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2016年10月

(28.10.31) 病気療養中のため二日に1回の割で過去のシナリオを掲載しています。 「ハバロフスク(第一回 )

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  このシナリオはソ連邦が崩壊した1990年前後を扱ったものです。歴史的なシナリオを描いてみたくて挑戦したものです。



〇 サーシャの思いで

 白樺の小枝が風にそよいでいる。

サーシャ「(語り)僕の名はサーシャ、25歳。ここハバロフスクに生まれ、ここで育ち、ここの外国人専用の旅行会社インツーリストの職員をしている。
僕はこのハバロフスクという街が好きでない。この町はウスリー川とアムール川の合流地点の小高い丘に1649年建設された。

 映像 川の合流地点の影像。そこから丘の上のハバロフスクの街並みを見上げる。

学校の歴史の教科書では、ハバロフという探検家が街を作ったと教えている。ハバロフスクの駅前に彼の立派な銅像が立っている。

 映像 ハバロフスクの駅舎。ハバロフの立派な銅像。

子供のころ僕はこのハバロフの銅像を見るのが好きだった。ハバロフこそシベリアに文明をもたらした先駆者だと長い間思っていた。ペレストロイカが始まる前までは・・・・
しかし本当はロマノフ王朝の毛皮税徴収人に過ぎなかった。この地に最初の砦クレムリを築き原住民を搾取していうことを聞かない原住民は片っ端から銃で撃ち殺し、毛皮税ヤサクを取り立てていた男、それがハバロフだ。

 映像 クレムリ、毛皮徴税の場面。反発する原住民。それを撃ち殺すハバロフ。

だが、そんなことは遠い昔のことだ。少なくとも栄光あるソ連邦の歴史とは無関係のことに過ぎない。
僕はこの町を出たかった。極東一の人口といっても高々60万人、モスクワの900万人に比較すれば全くの田舎町。映画館が二軒となにも売ってないに等しい中央デパートが一つある町。そして19世紀以来変わることのない街並み。まともな大学もなく学問とは全く無縁の町。

 映像 閑散として人がいない中央デパート。19世紀を思わす古い町並み。

いやだ、どうしてもモスクワに住みたい。モスクワこそ文化と文明と権力の象徴じゃないか。僕はハバロフスクに埋もれたくなかった。そのために僕はどんなに努力したことか。中等学校の時だって・・・・・・」

〇 オケアン中等学校(10年前  1980年)

 映像 オケアン中等学校の古めかしい威厳のある校舎。始業を知らせる鐘の音。40名程度の教室の一室。生徒たちのざわめき。教室に教師が入ってくる。

サーシャ「(語り)1980年、オケアン第一中等学校。これが僕が通った学校だ。ソ連邦の10年制の中等学校。この時僕は第8学年、15歳だった」

 映像 生徒の話声、歴史教師のリューバが手をたたく。

リューバ「さあ皆さん、静かにして。あなた方はもう上級生でしょう。栄光あるソ連邦の上級生ですよ」

 静粛になり、生徒は全員教科書を開く。

リューバ「さあ、、今日の歴史はソ連邦の成立です。教科書はちゃんと読んできたでしょうね」

 生徒の肯定的な声と否定的な声が入り混じる。

リューバ「では、ペーチャ立ちなさい」

 服装が崩れて学生服をだらしなく着ているペーチャ。不良少年の趣のペーチャが立つ。

ペーチャ「なんだよ、いつも俺からじゃん。おれソ連邦の歴史なんて知らねいよ」

 生徒の笑い声

リューバ「(威厳に満ちて)ペーチャ、あなたは答える義務があります。前回、ピョートル大帝の事績について先生が質問したとき、あなたは何も答えられませんでした。先生はソ連邦の歴史について事前に読んでくるように言ったはずです。これが質問です。答えなさい。
偉大なる社会主義革命が同志レーニンによって達成された100年前にここロシアに愛国的な革命運動が起こりました。その革命運動の名前とその歴史的背景を言いなさい」

 ペーチャの沈黙。昂ぜんと窓の外を見ている。

リューバ「(語気荒く)ペーチャ答えなさい」
ペーチャ「へへへ、フランス革命、ソ連邦に自由をもたらした革命です」
リューバ「(怒りに満ちて)ペーチャはいつもそういう態度をとるんですね。あなたのその態度は反革命的です。あなたがそういう態度をとり続ける限りこの中等学校で9年生になることはできません。あなたの兄さんもあなたと同じように反革命的でした」
ペーチャ「(急に反発して叫ぶ)そんなこと、俺と関係ねいだろ」
リューバ「(気持ちを押さえながら)次回までによく復習しておきなさい。また答えてもらいますからね。ほかの人、じゃ、サーシャ質問に答えなさい」

 サーシャが席を立つ。模範的な服装とよく整えられた髪。美しく深い緑色の瞳。

(続く)

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(28.10.30) 政治も経済も大崩壊の韓国 さらにパク・クネ氏は操り人形

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 韓国のパク・クネ大統領が絶体絶命に陥っているが、これは自業自得というものだ。
パク・クネ氏は主要国における元首の中では際立って無能な大統領だが、この人に匹敵する無能さを露呈したのはあとは鳩山由紀夫氏しかいない。
しかし鳩山氏は1年で首になったのに対し、韓国の大統領は5年の任期がある。
この間パク・クネ氏は数々の悪行を重ねてきたがその最たるものが日本に対するいわれなき言いがかりだった。

 従軍慰安婦はプロパガンダ新聞の朝日新聞のでっち上げだったがこれを最大限に利用し、国連やアメリカや、その他いたるところでただ日本非難だけを繰り返し、「1000年間は恨みを忘れない」と主張してきた。
そして窃盗団に日本から仏像を盗ませて、これは韓国のものだから返還しないと居直るし、日本が明治の産業遺産をユネスコに登録しようとしたときは「日本の明治の産業遺産は朝鮮人を搾取して行ったものだ」とありえない難癖をつけて反対し(日韓併合は1910年、明治は1912年に終わっている)、フェリー沈没で高校生が300人余り死亡したときは、自身は愛人と逢引きしており、それを産経新聞の記者がウェブに掲載すると裁判所に命じて出国を1年以上も差し止めて裁判にかけるという暴挙まで行った。

 そして韓国民にとってはこれが一番問題なのだが、中国にすり寄って韓国経済を発展させようとしたが、2014年夏に中国経済がピークを打って奈落の底に転落し始めると、韓国経済もダッチロールを繰り返すようになった。
韓国自慢のサムスンはスマートフォンが火を噴いてしまうし、現代自動車は組合が長期のストを行って生産を停止させるし、ここにきて韓国を支える産業がすべて赤字か減益に陥っている。
韓国のメディアを読んでいると少し前までは「日本の失われた20年になる」と警告していたが、今や「世界で最も悲惨な経済状況になった」と嘆き節一色だ。

 だが、こうした窮状にパク・クネ氏は何ら手を打てず、日本を非難すること以外に能力がないことを露呈してしまった。
そしてついに真打といってもいいスキャンダルが発生したのだが、それは韓国はチェ・スンシルという女性に操られている国家だということが判明したからだ。
すべての国家機密がチェ・スンシル氏の目を通すことになっており、大統領の演説には彼女がいちいち手を加えていた。

 チェ・スンシルといわれても日本人には全くお馴染みがないが、フェリー沈没事件の時にパク・クネ氏が逢引きしていた相手の元妻である。
パク・クネ氏は下半身をチェ・スンシル氏の元夫に支配され、一方上半身はチェ・スンシル氏に牛耳られていたのだから、さすがの韓国民も激怒し、パク・クネ氏の支持率は17%まで急落した。
韓国の影の大統領とはチェ・スンシルだったのか・・・・・・・・

 検察は韓国大統領府を捜索し始めたが、日本でいえば首相官邸に地検が入ったようなものである。このようなことが起これば日本では首相をすぐに辞任するが、韓国の大統領制度では大統領がやめるといわない限りやめさせることはできない。
まだ1年も任期が残っており、ただ無能なだけの大統領をこのまま放っておいていいのか」
青瓦台の外では辞任要求のデモが発生し、国会も何とかパク・クネ氏をやめさせる方法がないものかと議論している。

 韓国は経済も政治も崩壊してきたが、これはパク・クネ氏が中国シフトを敷いて中国との一蓮托生路線を敷いたその結果だ。
今まで中国と歩調を合わせて日本非難を繰り返してきたが、当時は韓国民はあげてこの路線を支持していたのだからパク・クネ氏を非難するのは天に唾するも同じだ。
あと一年、韓国政治がどこまで陥るか高みの見物としよう。











 

 

 

 

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(28.10.29) 病気療養中のため二日に1回の割で過去のシナリオを掲載しています。 「桃ノ木 栗の木 左遷の木(第十七回 最終回)」

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〇 スペインに行く飛行機の機内(2週間後)


 山崎と久子が隣り合わせに座っている。山崎はまだ記憶が回復していない。

山崎「桃子ちゃんにスペインまでついてきてもらうなんて申し訳ないな」
久子「わたしはあなたの看護人だからいいの」
山崎「いまだに私がだれで何をしていたかわからないんだ」
久子「私が治してあげるから心配ないわ」
山崎「ところで、大川という人が言っていたけれど桃子ちゃんがいっぱい桃を持ってきてくれると言っていたが、桃ある」
久子「ええ、いっぱい」
山崎「食べたいんだけど」
久子「ここではだめ、いまここで食べると機長がびっくりして飛行機を日本に引き返してしまうわ」
山崎「ももを食べるぐらいでおおげさだよ」
久子「特別においしい桃だから誰にも見せずに次郎さんだけに食べてもらうの」
山崎「ますます、食べたくなった」
久子「だめ、スペインまで待つの。看護人の言うことは聞くものよ」

 そこにアテンダントが夕食を配り始める。二人の前に日本食が配られる。ご飯は栗ご飯。山崎は栗ご飯のふたを開けたとたん「ウッッ」と吐き気を催す。

山崎「変だな、昔はとっても栗ご飯が好きだったのに吐き気がする。体に変調をきたしているらしい」
久子「潜在意識がそうさせるのよ」
山崎「栗ではなくなぜか桃が無性に食べたい。桃子ちゃん、お願い・・・・・」
久子「困った患者ね、じゃあ、ちょっとだけ、触るだけよ」

  山崎の手をそっと下半身にいざなう。

山崎「どうしてこんなところに桃を隠しているの?」
久子「それは、ひ・み・つ」

 飛行機が成層圏で飛行している映像。桃子の美しい横顔、桃を懸命に探している山崎。

 エンディングソング
 杉良太郎の「すきま風」

 夢をおいかけ 夢に心とられ
 つまずいて すきま風を知るだろう
 いいさそれでもいきてさえいれば
 いつか微笑みに巡りあえる~~~


(終わり)

 

 

 

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(28.10.27) 東日本大震災石巻市大川小の悲劇 マニュアルに従って津波に巻き込まれた。

 

 これは業務上過失致死罪に当たると思った。東日本大震災で津波に襲われ宮城県石巻市大川小学校児童と教諭84人が死亡した案件である。
84人とは78人の児童のうち74人、教諭の11人のうち10人である
生存者はわずかに5名という惨状だが、この震災の被害の中で最も痛ましい最悪の被害だ。

 本件については被害にあった児童の遺族23名が訴訟を起こして、このたび仙台地方裁判所から判決が出たが、市側に14億円の賠償金を支払えという判決だった。市の全面敗訴である。
私はこの災害の詳細を知らなかったから、判決を聞いた時には「今回の東日本大震災は想定外の巨大地震だったから市の責任を追及するのは無理すぎるのではないか」と思ったが、詳細を知って納得した。

 はっきり言えば大川小の教頭(校長は出張中だった)のひどい判断ミスといえる。大川小では津波警報が出されれば近く(300m程度)の三角地帯と称する標高7m程度の高台に避難することになっていた。
通常であればこの場所で安全だったのだが、今回の東日本大震災の津波は優に10mを超えていたからここに避難しても災害は免れなかった。
実際はこの高台に向かう途中で津波に襲われたのだが、この小学校の裏にはかなりの高さの裏山がありもしここに逃げていたら被災を被らなかったことは確かだったと判決は言う。

  今回裁判で問題になったのは、津波が襲ってくる約7分前に市の広報車が10mの津波が襲ってくると警報を出して市内を回っていたことだ。
広報車の音声は聞き取りがたいものだがこの段階ではそれを聞き逃すことは死を意味する。
結果的にこの情報を聞き逃したかあるいは無視して大川小の児童と教師は三角地帯に向かっている。

 こうしたときには教頭が的確な判断を下さなければならず、それゆえ教頭になったのだが日本では上司が必ずしも立派な判断力を持っているとは限らない。
通常は年功序列と市の方針に逆らわない従順な性格の持ち主が幹部になることが多いが、これは平常時には問題がなくても非常時には問題が起こる。

 私は日本人はとても優れた資質を持った民族だと思っているが、残念ながら大きな欠点がある。自らの判断で決断を下すという決断力が乏しく、上司の言うとおりにするかマニュアル通りに行動しようとする傾向が強い。自分で決断したときは自己責任だが、他人の命令やマニュアルに従った場合は責任を回避できるからだ。

 今回の大川小の場合も裏山に逃げればその時にけがや問題が発生したときに責任を追及される。ましてや教頭は最終責任者でない。
なぜマニュアル通りに三角地帯に行かなかったのか。無理に裏山に逃げて大勢の児童がけがをしたではないか」そうした非難を恐れて規定通り三角地帯に向かったのだがこれが悲劇を招いた。
特殊な状況下ではそれに応じた判断をしなければならないが、従順な人はそれができない。
業務上過失致死だと私が判断した理由だ。

 実際問題として想定外の事象はいつでも起こる可能性がある。そうした場合に平常時だけに通用する管理職を要請していては的確な対処ができない。しかし日本の教育では自ら判断することを非常に嫌がり、教師と異なる意見を認めることは少ない。
残念ながらこうした悲劇は再び起こると思わなければならないが、これは日本人の最大の欠点だと私は思っている。

 
 
 

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(28.10.25) 病気療養中のため二日に1回の割で過去のシナリオを掲載しています。 「桃ノ木 栗の木 左遷の木(第十六回)」

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 シナリオ「桃の木 栗の木 左遷の木」(その16)

この作品は私が喜劇に挑戦しようとして作成したシナリオです。第一回目からの続きです。
 

〇 病室(続き)

 病室で久子が山崎にほほずりをしているのを見て逆上する和枝

和枝「(大声で)私がこんなに心配して駆けつけたのに、あんたは女といっちゃついていて・・・・・支店に安否を尋ねても『すでに退職した人のことはわからない』というし、ようやく災害対策本部に聞いてここだとわかって駆け付ければ桃のにおいのする女と一緒だなんて、あああ、いや(叫ぶ)。
(一息おいて)先日人事部長さんが我が家にやってきて、あんたが5億円を横領したので懲戒解雇するというので『なんかの間違いだろう』と思っていたが、やはりあんたはこの女に貢いでいたんだ。バカー(金切り声)」
大川「(なだめるように)いやいや奥さん、山崎君は世の中の覚醒のために5億円を使ったのです」
和枝「あんた何、うるさいわね。どうしてこの女がなんで世の中の覚醒になるの。
あんた(山崎に向かって)、人事部長さんは『本来は懲戒解雇するところだが銀行の世間体があるので依頼退職にした。ついてはこの念書に押印してくれれば退職金を払う』と私を脅したのよ。
念書になんて書いてあったかわかる。
『今回の事件はすべて山崎個人の責任により行った行為で銀行には一切関わり合いがありません』だって。5億円を女に貢いだのだから個人的行為に決まっているわ。
くやしくて、くやしくて、わたしはあなたの実印を押しました」

大川「まあ、まあ、奥さん、興奮していては話にならないから落ち着いて」
和枝「なによ、変な女がわたしのだんなにほほずりをしているのになんで落ち着いていられるの(叫ぶ)」
大川「いや、いや、山陰地方では女性の看護人は病人にほほずりをして病気を治すのです」
和枝「馬鹿、いい加減なことを言わないでよ。私も山陰の出身よ。もう決心しました。あなたとは離婚します。退職金と家はすべて私がもらいます。あんたはその女と5億円で暮らしなさい。離婚届を送りますから、必ず押印して返してちょうだい」

