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(28.10.24) 21世紀、領土問題は存在そのものがなくなる。 北方4島、竹島、尖閣諸島

0650021_2 (トシムネさん撮影)

  領土問題はほとんど象徴的なものであり実質的な経済価値があることはほとんどない。
韓国との間の竹島などは典型的にそうで、竹島は単なる岩礁で漁業資源以外に何もない処だが、今では漁業はとる漁業から育てる漁業に移っているので、その価値もほとんどなくなった。
中国との間の尖閣諸島も岩礁で、しばらく前まで排他的経済水域の中に石油や天然ガスが埋蔵されているので大騒ぎになっていたが、いまではとても採算に乗らない海底資源であることが分かっている。

 21世紀に入って先進経済国は完全に成長が止まり、無理に通貨を膨張させて成長を演出しているが、不動産と株式以外に資金が流れることはなくなってしまった。
また新興国として華々しかった中国も過剰生産恐慌に悩んでおり、原油や天然ガスなどこれ以上入ってきたら保管する場所さえ苦慮するようになっている。
その結果資源価格は低迷しているが今後とも回復することはないので、尖閣諸島周辺の海底資源などに投資すればそれは莫大な不良資産を増大させるだけだ。

 今ロシアとの間で北方4島の返還交渉が進んでおり、プーチン氏が日本を訪問する機会にこの問題の解決を安倍首相は自身の政治生命をかけても実現しようとしている。
領土問題はどちらも象徴的な問題だから建前としては一歩も引けないが、それを解決するのが政治で、特にプーチン氏と安倍氏は国内的には絶対の支持を得た強力な首脳同士だから、この機会を逃したらこの問題が解決されないのも確かだ。

 だが実際問題として北方4島が返還2島の場合もありうる)されても日本にとって本当は困ることのほうが多いはずだ。
いま日本では人口が急激に減少しているが特に北海道の減少が激しい、その中でも東北部の人口減少が激しく、そこに住んでいる人の寿命がその地域の寿命のような場所がいくらでもある。
北方4島とはこの人口激減地帯のさらに北方のはてで、はっきり言えば日本人の住むところではない。
返還されても民間人が住むはずはなく国境警備隊の自衛隊員ぐらいしか居住しないだろう。
そしてそうした辺鄙な場所のインフラを整備しても実際は何の意味もないのは、北海道の辺鄙な土地に張り巡らされた道路網を見れば明らかだ。

 かつて北方4島の経済的価値で考えられていたのは漁業資源だが、これも日本では漁業者そのものがいなくなりつつあり資源があっても人手がなくなりつつある。
人が減り老人ばかりの日本に北方4島が返還されても「それが何の意味があるのだろうか」と悩んでしまいそうだ。

 21世紀に入りそれまでとは全く異なる地平線が見えだした。最大の要因は人口問題で明らかに人類はこれ以上増加することなく、多くの国で減少が始まることが分かっている。その先進地帯が日本とロシアでここでは劇的に人口減少が起こっており辺鄙な場所に住む人はいなくなっている。
日本は北海道の東部と北部から人が消えつつあり、そしてロシアは極東から人がいなくなりつつある。

 誰も住まず見捨てられた土地で角の突き合わしても始まらない。互いにこうした土地を無視しあうことになるのだが、それは帝国主義が始まった19世紀以前の世界に戻るということだ。
18世紀以前は今問題になっている北方4島も竹島も尖閣諸島も当時は領土という概念から外れたどこにあるのかも定かでない島や岩礁に過ぎなかった。

 いまだに20世紀的発想で領土問題を語る人が多いが、21世紀的発想では何も価値の生まない場所からは撤退するのが適切なのだ。
ちょうど企業が利益を生まない部門から撤退するように、国にもリストラが必要だ。
かつては領土が国家にとって最も重要な資産だったが、人口そのものが減少し誰も住まなければ領土などという概念もなくなる。
今はまだ20世紀的発想が幅を利かしているが、そうした思想を持っている人々がそもそも死に絶えるから21世紀が進むにつれて領土という概念があいまいになってくることは確かだ。

 

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