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(28.10.3) 病気療養中のため二日に1回の割で過去のシナリオ等を掲載しています。 「桃ノ木 栗の木 左遷の木(第四回)」

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シナリオ「桃の木 栗の木 左遷の木」(その4)

この作品は私が喜劇に挑戦しようとして作成したシナリオです。第一回目からの続きです。


〇 頭取室で(続き)

人事部長「山崎君、何をぼんやりとしているんだ。君はわが社の存亡をかける役目を仰せつかったのだぞ。名誉じゃないか」
頭取「(山崎の肩をたたきながら)これだけのことをするんだ。勿論ただじゃない。これが成功すれば本店の部長のポストを用意しておく。(強い調子で)だが、失敗は許されない。大川が本気で反抗してきたら大変だ。今までの大川と当行の裏約束が週刊誌にでも出たらわが社の命がない。だから当社きっての切れ者と言われた君を指名するのだ」
山崎「(ぼそぼそと)それでは私は左遷されたのではないのですね」
人事部長「君、な、何を言っとるのかね。わが社きってのエリートがそんなこっちゃ困るよ」
山崎「(急に元気が出て)はは、いや、そんなことだろうと思っていました。不肖、山崎、全力を尽くして任務を全ういたします。頭取のご期待に応えます」
頭取「いや、いや、君のことだから引き受けてくれると思った。詳細は別途人事部長から指示する。これは内容がないようだから3人だけの秘密だ。いいね」
山崎「(有頂天になって)あ、はい、わかっております」
頭取「ところで、A支店のことだがね、ちょっと細工をしておいた。それは(突然電話のベルが鳴る。電話のほうを見ながら)、おやおやホットラインが鳴っているんで失礼するよ。詳細はあとで人事部長から聞いておいてくれたまえ」
山崎「(ほとんど上の空で)は、それでは失礼いたします」

 入ってきた時とは別人のように元気よく頭取室を出ていく山崎。あとに頭取と人事部長の笑い声。

〇 トイレ(続き)

 西洋式トイレの台座にしゃがんでほくそ笑んでいる山崎。ガッツポーズを繰り返している。思わず笑いがこみあげてくる。そこに部下のAとBがトイレに入ってくる。部下は西洋式トイレに山崎がいることに気が付かない。二人は小便をしながら人事の話に花を咲かす。

部下A「いや、あのファックスを見た時にはドキッとして何も言えなかったよ。まさかA町支店とはね」

 ほくそ笑む山崎

部下B「その後課長は頭取に呼ばれたのを知っているかい」
部下A[いや知らない、君は相変わらず早耳だな」

 思わず聞き耳を立てる山崎

部下B「いや、これは歴代のA町支店長に対する定例行事なのだ。何しろあすこは左遷先と名が知れ渡ってるだろ。指名された人はショックで寝込んでしまうんだ。だから、頭取はそんなことがないようにリップサービスをするんだよ」
部下A「まさか」
部下B「いや、本当だ。前の支店長で自殺した川俣さんは何と言われたか知ってるかい」

 さらに身を乗り出して聞き耳を立てる山崎

部下A「知らないよ、もったいぶらずに早く言えよ」
部下B「頭取から、これは特別任務だといわれたんだ。見事目標を達成したら本店の部長に抜擢するってね。具体的指示は人事部長がすることになっていたらしい。もっとも何が特別任務かは第三者は知る由もないがね」
部下A[ほう・・・・」
部下B「ところが待てど暮らせど人事部長からは何も言ってこない。思い余って人事部長に電話すると、情勢が変わったのでそのまま待機せよと言われたんだ。実は、最初から何もなかったというわけさ。それが川俣さんが自殺した真相さ」

 心臓の鼓動が高鳴る山崎

部下A「しかしなんでうちの課長がA支店に行かなきゃならないんだ。当行のエリートだぜ」
部下B「そこよ、スケープゴートさ。リーマンショック以来わが社の業績は低迷したままだ。ところが職員の意識は相変わらず高収益時代の意識のままだ。その証拠に今回のベアの要求も高収益時代のそれと同じだ。頭取は頭にきて意識改革をするためにエリート中のエリートを左遷したんだ。甘えると誰でもこうなるぞ、たとえエリートでもだというシグナルさ」

 西洋式トイレの台座から転げ落ちる山崎。部下AとBは音のしたほうをちらっと見るが別に気にしない。

部下A[君は、なんでそんなに人事情報に詳しいんだ」
部下B「頭取の秘書のM子から聞いたんだ。頭取と人事部長がひそひそと”改革が必要だ、それには山崎がいい”と話し合っていたそうだ」
部下A「M子って、あの当行一の美人のM子か、なんでお前が知ってるんだ」
部下B「それは秘密だ」
部下A「まさか、お前もう手を付けたのと違うか。このやろう」

 ふざけあいながらトイレを出ていく二人。悄然とトイレから出てくる山崎。前のチェックが外れたまま。夢遊病者のように手を洗っているが水は出ていない。

山崎「(独り言)これは夢だ。こんなことがあるはずがない・・・・・・・・・」

(続く)

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