 肩をすくめる大川。怒りで震えながら病室を乱暴に出ていく和枝。猛烈なドアーを閉める音。

山崎「(不思議そうに久子に聞く)あの人は誰で一体何を言いに来たんだ」
久子「(やさしくほほ刷りをしながら)前の奥さんで、あなたは実に立派な人だといいに来たの」
山崎「とてもそうは聞こえなかったが・・・」
大川「わははは、いや政治と男女の仲は一寸先は闇というが、実にその通りだ。だがしかし懸案事項が一挙に解決した。君は晴れて独身になったのだから久子と結婚できるし、銀行を首になったのだから政治家になるしか残された道はなくなったわけだ」
山崎「久子って??」
久子「わ・た・し」
山崎「桃子ちゃんのこと」
久子「そう、桃子よ」

 強くほほずりをする久子。

大川「だが、しばらくは記憶が戻らないとは困ったものだな。政治家は少々抜けていてもいいが、鳩山由紀夫のように全くのあほでは勤まらん。どうしたものか(しばらく考える)。
そうだ、これがよさそうだ。君はしばらく病気療養のために巡礼に行きなさい。巡礼はいいぞ。心が洗われる。昔わしが行きたかったが果たせなかった巡礼がある。スペインのサンチャゴ巡礼だが君は知っとるかね」
山崎「いえ」
大川「そうか,フランスの国境からスペインの北部の山岳や草原地帯を通って大西洋岸のスペインのサンチャゴにある寺院まで歩くのだ。面白いぞ。800km程度あるから40日程度はかかるそうだ」
山崎「しかしお金がかかりそうですね」
大川「君は何にも知らんのだな。巡礼路には格安の巡礼宿が整備されているし、もし本当に金がなければ教会に駆け込めば寝床と食事を無料で提供してくれる。いわば精神力さえあれば巡礼ができるのだ」
山崎「そこには桃はありますか」
大川「はは、記憶は途切れても桃の記憶は潜在意識にあるようだな。まったく問題ない、久子がとびきりおいしい桃をもって一緒についていく」
山崎「桃子が?」
久子「そう私と一緒」
大川「久子、あまり山崎君にくっつくな。親のわしでも焼ける。しかし、まあ今日はこれで良しとしよう、わしは帰るから久子は山崎君の看病をしなさい」

 帰る大川。うれしそうに微笑む久子。訳が分からず当惑顔の山崎。

(続く)

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(28.10.26) 黒田日銀総裁の敗北宣言 「駄目だ、どのようにしても消費者物価は上昇しない!!」

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 日銀の黒田総裁敗北宣言をした。21日の衆議院の財務関連の委員会で「物価の2%アップ達成は17年度以降になる」と証言したからだ。
13年4月に日銀総裁に就任し金融緩和を行えば消費者物価はすぐにでも2%アップすると主張していたが、あれから3年半たったが最近では消費者物価は上昇するどころか低下をしている。
毎年80兆円規模の金融緩和をしているのになぜ消費者物価が上昇しないのだ。経済法則が働かないではないか」ほぞを噛む思いだろう。

 しかし客観的に見て日本においては消費者物価が上昇する要因は全くない。
最大の理由が人口で、毎年のように人口が減少しさらに老人比率が高まっているが、これで消費が拡大したらそのほうがびっくりだ。
人口が減少している地方都市からはデパートやスーパーが次々に撤退しているが人がいなくなれば消費財など売れない。

 さらに老人は若者と違って子供の教育費などかからないし、家の手当てはほとんどの人が済ませているので住宅投資も起こらない。
食べ物は少食になり衣類なども最低限で済んでおり、旅行なども体力があるうちだけで病気になれば海外旅行などもってのはほかだ。
唯一増えるのは医療費と介護関連費用だが、それは住宅費や教育費ほどはかからない。
だから毎年のように消費は減少する。

 また卸売物価も毎年のように低下していて、日本では工場を新設しても販売増につながり利益が上がる案件はほとんどない。
日本で投資するより東南アジアやインドといったまだ若者が社会の主流を占めている地域に直接投資を行うほうがはるかに効率がいい。
国内で投資を行うと国内需要が頭打ちのため輸出に頼らざる得ないが、海外の経済環境も悪化していて、輸出も毎月のように減少し企業活動の縮小が続いている。

 結局黒田日銀が行った金融緩和は消費も投資も拡大させることはなく、投機財の価格の上昇を招いただけだった。
投機財とは主として株式と不動産である。
資金はまず株式の購入に流れ、少し時間をおいて不動産の購入に流れた。まず株式が上がるのは流動性が高くすぐに利ザヤを稼ぐことができるからだが、日銀が半永久的に資金供給することが分かれば人々は安心してより危険な投機にふけることができ、流動性の低い不動産にも殺到する。

 
投機財の購入でも証券会社や不動産会社は一種のあぶく銭を手に入れて所得を増大させるのでGDPは増加する。アメリカで始まり日本と西欧が追随した金融緩和とは投機財の価格を上昇させることでGDPの底上げを図るという苦肉の策だったが、これは本来的に先進国経済が消費財と投資財の生産に限界が来ていたからだ。
簡単に言えばもう買うものはなく、生産しても売れないということだ。

 そして今中国や韓国といった新興国においても不動産投機だけに頼った経済運営をしているが、ここも消費財と投資財の生産に限界が発生している。
21世紀に入り先進国をはじめ新興国まで消費財と投資財が満杯になってしまい成長限界に達した。
だから21世紀の経済においては投機以外に成長を図る手段はなく、そして投機の性格上いつかはバブルが崩壊する。実際最近ではリーマンショックというバブル崩壊に襲われたが今度は中国ショックというバブル崩壊が今進行中である。
ただし多くの人がこの中国ショックを認識しないのは中国政府が統計を改ざんして事実を隠蔽しているからだ。

 何度も言って恐縮だが21世紀に入り先進工業国の成長は限界に達し、新興国の成長も限界に達した。もはや成長余力のなくなった経済は投機に頼るしかない。金融緩和とはそういうことで不動産と株式が上昇すれば、それなりにGDPも上昇するので見かけ上は成長していることになっている。然しそれは例えれば若者の身体の成長と違って中年太りのようなものだからいつか必ず恐慌という病気になる。
21世紀の今日、GDPを増やすこと自体が誤りである時代に突入している。成長の時代は終わったのだ。

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(28.10.25) 病気療養中のため二日に1回の割で過去のシナリオを掲載しています。 「桃ノ木 栗の木 左遷の木(第十五回)」

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シナリオ「桃の木 栗の木 左遷の木」(その15)

この作品は私が喜劇に挑戦しようとして作成したシナリオです。第一回目からの続きです。
 

〇 奥の日本間(続き)


 久子が湯上りの浴衣姿で入ってくる。ひどく艶めかしい。テレビのニュースを見ながら久子をまっていた山崎が久子に気が付いて振り向く。

山崎「君は風呂に入った後でも桃のかおりがする」
久子「好きな人がいると匂うの」

 山崎に身体を預ける久子。勇んで唇を合わせようとする山崎。久子の肩越しにNHKのニュースが目に入る。

アナ「次に『お前の胸は干しブドウ」といわれて発奮し桃のような乳房の整形手術に成功したB子さんのニュースです。この人は東京に住む37歳の女性ですが、夫から『お前の胸は干しブドウ』といわれたため千葉大学病院整形外科でハイテクを駆使した乳房の整形手術を実施し手術に成功したとのことです。
主治医の田中教授の話では干しブドウが丸々とした桃にまで整形し、さらに乳房に匂いまで埋め込まれたのは非常に珍しく、ギネスブックに登録を予定しているとのことです」  

 和枝の勝ち誇った顔が大写しで映し出される。カメラが徐々に下に振れてマリリンモンロー顔負けの乳房がワンピースの下で触れている映像が出る。

アナ「ご感想は?」
和枝「ええ、とてもいいですわ。でも一つだけ訂正させてください。私の乳房の場合は桃ではありません。栗です。栗のにおいを乳房に埋め込んだのです。桃なんかに負けません」

 唖然としてテレビを見ている山崎。

山崎「女房じゃないか」

 思わず久子の身体を引き離す山崎。呆然とした表情でテレビを見ている。

久子「駄目、奥さんを見てはだめ。私だけを見るの、栗なんか見ないで(テレビのスイッチを消す)」
山崎「(久子を抱きしめながらの独白)しかし夢だというのに女房も意固地すぎないか。整形手術まですることはないだろう。でも、まあ、朝になればすべて解決するのだから、今は久子を抱いて願望を成就しよう」

 久子を押し倒して唇を合わせたとたんに島根県地方に震度6強の直下型地震が襲う。建物全体が大きく揺れて周りのタンスが崩れ壁が押し倒されてくる。

山崎「な、な、なんだ、これは!!ひどい地震じゃないか。夢でも地震があるのか」

 突然倒れてきた箪笥の角に頭をぶつけて気を失う山崎。山崎の断末魔の叫び声。

〇島根大学大学病院の一室(三日後)    

 病室でこん睡状態を続ける山崎。医師が診察をしている。大川と久子が心配そうにわきで状況をうかがっている。突然山崎に意識が戻る。安堵する医師。

医師「山崎さん、山崎さん、ここがどこかわかりますか。自分の名前をフルネームで言えますか」

 状況が把握できなくて天井を見つめている山崎。返答がない。

医師「(大川と久子に向かって)頭をかなりひどく打ちましたが、検査では脳に損傷はありませんから、少し時間がかかりますがそのうち意識がはっきりしてくるでしょう」

 安堵する大川と久子

大川「いや酷い地震だった。島根県地方を襲った震度6強の地震だそうだ。おかげで我が家も全壊してしまったが、今は久子と一緒に被害のなかった別邸に住んで居る。あの時わしと久子はすぐに逃げ出せたのだが君は柱の下だったから救急隊員に救助してもらったのだ。いや一時はとても心配したぞ」

 状況が把握できなくて天井を見つめたままの山崎

久子「山崎さん、私がわかる?」

 久子を見つめるが何も言わない。

医師「しばらく記憶が戻らないかもしれません。ショック性記憶喪失症という症状で回復には1か月程度かかるでしょう」

大川「君、わしがだれかわかるか?」

 首を横に振る山崎

大川「これは困ったな。しばらくは記憶喪失か。病院で養生するしかあるまい」
久子「だいじょうぶ、私がこうして治してあげる」

 山崎にやさしく抱きつく久子。されたままにしている山崎。桃の香りがする。

山崎「桃子か・・・・・・・・・」
久子「(笑いながら)そう桃子よ」

 そこに突然東京から妻の和枝がかけつけ、医師と入れ替わりに病室のドアを激しく開けて入ってくる。

(続く)



 

 

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(28.10.24) 21世紀、領土問題は存在そのものがなくなる。 北方4島、竹島、尖閣諸島

0650021_2 (トシムネさん撮影)

  領土問題はほとんど象徴的なものであり実質的な経済価値があることはほとんどない。
韓国との間の竹島などは典型的にそうで、竹島は単なる岩礁で漁業資源以外に何もない処だが、今では漁業はとる漁業から育てる漁業に移っているので、その価値もほとんどなくなった。
中国との間の尖閣諸島も岩礁で、しばらく前まで排他的経済水域の中に石油や天然ガスが埋蔵されているので大騒ぎになっていたが、いまではとても採算に乗らない海底資源であることが分かっている。

 21世紀に入って先進経済国は完全に成長が止まり、無理に通貨を膨張させて成長を演出しているが、不動産と株式以外に資金が流れることはなくなってしまった。
また新興国として華々しかった中国も過剰生産恐慌に悩んでおり、原油や天然ガスなどこれ以上入ってきたら保管する場所さえ苦慮するようになっている。
その結果資源価格は低迷しているが今後とも回復することはないので、尖閣諸島周辺の海底資源などに投資すればそれは莫大な不良資産を増大させるだけだ。

 今ロシアとの間で北方4島の返還交渉が進んでおり、プーチン氏が日本を訪問する機会にこの問題の解決を安倍首相は自身の政治生命をかけても実現しようとしている。
領土問題はどちらも象徴的な問題だから建前としては一歩も引けないが、それを解決するのが政治で、特にプーチン氏と安倍氏は国内的には絶対の支持を得た強力な首脳同士だから、この機会を逃したらこの問題が解決されないのも確かだ。

 だが実際問題として北方4島が返還2島の場合もありうる)されても日本にとって本当は困ることのほうが多いはずだ。
いま日本では人口が急激に減少しているが特に北海道の減少が激しい、その中でも東北部の人口減少が激しく、そこに住んでいる人の寿命がその地域の寿命のような場所がいくらでもある。
北方4島とはこの人口激減地帯のさらに北方のはてで、はっきり言えば日本人の住むところではない。
返還されても民間人が住むはずはなく国境警備隊の自衛隊員ぐらいしか居住しないだろう。
そしてそうした辺鄙な場所のインフラを整備しても実際は何の意味もないのは、北海道の辺鄙な土地に張り巡らされた道路網を見れば明らかだ。

 かつて北方4島の経済的価値で考えられていたのは漁業資源だが、これも日本では漁業者そのものがいなくなりつつあり資源があっても人手がなくなりつつある。
人が減り老人ばかりの日本に北方4島が返還されても「それが何の意味があるのだろうか」と悩んでしまいそうだ。

 21世紀に入りそれまでとは全く異なる地平線が見えだした。最大の要因は人口問題で明らかに人類はこれ以上増加することなく、多くの国で減少が始まることが分かっている。その先進地帯が日本とロシアでここでは劇的に人口減少が起こっており辺鄙な場所に住む人はいなくなっている。
日本は北海道の東部と北部から人が消えつつあり、そしてロシアは極東から人がいなくなりつつある。

 誰も住まず見捨てられた土地で角の突き合わしても始まらない。互いにこうした土地を無視しあうことになるのだが、それは帝国主義が始まった19世紀以前の世界に戻るということだ。
18世紀以前は今問題になっている北方4島も竹島も尖閣諸島も当時は領土という概念から外れたどこにあるのかも定かでない島や岩礁に過ぎなかった。

 いまだに20世紀的発想で領土問題を語る人が多いが、21世紀的発想では何も価値の生まない場所からは撤退するのが適切なのだ。
ちょうど企業が利益を生まない部門から撤退するように、国にもリストラが必要だ。
かつては領土が国家にとって最も重要な資産だったが、人口そのものが減少し誰も住まなければ領土などという概念もなくなる。
今はまだ20世紀的発想が幅を利かしているが、そうした思想を持っている人々がそもそも死に絶えるから21世紀が進むにつれて領土という概念があいまいになってくることは確かだ。

 

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(28.10.23) 病気療養中のため二日に1回の割で過去のシナリオを掲載しています。 「桃ノ木 栗の木 左遷の木(第十四回)」

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 シナリオ「桃の木 栗の木 左遷の木」(その14)

この作品は私が喜劇に挑戦しようとして作成したシナリオです。第一回目からの続きです。
 

〇 支店長室(続き)

 下村人事部長が慌てふためいて東京に帰った後、山崎に向かって和んだ様子で話す大川。

大川「ところで山崎君、あっちの方はうまくいったかね」
山崎「いえ全然。こんな夢ならば起きているのと同じですよ」
大川「いつもムスコは起きているがうまくいかんか。まあ、こればかりは生まれつきの才能がいるからな」
山崎「もう時間もないし、あきらめることにします」
大川「いやいや、そんなに諦めが早いと人間大成せんぞ。うむ、そうだ、こうしよう。今日夜8時に我が家にきたまえ。家の場所はわかってるね」
山崎「ええ、一度伺いましたので」
大川「ああ、そうだったな、手ぶらで一度来たな」
山崎「ははは、いつまでも覚えているもんですね」
大川「政治家は実弾のことはいつも忘れないものだ。が、今日はそのことは言うまい。今日は君を驚かしてやる。いいか、8時だぞ。遅れるなよ」
山崎「はあ・・」

