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(28.9.28) 中国海外投資の事例研究 インドネシア高速鉄道の崩壊過程

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 これほど素晴らしい事例研究はほかにありそうもない。
中国とインドネシア政府が取り交わした高速鉄道計画のことである。
この計画が当然のことに頓挫し始めたのだが、中国が世界各地で行ってきた投資案件は今崩壊の危機にある。しかしそうした案件は情報が限られているため外部から崩壊過程がわかりずらい。
しかしこのインドネシアの高速鉄道はインドネシア側が情報統制をしていないので実によくその内容がわかる。だから事例研究にもってこいなのだ。

 もともとこの計画は日本政府とインドネシア政府が押し進めていたものだが、そこに中国が割り込んできていつものわいろ攻勢と安値受注で、かっさらっていった案件である。
我が国の高速鉄道は日本より安価でかつ最速のスピードで建設できる
中国自慢の速戦建設だったが、実際は全くと言っていいほど建設が進んでいない。

注)中国がこの高速鉄道計画を日本から奪った経緯は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/ppp.html

 当初の目標は2019年に開通することになっていたが、今年の1月に竣工式をしてから建設できた距離は2kmにとどまっている。
全長140kmだから8か月で2kmだとすると単純計算で47年かかることになる。
いあやー、素晴らしい建設スピードでこれなら今世紀中には建設できそうだ」皮肉を込めて礼賛されている。

 なぜこれほどナメクジのような進捗になっているかというと最大の理由は用地買収がはかどらないことだ。ジョコ政権はインドネシア始まって以来のポピュリスト政権で何でも民意が第一だから、従来の政権のような強権発動は間違ってもできない。
そうですか、あなたがたの希望価格は我々が提示した価格の3倍でないとだめですか。インドネシアに金はないから金は中国さんが出してくれるでしょう。お願いしてみたら」などという態度だからさっぱり用地買収がはかどらない。

 中国は建設資金の5200億円のうち75%3900億円)を融資する約束だったが、融資先の中国国家開発銀行はなかなかOKを出さない。
残りの25%、1300億円の調達のめどはついたの。まさか100%中国持ちになるんじゃないだろね。買収資金の増額なんてだめだよ
中国の金融機関は対外的には強勢を張っているが、実態は火の車だから3900億円といえどもなかなか融資できない。
主はごねる、銀行は金を貸さない、これで鉄道の建設ができると思う」現地の中国人担当者はやけになって老酒ばかり飲んでいる。

 ポピュリスト政権の最大の弱みは強制収用ができないことだ。そんなことをすればすぐに民意が離れてジョコ政権の足元を揺るがす。あとは金で解決するしかないがそうなるとどこまで建設費が増大するかわからなくなってきた。
なぜ、インドネシアは中国のように反対派を逮捕して投獄しないのだ。それが世界の常識だろう」中国人がわめいている。

 インドネシアの高速鉄道はいつ開通するかわからなくなった。中国は役人を買収する金はあっても地主のごね得に対応する金はない。
中国の海外投資はリビヤ、ベネズエラ、イラク、ミャンマー等で散々だがそれがどのような経緯で崩壊していったかの明確な情報はない。しかしこのインドネシア高速鉄道についてはそれがよくわかる。
だから中国の海外投資が一つとして成功せず朽ち果てた事例研究として最適なのだ。

 

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