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(28.10.15) 病気療養中のため二日に1回の割で過去のシナリオ等を掲載しています。 「桃ノ木 栗の木 左遷の木(第十回)」

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 シナリオ「桃の木 栗の木 左遷の木」(その10)

この作品は私が喜劇に挑戦しようとして作成したシナリオです。第一回目からの続きです。


 〇 A支店支店長室(同時刻の若干前)

 A支店に大川大作が事前の約束もなく訪れている。支店長室の来客用ソファに深々と腰を掛けて山崎を待っている大川。お茶出しをしに来た久子に大川が声をかける。

大川「や、久子ちゃん、元気かい?実にいいにおいがする、桃のようなにおいだ」

 無邪気に笑う久子。

大川「まあ、ここに座りなさい(ソファの横を開ける)」

 大川大作の横に座ってあどけなく大川を見上げている久子。久子のうなじに手を触れ久子の襟元のにおいをかぐ。

大川「うむ、間違いない、君のにおいだ。中国にはジャコウジカがいるが聞くところによるとこうした匂いだそうだ」

 再び久子の体を引き寄せる。されるままにしている久子。そこに山崎が出勤してきて驚く。

山崎「あぁあ、大川さん、いったい何をしているんですか」
大川「ヤァ、君か、いや、なに、ちょっと」
山崎「ちょっとはないでしょう。これは私の夢です。私の夢なんだからその中で変なことをしないでください」
大川「いやいや、この子が君の夢だとは知らなかった。いや、失敬、失敬。こうみえても大川大作、人の恋路の邪魔をするようなことはせん」

 あどけない笑顔で支店長室を出ていく久子。見送る大川と山崎。

大川「君も隅に置けんな、まさかその年で独身なんてことはあるまい」
山崎「妻も子も東京にいます」
大川「単身赴任か。そうなるとあの子は現地妻か」
山崎「そんな関係ではありません」
大川「ほーほー、それでは少年の恋をしているのかね、その年で」
山崎「そんなつもりはないのですが、たまたまそうなっているだけです。(真面目な顔で)大川さん、夢の中でも道徳律というのがあるのでしょうか」
大川「はは、やはり君は大変面白い人物だな。夢を追う人間は道徳的なものだ。わしも首相の椅子を狙っていた時は身ぎれいにしていたものだ。芸者に手を出して首をはねられてはかなわんからな」
山崎「ところで今日は何か?」
大川「いや、特に用があるわけではない。昨日のお前のところの磯田の仕打ちにははらがたったが、それにはもうこちらで手を打ったからもういい。実をいうと、わしはお前が大変気に入った。今までわしの前で物おじせず座っていた人間などいない。お前は肝が据わっておる」

 そこに東京の人事部長から電話が入る。電話を無視する山崎。

大川「ほれ、電話が鳴ってるぞ」
山崎「これは仕事じゃないんだからどうでもいいんです」

 仕方なく電話対応をする大川

大川「どうも困ったやつだ。どれどれ、わしが出てやろう」
人事部長「(怒鳴り声)えぇ、山崎君、どうしてすぐに頭取に連絡してこないの。頭取がなぜ君をA支店くんだりにやったかわからないのか」
大川「そんなことはわかっておる」

 思わず頭にきて怒鳴る大川。

人事部長「(びっくりしながら)な、なんですか、その言い方は。わざとどすを利かしたつもりかも知りませんが、ちゃんと仕事をしてから居直りなさい。実弾はどうした」
大川「それはこっちが聞きたい」
人事部長「(激怒して)ふざけるな、さっさと落ち目の政治家の首を切って東京に戻ってこい。こっちは幹事長と話がついているんだ」
大川「そうはいかんぞ、幹事長にはこっちから手を打った」
人事部長「な、何を言ってるんだ、お前にそんなコネがあるわけがないだろう。バカも休み休み言え」
大川「いったな、わしをみくびるな」
人事部長「馬鹿、わしなどという言葉はもっと偉くなってから使え」

 互いに興奮する人事部長と大川大作。見かねて頭取の磯田が人事部長の電話を替わる。

磯田「何かわからんが、互いに興奮していては訳が分からんだろう。こっちはあれ以上出すつもりはないんだ。これが最後だとちゃんと言ったか」
大川「どうして最後になるんだ。誰のおかげで今の地位を得た」
磯田「キミ、どうしたの、病気なの、声も悪いよ。そりゃ、従業員諸君のおかげで今の地位にいることは確かだが、私だって努力しなかったわけではない」
大川「頭取競争で負けそうになって手をついて泣いて頼んだのはだれだ」
磯田「な、なんで君にそんなプライベートなことまで言われなくちゃならないんだ。実に不愉快だ。切る」

 怒って乱暴に電話を置く頭取。同じく電話をたたきつける大川大作。黙って聞いていた山崎が大川に声をかける。

山崎「そんなに電話を乱暴において、いったい誰と話してたんですか」
大川「お前んとこの義理も人情も知らん頭取だ」
山崎「はは、でも時代の流れを見る目はしっかりしてますよ」
大川「ただ、狡いだけだ。うむ、ところで盛んに実弾のことをいっとったは、本当はどうしたんだ」
山崎「それは昨日も言ったように、江島大橋からばらまいたといったでしょう」
大川「なぜ、そんなことをした」
山崎「新札が太陽にきらめいて蝶の乱舞になったからです」
大川「金だぞ」
山崎「幻です。目が覚めればただの狐の葉っぱです」
大川「わしのように金輪際目覚めない人間はどうする」
山崎「いや誰でも目が覚める時があります」

 感心して山崎に言葉に耳を傾ける大川大作。

大川「うむ、君は年に似合わずなかなかの哲学者だな。いちいち言うことが最もだ。ではその哲学者に一つアドバイスしておくが、君のところの桃の匂いのする女の子、久子のことだが、あの子を早く食べないとほかの若者に食べられてしまうぞ。なんせ無防備な子だからな」
山崎「朝までには何とかします」
大川「はは、夜中中一緒にいて朝までに何もなかったら医者に診てもらったほうがいい」

 笑いながら事務所を出ていく大川大作。

(続く)

 

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