〇大川大作の屋敷(その夜8時)

 座敷に通されて待っている山崎。食事の支度がしてある。大川が着物姿でおもむろに出てくる。立って挨拶する山崎。

大川「山崎君、君らしくもない丁重な挨拶だな。まあ、座りたまえ」

 煙草に火をつける大川。

大川「ところで君に来てもらったのは折り入っての頼みがあるからだ。だが、その前にまえに、さあ、飲もう」

 酒を山崎につく大川。

大川「君も知っていると思うがわしには子供がない。いや昔いたのだが海外青年協力隊に志願してイラクに行って戦争に巻き込まれ25歳の若さで死んでしまった。実に悔しい話だ」

 目頭を押さえろ大川。

大川「わしも年をとった。若いつもりではあるが油断すると畳の端につまずいては転んでいる。目も見えず特に若いころの不摂生がたたって肝臓が痛んでいる」
山崎「そうはみえませんが」
大川「いやいや世辞いらん。自分のことは自分が一番よく知っておる。政治家は体力が何よりだ。それにお前のとこの磯田との確執もあってマスコミからも狙われておるからな。そこでいい潮時だから次回の選挙には自分は立たんつもりだ。しかし後継者がいない」
山崎「秘書とか、適当な後継者がいるでしょう」
大川「出たいものは山ほどいる。しかしどいつもこいつも目先のことしか考えておらず、君のように夢を持っていない」
山崎「私の夢はほんのささやかなもので・・」
大川「いやいや謙遜せんでもいい。わしは君の金に対する執着のなさが気に入ったのだ。わしも執着さえなければ総理になれたのに実に残念に思って居る」

 そこに久子が料理を持って入ってくる。にっこり笑う久子。びっくりしてく口もきけない山崎。

大川「はははは、だいぶ驚いているようだな。いや驚かしてすまなかった。実を言えばこの久子はわしの隠し子なんじゃよ。信じられんじゃろうが、他言できん話だ。特に死んだ女房には絶対秘密だった」

 横に座って山崎に酌をする久子。桃のにおいがする。においをかぐ大川。

大川「久子、お前は恋をすると桃のにおいが一層きつくなるぞ」
久子「お父様、からかわないでください」
大川「ははは、いやいい。(山崎のほうを向きなおして)実はこの子は君の支店でスパイのような仕事をずっとさせてきたのだ。君のところの動静を探っておかんとな。磯田がいつわしの寝首を搔くとも限らんからな。この子を君に接近させたのもわしの指示でな、いやスマン。
ところがこの久子が君に恋をしてしまったのだ。わしが惚れるくらいだから久子が惚れるのもむりはない。
そこでわしも決心した。久子と結婚したまえ。そしてわしの後継者になるのだ」
山崎「(驚いて)しかし私にはれっきとした女房がいます」
大川「君の奥さんがいることは十分承知している。しかし決心したまえ。政治には決断が必要なのだ」
山崎「では時間の許す限り頑張りましょう」
大川「また、不思議な答え方をするものだな。君には十分な時間があるはずだ」
山崎「いやせいぜい朝の7時ごろまでが限度です」
大川「朝の7時までやっていたら腰が抜けるだろう、なあ、久子」
久子「山崎さんとならわたしは大丈夫です」
大川「はは、ま、そういうことだ。今日は奥の間に君たち二人の寝室を用意した。いわば君たちの初夜だ。せいぜい頑張りたまえ」

(続く)

 

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(28.10.22) フィリピンの反グローバリズム 「うるせい、売春婦の息子のオバマの言うことなど聞かん!!」

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  また一つグローバリズムが終焉した。フィリピンのドゥテルテ大統領がオバマ大統領に向かって「わしらはもうアメリカの言う人権などに飽き飽きした。こっちはこっちの方法でやるからかまわんといて」と決別宣言をしたからだ。
フィリピンでは麻薬の密売が蔓延し、特に2010年以降犯罪が急増している。
こりゃもうだめだ。まともな裁判などしていたら百年河清をまつ様なものだ。見つけ次第撃ち殺そう。殺しても罪にならず私は勲章をやる」ドゥテルテ大統領がそう宣言した。

 6月に就任して以来ドゥテルテ大統領の意を受けた銃殺隊が麻薬関係者を銃殺しまわっている。わかっているだけで数千人の規模だが実際はそれ以上多いだろう。なんで死んだかわからない死体が路上にごろごろしているからだ。
これを見てアメリカが驚いた。
あんた、人権は人類普遍の権利で、特に裁判もなしに人を殺すのは人権無視だ。憲法に書いてある通りのルールを守りなさい」とクレームをつけたものだから、ドゥテルテ大統領が切れた。
うるさい、アメリカ大使はホモ野郎で、オバマは売春婦の子だ。そんな奴にとやかく言われる筋合いはない

 この口の悪さはトランプ候補並みで実に下品だが、ドゥテルテ大統領が言いたいのはアメリカ型人権思想などにとらわれないということだ。
実際は民主主義や人権といった言葉や概念は産業革命以後の西洋資本主義国が流布してきた思想で、この地域特有の思想であり人類共通資産ではない。
簡単に言えばアメリカ、西欧、日本だけに特有の思想であり、先進資本主義国以外はこの思想の埒外にある。

 中国や北朝鮮や中東諸国やアフリカや中南米、そしてロシアや東欧諸国では資本主義が発達しておらず、その結果民主主義もまたその中心にある人権思想も存在しない。
19世紀から20世紀にかけて西洋資本主義が世界中に伝搬していた時代は同時に民主主義も広く流布されたが、西欧資本主義の衰退とともに民主主義とその中心にある人権思想も衰微し始めた。

 もはやアメリカが何と言おうと中国や北朝鮮やロシアやイスラム諸国などは馬耳東風だ。
あんた、あんたの言っていた資本主義の時代は終わった。今からはこちらはこっちのスタイルで政権を運営する
資本主義の中心理念はグローバリズムだが、もはや市場拡大が不可能になり、簡単に言えばGDPが拡大しなくなると、資本主義を支えていた民主主義思想も衰微する。

 ドゥテルテ大統領は今急速に中国に接近しているが、これはアメリカからの干渉に対する腹いせでいっているだけで中国組に入るということではない。もし中国組に入ると今度は中国式帝国主義というもう一つのグローバリズムに取り込まれてしまうからで、それでは自由な政権運営ができない。

 だから今フィリピンが行っていることはアメリカのグローバリズムを拒否し、ジェスチャーとして中国に接近してバランスをとっているだけで、中国が内政干渉を始めると中国とも疎遠になる。
習近平氏はフィリピンのアメリカ離れに小躍りして1兆円以上の公共投資を約束したが、この約束が守られることはない。今中国経済は奈落の底に落ちつつあり自由にできる資金など実際はないからだ。

 フィリピンは麻薬撲滅戦争で西欧型民主主義とその中心にある人権思想から決別した。中国のようにもともと人権思想など存在しない国から見ると友人が増えたようなものだが、べつにフィリピンは中国の手先になろうとしているわけでない。
外国が干渉するのが嫌なだけだ」ということでローカリズム宣言をしているだけなのだ。

注)ただしその表現は非常に下品でトランプ氏とどっこいどっこいだ。オバマ大統領のようなグローバリズムの旗手の言葉は洗練されているがローカリズムの言葉は常に野卑だ。
日本のローカル政治家にもよくあるタイプといえる。


 

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(28.10.21) 病気療養中のため二日に1回の割で過去のシナリオを掲載しています。 「桃ノ木 栗の木 左遷の木(第十三回)」

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 シナリオ「桃の木 栗の木 左遷の木」(その12)

この作品は私が喜劇に挑戦しようとして作成したシナリオです。第一回目からの続きです。
 

〇 ホテルのテーブル(続き)


 テーブルに戻ると久子が下を向いてすすり泣いている。

久子「わたし、いけない子?」
山崎「いやそんなことはない。女房といえども人の夢にまでしゃしゃり出る権利はない」
久子「でも、私、本当にいけない子なのよ」
山崎「目が覚めるまでのひと時なんだからそんなに深刻に考えなくてもいいよ」
久子「でも、目が覚めたら私の本当の姿が見えてしまうわ」
山崎「はは、何を悩んでいるの。それよりもっと踊ろう。僕に身を預けてね」
久子「ダメ、奥さん見た以上、私、これ以上できない。帰ります」

 踵を返してホテルから出ていく久子。呆然と見送る山崎。

山崎「(独り言)くそ、もう時間がないじゃないか。女房のやつ、夢の中まで干渉しやがって。今度あいつがいびきをかいたら鼻の穴に指を突っ込んでやる」

〇 A支店長室(翌日、朝)

 翌朝山崎が出社すると、下村人事部長がいらいらしながら待っている。手に新聞を握っている。平然と下村を見る山崎。

下村「ほう、私がわざわざ東京から来たのに、別段驚かんようだな」
山崎「どうせ、時間と空間を超越しているんですから」
下村「これはまたアインシュタイン並みだね。ところでアインシュタイン君、この記事は何だね」

 江島大橋から大量の一万円札がばらまかれた記事が写真入りで出ている。

下村「この仕業は君だろう。なぜ大川大作に渡す金を橋からばらまいた。君はそんなに正義派だったかね」
山崎「一夜の余興ですよ」
下村「(あきれて)ほうほう、余興だと!!では君の仕業だと認めるんだな。ではこれも君の仕業だろう」

 さらにもう一つの新聞をテーブルにたたきつける。K都銀(山崎が務めている都銀)に金融庁の特別査察が入った記事がでかでかと出ている。

記事の内容「K都銀に金融庁特別査察。多額の裏金が民自党の大川大作の後援会に。
また、ヒサコーの株が大川大作に渡された


 記事をじっと読む山崎

下村「山崎君、はっきり言ってもらおう。大川大作と君の間にどんな密約が交わされたんだ」
山崎「はは、そんなものはありませんよ。ただ私的なことでサジェスチョンを得ただけです」
下村「そのサジェスチョンをいいたまえ」
山崎「駄目ですよ、昨日もそのことで女房とケンカになったんだから」
下村「では君は奥さんにも言えないようなことをしているんだな」
山崎「部長までなんですか。どうせ夢の中だけの話じゃないですか」
下村「(気色ばむ)何を言うか、お前の夢のおかげでわが社は存亡の危機に立っているんだ。すでに東京地検から頭取に呼び出しがかかっている。大川大作が今回限りで引退し、地盤を世界的視野を持ったユニークな男に引き継ぐと言っているが、それがお前だということはすでに割れているんだ」
山崎「いや、私の夢はもっと小さいことで」
下村「小さいだと、大川と組んで頭取を失脚させることが小さいことか」
山崎「失脚だなんて大袈裟ですよ。まさか頭取も久子に目をつけていたわけではないでしょう」
下村「ヒサコーの株をひそかに大川に渡したのが、なぜ新聞にでかでかと載っているんだ」
山崎「ヒサコーではなく久子ですよ」
下村「馬鹿、今君とそんな言葉の遊びをしている時間はない。君がはっきりとわが社の利益に反する行為をとったことが明確になればそれでいい。しかるべき措置をとるからそのつもりでいたまえ」
山崎「しかしあまり時間がないはずです。もうすぐ朝が来ます。それまでの一夜の夢にすぎません」
下村「『一夜の夢』だと!! 君は千夜一夜のつもりかもしれんが実に子供じみた行為だ。こちらには幹事長がついているからもみ消して見せる」

 そこに大川大作が意気揚々と支店長室に入ってくる。

大川「おやおや、これは下村人事部長じゃないかね。いつもは東京でふんぞり返っているのに、わざわざA町まで出張かね」
下村「(大川をにらんで)先生、先生のやり方は大変悪辣です。先生とわが社の関係をあえて週刊誌や新聞に流したのは先生だとわれています。しかしこちらにも幹事長がついているのでそうやすやすとは負けませんからね」
大川「ははは、幹事長だと。わしを誰だと思っているんだ。あいつを幹事長にしたのはこのわしだ」
下村「先生、もう先生の時代ではありません。幹事長派の時代です」
大川「ふん、政治の素人が何がわかる。お前は知らんだろうが今回の東京都知事選でわが党の推薦した候補者が負けたので幹事長が辞任するのは時間の問題だ」
下村「まさか・・・・」
大川「まさかじゃない。政治は一瞬先は闇ということを君は知らんようだな。ついでに教えておくが次の内閣改造でわしの腹心の伊藤が法務大臣になる。わしは無罪放免、お前のとこは徹底的に調べることになっている」
山崎「先生、そこまですることはないんじゃないですか、もう目覚めますから」
大川「いやだめだ。いったん飼い主の手を噛んだ犬は保健所送りだ」

 慌てて東京に帰ろうとする下村。真っ青な顔になっている。その後姿を見送る大川と山崎。

大川「ふん、磯田の犬め」

(続く)

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(28.10.20) 小池都知事の首に鈴をつけろ!! IOC、日本国、組織委員会の包囲網

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 小池東京都知事
独断専行にほとほと弱り切った政府はIOCと手を結んで小池包囲網を結成した。戦前のABCD包囲網の現代版である。
IOCのバッハ会長小池氏との会談で、東京都、IOC、国、組織委員会の4者作業部会を設置する提案をおこなったからだ。
小池氏はこれを了承したが、IOCが国や組織委員会を飛ばしてこうした提案をするはずはないから、これは国と組織委員会、IOCがただ飛び跳ねるばかりの小池氏に手綱をつけたものだ。
「このままでは東京五輪がどうなるかわからない。みんなで抑え込もう

 小池氏は豊洲問題でもそうだが、自身の権力を振りかざしたいだけでコトアゲを行っており、おかげで豊洲移転は半永久的に延期になったが、今度は東京オリンピックの会場問題でクレームをつけだした。    
特に今回問題にしているのはボート・カヌーの競技場で新たに建設予定だった海の森水上競技場の建設をやめて、宮城県にある長沼ボート場を使用する案に変えるようにはしゃぎまわっている。

 宮城県知事も大いに乗り気で「震災住宅を改修して選手の宿舎にすれば経費が大幅に圧縮できる」と言いいだしたがこれほど選手のことを無視した提案はない。
考えても見てほしい。震災住宅とは一時的に被災者が避難して生活する場所で半永久的に済む場所ではない。
当然のことに装備はとりあえず住むのに支障ない程度で、そこに住んでいる人が永遠に住みたくなるようには意図的に作られていない。
もしここがどこよりも素晴らしい場所だと、みんなが震災住宅を出ないから出たいという気持ちが起こるように設計されている。
簡単に言えば安普請なのだ。

 そこを海外の選手の宿舎にしたらどうなるか火を見るより明らかだ。
日本はわざと外国人選手の居住環境を悪化させて、自国に有利な措置を行った。おかげで我が国の選手は薄い壁で隔てられた難民収容所で十分な睡眠がとれず敗退したが、この日本が行ったアンフェアな対応はオリンピック憲章に違反する
選手は震災住宅を見に来たのではなくメダルを取りに来たのだから、住環境は最高レベルを提供しなければならない。
小池氏は「震災の現実を見てもらうにふさわしい」などと言っていたが考え違いも甚だしい。

 だから実際に宮城県の長沼に決まればそれ相応の宿舎を建設する必要があり、今見積もっている安価だという長沼震災住宅案ではとても足りないのだ。
小池氏はオリンピック経費が倍増していると指摘しているが、それはある意味では当然なのだ。国内向けにはオリンピックが安価に開催できると説明して支持を得、世界の招致合戦では最高級の環境を提案すると言って支持を集めたのだから、そのギャップが経費の倍増だ。

 ロンドンのオリンピックでも当初予定より4000億円増加したといわれるし、ロシアのソチオリンピックでは一体いくらかかったのかもわからないほど経費を無視して開催した。
経費節減案も限界があってバッハ会長の言うアスリート第一主義」を無視して居住環境を悪化させて選手に難民生活をさせるなどとはもってのほかだ。
小池氏は権力を手に入れて舞い上がってしまい、まるで韓国のパク・クネ大統領のようにおろかになっている。
小池氏の下で東京都政は漂流し、豊洲問題もオリンピックもただ権力のおもちゃとしてもてあそばれている。

