

 

 

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(28.11.4) 病気療養中のため二日に1回の割で過去のシナリオを掲載しています。 「ハバロフスク(第三回 )

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 このシナリオはソ連邦が崩壊した1990年前後を扱ったものです。歴史的なシナリオを描いてみたくて挑戦したものです。(一回からの続き)



〇 校長室(続き)

校長「ああ、リューバ先生、あなたですか」
教師「校長先生、いかがでしたか」
校長「サーシャですか、彼なら問題ない」
教師「いえ、ペーチャです」
校長「うむ、よくないですな。成績も悪いが素行が悪すぎます。やはり親のせいですかな」
教師「親御さんに何かあったのですか」
校長「うむ、ここだけの話にしてほしいのですが、ペーチャの父親がイスラエルに移民申請を出しています。先日KGBから連絡がありました」
教師「(驚いて)まあ、イスラエルに移民だなんて、国賊的行為ですわ。やはりユダヤ人はユダヤ人ですわね」
校長「(威厳を込めて)そのような民族主義的な発言はソビエト国家には似つかわしくありませんな。(一息おいて)しかしペーチャの父親ですが今は勤めていた鉄工所をやめて失業中です。この国では失業自体が犯罪ですので、いづれ強制収容所行は免れないでしょう。とても移民申請が認められるような立場ではありませんな」
教師「やはり家庭環境は恐ろしいですわ、そうですか・・・・・」

 不吉な効果音

〇 栄光広場(学校の帰り)

 町の中心にある栄光広場の前でサーシャと同じクラスのイリーナ(女性)が話し合っている。イリーナは栗毛の髪の毛が美しくなびいている美少女。
小鳥の鳴き声。子供たちの遊ぶ声。栄光広場の火を守るピオニールの歩哨。

イリーナ「それでサーシャは特別英語学校に行くことにしたの」
サーシャ「うん、イリーナ、チャンスだからね」
イリーナ「(寂しそうに)そう、じゃ、一緒に勉強できないわけね」
サーシャ「君も特別英語学校に来ればいいじゃないか。成績だって僕と変わらないし」
イリーナ「私の場合校長先生から何も言われないの。もしかしたらだめかもしれない」
サーシャ「どうして」
イリーナ「ペーチャが言うの。コネがないからダメだって。コネのない人は何をしたって無駄だって。だから勉強なんかしてもしょうがないって
サーシャ
「そんなことはないよ。ペーチャは少しひねくれてるんだ。ここは自由と平等が保証されたソビエトだよ。ペーチャの言うことなんか聞かないほうがいいよ」
イリーナ「そうね、そうよね。(気を取り直して)それよりもサーシャ、喜んでほしいの。今度の戦勝記念日の日、私、無名戦士の墓を守る歩哨のリーダに選ばれたの」
サーシャ「(目を輝かせて)イリーナは勉強ができて素行がいいから選ばれて当然だよ」
イリーナ「私、本当にうれしいの。だった私この国がとっても好きだし、平和を愛する唯一の国でしょ。科学だって世界一だし、スポーツだって宇宙開発だってアメリカなんかに負けないわ、でも・・・・・・・・・」
サーシャ「でもどうしたの」
イリーナ「でも私、本当はサーシャと一緒に勉強したいの、サーシャと別れるの嫌なの」

 見つめあう二人。手がふれあい、イリーナの栗毛の長い髪の毛が風になびいてサーシャの肩にかかる。

〇 2年後(サーシャの思いで)

サーシャ「(独白)当時僕はクラスのあこがれの的だった。成績はオール5、そして栄えあるピオニールの班長。若くして未来が約束されていたようなものだ。事実僕はそれだけの勉強をした。決して親父がハバロフスク州共産党中央委員会第二書記だったからではない。
僕はその後特別英語学校に進んだ。英語学校のレベルは高く僕の成績は上の下あたりになったが、それでも僕が希望するたいていの大学はいれる成績だった。モスクワ大学だって夢じゃない。しかしイリーナはなぜか特別英語学校には入学できず、オケアン第一中等学校にとどまった。僕は勉強が忙しくイリーナにも会えない。この間町で偶然にイリーナに会った時、栗毛の後ろ髪が風に吹かれ、それが逆光の中で光っていた。ああ、イリーナもう少し待ってくれ。僕がモスクワ大学に入学できたらまた栄光広場の前で、ソ連邦の未来と僕たちの未来を語り合おう」

(続く)













 

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(28.11.3) 主はこのロドリゴにいつまで試練を与えたもうのでしょうか?

