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(28.9.23) 病気療養中のため二日に1回の割で過去のシナリオ等を掲載しています。 「友よ風に向かって走れ(その9)」

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このシナリオシナリオ1からの続きです。恐縮ですが、シナリオ1・2・3・4・5・6・7.8を読んでいない人は1・2・3・4・5・6・7・8から読み始めてください。

○ 大手町の地下鉄(夜10時)

  A銀行からの帰りの山崎。前を歩いているイザベラを見つける。かなり急いでいる様子。走って追いつく山崎
山崎「(遠くから)イザベラさーん、イザベラさーん、いま、お帰りですか。おそいんだなあ」
イザベラ「ええ」
山崎「どこに住んでいるんですか、ホテルですか」
イザベラ「銀行の寮にいます。お金ありませんから」
山崎「寮に帰るのですか?」
イザベラ「(困ったように)いえ」
山崎「あれ、じゃ、六本木のスナックかなんかでバイトするのかな(ふざけて)」
イザベラ「(顔つきが変わる)貴方は、フィリピン人、すべてバーかスナックで働いていると思ってるのでしょ。町で会う日本人、みんなそう言います。でも私、違います」
山崎「いや、いや、困ったな、冗談ですよ。イザベラさんが当行の研修生だということは良くしってます(動揺して)」
イザベラ「私、これからどこにいこうとしているか、あなた分かりますか?」
山崎「あっ、いや、全然」
イザベラ「貴方はフィリピン人がなにを考えながら、日本でいきているか考えたことありますか」
山崎「あの、いや、申し訳ないけど考えたことない」
イザベラ「それなら、これから私と一緒に来てください。教えてあげます」
山崎「あっ、はい」
  怪訝そうにイザベラの後をついてく山崎

○ 六本木の教会(夜11時)

  タガログ語によるミサが始まる。フィリピン人の男女が200名位集まっている。

  神父による説教。すすり泣きをはじめる。 男女。イザベラの目にも涙。山崎は何が話されているか理解できない
山崎「(申し訳なさそうに)なにをいってるの?」
イザベラ「ララという15才の女の子の話です。ララは観光ビザで日本にやってきました。新宿で働こうとしましたが、あまりに 身体がちいさいので何処も相手をしてくれません。しかたなしに町を歩いているとオートバイに乗った日本人に声をかけられました。ララはその日本人のバイクに乗りました。連れていかれたとこ、多摩川です。そこにバイクにのった他の日本人がいて、みんなでララをもてあそぼうとしたのです。ララはにげようとして多摩川に飛び込みました。でもララはあまり泳げなかったのです。途中でおぼれて、死にました」
山崎「知らなかった。新聞にものってないよ」
イザベラ「日本人にとって、フィリピン人の女の子、一人死んでもマスコミに乗りません」

  賛美歌の歌声

○ いつもの喫茶店(昼休み)

  山崎と久子が重苦しい雰囲気で話し合いをしている。

山崎「いくら、電話してもでてくれないし、でてもすぐに電話きっちゃうし、怒ってるのかい?」
久子「そうだよ」
山崎「しかし、当行に陸上部ができたなんて実にすばらしいじゃないか。怒ることないよ。君も一緒に入ろうよ」
久子「当行? そんなものにとらわれて、強くなれると思ってんの(軽蔑をこめて)」
山崎「いまは、企業スポーツの時代さ。安心して運動するには企業にスポンサーになってもらわなくちゃ。それでなきゃなにもできないよ」

久子「ふん、いっぱしの口きくじゃん。二流の選手のくせして。会社止めて、二人でがんばろうといったときのほうが、もっと目がひかってたよ」
山崎「(カッと怒る)二流とはなんだ。ぼ、 僕は一流だ。東京マラソンで日本人一位になったじゃないか。なんだ、君は、僕にW大のコーチがついたんで、妬いてるんだろう」
  黙って、山崎の顔を見る久子
久子「ふとった豚に用ないよ。さようなら、それだけだよ」
  席をたつ久子。横を向いている山崎
山崎「(独り言)もう、絶対に電話なんかしないぞ」

○ 斉藤久子の下宿(夜)

語り「でも、僕は気になって彼女の下宿にいったんだ」

  二階建ての小さなアパ-ト。その二階の6畳、台所だけのちいさな一室。ステレオから、静かな音楽がながれている。写真帳を見ている久子。白馬の合宿。東京マラソンの写真。窓をあけ夜空をみる久子。山崎が窓の下の暗がりから久子を見あげている。

久子 「(独り言)いつも一人でいきてきたんだ。まけるもんか(おもわずすすり泣き)」
  山崎が暗がりからでで、やや躊躇しながらも、にこやかに手で合図する。
山崎「やあ、斉藤君・・・」
  きっとした表情で山崎を見る久子。しばらく睨んだあと、下に唾を思いっきりはく。
久子「帰れ、豚ヤロウ!」
  窓を乱暴に閉める久子。頭にくる山崎。
山崎「なんて、やつだ。あれが女のすることか。ざけやがって・・・」

○ 山崎次郎の独身者寮(同日、夜)

  壁にフィリピンの国旗、その下にイザベラという文字が大きく書いてある。鏡のまえで筋肉トレーニングをしている。
  したたり落ちる汗。ロッキーのテーマソングの強烈なビート。調子に乗って時々 「イエーイ」という言葉がでる

山崎「よーし、体調万全、明日から頑張るぞ。W大万歳、川口コーチ万歳、フィリピン万歳。打倒、久子。あのこうまんちきな女の鼻をあかしてやる」

○ 神宮外苑コ-ス(昼)

  山崎が独りでトレ-ニングに励んでいる。快調なスピ-ド

語り「僕は本格的なトレ-ニングをまえに、外苑コ-スで調整していた」
  コ-スの途中でイザベラが山崎を待ちかまえている。手を上げるイザベラ。気付く山崎。止まる
山崎「どうしたの、なぜここにいるの?」
イザベラ「山崎さんにあいに!この間、教会にきてもらったのに、お礼も言ってなかったので」
山崎「はは、そんなこと、気にしなくてよかったのに。それよか、今日は研修はないの?」
イザベラ「山崎さんに会うので休みとったの」
山崎「はは、それはすまないな(思いっきり陽気に)」
イザベラ「食事作ってきたの,サンドイッチ食べてください」
  サンドイッチを袋からとりだすイザベラ。 包みを受け取る山崎。
山崎「今日は軽い調整をしてるだけなので、練習は止めるよ。むこうの芝生で一緒に食事しよう!」
イザベラ「止めていいの?」
山崎「いいさ」
  イザベラの肩に手をかけ、促す山崎。嬉しそうに山崎の顔を見上げるイザベラ。

○ 神宮外苑の木陰(同時刻)

  久子が、遠くの木陰から山崎とイザベラを見ている
久子「(顔に怒りの表情)なんだい、大いに反省したから、こうして謝ろ うと思ってきたのに・・・・・」
  肩を組んで芝生に向かう山崎とイザベラ
久子「一流のランナ-になるまでは色恋抜きにしろとあれほど言ったのに・・・、まったく、指示をまもらないなんて、なんてやつだ」
  楽しげに食事をしている二人。踵をかえして、木陰を立ち去る久子。胸をはり、昂然とした姿勢で去る。
久子「ふん、所詮、あいつはあの程度の人間だったんだ。ちょっとでも目を離すとさかりの付いた犬になる。みていろ、絶対に一流ランナ-になれないぞ」

(明日に続く)

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