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(28.10.19) 病気療養中のため二日に1回の割で過去のシナリオを掲載しています。 「桃ノ木 栗の木 左遷の木(第十二回)」

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 シナリオ「桃の木 栗の木 左遷の木」(その12)

この作品は私が喜劇に挑戦しようとして作成したシナリオです。第一回目からの続きです。
 

〇 支店長室(続き)

 ソファに腰を掛けまだふるえている久子。久子の肩にそっと手を載せながら釈明する山崎。

山崎「すまなかった。こんな予定じゃなかったんだが、どうも夢をコントロールするのに慣れてなくてね。あんなガサツな人間まで登場するとは思いもよらなかったよ」

 黙って聞いている久子。

山崎「本当は君と二人っきりになりたいのに、邪魔ばかり出てくるんだよ」

 山崎にそっと身体を持たせかける久子

山崎「(狼狽しながら)今日、二人で食事をしよう」
久子「(嬉しそうに)いいわ」

〇 松江市の高級ホテルの屋上にあるフランス料理店のテーブル(同日の夜)

 山崎が久子を松江市のホテルに食事を誘っている。嬉しそうに座っている久子。テーブルには豪華なフランス料理が並んでいる。

山崎「誘って悪かったかな・・・・」

 首を横に振る久子

山崎「本当に君とデートしたかったんだ」

 微笑む久子。手を山崎の手の上に重ねる。慌てる山崎。

山崎「あっ、今日はいくらでも食べてもいいよ、償いだから。そう、ワインも飲む」

 うなずく久子。ボーイを呼んでワインを注文する山崎。

山崎「そうだね、一番高級なワインを頼む」

 時計を見る。

山崎「(独り言)もう少しで朝になってしまう。シンデレラボーイにならないように頑張らなくては・・」
久子「何か言った」
山崎「いや、いや、何でもない。こっちのことだ」

 ほろ酔いかげんの久子。ダンスホールが併設されていてムードミュージックが流れる。

久子「おどって」
山崎「いいとも」

〇 ダンスホール

 体を山崎にあっずけておどる久子。肩に久子の息がかかる。

山崎「(独白)ようやく大願成就しそうだぞ。夢だと思ってバカにしてきたが、こりゃ現実と同じくらい厳しいや」
久子「何か言った」
山崎「あっ、いや、何でもない」

 強く久子を引き寄せおどる山崎。久子も体を強く寄せる。

山崎「今日は君を帰さないよ、いいね」

 急に山崎は肩をたたかれる。妻の和枝が厳しい顔をして立っている。

和枝「なぜ,帰さないのですか。人事部長さんからすぐにA町に行ってあなたを見てほしいといわれたから来てみたらこの有様です」
山崎「(どぎまぎしながら)な、なんでお前がこんなとこに出てくるんだ。昼間ちゃんと尽くしているじゃないか、夜までちょこまか出てくるな」
和枝「あなたという人は・・・、夜は関係ないとでもいうのですか。私はあなたの妻です。夜の権利があります。誠実さだけが取り柄と思っていたのに、どうかしてしまったのですか」
山崎「うるさいぞ,女房だからと言って人の夢を侵害する権利はない」
和枝「まあ、あなたの夢のために子供の将来に傷がついてもいいんですか」
山崎「馬鹿なことを言うな、なぜ俺の夢が子供にかかわる」
和枝「あなたは隠しているつもりかもしれませんが、あなたの行動はみんな知っています。現に私がこのホテルに来たのも、神鳥課長さんが『ここにいる』と教えてくれたからです」
山崎「俺が言っているのはそんなことじゃない。夢から覚めればそれだけのことじゃないか」
和枝「早く夢から覚めてください。人事部長さんはあなたが精神的におかしくなったのではないかと言っていましたよ」
山崎「うるさい、夢を見るのは俺の勝手だ。人事部長がなんぼのもんじゃい」
和枝「あなたには社会的地位があるんですよ」
山崎「社会的地位で夢を見ているんじゃない」

 思わず山崎のほほをたたこうとする和枝。しかし手は空を切ってそばにいた久子のほほをたたく。ピシャと大きな音。顔をしかめる久子。山崎はほほを押さえる。

山崎「(独白)夢の中では痛さがないというのは本当だ。まったく痛くない」

 肩を怒らせ踵を返すようにしてホールから出ていく和枝。追う山崎。ドアを開けながら和枝が叫ぶ。

和枝「あんな女のどこがいいんですか」
山崎「あの子の胸は桃のようだが、お前の胸は干しブドウだからだ」
和枝「(顔をゆがめながら)干しブドウにしたのはあなたです。垂れたバナナのくせに」

 思わず下に手をやる山崎。

山崎「(独白)普段はいい女房なんだが、夢の中では人格が赤裸々に出てくるな」

(続く)

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(28.10.18) 再び中世に近づいた日本  新潟県知事選挙で原発NO

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 時代は確実に中世に向かっているようだ。先日新潟県知事選挙で原発再稼働反対派の米山氏が容認派の森氏を破って当選したのだが、これで東京電力柏崎刈谷原発の再稼働はなくなった。
東京電力は原子力発電所の再稼働の機会をこの刈谷原発に求めたが住民はNOと叫び東電はなすすべを失った。
原子力発電の時代は終わったのである。

 原子力発電が華々しく登場したのは20世紀の後半だったが、当時は原子力と聞くと未来を担う最も有望な発電と思われていた。実際福島第一原発の事故が起こるまでは原発の発電量は全体の30%程度に達していたし近い将来に50%となるといわれていたものだ。
原発こそは温室効果ガス対策の決め手です」原発推進者はそう叫んでいた。
然し福島原発事故の後ほとんどの原発は稼働を停止し、今では50基以上稼働していた原発で稼働しているのは3基になり、しかも稼働中の鹿児島では三反園知事が稼働を差し止めるよう要望している。

注)鹿児島の原発反対運動の詳細については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2016/09/ppppp-1.html

 かつては原発は人類発展の必須のインフラと思われていたが、21世紀に入ると原発をあえて稼働させる必要性がなくなってしまった。
先進国のGDPが全く伸びなくなってエネルギーが必要なくなり、電力事情が好転して更なる原発の稼働は必要なくなったからだ。
GDPが伸びないのは日本が典型的にそうであるように少子高齢化が進んで人口が毎年のように減少し、老人比率がますます高まっているからである。

 都会を離れると農村や山村や漁村には人々が住まなくなった過疎の村がいくらでもある。人がいなくなればエネルギーを消費することはない。北海道の過疎地域には廃校になった校舎が至る所にあるが、廃校になれば電気をつけることはない。
人口減少社会になれば電力需要は低減していく。だから何も原発を稼働させなくても今のままで十分だし、さらに必要性はなくなっていく。
あんた、これ以上原発で発電しても誰も使用しないじゃないか
世の中のパラダイムが変わったのだ。

 人口減少・停滞社会は現在は先進国と中国や韓国といった中心国が中心だが、これは子供が生産財でなく消費財になったからだ。かつては農村では子供は重要な働き手だったが、皆がサラリーマン化していけば単に金のかかる厄介者に過ぎない。
子供が多いと生活が苦しくなるからせいぜい一人か二人にしよう
第一次産業という若年者労働を必要とする産業比率が低下すればどこの国でも人口は停滞しそして減少する。

 21世紀に入り、すべての産業が余剰になってしまいデフレ圧力が強まったのは人類の数の拡大がピークを迎えたからだ。
日本が典型だがこれは世界史の先端を行っているだけで他のあらゆる先進国が追随し、また中国も韓国も同様の道をたどる。
なぜ20世紀はGDPなどという指標で経済運営をしていたのか述べよ」という問題が大学入試で出される時代に入ってきた。

注)過去においてもGDPが伸びない社会があり、成長のローマ帝国が崩壊した5世紀から約1千年続いた。この間ローマが築いた公共インフラ(道路、橋、水道、コロシアム、公共風呂等)が次第に放置され最終的に崩壊してしまった。
人々は成長に背を向け生産性などまったく考慮せず、ひたすら宗教に帰依するだけの生活を続けたがそれが約1000年も続いたことはやはり驚嘆だ。


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(28.10.17) 病気療養中のため二日に1回の割で過去のシナリオ等を掲載しています。 「桃ノ木 栗の木 左遷の木(第十一回)」

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 シナリオ「桃の木 栗の木 左遷の木」(その11)

この作品は私が喜劇に挑戦しようとして作成したシナリオです。第一回目からの続きです。
 

〇 支店長住宅(真夜中)


 布団に入ったまま天井を見上げている。

山崎「(独白)いや、大川の言うとおりだ。このままではあの桃のような久子を若者に取られてしまう。然し、これは俺の夢なのだからそうはさせんぞ。自分の夢ぐらいこちらのシナリオどうりにさせて見せる。絶対にだ(思わず叫ぶ)」

山崎「だがしかし不思議だ。夢の中でもこうして何回も睡眠をとる必要があるのだろうか・・・・」

 天井をにらんだままの山崎。

山崎「時間がない。どう見ても時間は朝までだ。よし、決着をつけるぞ!!」

 〇 A支店フロア(翌日の昼)

 業務室が騒がしい。やくざが二名でロビーで騒いでいる。暴力団がえせ新聞の勧誘にきている。困惑して対応している神鳥総務課長。

男B「新聞買わんとはお高く留まりおるわな。銀行がなんぼのもんじゃい」
男A「なんやねん、ここはお客が来てるというのに茶の一杯もださんのかい」
神鳥「(恐る恐る)あっ、いえ、気づきませんで申し訳ありません。斉藤君、ほら、何してるの、早くお茶を持ってきなさい」

 恐る恐るお茶を運んで来た久子。久子の顔をじっと見る男A.。顔をそむける久子。

男A「おい、ねえちゃん、ここではお客にお茶を出すとき顔を背けて出せと教えとるんかい、えー」

 茶碗を投げつける男A.茶碗がコンクリートの壁に当たって欠ける。

男B「お茶よりねえちゃんのほうがずっといいんだよ、えへへ」

 久子の手をわしづかみにして引っ張る男B.

久子「あっ、いや、いや」
神鳥「(狼狽して声が出ない)こ、こ、ここは銀行です。それ以上すると警察を呼びま、す、す、す、よ」
男B「何が乱暴じゃい、乱暴というのはこういうふうにするんじゃい」

 強引に久子を抱こうとする男B.

神鳥「お、お客さんの新聞を購入しますので、どうか手を放してください。お、お金を出せば問題はないんでしょ」
男A「金さえ出せばとはなんじゃい。こっちとらはれっきとした政治新聞じゃい。バカにされては後へは引けんな、おい支店長を出せや、早うだせや」

 おびえている従業員。騒ぎを聞きつけて山崎が支店長室から出てくる。

山崎「一体、何が起こったのですか」
男A「おやおや、今度はやけに乙に済ましたおっさんが出てきたじゃないか。あんたは誰じゃい」
山崎「この支店の支店長です」
男B「(大声で)支店長がなんぼのもんじゃい」
山崎「いや、大した者ではないが、自分の夢にこんな下品な人間が登場するのは許せない」
男A「なんやて、下品とは言ってくれるじゃねいか。おう、そうかい、どうやらお前の夢はこの女だろう」

 久子の胸を服の上から触ろうとする男A。一瞬のスキをついて男Bの腕から逃れ山崎の後ろに隠れる久子。

山崎「(怒鳴る)馬鹿もん、出て行け蛆虫。夢が台無しになる」
男A「なんじゃい、おっさん、いい度胸してるじゃねいか。おう、死んでもいいんかい」

 胸ポケットから匕首を取り出してカウンターに突き刺す。

山崎「おどかしてもだめだ。目覚めたら何もないんだから」
男A「目覚めろだと、しゃらくせい」

 カウンターに突き刺してある匕首を抜いて、山崎に襲い掛かろうとする。ちょうどその時にA支店の前を救急車がサイレンを鳴らして通り抜ける。同時に隣の駐在所の警官がのんびりと預金をしに入ってくる。

男B「兄貴、まずい。サツだ」

 逃げ出す男たち。

男A「覚えとけよ」
山崎「駄目だ、朝まで覚えてられない」

 支店の職員が全員、安どの顔で山崎の周りに集まる。何も気づかず警察官はのんびりと預金窓口に向かっている。

神鳥「しかし、支店長の勇気には感服いたしました」
山崎「いや、勇気なんてものじゃない。自分で自分の夢をコントロールできないだけだ」
神鳥「私にはウジ虫なんてとても言えませんよ」

 山崎の後ろで震えている久子に向かって声をかけ、やさしく肩をふれて促す。

山崎「そんなにふるえてないで大丈夫だよ。私の部屋にきて休みなさい」

 黙ってついてくる久子。職員全員が持ち場に戻る。

(続く)



 




 

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(28.10.16) 一般道の清掃はいつ果てるともなく 自転車清掃の毎日!!

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 いかんともしがたい性格というものがある。自分の性格のことなのだが道路や公園といった公共的な場所がごみで汚れていると気もそぞろになって、すぐさま清掃にとりかかってしまうことだ。その範囲が狭い場合には大したことはないのだが範囲が広がるともう半永久的な作業になる。
登山家の野口健氏の富士清掃登山のミニチュア版のようなものだ。

 私は引退してからの10年間、私が住んでいるおゆみ野にある遊歩道四季の道約6kmの清掃をほぼ毎日行ってきたが、今年の2月に突然両足が動かなくなってから徒歩でなく自転車で清掃を継続している。ここは毎日の日課で行っている遊歩道なので慣れており、またごみが出るといってもたかが知れている。

 問題は私が最近行っている一般の自動車道の清掃のほうだ。歩くことも走ることもままならないため健康維持のため毎日約15km程度自転車に乗っているのだが、このコースの約半分は遊歩道ではなく一般道なのだ。
しかも人家がほとんどなくもっぱら自動車しか通らないような山間の道もあって、こうした場所は道路がごみ捨て場になっている。
ペットボトルやアルミ缶やコンビニ弁当を食べた後のごみが主たるものだが、ときに意図的に家庭ごみが捨てられていたりして気にし始めるとまともに自転車に乗っていられない。
仕方ないこちらも清掃するか・・・・・・・
ひと月ほど前から自転車清掃を始めた。

 30リットルのゴミ袋をもって毎日出かけるのだが、すぐさま一杯になるので気持ち良いサイクリングというわけにはいかない。第一アルミ缶などでいっぱいになるとバランスをとるのも大変で油断するとハンドルを取られ思わぬ場所に突っ込んでしまう。
先日村田川の堤を通るときに強風にあおられて危うく川に突っ込むところだった。

 それでも一か月にわたって清掃を繰り返すと数年来放置されていた空き缶やペットボトルはどうにかかたずけたのだが、新たに毎日ごみが捨てられるので清掃サイクリングをやめるわけにいかない。
落穂ひろいじゃ、落穂ひろいじゃ、頑張れ!!」
相も変わらず清掃サイクリングを行っているが、今では放置されたごみがいつ捨てられたのか分かるようになっている。
このごみまだ新しく昨日捨てられた、インデアン嘘つかない!!」
ごみを見ただけで捨てられた日時をほぼ特定できるほど鑑識眼が肥えてしまった。

 しかし本当に困った性格だ。ごみを見るとめらめらと清掃意欲がわいて清掃しきるまで止めないが、ごみが捨てられることがなくなることはないので、これでは一生続けることになってしまう。
先日ちはら台の一般道の清掃をしていたら、おゆみ野の四季の道の清掃時間にいつも会う知り合いに見つかってしまい「山崎さんはどこに行っても清掃ばかりですね」などと笑われてしまった。
全く野口健氏のミニチュア版だ。

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(28.10.15) 病気療養中のため二日に1回の割で過去のシナリオ等を掲載しています。 「桃ノ木 栗の木 左遷の木(第十回)」

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 シナリオ「桃の木 栗の木 左遷の木」(その10)