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 いやはや人生の最後が近づいてきているのに毎日疲れ切っている。昨年の春先からひどい眼病になって今もまともな視力になっていないが、この病気を治すためのステロイド剤の投与を一年半も続けてきたのですっかり身体が弱ってしまった。
足がまともに動かなくなったり、もともと聴力が弱かったのだがさらに悪化して今では会話にも支障をきたしている。

これでは神様のお呼ばれに備えたほうがよさそうだな
半年ほど前から身辺整理をしてそれまで行ってきた社会的活動を一つ一つやめている。
ここおゆみ野では四季の道を使用した駅伝大会が実施されており、私も実行委員の一人として小学生のマラソンの指導を実施していたが今年からやめることにした。
じっさい1kmも走ることができないのでちはら台走友会の活動にも出席しておらず、ましてやマラソンレースに参加するなどは夢のまた夢だ。
読書会も本を読むことも話し合いをすることも困難になっており、もはやこの活動に参加するのも限界だ。

 今は必要最低限の活動に限定して人に会うのもできるだけ控えている。
残った活動は朝の6kmの四季の道の清掃でこれは自転車に乗って行っている。自転車以外の移動はもう不可能になっているからだ。
このブログで4月にカンパをお願いしたベンチの補修は幸いカーペンター・オクさんが主体になってしてくれているので私は補助要員として手伝っている。すでに大百池公園の7基のベンチの補修が済んだが来年の3月までに約束の18基の補修はやり遂げるつもりだ。
当初はおゆみ野の公園のすべてのベンチの補修をするつもりだったが来年以降については保証しかねる状況になってきた。

 今唯一昔と同じように頑張っているボランティアは子供たちへの勉強のサポートだ。高校生2名と中学生3名の5名だが、毎日夕方の6時から8時まで、試験前は5時から9時まで教えているが、最近は3時間を超えると極端に疲労感が全身を包むようになっている。
中学生には5教科すべてを教えており、過去4年間も教えてきたのでこちらはストレスなく教えられるのだが高校の教科はきつい。

 私は数学は一種の趣味として勉強を継続してきたので数学の指導はストレスはないのだが、英語は読む以外は全くダメで特に文法などというと頭がパニックになる。
学校の成績を上げるためには数学と英語だけではだめで、最近は試験前には国語の古文と漢文、それに化学と生物の指導を行うようになってからさらにパニックが高じるようになった。

 化学や生物など50年前に高校で学んだきりすっかりご無沙汰しているし、その間の科学技術の発展はすさまじいものだから昔の知識など何の役にも立たない。
仕方なしに一緒に教科書を読んで一緒に問題を解いているので、この精神的ストレスがすさまじい。
ああ、もうだめ、死んでしまう」叫びたくなる。

 しかし私のところにきている高校生は実にまじめな学生でひたすら勉強に励むので手を抜くわけにはいかない。
君は千葉大に入りなさい」などと言って指導をしてきた手前、こちらがギブアップするわけにはいかないので毎日指導しているが、最近はくたくたになっている。
俺が大学に行くわけでないのにこれでは自分が受験生のようなものじゃないか」

 目は見えず、耳は聞こえず、足は動かず、ひたすらお世話になった社会にたいする最後のご奉公として頑張ってはいるが、神様のお呼ばれが明日にでも来てしまいそうな状況だ。
人生の最後だけは心置きなく着地したいと思っているがそれもなかなか大変なことだと知った。 

主はこのロドリゴにいつまで試練を与えたもうのでしょうか!!」 

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(28.11.2) 病気療養中のため二日に1回の割で過去のシナリオを掲載しています。 「ハバロフスク(第二回 )

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  このシナリオはソ連邦が崩壊した1990年前後を扱ったものです。歴史的なシナリオを描いてみたくて挑戦したものです。(一回からの続き)