この作品は私が喜劇に挑戦しようとして作成したシナリオです。第一回目からの続きです。


 〇 A支店支店長室(同時刻の若干前)

 A支店に大川大作が事前の約束もなく訪れている。支店長室の来客用ソファに深々と腰を掛けて山崎を待っている大川。お茶出しをしに来た久子に大川が声をかける。

大川「や、久子ちゃん、元気かい?実にいいにおいがする、桃のようなにおいだ」

 無邪気に笑う久子。

大川「まあ、ここに座りなさい(ソファの横を開ける)」

 大川大作の横に座ってあどけなく大川を見上げている久子。久子のうなじに手を触れ久子の襟元のにおいをかぐ。

大川「うむ、間違いない、君のにおいだ。中国にはジャコウジカがいるが聞くところによるとこうした匂いだそうだ」

 再び久子の体を引き寄せる。されるままにしている久子。そこに山崎が出勤してきて驚く。

山崎「あぁあ、大川さん、いったい何をしているんですか」
大川「ヤァ、君か、いや、なに、ちょっと」
山崎「ちょっとはないでしょう。これは私の夢です。私の夢なんだからその中で変なことをしないでください」
大川「いやいや、この子が君の夢だとは知らなかった。いや、失敬、失敬。こうみえても大川大作、人の恋路の邪魔をするようなことはせん」

 あどけない笑顔で支店長室を出ていく久子。見送る大川と山崎。

大川「君も隅に置けんな、まさかその年で独身なんてことはあるまい」
山崎「妻も子も東京にいます」
大川「単身赴任か。そうなるとあの子は現地妻か」
山崎「そんな関係ではありません」
大川「ほーほー、それでは少年の恋をしているのかね、その年で」
山崎「そんなつもりはないのですが、たまたまそうなっているだけです。(真面目な顔で)大川さん、夢の中でも道徳律というのがあるのでしょうか」
大川「はは、やはり君は大変面白い人物だな。夢を追う人間は道徳的なものだ。わしも首相の椅子を狙っていた時は身ぎれいにしていたものだ。芸者に手を出して首をはねられてはかなわんからな」
山崎「ところで今日は何か?」
大川「いや、特に用があるわけではない。昨日のお前のところの磯田の仕打ちにははらがたったが、それにはもうこちらで手を打ったからもういい。実をいうと、わしはお前が大変気に入った。今までわしの前で物おじせず座っていた人間などいない。お前は肝が据わっておる」

 そこに東京の人事部長から電話が入る。電話を無視する山崎。

大川「ほれ、電話が鳴ってるぞ」
山崎「これは仕事じゃないんだからどうでもいいんです」

 仕方なく電話対応をする大川

大川「どうも困ったやつだ。どれどれ、わしが出てやろう」
人事部長「(怒鳴り声)えぇ、山崎君、どうしてすぐに頭取に連絡してこないの。頭取がなぜ君をA支店くんだりにやったかわからないのか」
大川「そんなことはわかっておる」

 思わず頭にきて怒鳴る大川。

人事部長「(びっくりしながら)な、なんですか、その言い方は。わざとどすを利かしたつもりかも知りませんが、ちゃんと仕事をしてから居直りなさい。実弾はどうした」
大川「それはこっちが聞きたい」
人事部長「(激怒して)ふざけるな、さっさと落ち目の政治家の首を切って東京に戻ってこい。こっちは幹事長と話がついているんだ」
大川「そうはいかんぞ、幹事長にはこっちから手を打った」
人事部長「な、何を言ってるんだ、お前にそんなコネがあるわけがないだろう。バカも休み休み言え」
大川「いったな、わしをみくびるな」
人事部長「馬鹿、わしなどという言葉はもっと偉くなってから使え」

 互いに興奮する人事部長と大川大作。見かねて頭取の磯田が人事部長の電話を替わる。

磯田「何かわからんが、互いに興奮していては訳が分からんだろう。こっちはあれ以上出すつもりはないんだ。これが最後だとちゃんと言ったか」
大川「どうして最後になるんだ。誰のおかげで今の地位を得た」
磯田「キミ、どうしたの、病気なの、声も悪いよ。そりゃ、従業員諸君のおかげで今の地位にいることは確かだが、私だって努力しなかったわけではない」
大川「頭取競争で負けそうになって手をついて泣いて頼んだのはだれだ」
磯田「な、なんで君にそんなプライベートなことまで言われなくちゃならないんだ。実に不愉快だ。切る」

 怒って乱暴に電話を置く頭取。同じく電話をたたきつける大川大作。黙って聞いていた山崎が大川に声をかける。

山崎「そんなに電話を乱暴において、いったい誰と話してたんですか」
大川「お前んとこの義理も人情も知らん頭取だ」
山崎「はは、でも時代の流れを見る目はしっかりしてますよ」
大川「ただ、狡いだけだ。うむ、ところで盛んに実弾のことをいっとったは、本当はどうしたんだ」
山崎「それは昨日も言ったように、江島大橋からばらまいたといったでしょう」
大川「なぜ、そんなことをした」
山崎「新札が太陽にきらめいて蝶の乱舞になったからです」
大川「金だぞ」
山崎「幻です。目が覚めればただの狐の葉っぱです」
大川「わしのように金輪際目覚めない人間はどうする」
山崎「いや誰でも目が覚める時があります」

 感心して山崎に言葉に耳を傾ける大川大作。

大川「うむ、君は年に似合わずなかなかの哲学者だな。いちいち言うことが最もだ。ではその哲学者に一つアドバイスしておくが、君のところの桃の匂いのする女の子、久子のことだが、あの子を早く食べないとほかの若者に食べられてしまうぞ。なんせ無防備な子だからな」
山崎「朝までには何とかします」
大川「はは、夜中中一緒にいて朝までに何もなかったら医者に診てもらったほうがいい」

 笑いながら事務所を出ていく大川大作。

(続く)

 

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(28.10.14) 中国ゾンビ企業の解体と中国共産党の葬送曲 東北特殊鋼集団倒産

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 とうとうゾンビが死亡し始めた。韓国と中国の企業のことである。
韓国はサムスンや一部企業以外はほとんどが赤字で、特に造船海運関係企業はすべてゾンビという状況だったが、この8月末に世界第7位だった韓進海運が倒産し、世界中の港で所有船舶が入港を拒否されていた。

注)韓進海運の倒産の詳細は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2016/09/post-c564.html

 一方中国は国営企業が軒並み赤字でゾンビ状態だったが、こちらは地方政府が懸命に資金繰りの手当てをしてきたので、まさにゾンビらしくいつまでたっても死亡しなかった。
鉄鋼、石炭、セメントといった基幹産業だが、こうした企業は従業員がほとんど共産党員だから一種の互助組織として生き延びてきた。
あんた、ここをつぶしたら共産党員がみな失業してしまうではないか。それでは中国共産党がもたない

 しかしいくらたっても鉄鋼や石炭やセメントの価格は上昇せず、負債はうなぎのぼりになりかつて威勢よく発行した社債の償還には全く応じられなくなってしまった。
東北特殊鋼集団は大連に本拠を置く中国大手の鉄鋼会社だが、過去9回にわたって社債の償還ができずデフォルト状態だったが、ついに地方政府は資金援助をあきらめ倒産処理に入った。
負債総額は約8000億円である。
簡単に言えばこの負債金額は共産党員に対する扶助手当に相当する。

 中国は特に鉄鋼生産が過剰約8億トンの生産量を誇るが、これは日本の1億トンの8倍で、GDPが日本の約2倍だから、単純計算で6億トンは過剰生産に陥っている。
しょうがないだろう。共産党員を食わせるためには何が何でも生産して、後ははたたき売りしか方策はない
世界市場に中国の安価な鉄鋼製品が出回って、アメリカのトランプ氏が経営するホテル建設でもこの安価な鋼材を使用しているとクリントン氏がやり玉に挙げていた。

 通常であれば過剰生産になれば操業を短縮するのだが、中国は基幹産業がすべて国営だから赤字になっても国有銀行がファイナンスし続けるため操業短縮をしない
日本の旧国鉄と同様で、「親方五星国旗」がつぶれるがずがないということで赤字があっても生産をし続けるのだが、その資金のしりぬぐいをさせられる地方政府はたまったものではない。
同士、いくらなんでもこれ以上は無理だ。北京政府は世界との約束もあってゾンビ企業はつぶせと言ってくるし、国立銀行も金を貸さなくなった.あきらめてくれ倒産だ

 社会主義経済の最大の弱点は経済が縮小し始めても企業を救うための操業短縮ができないことだ。労働者の馘首ができないのだが、企業体が共産党の互助組織だから企業をつぶすことは共産党の組織をつぶすことになる。
だが作れば作るほど販売は不可能になって、当然のことに資金繰りがひっ迫する。そのしりぬぐいは国有銀行が行ってきたが、北京政府はもうこれ以上のゾンビを生かし続けることができないと判断し始めた。
まずい、このままでは世界最悪の企業体ばかりになってしまい、国際社会からの落ちこぼれになる・・・・・・

 こうしてゾンビ企業の淘汰が始まったが、それは同時に共産党組織の解体であり中国共産党の葬送曲にもなっている。

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(28.10.13) 病気療養中のため二日に1回の割で過去のシナリオ等を掲載しています。 「桃ノ木 栗の木 左遷の木(第九回)」

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 シナリオ「桃の木 栗の木 左遷の木」(その9)

この作品は私が喜劇に挑戦しようとして作成したシナリオです。第一回目からの続きです。



 〇 大川大作の豪邸の室内(続き)

 日本建築の粋を凝らした日本間。床の間には中国の山水画がかかっている。それを背にいらいらしながら待っている着物姿の大川大作。

大川「(怒鳴る)何時間待たせるんだ。銀行の支店とわしの家とは目と鼻の先じゃないか」
山崎「ちょっと天気がいいので江島大橋まで寄り道してきましたので失礼しました」
大川「(びっくりして)君、江島大橋は鳥取との境だよ。君は頭取の磯田の話だと大変なやり手だそうだが、人を待たせるのが君の流儀か。武蔵のつもりかもしれないがわしは小次郎ではない」
山崎「(にこやかに)夢は楽しく見ようと思いまして」
大川「わしは忙しい。君の流儀に付き合ってはいられない。すぐに約束のものを出してもらいたい」
山崎「はは、あれは江島大橋から川の中に投げ捨ててきました。太陽光線にあたってきらきらとまるで蝶の乱舞のように落ちていきました。実にきれいだったなあ」

 驚きあきれてしげしげと山崎の顔を見つめる大川。

大川「お前はわしをからかいに来たのか」
山崎「いえ、こればかりは自分の意志とは無関係に出来事が流れているのです」
大川「(深く息をして)そうか、これが磯田のわしに対する回答か。自分は飛ぶ鳥を落とすメガバンクの頭取、わしは政治資金規正法で躓いた落ち目の政治家というのか。(急に怒りがこみ上げてどなる)なめるなよ磯田、だれのおかげで頭取になれたと思っているんだ」

 思わず茶碗を山崎に投げつけるが茶碗はそれてよく手入れされている庭の苔の上に落ちる。茶碗の欠ける音がしない。

山崎「(独白)すごい、夢では茶碗はかけても音がしないらしい。チャップリンの無声映画みたいだ」

 肩で息をしている大川。

大川「わしの目の前でそれだけ平然としている人間は多くない。さすが磯田が遣わした男だけはある。それは褒めてやる、だが磯田に必ず伝えておけ。磯田がわしに与えた政治資金については表に出ていないが、これが検察の知るところとなれば磯田もただじゃすまない。ともに地獄に行ってもいいのだぞ。いいな、必ず伝えろ」
山崎「頭取の政治資金といいますと・・・・・・」
大川「(大声で)そんなことは磯田に聞け」

 障子を手荒く開け踵を返して日本間を出ていく大川。

〇 支店長住宅(その夜の真夜中)

 布団に入り天井を見上げている。

山崎「(独白)しかし、なんとも不思議な夢だ。今日の一日の夢は何だったのだろうか。大川大作に政治資金を運ぶ夢だったが、なんでこんな夢を見るんだ。夢なのだから楽しい夢でなくては困る。そうだ久子は実にいい(久子の微笑みを思い浮かべる)。あれはじつにいい、もう少しで唇を交わせたのに、(久子が山崎に体を預けるシーン)馬鹿神鳥が邪魔しおって」

〇 本店頭取室(翌朝)

 翌朝頭取室で秘密会議をしている頭取の磯田と下村人事部長。かなり深刻な雰囲気。

磯田「いったい山崎は何をしているんだ。人事部長、君はちゃんと山崎のフォローをしているんだろうね」
人事部長「(恐縮しながら)はあ、それはもちろんですが、何か?」
磯田「何かじゃないよ、大川から訳のわからん電話で怒鳴り込まれた。大川は金は受け取っていないと言ってたぞ」
人事部長「まさか、その件につきましては総務課長の神鳥にすでに指示をしております」
磯田「(強い調子で)指示だけじゃ困るね。実弾が届いたか確認はとったの」
人事部長「いえ、そこまではしなくても山崎のことだからよいと思いまして・・・」
磯田「下村君,君は事の重大さをどうも理解していないようだね。いいかね、もともとA支店は赤字支店なのだから毎年10億ぐらいの赤字は我慢する。そのぐらいはいい。
しかし元財務大臣の大川大作に対する政治献金100億は経営として許すわけにはいかない。落ち目の政治家に対する献金額ではない」
人事部長「はあ、それは十分に理解しておりますが・・・・」
磯田「いや、君は理解していない。考えても見たまえ、政治資金規正法で検察に呼ばれるようでは大川の政治生命は終わった。そんな奴に100億の政治献金ができるか。1億じゃないんだよ。わが行としては早く幹事長派に乗り換えないといかん。幹事長にはすでに50億の献金をしてある」
人事部長「はあ・・・」

 深いため息をつき下村の顔を見る磯田。

磯田「(いらいらしながら)君ね、はあじゃ困るんだよ。考えても見たまえ。なぜA支店の新ビルをたたみ、木造の旧ビルに支店を移させたの?」
人事部長「はあ、それは頭取の大川大作に対する最後通告のシグナルだったはづですが」
磯田「そうだ、いいかね。山崎は有能で現地を熟知していると君が言うから、わざわざあいつをA支店に配属したんじゃないか。なぜ5億の手切れ金で大川と話をつけ支店をたたんで東京に帰ってこない。5億をもってトンずらしたの。もしこの件で失敗したら山崎を推薦した君の責任だよ。
それと今日のニュースで島根の何とかという橋から大金がばらまかれたとニュースがあったが、気になるのでこちらも調べておくように」
人事部長「あっ、はい。すぐに山崎とコンタクトを取りしかるべく指示をいたします」
頭取「当たり前だ」

 慌てて受話器を取りA支店に電話をかける人事部長。それを冷ややかな目で見ている磯田。

磯田「(小さな声でどくつく)やれやれ、これで人事部長が務まるのだから、わが社は安泰なはずだ」

 ヒア汗をかきながらプッシュホンを押している下村。手が震えている。

(続く)








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(28.10.12) 米大統領選の帰趨決まる。 ヒラリー氏の勝利が確実視されてきた!!

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 史上最も醜い討論会
といわれた米大統領選の第二回目の討論会も終わり、どうやら決着がついたようだ。
トランプ氏のあまりの品の悪さに、共和党の重鎮がみなそっぽを向き、「あんた一人で選挙をやりな」ということになってしまい、とても共和党は勝利がおぼつかなくなった。
トランプ氏の下品な行動の影響で上下両院選挙でも民主党に席巻されそうなので、共和党のライアン下院議長などは「共和党はトランプ氏を支持しない」とすっかりトランプ離れをしている。共和党は完全に分裂してしまった。

 もともとトランプ氏の本当の支持母体は怒れる白人の中産階級で、かつてはアメリカ製造業の中核的な担い手だったが、すっかり中国や韓国に製造業が乗っ取られ、今や貧困階級に成り下がってしまった人々だ。
トランプ氏はこの怒れるプアホワイトの熱烈な支持を得ているが、だがそれだけでは選挙に勝てない。

 トランプ氏の本質はメキシコをはじめとするヒスパニック嫌いと、イスラムに対する敵意、そして女性蔑視、さらに外国人嫌いである。
今回の討論会でクリントン氏が厳しく取り上げたのは、トランプ氏の「スターになれば女は何でもしてくれる」というかなり野卑な発言だ。
本質的に女性蔑視主義者のトランプ氏の本音だが、これでは半分の有権者の女性を敵に回してしまうからとても勝てない。
トランプ氏はこれは本心でなく私は女性を尊敬している」と本音から最も遠いことを言って釈明したが、もはや覆水盆に返らずだ

 ここまで野卑な発言が続くと、トランプ氏の支持者はプアホアイトだけになるから、クリントン氏の勝利が決まったも同然だ。
クリントン氏も国務長官時代にリビアでリビア大使を見殺しにしたり、公的メールを個人のメールアドレスで打っていたりしたが、トランプ氏に比較すれはるかにましな候補だと評価されている。
討論会でクリントン氏は2勝して絶対の優位な体制を組めたので、今後信じられないようなミスをしない限りクリントン氏が大統領になるのが決まった。

 さてそこで問題はクリントン氏は日本にとってどのような大統領になるのだろうか。
日米安保の枠組みは基本的に堅持されるが、貿易ではTPPにクリントン氏が反対しており、また世界の潮流がグローバリズムの終焉を示しているのでTPP等の貿易拡大は望めない。
そこで今最も気になることはクリントン一族が中国に取り込まれてきたことだ。多くの中国マネーによってクリントン陣営は夫のクリントン氏をはじめクリントン女史も選挙を勝利してきた経緯があるので、再び日本パッシングバッシングではない)の可能性は危惧しなければならないだろう。

注)ヒラリー・クリントン氏と中国の関係は以下参照
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/20123-cdf7.html

 しかしいづれにしてもトランプ氏という大統領候補としては史上最低の人物が大統領にならずに済みそうなことは喜ばしいことだ。

 

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(28.10.11) 病気療養中のため二日に1回の割で過去のシナリオ等を掲載しています。 「桃ノ木 栗の木 左遷の木(第八回)」

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 シナリオ「桃の木 栗の木 左遷の木」(その8)

この作品は私が喜劇に挑戦しようとして作成したシナリオです。第一回目からの続きです。


〇 自動車の中(続き)

 黒塗りの高級車で外出する山崎。丁寧に見送る神鳥課長。

山崎「(独白)どうも夢はつじつまが合わなくて困る。大川大作から呼びつけられたが何が何だかわからん。ところでこの包みはなんだ」

 山崎が包みを開けてみると手の切れるような新札が現れる。

山崎「ほう、ひとつつみ一億はあるな。全部で五億の狐の葉っぱか!!」

 山崎はおもむろに自動車の窓を開け、その新札を一枚一枚飛行機を飛ばすように飛ばし始める。驚いて自動車を止める運転手の田村。

田村「支店長、どうされたのですか」
山崎「べつに、紙飛行機を作って飛ばしているだけだ」
田村「しかし、それはお札ですよ」
山崎「札に見えるのは一時の夢に過ぎない」

 じっと山崎の顔を見つめる田村。田村の顔から急に涙が滴り落ちる。山崎の手を取って感動する田村。

田村「支店長、ようやく分かってくれたのですね。私は歴代の支店長が実弾を運ぶたびに運転させられましたが,いつもこんなことをしていていいのだろうかと疑問に思っていました。ようやく人間らしい支店長に出会えました」
山崎「はは、君、そんなに興奮してしゃべらなくていい。人間、夢の中では気ままに生きようではないか」
田村「ええ、そうですね。人間夢に忠実に生きるべきですね」

 田村の肩をたたきながら。

山崎「よし、二人でこの金をどこか思いっきり高いところからばらまいてみないか」
田村「ええ、いいですね。少し遠回りになりますが江島大橋からばらまきましょう」
山崎「いいね、できるだけ派手にやろう」

 スピードを上げて江島大橋に向かう自動車。

〇 江島大橋(続き)

 江島大橋からはしゃぎながら新札を川にばらまいている二人。側を何台もの車が通り過ぎていくが酔っ払いが悪ふざけをしているのだと思って、一瞥しただけで通り過ぎてゆく。

田村「支店長、そろそろ大川のところへ行く時間です。あまりまたすと激怒しますから」
山崎「ああ、そうだね。そのために出かけたのをすっかり忘れていたよ。ところで大川ってどんな人物だね?」
田村「はは、支店長もずいぶん冗談がきついですね。知ってて聞くんだから。ウジ虫ですよ」
山崎「はは、ウジ虫ね、そうか」

 出発する自動車。新札が江島大橋の欄干から川に向かって蝶々のように舞い落ちている。じっと窓越しにその光景を眺めている山崎。

山崎「実にきれいだ。まるで蝶の乱舞だ」

〇 大川大作の豪邸(続き)

 大川大作の豪奢な自宅。そこに横付けされる黒塗りの支店長車。

田村「支店長、実弾がなくても負けちゃだめですよ」
山崎「はは、僕は本質的に平和主義者だから、戦争はしないよ」

 背広の前のボタンを留めなおして颯爽と玄関に入っていく山崎。

(続く)



 

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(28.10.10) 解決不能に陥った豊洲問題 5900億円はどぶに捨てられた!!

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 豊洲移転問題はますます混迷の度合いを深め、ほとんど解決が不可能になってきた。
問題の所在は専門家会議が提案した4.5mの盛土について、なぜ主要な3つの建物は盛土ではなく地下空間になっていたかということである。
従来の都の説明では「技術会議で地下空間を決定した」ということになっていたが、この説明を都議会において岸本卸売市場長が撤回したからだ。
技術会議ではなく都の提案だった」ということだが、都の提案が設計会社に通達されてそのように設計されたのだという。

注)技術会議で提案されたという従来説明についての詳細は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2016/09/post-1810.html

 建前上は技術会議が設計施工に関する決定をし指示を出していることになっていたが、実際は都の技術系の幹部が指示を出していたらしい。
何もわからん連中に市場設計なんかされてはたまらん。私の言うことを聞きなさい
ということのようだが、これは都の正式な決定ではなく、アウンの呼吸によって決まったものだから責任の所在はさっぱりわからなくなっている。

 小池知事はいきり立って「過去の市場長と管理部長経験者を含む10名以上処分する」と息巻いているが、明確な証拠を示して処分することは不可能な状況だ。
すべてはアウンの呼吸だから証拠はなく、そんなものを処罰する規定などない。

 今回の地下空間の設置がなぜアウンの呼吸で決まったかというと、専門家会議が決定した敷地全体に4.5mの盛土をして、建物の下に空間がないなどというような設計は建築の専門家としてはあり得ない設計だからだ。
現在では土地は非常に高価だからできるだけ有効利用しなければならない。
もし地下室がないとすると、通常そうした場所に設置する電源設備、空調設備、倉庫、電算室、車庫等を別途地上に場所を確保して設置しなければならない。
現在の大規模建設物で地下空間はその建物のインフラを配置する最も重要な場所だ。

 ところが今回地下は全く使用できないということになっていたが、建物インフラを地上に設置するのもばかげている。そこで都の技術系幹部は専門家会議の盛土案を一部修正する案を、技術会議に一旦諮ったが技術会議ではそれは取り上げられなかった。
専門家会議で4.5mの盛土が提案されている以上、盛土をせざる得まい」

 弱り切った都の技術系の幹部は「なら、黙ってやるしか仕方ない。しかし正式決定でないからうやむやのうちに地下空間を作ろう」ということにした。
馬鹿げた、専門家会議の盛土案なんて、やったふりをすればいいんだ
技術系の幹部としてはしてやったりというところだったが、思わぬところで都知事が小池氏に代わり、小池氏は自身の権力を示すために豊洲移転に待ったをかけてみたが、調査をすればするほど問題が出てきている。
小池氏も「これほど問題が大きくなるとは思わなかった」と述べているが藪を突っつけば蛇が出てくるのは当然だ。

 かくして地下空間で汚染問題は解決されたのか調査をするための環境アセスメントが必要になり、通常この調査には15か月かかる。本来は11月にはオープンしていた豊洲市場がオープンできなくなった。
そして環境アセスメントでは「問題なし」という回答は期待できないからさらに対策に数年かかりそうだ。
その間に責任問題も追及されるがその責任の所在は曖昧のままだから、この豊洲問題は半永久的に解決が不能になった。
5900億円はどぶに捨てられたのである。

注)もし環境アセスメントで「問題なし」などと結論が出ると、今度は4.5mの盛土を提案した専門家会議の提案が問題になる。

 

 

 

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(28.10.9) 病気療養中のため二日に1回の割で過去のシナリオ等を掲載しています。 「桃ノ木 栗の木 左遷の木(第七回)」

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シナリオ「桃の木 栗の木 左遷の木」(その7)

この作品は私が喜劇に挑戦しようとして作成したシナリオです。第一回目からの続きです。


〇 A支店事務室(翌日 朝)

 出勤してきた山崎。久子だけが出勤していて机を一生懸命拭いている。久子に声をかける山崎。

山崎「お早う。君一人かね。まだ始まりまで30分あるよ。ご苦労さん」
久子「他の人はベルがなった後でないと来ません。支店長は早いんですね」
山崎「うむ、これは僕の癖でね。しかしほかの連中は相変わらず仕事をする姿勢がなってないようだな」
久子「でもここにはお客さんがほとんど来ませんし」

 久子に近づき方に軽く肩に触れる山崎。信頼しきった表情で山崎を見つめる久子。久子から桃の香りが発散している。

山崎「(においをかぐように)昨日もそうだったが、君は桃の香りがするね。最近は桃の香りの香水があるのかい」
久子「(あどけなく笑いながら)私、桃から生まれたの」
山崎「(やや驚きながら)君は実に面白いことを言うね。まるで桃太郎だね。いやまだ時間があるから支店長室にきたまえ。その桃太郎の話を聞こう」

 うれしそうに山崎の後からスキップをしてついてくる久子。

〇 支店長室(続き)

 深々とソファに並んで座っている山崎と久子。支店長室のドアは閉まっている。山崎が話をしようとすると久子が山崎の方にうなじを載せる。思わず狼狽する山崎。

山崎「いや、その、君は実にいい匂いだ」

 下から流し目で山崎を見上げている久子。山崎の心臓の鼓動。

山崎「(独白)信じられない。俺が女にもてるはずがない。やはりこれは夢なのだ。しかしなんて素敵な夢だ」

 久子が体を山崎に預ける。びっくりして目をむく山崎。

山崎「(独白)夢の中での不倫も罪になるのだろうか」

 思わず戸棚にあった六法全書に手が伸びせわしなくページをめくる。山崎の肩に手をかける久子。焦ってページがめくれなくなる。山崎の荒い息。

山崎「(独白)あほらしい。どうせ夢じゃないか。夢なら夢の中まで道徳を持ち込む必要はない。第一六法全書にも罪だと書いてない」

 久子が六法全書を山崎から取り上げる。唇を近づける久子。受け入れようとする山崎。そのとたん神鳥課長が支店長室をノックして入ってこようとする。思わず久子を突き飛ばす山崎。慌てて身なりを整え支店長用の椅子に座りなおす。

山崎「あっ、入りたまえ」

 入ってくる神鳥。入れ違いに出ていく久子。久子の後姿を疑い深そうに眼で追う神鳥。

山崎「(威厳を込めて)あっ、神鳥君なんだね」

 支店長用の椅子に深々と腰かけて懸命に威厳を取り繕ろう。神鳥課長がもってきた書類を支店長机に広げる。

神鳥「支店長、お早うございます。早速ですが事務の引継ぎをお願いいたします」
山崎「ああ、どうぞ」
神鳥「では、まずこの書類ですが」

 神鳥が書類を説明しようとしたときに急に電話のベルが鳴る。電話を取る山崎。

山崎「あっ、ちょっと待ってくれたまえ」

 電話の相手は元財務大臣の大川大作。大川は飛ぶ鳥を落とす勢いだったが政治資金の不正使用が発覚して財務大臣を辞任。その後故郷のA町で逼塞して再起を図ろうとしている。

大川「(威厳に満ちて)山崎君、君、山崎君だろ」
山崎「はあ、そうですが」
大川「わしは大川だ」
山崎「はあ?」
大川「大川大作だ」
山崎「(けげんそうに)はあ、そうですか」
大川「はあ、そうですかはないだろう。約束の品、はやくとどけてくれよ」
山崎「約束の品といいますと」
大川「(言葉が荒くなる)君、わざととぼけてるの。それとも頭取の差し金かね」

 電話口を押さえて神鳥に向かってそっと

山崎「大川大作から電話がかかっているんだが、約束の品を持って来いというのだが、わかる?」
神鳥「(慌てて)すぐに持っていくと答えてください」
山崎「あっ、はい。すぐに持ってまいります」
大川「もうすぐ選挙なんだから。そんなこと君の所でもわかっているはずだがね。実弾がなきゃ戦えないだろ(乱暴に電話を置く)」

 怪訝な顔で電話を置く山崎

山崎「(神鳥に向かって)なんだい実弾って?」
神鳥「あっ、いえ、すぐに用意してまいります」

  慌てて支店長室を出ていく神鳥。怪訝な顔で後姿を見ている山崎。

山崎「何を一体慌てているんだ・・・・」

 神鳥が重たい包みをもって支店長室に入ってくる。5つの束がある。

山崎「これ、何?」
神鳥「本店から前もって指示されたものです。5本実弾を用意しました」
山崎「ほう、実弾ね。まるでシリア戦争並みだね」
神鳥「(山崎の言葉を無視して)車はすでに出発の用意ができております。あの方は短気だからできるだけ早く行ったほうがいいと思います」
山崎「で、どこに行けばいいの」
神鳥「場所は運転手の田村がよく心得ております」

 釈然としない様子で出かける支度をする山崎。

山崎「(独白)まあ、どうせ夢なんだから、どうでもいいか」

(続く)

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(28.10.8) 日本と聞いてパブロフの犬になった韓国 「ロッテは日本の会社だと・・・すぐに韓国から追い出せ!!」

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 韓国人は日本が絡むと常軌を失するのだが、韓国のロッテグループに対する対応も常軌を失したものだ。
ロッテは実は日本と韓国をまたがるコングロマリットで、日本ではお菓子のメーカーとプロ野球のロッテとして知られているが、韓国においては規模5位の大財閥ロッテワールドというホテル、百貨店、遊園地、ショッピングセンターを併営した施設で知られている。
韓国全体の売り上げ規模約6兆円で、日本の菓子メーカーの売り上げが数千億円規模だからロッテといえば韓国のロッテだというぐらいに世界的には認知されている。

 韓国人も長い間ロッテは韓国の企業体と思っていたが、昨年の長男と次男のお家騒動でロッテグループの持ち株会社ロッテHD日本の会社だということが知れ渡ってしまった。
なんだい、ロッテは日本の会社だったのかい。今までは韓国の会社と思っていたがだまされた。もうロッテのショッピングセンターで購入するのはやめよう」不買運動が起き、それだけでなく韓国の地検がロッテグループの要人をターゲットにした捜査を始めた。
日本の企業なら徹底的にしょっ引いてやる

  ロッテグループの創業者は重光武雄辛挌浩)氏だが、重光氏は日本のロッテで上がった収益で韓国に投資を繰り返してきた。その金額はおよそ2000億円である。
一方重光氏は韓国で上がる収益をまったく日本に還元せず韓国で再投資していたため、日本の国税当局がクレームをつけた。
あんた、韓国のロッテグループは高収益企業なのに配当が全くないなどというのはおかしいんじゃないですか。2000億円の投資に見合った配当があってしかるべきです
日本の税務当局から指摘されてたのがほぼ10年前だが、その後毎年20億円程度の配当ロッテHDに支払うようにしたが、これは投資額の2000億に対して約1%という低収益で、かつロッテグループの営業利益に対してもほぼ1%という低率のままだった。
まあ、日本国債に投資しているようなものですな