〇 教室(続き)

 サーシャが颯爽と立ちあがってこたえる。

サーシャ「それはデカブリストの乱です。1925年12月、ツァーリズムの転覆と農奴制の廃止を目的として武装蜂起をした青年貴族の革命で、12月に決起したのでデカブリストの乱と言われています。ロシア革命の先駆的革命と位置づけられ、同志ブレジネフも革命記念日の演説でこれを讃えています」
リューバ「(満足げに)サーシャ、よくできました。その通りです。みんなもサーシャのようにいつも予習しておくように。あっ、それからサーシャ、校長先生があなたを呼んでいました。授業が終わったら校長室に行くように。それからペーチャ、あなたも校長先生が呼んでいます。校長室に行きなさい」

 授業が終わるベルの音がする。

〇 校長室に向かう廊下

 サーシャとペーチャが校長室に向かっている。

サーシャ「ペーチャ、校長先生の用事って何だろう
ペーチャ
「そんなこと、おれ知らねいよ」
サーシャ「校長先生に呼ばれるなんて名誉だと思わない?」
ペーチャ「お偉方から呼ばれたときは注意しろと親父が言っていた」
サーシャ「ペーチャ、そんなことはないよ。校長先生はいい人だよ」

〇 校長室

 サーシャがノックをする。

校長「入りたまえ」

 静かに校長室に入る二人

校長「ああ、きみたちか、サーシャ、君から話がある。ペーチャは外で待っているように」

 サーシャが静かに応接用の席に座る。

校長「さて、サーシャ。私は君をずっと見てきたが君は実に優秀だ。成績がすべて5だね。特に英語の成績は抜群だ。素行も申し分ない。しかも君の父上はハバロフスクの州党委員会の第二書記をしておられる。うん、実にいい(満足げにうなずく)」
サーシャ「はい、ありがとうございます」
校長「うむ、ところで君はピオネールの班長をして何年になる」
サーシャ「はい2年になります。ピオネールは今年で終わりですので夏は良いピオネールキャンプをしたいと思っています」
校長「そうかそれはいい。では次はコムソモールか。君は優秀だからコムソモールも喜んで君を迎えるだろう。いづれは共産党に入党するのがいい」
サーシャ「はい、それが父の希望ですので」
校長「そうか、ところでサーシャ、当校としては君の語学の才能を見込んで君を第15特別英語学校に推薦することにした。9学年からはそこで勉強したまえ。君の父上からもよろしくといわれておる」
サーシャ「(満面の喜びを表して)あの、校長先生、特別英語学校に行けるのですか。ありがとうございます。喜んで特別英語学校で勉強します」
校長「うむ、英語学校で成績が良ければ次はモスクワだ。祖国は愛国的で優秀な君のような少年を求めている。頑張って勉強するように。君に言いたかったのはそのことだ。あっ、それから君のお父さんによろしく。ではもう帰ってよろしい。外にいるペーチャを呼んでくれたまえ」
サーシャ「はい、校長先生」

 サーシャが出ていきペーチャがやや乱暴に入ってくる。

校長「ペーチャ、黙って立ってないでそこに腰かけなさい」
 
 音をたたて座るペーチャ。

校長「(威厳をただして)さてペーチャ、君がなぜここに呼ばれたかわかるかね」
ペーチャ「いえ、わかりません」
校長「そうか、わからんか。弱ったものだ。君の成績だが1ばかりだね。かろうじて体育が4か。うむ、なるほどね、特に素行点が非常に悪い。すべての教師が君を反抗的だと言ってるよ。君は頭も悪くないし体も丈夫だ。なのに成績が非常に悪い。なぜだと思う」
ペーチャ「僕が成績をつけたわけでないのでわかりません」
校長「成績をつけたわけでないのでわからんか。そうか、でははっきりと君に言わなければならんようだな。うむ、君を9学年に進級させることは非常に難しい。留年させるのは私の本意ではないが、君の場合は留年するかもっと易しい職業学校に代わるのがいいのじゃないかね。留年するのは同級生も多くてつらいだろうから、私は君に他の学校に転校することを勧めるね」
ペーチャ「(こう然と)他の職業学校に行くつもりはありません。それなら留年します」
校長「(失望した顔つきで)留年を希望か、君の兄さんも相当頑固だったが君も相当なものだな。なら、話はもうない。教室に帰りなさい」
ペーチャ「失礼します」

 ドアーが閉まる。校長が校長室を歩き回っている。ドアーのノックの音。

校長「どうぞ」

 ドアーが開きリューバ先生が入ってくる。

(続く)

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(28.11.1) 中国農民工の大奔流  行くべき場所はどこにもない!!

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 10月30日のNHKスペシャル巨龍中国1億大移動 流転する農民工」は実に興味深いレポートだった。現在中国には約3億人の農民工がいると推定されているが、そのうちの1億人を現在居住している沿岸部の大都市から内陸部の中小都市に移動させて都市市民として居住させる計画がある。
なぜそのような措置が必要かというと、沿岸部の工場地帯が過剰生産に陥り農民工を必要としなくなって追い返したいのだが、一方農民工が帰る農村はすでに崩壊してしまって帰るべき場所がないからだ。

注)ほとんどの村から家族そろって農民工として都市部に出てしまったため、農村部には小学校も残っていない。

 そのため農民工が流浪の民になって全国を渡り歩くようになりかつての王朝末期のような状況になってきた。
このままいくと約3億の農民工が反乱分子になってしまう。何とか定住させて社会を安定させよう
習近平政権が苦肉の策として打ち出したのが内陸部の中小都市の再開発で内陸部に近代的な都市を作りそこに住まわせるという案だが、これが実際は全く機能していないさまがNHKのレポートで分かった。

 移住のためにはまず都市部のスラム街から農民工を追い出す必要があり、こちらは強権で追い出しているのだが、追い出された農民工は貧困階級だから中小都市のマンションを購入することができない。
マンション建設は地方政府の役割で実に立派な都市が建設されており、ちょうど幕張の新都心のような雰囲気だがそこに住む人は全くと言っていいほどいない。
なぜそれがわかるかというと夜半になると15階程度の新興住宅で明かりのついている住居は2から3軒程度しかないからだ。
おそらく一棟60軒はありそうなマンションで2から3軒である。比率にして約5%程度だがこれがどこの中小都市に行っても同じなのだ。

 中国では毎年6.5%前後の成長をしていることになっているがその成長の実態がこのマンションである。
社会主義国特有の統計手法だが中国には生産統計はあるが販売統計はない。正確に言うとGDPに反映させるのは生産統計で販売統計は無視される。
なぜそうなるかというと社会主義経済の建前では「必要なものを生産している以上生産されたものは必ず完売される」ことになっているからだ
だから売れようが売れまいが無視してひたすら生産に励むのが社会主義経済の特色だが、このためにマルクスの言う過剰生産恐慌に陥ってしまう。

 現在の中国がそれで鉄鋼も石炭もアルミも液晶パネルも生産過剰になりそしてマンションも生産過剰になって購入しているのはこのマンション群を建設した関係者(主として役人)だけになってしまった。
当初目的の農民工は沿岸部の大都市から追い払われ、もといた農村部は崩壊しており、政府が主導している中小都市のマンションは高価すぎて購入できないというひどいジレンマに陥っている。
このため農民工は職を求めて中国中を流浪することになり、政権末期の様相を呈し始めている。

 社会主義経済の決定的な弱点は生産至上主義であり、市場を全く無視するため必ず過剰生産に陥ってしまうことだ。売れなければ販売者(マンションの場合は地方政府や第3セクター)に赤字が累積されるのだがそれを国有銀行がファイナンスして生産を継続させる構造をとる。
だから生産過剰はいつまでたっても収まらず国有銀行が崩壊するまで継続される。ソビエトロシアはそうして崩壊したが、今また中国がそのわだちを踏みつつある。
マルクスの予言通り「社会主義経済は過剰生産恐慌を繰り返して崩壊し、最後は資本主義経済になるのだ
農民工は「鉄鎖以外に失うものはない」のだから必ずそうなるというのがマルクスの予言である。



 

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