 重光氏としては利益は相変わらず祖国韓国にとどめてロッテグループの拡大を図り韓国経済に貢献することだけを願っていたといえる。
ところがロッテの持ち株会社が日本企業だと知ったとたんに、これほど韓国のために努力した重光氏に対する韓国民の対応がガラッと変わり、国賊扱いになっている。
ロッテは韓国から収益を収奪している企業だ!!」
実際は日本から収益を収奪して韓国に投資を行ってきたのだが、日本となると韓国人は理性を失うからいつもの非難の大合唱になってしまった。

 重光氏は前大統領の李明博氏に接近して急激に業容を拡大したのだが、韓国人はミニチュアの中国人ですべては賄賂でことを決するので、「よしロッテが日本企業ならこの検察に任せなさい。贈賄でしょっ引いて韓国から追い出してやる」と検察が張り切った。
すでに重光武雄氏の長女の英子氏が逮捕されており、また関係者数人が逮捕されているので昨年会長になった次男の昭夫氏の逮捕も時間の問題と思われていた。
韓国の要人で汚職をしていない人はいないからたたけばだれでも埃が出る。

 だがここにきて急転直下昭夫氏の逮捕は免れることになったのだが、それは韓国が北朝鮮向けに配備するTHAAD高高度防衛ミサイル)の配備場所にロッテグループのゴルフ場を提供したからだ。
国防に貢献したのだから逮捕するのはやめよう」ということだが、実際は重光一族は韓国経済のために多大の貢献をしてきた一族だから、日本と聞いて追い落としをするほうが間違っているのだ。
まことに韓国という国は理性を喪失した国でまともに付き合うとは絶対にやめるべき国であることはこのロッテ騒動でもわかる。


 

 

 

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(28.10.7) 病気療養中のため二日に1回の割で過去のシナリオ等を掲載しています。 「桃ノ木 栗の木 左遷の木(第六回)」

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シナリオ「桃の木 栗の木 左遷の木」(その6)

この作品は私が喜劇に挑戦しようとして作成したシナリオです。第一回目からの続きです。


〇 島根県A町駅(夕方)

 A町の目抜き通り。低い閑散とした街並み。少ない自動車。空気が澄んでいて夕日だけがキラキラと輝いている。出迎えの総務課長の神鳥(40)と運転手の田村(50)。神鳥はなかなか山崎が改札に現れないのでイライラして時計を見ている。軽い柔軟体操をして時間つぶしをしている田村。神鳥が田村に声をかける。

神鳥「田村君は年に似合わず体がやわらかいね。青年並みだよ」
田村「ええ、厳しく運動をして、食事制限もしているんです。ボクシング選手並みだといわれますよ。おかげで年齢より20歳も若く見られるんです」
神鳥「僕も見習いたいもんだね」

 ようやく駅の改札に出てきた山崎。町を見まわしている。駆け寄る神崎。

山崎「(独り言)やはりくだらない町だ。何も変わっていない。時間が止まっている。20年前と同じじゃないか」

 たった一つの地方のスーパーが汚らしい外壁をとおりにさらしている。そのスーパーに軽蔑の視線を送る山崎。

山崎「ここの人は町を飾ろうとする意識がないんだ」

 神鳥が声をかける。

神鳥「支店長、お疲れさまでした。新幹線から乗り継いでさぞお疲れでしょう」
山崎「いや、緊張していたので、あっという間だった」
神鳥「そうですか。自動車をあそこにまたしてあります。すぐに支店に参りますか、それとも食事を先にいたしますか」
山崎「すぐに支店を見てみたい。確認したいことがあるんだ」

 自動車に乗り込む山崎と神鳥。山崎のためにドアーを開ける運転手の田村。田村を見て一瞬ぎょっとする山崎。

田村「支店長、お久しぶりです。田村です。20年ぶりですね
山崎
「いや、田村君、君は本当に昔のままだね、いや驚いたよ」
田村「はは、この体形のことですか、理由を教えましょうか」
山崎「いやいや、何も言わなくていい。理由は十分わかっているよ」

 陽気に運転している田村。その横顔をまじまじと見ている山崎。

山崎「(独白)やはり夢だ。この田村の顔は20年前のそれだ。しかしよくできた夢だ・・・・」

田村「はは、支店長どうしましたか。私の顔に何かついていますか」
山崎「あ、、いや」

〇 A町支店(夕刻)

 支店の前に横付けされる支店長車。すぐに降りずに車窓からしみじみと支店を眺めている山崎。

山崎「(独白)思っていた通りだ。ここは俺が20年前にいた支店の建物じゃないか。確か支店は5年前に駅前に新築されたはずだ。夢の中では時間と空間がめちゃくちゃになるんだ」
神鳥「支店長つきました。どうされたのですか。ああ、この支店の建物のことですか、それは・・」
山崎「(言葉をさえぎって)いや、いや、ちょっと懐かしかったものでね」

 10年前に退職したはずの秘書係の田中真理子(60)が飛んで出てくる。
びっくりして真理子のかををしみじみとみている山崎。

真理子「びっくりされたでしょう。退職した私がなぜいるか」
山崎「あ、いや、あまりによく出来すぎているんでね。まさか、君まで出てくるとは思わなかった」
真理子「おばあちゃんになったでしょう」
山崎「昔からそれほど若くはなかったはずだ」
真理子「まあ、支店長ったら!!」

 神鳥が中に入るように促す。

神鳥「では、支店長、どうぞ」
山崎「うむ」

 木造の古い壊れがかったような支店に足を踏み入れる山崎。しばらくあたりを見回している。職員が数人山崎を見て会釈をする。軽く会釈をかえしながら入る山崎。

山崎「(独り言)ふん、実によくできた夢だ」
神鳥「何か言われましたか」
山崎「あ、いや、何でもない」

〇 支店長室(続き)

 どっかりとソファーに腰を下ろす山崎。前に立っている神鳥課長。

神鳥「ところで支店長、ここに支店が移ってきたいきさつについてはご存知でしょうか?」
山崎「うん、それについてはあえて聞く必要はない。(独白)どうせ夢じゃないか」

 そこに斉藤久子(23)がお茶を持って入ってくる。恥じらいと桃のようなにおいを発散させている。山崎の顔を見るとあどけないほどの笑みを浮かべる。あまりに美しい顔立ちに山崎がびっくりする。

山崎「ほう、君の名は?」
久子「真知子・・・」
山崎「君、昔のNHKのラジオドラマを聞いているんじゃない、自分の名前を言いなさい」
久子「(にっこりと)ひ・さ・こ。斉藤久子」
山崎「そう、斎藤君ね。久子とはいい名だ。桃のようないいにおいがするけどそれも君か」

 再びにっこり笑う。山崎もつられてにっこり笑う。踊るようなスキップで支店長室を出ていく久子。後姿を眺めている山崎。

山崎「実に面白い子だ、妖精のようだ」
神鳥「(恐縮しながら)実は彼女にはここ(頭を指す)に軽い障害がありまして・・・それでも当行で採用したのはある筋の強い要請がありまして・・・・・」
山崎「私にはそうは見えんがね」
神鳥「はあ、それならいいんですが・・・」
山崎「(独白)夢なんだからそんなことはどうでもいいだろ。しかしそれにしてもなんて素晴らしいほほえみだ。桃のにおいまでしてもしかしたら桃源郷じゃないだろうか・・」

〇 支店長住宅(夜半)

 布団に入り天井を見上げている。

山崎「(独白)これが夢だということは間違いない。支店は昔の支店で新築されたそれではないし、運転手の田村は20年前と全く変わらない。退職したはずの秘書係の田中まで出てきた。しかし、総務課長の神鳥は今の人間だ。うーん、時間が錯綜している。夢か現実かわからない。これが夢だという絶対的な証拠がほしい。もしそうでないと俺は左遷されたことになる!!!」

 急に布団から飛び起きる。寝汗がひどい。

(続く)




 

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(28.10.6) 人類に何ら貢献することなく退潮期に入った韓国 ノーベル賞の取れない国家の運命

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 奪うだけで自らは何も人類に貢献しない国家の衰亡とはこんなに激しいものなのだろうか。隣の韓国のことである。
韓国の経済成長とは日本の技術を盗み、人材を引き抜いて日本を世界の工業国から引きずり下ろして実現したのだが、いまや盗むものがなくなるとただ衰退が待っていただけだった。
韓国が技術のさるまね国家だということは何より自然科学の分野でノーベル賞の受賞者がただの一人もいないことでわかる平和賞は金大中氏が受賞した)。
基礎研究などするな。応用研究だけしろ。それも自分でするのではなくぬすめ!!」

 現在の韓国経済の危機はそれは本当に言葉通りの危機なのだ。
韓国の自慢は輸出産業だが、中国経済の失速で世界経済が収縮し始めると韓国経済も収縮し、15年1月以降輸出は18か月連続で前年同月を下回り、8月にやっとプラスになったが9月は再びマイナスに転落した。
さらに実体経済を見ると特に海運と造船業が最悪でとうとう韓国の誇る海運会社韓進海運が倒産してしまった。
韓進海運は世界の海運業界で第7位の取扱量を誇っていたが、その荷物が世界中の港で滞っている。

注)韓進海運の倒産の実態については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2016/09/post-c564.html

 また韓国が世界に誇ったサムスン電子もここにきてひどいトラブルに見舞われている。アップルのアイフォーンの対抗機種として華々しく発売したギャラクシーノート7が世界中で火を噴いてしまい、世界中の航空会社から持ち込みを禁止されている。
駄目だ、時限爆弾と同じじゃないか
これではサムスンのスマートフォンがアップルに蹴散らされ、さらに中国のファーウェイにその地位を明け渡すのも時間の問題になってきた。

注)サムスンのスマートフォンのトラブルについては以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2016/09/pppp-1.html

 さらに現代自動車は世界で見ても最も強硬な労組をかかえており、現代自動車の販売が振るわないのにもかかわらず労組は高額のベアと一時金の要求をかざして一歩も後に引かない。
この労組は北朝鮮のシンパが主導権を握っているため、意図的に騒動を拡大して韓国社会に混乱を起こそうとしているため妥協の余地がないのだ。
駄目だ、全面ストだ。絶対に会社に妥協するな。現代自動車を倒産させて騒動を拡大させろ!!」北朝鮮からの指示を受けてますます強気な交渉をしている。

 韓国企業はサムスンや現代自動車や一部企業を除くとすべて赤字企業で、いわゆるゾンビ状態なのだが、今まで優良企業とみられていたサムスンや現代まで坂道を転がりだしたらもうとどまるところを知らない。
政治はパク・クネ大統領と議会が角突き合わせているので何ら有効な対策は打てないが、危機になるとかえって内部分裂するのは朝鮮の伝統だ。

注)19世紀後半から20世紀初めにかけて韓国はただ政争に明け暮れ最終的には日本の植民地になった。

 結局韓国は日本から技術と人材を盗んだだけの国家で、さらに仏像や島までぬすみ人類に何ら貢献することなく人類史から退潮する国家のようだ。

 

 

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(28.10.5) 病気療養中のため二日に1回の割で過去のシナリオ等を掲載しています。 「桃ノ木 栗の木 左遷の木(第五回)」

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シナリオ「桃の木 栗の木 左遷の木」(その5)

この作品は私が喜劇に挑戦しようとして作成したシナリオです。第一回目からの続きです。


〇 新幹線の車内(数日後、昼)


 ぼんやりと車窓から景色を見ている。

山崎「(独り言)くそったれの人事部長め、状況が変わったので指示は別途するだと。前任の川俣はそれで騙されたが俺はそうはいかんぞ。なぜ、俺がスケープゴートになってA支店に行かなきゃならないんだ・・・・・・・・・」

 思わず涙が滴り落ちる。

〇 回想(自宅、辞令が出た日の夜半)

 山崎が妻の和枝に転勤の辞令が出たことを告げている。和江は忙しそうに食事の支度をしている。

山崎「今日、辞令が出た」
和枝「(さして興味を示さず)あら、とうとう支店長になったんですか」
山崎「(不満そうに)ああ、そうだ」
和枝「新宿支店ですか」
山崎「(ムッとして)なぜ、新宿支店じゃなければならないんだ」
和枝「(平然と)あら、あなた、いつも言ってたじゃない。俺は同期で一番だ。一番の人間は必ず新宿支店の支店長になるって。それとも二番だったんですか」
山崎「(大声で)一番とか二番とかそんなこと関係ないだろ」
和枝「なによ、大声出して。順番にこだわっていたの、あなたよ。あたしはどっちだっていいの。どこよ、まさか東京を離れることはないでしょ」
山崎「(小さな声で)いや、それが、東京でない」
和枝「え、聞こえません、もっとはっきり言ってよ」
山崎「(大声で)A町支店だ」

思わず山崎の顔を見つめる和枝

和枝「あそこは左遷者のたまり場よ」
山崎「左遷者とはなんだ、お前がいた支店じゃないか」
和枝「何よ、あんただっていたじゃない。(断固として)私、あんなとこ行くの嫌です。子供も高校受験を控えているのに、あそこにエリート校ある。カスばかりじゃない」
山崎「カスはないだろう。お前の育った故郷だ」
和枝「だから嫌なんです。私があなたと結婚したのも親元を離れてA 町から逃げたかったからです。あんな犬猫合わせて2万の町に住みたくありません」
山崎「お前、結婚するときそんなこといわなかったぞ」
和枝「だから今言っているんです。あなたの目標は出世でしたが、私の目標はA町を出て東京に住むことでした」
山崎「それで俺と結婚したのか」
和枝「ええ、そうよ。あなたが”今に見ていろ必ず東京に帰って見せる”と言ってたからよ」
山崎「(愕然として)それじゃ、お前は俺じゃなくて東京と結婚したのか」
和枝「(平然と)当り前じゃない、他に理由があって。あんたのとりえはたった一つ、東京で仕事をする人だからよ。私A町にはいきません。あなた一人で行ってください」
山崎「(独り言)これは悪夢だ。和枝が俺より東京を愛してたなんて・・・・・」

〇 再び新幹線 (回想終わる)

 車内を巡回する販売員の女性の手を摑まえて夢だ夢だと言っている山崎。売り子が当惑している。

売り子「お客さん、申し訳ありませんが夢という商品は売っていないのです。何か他の物をご注文ください」
山崎「夢だ、夢に決まってるだろう」

 売り子の手を摑まえて離さない。

売り子「ねえ、お客さん、お願いですから手を放してください」
山崎「(大声で)夢だと言え、和枝」

 売り子は思いっきり手を振りほどき、悪態をつく。

売り子「なんだい、酔っ払い、私は和枝なんてもんじゃないよ、馬鹿!!」

 肩を怒らせて去っていく売り子。周りの乗客がひそひそとささやきあっている。ようやく周りの雰囲気に気づく山崎。

山崎「やはりこれは夢だ。大銀行の幹部の俺が売り子風情に馬鹿にされるはずがない。はは(不気味な笑い)、こりゃ全くお笑い草だ。よーし、そこまで俺をなめるのならこちらにも考えがある。とことんこの夢を見てやろうじゃないか。俺が夢なんかに負けるはずがない(ひきつるような笑いをする)」

 まわりの乗客がびっくりしてみている。

(続く)

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(28.10.4) ドイツ銀行に明日はあるか? アメリカからは追い出されメルケル政権は救ってくれない。

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 ここにきてリーマンショックの亡霊ドイツ銀行を揺るがしている。
リーマンショック以前にドイツ銀行は多額の住宅ローン債券サブプライムローン債券)をアメリカ国内で販売していたが、その際リスクについて適切な説明をしていなかったことで、今米司法省から多額の罰金を言いわたされている。

高利回りで絶対もうかる安全確実な住宅ローン債券です
当時はどこの金融機関もそう言ってこの債券を売りまくり、そのため多くの債券購入者が損失を被ったことで米司法省はドイツ銀行に対して140億ドル1.4兆円)の制裁金(和解金)をかした。
これはドイツ銀行の株式の時価にほぼ相当する金額で、実際に支払うとなると資本不足に陥りかねないほどの大金だ。

 米司法省は今までも米銀やトヨタ等に制裁金の支払いを求めてきたが、最大で2000億程度であり、トヨタに対してはレクサスの問題で約1200億円の制裁金和解金)だった。
したがってこの1.4兆円という金額は途方もなく大きく、VWの1.5兆円制裁金和解金)に並ぶ高額なものだ。
米司法省はドイツの経済活動に対して従来から苦々しく思っており(かつて日本がされたように)、これを機会に世界最高といわれるドイツの金融機関と自動車産業の追い落としを図ろうとしているのではないかと推測される。

 1.4兆円の制裁金(和解金)のニュースが出てからドイツ銀行の株式は過去最安値になってしまうし、CDSは飛び上がるしドイツ銀行をはじめドイツの金融界は大揺れになっている。
通常こうしたときは政府が前面に出て金融不安を払しょくする発言をするものだが、ドイツのメルケル政権は金融機関の救済に否定的で、イタリアの大銀行モンテ・パスキの経営不安でイタリア政府が救済に乗り出すことを口を極めて避難してきた。
駄目よ、金融機関に甘い顔をしては。まず自己努力をさせて預金者にも一定の負担をさせてから、その後政府資金の導入を図るのよ。いいい!!」

 イタリア政府に言っていた言葉が今メルケル政権に跳ね返って、ドイツ銀行の救済に乗り出すことができない。実際に米司法省に1.4兆円の制裁金を支払えばドイツ銀行の経営危機は確実になる。
その時ドイツ政府が見て見ぬふりをすればドイツ銀行だけでなくコメルツ銀行や他の経営基盤の弱い金融機関は軒並み倒産するだろう。

 かつて日本で長銀や日債銀や拓銀が次々に倒産した金融危機の再現だ。今回アメリカは意図的にドイツ銀行つぶしを行っているので、ドイツ銀行の要請の制裁金(和解金)の減額もなかなか実現しそうにない。
今やグローバリズムの時代は遠くにかすみ、アメリカ市場はアメリカの金融機関のものにしようとする動きが活発だ。

 かつてはグローバリズムの旗手だったアメリカがすっかりローカリズムの嵐に巻き込まれ、もはや他国の企業に対しては容赦しなくなった。
一方ドイツのメルケル政権だけはEUの金融政策の原則論(金融機関に一方的に税金を投入しない)を振りかざしてドイツ銀行の救済に乗り出そうとせず、グローバリズムの残りかすを引きずっている。
ドイツ銀行は今グローバリズムとローカリズムの谷間でまさに翻弄されている。


 

 

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(28.10.3) 病気療養中のため二日に1回の割で過去のシナリオ等を掲載しています。 「桃ノ木 栗の木 左遷の木(第四回)」

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シナリオ「桃の木 栗の木 左遷の木」(その4)

この作品は私が喜劇に挑戦しようとして作成したシナリオです。第一回目からの続きです。


〇 頭取室で(続き)

人事部長「山崎君、何をぼんやりとしているんだ。君はわが社の存亡をかける役目を仰せつかったのだぞ。名誉じゃないか」
頭取「(山崎の肩をたたきながら)これだけのことをするんだ。勿論ただじゃない。これが成功すれば本店の部長のポストを用意しておく。(強い調子で)だが、失敗は許されない。大川が本気で反抗してきたら大変だ。今までの大川と当行の裏約束が週刊誌にでも出たらわが社の命がない。だから当社きっての切れ者と言われた君を指名するのだ」
山崎「(ぼそぼそと)それでは私は左遷されたのではないのですね」
人事部長「君、な、何を言っとるのかね。わが社きってのエリートがそんなこっちゃ困るよ」
山崎「(急に元気が出て)はは、いや、そんなことだろうと思っていました。不肖、山崎、全力を尽くして任務を全ういたします。頭取のご期待に応えます」
頭取「いや、いや、君のことだから引き受けてくれると思った。詳細は別途人事部長から指示する。これは内容がないようだから3人だけの秘密だ。いいね」
山崎「(有頂天になって)あ、はい、わかっております」
頭取「ところで、A支店のことだがね、ちょっと細工をしておいた。それは(突然電話のベルが鳴る。電話のほうを見ながら)、おやおやホットラインが鳴っているんで失礼するよ。詳細はあとで人事部長から聞いておいてくれたまえ」
山崎「(ほとんど上の空で)は、それでは失礼いたします」

 入ってきた時とは別人のように元気よく頭取室を出ていく山崎。あとに頭取と人事部長の笑い声。

〇 トイレ(続き)

 西洋式トイレの台座にしゃがんでほくそ笑んでいる山崎。ガッツポーズを繰り返している。思わず笑いがこみあげてくる。そこに部下のAとBがトイレに入ってくる。部下は西洋式トイレに山崎がいることに気が付かない。二人は小便をしながら人事の話に花を咲かす。

部下A「いや、あのファックスを見た時にはドキッとして何も言えなかったよ。まさかA町支店とはね」

 ほくそ笑む山崎

部下B「その後課長は頭取に呼ばれたのを知っているかい」
部下A[いや知らない、君は相変わらず早耳だな」

 思わず聞き耳を立てる山崎

部下B「いや、これは歴代のA町支店長に対する定例行事なのだ。何しろあすこは左遷先と名が知れ渡ってるだろ。指名された人はショックで寝込んでしまうんだ。だから、頭取はそんなことがないようにリップサービスをするんだよ」
部下A「まさか」
部下B「いや、本当だ。前の支店長で自殺した川俣さんは何と言われたか知ってるかい」

 さらに身を乗り出して聞き耳を立てる山崎

部下A「知らないよ、もったいぶらずに早く言えよ」
部下B「頭取から、これは特別任務だといわれたんだ。見事目標を達成したら本店の部長に抜擢するってね。具体的指示は人事部長がすることになっていたらしい。もっとも何が特別任務かは第三者は知る由もないがね」
部下A[ほう・・・・」
部下B「ところが待てど暮らせど人事部長からは何も言ってこない。思い余って人事部長に電話すると、情勢が変わったのでそのまま待機せよと言われたんだ。実は、最初から何もなかったというわけさ。それが川俣さんが自殺した真相さ」

 心臓の鼓動が高鳴る山崎

部下A「しかしなんでうちの課長がA支店に行かなきゃならないんだ。当行のエリートだぜ」
部下B「そこよ、スケープゴートさ。リーマンショック以来わが社の業績は低迷したままだ。ところが職員の意識は相変わらず高収益時代の意識のままだ。その証拠に今回のベアの要求も高収益時代のそれと同じだ。頭取は頭にきて意識改革をするためにエリート中のエリートを左遷したんだ。甘えると誰でもこうなるぞ、たとえエリートでもだというシグナルさ」

 西洋式トイレの台座から転げ落ちる山崎。部下AとBは音のしたほうをちらっと見るが別に気にしない。

部下A[君は、なんでそんなに人事情報に詳しいんだ」
部下B「頭取の秘書のM子から聞いたんだ。頭取と人事部長がひそひそと”改革が必要だ、それには山崎がいい”と話し合っていたそうだ」
部下A「M子って、あの当行一の美人のM子か、なんでお前が知ってるんだ」
部下B「それは秘密だ」
部下A「まさか、お前もう手を付けたのと違うか。このやろう」

 ふざけあいながらトイレを出ていく二人。悄然とトイレから出てくる山崎。前のチェックが外れたまま。夢遊病者のように手を洗っているが水は出ていない。

山崎「(独り言)これは夢だ。こんなことがあるはずがない・・・・・・・・・」

(続く)

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(28.10.2) コトアゲ姉ちゃん頑張る 「あんた、3兆円よ、こんなにオリンピックにかけてどうするの!!」

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 東京オリンピックの運営権
をめぐってバトルが始まった。大会組織委員会の森喜朗会長小池東京都知事の間である。
大会組織委員会への出資は都が97.5%を出しており、ほとんど東京都の外郭団体のようなものだが、実際は都からはフリーの団体で独自に会場の設定や建設を決めていた。
前舛添知事の時も新国立競技場の建設を巡って「都に相談なしに追加の建設費を都に請求する」と怒っていたが、小池都知事はもっとあからさまに「都の外郭団体だから都の指示に従え」と切り込んだ。
森君、君は私の部下なのだよ」小池都知事の鼻息は荒い。

 都の主張はこれから建設を予定されている海の森水上競技場、有明アリーナ、オリンピック・アクアテックス・センターは不要で、既存施設の利用をすべきだというものだ。
それぞれボート・カヌー、バレーボール、水泳の競技場である。
このままいくとオリンピック予算は当初見込みの7300億をはるかに超えて3兆円規模になる。だから見直しが必要だ」と小池都知事は自ら立ち上げた都政改革会議に言わさせた。
この提言は実に立派な提言である」と小池氏は(本当は自分が言っているのだから)激賞した。

 なぜ3兆円に膨らむかとの根拠はテロ等の警備費が計上されていないので、その費用が1.5兆円、さらにロンドン大会では当初予算を約4000億円うわまったのでそれに倣って4000億円、さらに大会組織委員会はずさん管理しかしないからそのずさんに見合う費用が4000億円だという。
あわせて2兆3千億円膨らむのは確かだ」というのだからさすがにこれには森喜朗会長がかみついた。
あんた、頭がおかしいのじゃないか。テロ対策の警備費をオリンピックの直接経費に入れるのなんてありえない。これは国や地方自治体の経費だ。それに大会組織委員会のずさん経費4000億円とはなんだ。ずさんという具体的根拠を示して積算しろ

それに都の管理団体だから都が会計監査を行うとは何事だ。それなら都の出資金全額返還してもいい。なら都とは全く関係ないだろう

 小池都知事からすると建設予定の海の森公園が当初321億円が683億円になっているように「建設経費が軒並み倍増になっているじゃないか」ということが根拠で、「ほかも押して知るべし」ということのようだ。

 オリンピック経費がどんどん膨らんでいくことはいつものことで、当初は最低限の費用でできるように見せていったん決まれば本来の経費を計上することをどこの組織委員会でも行っている。
ロシアのソチで行われた冬季オリンピックなどは当初予算もへったくれもなく最後は国のメンツをかけて実施したので一体いくらかかったかわからなくなったほどだ。

 だから小池都知事が「このままいくといくらに膨らむかわからない。だから代替施設があるならそこで実施しよう」と提言したこと自体は正しい。
水泳競技場など新たに建設しなくても国際競技が行える規模の水泳場なら山ほどある。
代替施設として挙げられた辰巳国際水泳場などは実に立派な施設で日本選手権がここで行われるが5000席の観客席があり、オリンピック以外では閑古鳥が鳴くほどガラガラだ。
はっきり言ってしまえば今回新たに建設する競技施設は「これを契機にインフラ整備を行って景気を盛り上げよう」という意図のもとに行っているもので、不要な高速道路の建設と同じだ。

 だから小池氏がかみついた理由はよくわかるのだが、基本的には景気対策を重要視する国と追加経費を請求される都の立場の違いということだろう。
あんた、国を挙げて東京オリンピックを成功させようとしているのにチャチを入れるな
いやよ、私は経費が増大することが我慢ならないの。東京オリンピックよりも財政負担が嫌なの

 小池氏の言う「金は無制限ではない」というのも確かだが、小池氏の態度は豊洲問題でもそうだが自分の権力を見せつけるためにあえてコトアゲしているところがあり好きになれないので、私は森氏を応援している。
最後は国と都が協力しなければオリンピックなど成功しないのだが、このバトルは豊洲問題と同様に長引きそうだ。

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(28.10.1) 病気療養中のため二日に1回の割で過去のシナリオ等を掲載しています。 「桃ノ木 栗の木 左遷の木(第三回)」

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シナリオ「桃の木 栗の木 左遷の木」(その3)

この作品は私が喜劇に挑戦しようとして作成したシナリオです。第一回目からの続きです。


〇 廊下(続き)

 山崎が手にファックスを握りしめたまま夢遊病者のように歩いている。

山崎「(独り言)嘘だ。そんなはずはない。これは夢だ。夢に違いない」

 前から人事部長の下村(51)が足早に近づいてくる。気づかない山崎。

下村「山崎君、山崎君、ちょうど君の所に行くところだったんだ。頭取から直接君に話があるそうだ。頭取室まで一緒に来てくれたまえ」

 口も開けないほど憔悴しきっている山崎。

下村「いや、今回の人事異動で君に話があるんだよ」
山崎「はあ」

 うつろな目で人事部長の顔をみる山崎。

下村「さあ、早く行こう。頭取がお待ちかねだ、さあ」

 山崎の肩に手をかけて促す下村。

〇 頭取室(続き)

 瀟洒な印象派の絵が壁に掛かっている。風格のある椅子と事務机。その前に豪奢な来客用のソファ。人事部長と山崎が机の前に立っている。深々と腰を沈めて二人を見上げている頭取の磯田誠(65)

頭取「山崎君、どうだね、いつも張り切っているそうじゃないかね」
山崎「はあ(気のない返事)」
頭取「まあ、ソファにかけたまえ」

 3人ともソファにかける。くつろいだ姿勢の頭取。幾分緊張気味に座っている人事部長。上の空の山崎。

頭取「今回の人事、驚いたろう、え」
山崎「・・・・・・・・・・」
頭取「何も言わなくても顔にそう書いてあるぞ」
人事部長「A町の支店長と聞いて驚かない人はいませんよ」
頭取「はは、そうだな。こう次々に支店長が自殺をするのでは驚かないほうがおかしいだろう。しかし山崎君、これには深い事情があるんだ。本来ならば事前にネゴしておくべきことなのだが、当行のトップシークレットなので、決定するまで誰にもしゃべれないのだ」
山崎「はあ(怪訝な様子で)」
頭取「これから話すことは当行では私と副頭取、それに人事部長しか知らないことで決して他言してはならないことなのだ、わかるかね」
人事部長「山崎君、しっかりしたまえ、これは頭取の特命事項なのだよ」
山崎「はあ」

頭取「君も知ってのこととは思うが、A支店は普通の支店とは違う。あそこは民自党のドンといわれた前の財務大臣大川大作とわが行の特別な関係で存続している支店だ。
大川大作にはずいぶん助けてもらった。今日都銀の中で最も海外支店が整っているのはわが社だが、これもすべて大川大作の口添えがあったからだ」

 おもむろにたばこを取り出す頭取。さっと火をつける人事部長。

頭取「もちろん、それに見合うだけのことはこちらもしてきた。政治献金も十分してきたし、選挙の時はA町支店が実質的な選挙事務所になっていた。また大川の弟が経営するおんぼろ会社に破格の融資もしてきている。(一息おいて)
いや、私は彼が次期総理になると賭けていたのだ。実際政治資金の不正使用問題が発生しなかったらそうなったろう。大川は無類の絵画好きでそれも印象派のルノアールのファンだ。週刊誌にルノアールを購入する資金が政治資金から出ていることをすっぱ抜かれて財務大臣を辞任した。(たばこの煙をゆっくりと吐く)
いまや彼は落ち目の政治家で往年の力はもうない。金融庁の横暴を押さえられなくなったのがその証拠だ。(急に山崎の手を握って)
そこで山崎君、君に頼みがある」
山崎「はあ・・・・」
人事部長「はあじゃないでしょう、山崎君、はっきり返事をしなさい」
山崎「あ、はい」

頭取「わが社は株式会社だ。当然利益が優先される。悲しいことだが落ち目の政治家に用はない。わかってくれるな(念を押すように)。
このたびわしは断腸の思いで大川大作を切ることにした。したがってA町支店を存続させる意味もない。もともとあそこは毎年10億の赤字を出してきた店だ。さらに大川大作に対する政治献金や大川の弟のゾンビ会社に対する融資もあって不要の店だったんだ。(深々とタバコを吸う)
君には大川大作に対する最後通牒を渡す役をしてもらいたい。大川は政治資金問題でつまずいてからは故郷のA町で再起を図るべく逼塞している。(急に小声で)
大川に手切れ金を渡してこい。そのあとでA支店をつぶす」

 訳が分からず当惑している山崎。

(続く)

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