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(28.9.19) 病気療養中のため二日に1回の割で過去のシナリオ等を掲載しています。 「友よ風に向かって走れ(その7)」

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シナリオ 友よ風に向かって走れ(その7)

このシナリオシナリオ1からの続きです。恐縮ですが、シナリオ1・2・3・4・5・6を読んでいない人は1・2・3・4・5・6から読み始めてください。

○ 火曜日新宿支店支店長室(早朝)

  上原取締役より、関支店長に電話がはいる。
取締役(電話)「君のところの、山崎君、すぐに私のところにつれてきなさい。それに相談があるので、君と山崎君の上司も一緒にくるように」
支店長(電話)「あっ、はい、分かりました。すぐにまいります」
  あわてふためく支店長。関支店長は、水谷課長を電話で呼びつける。あわてて支店長室に入ってくる水谷課長。蒼白になっている支店長
支店長「(ぐちっぽく)えぇ-、実にまずいことになったね。上原取締役に直々によびつけられたよ。いや、じつにまずい」
課長「はあ?」
支店長「(怒鳴る)はあ-じゃないでしょ、倒産の件にきまってるでしょ。何かいい策、考えられない?君ね、君も支店長、直前の人でしょ。対応策はありませんなんて取締役に言える」

課長「(意を決して)支店長、勿論支店長と私の責任は免れません」
支店長「そんなことは言われなくとも自覚してます」
課長「しかし、われわれだけの責任といえるでしょうか」
支店長「なんだ、もったいぶらずに早く言いなさい」
課長「この件は、元はといえば、あの山崎が、マラソンなんかしていたからです。倒産が判明した日も、山崎は東京マラソンに出ていました。第一の責任は、あの山崎にあります」

支店長「君ね、そんなこといったって、山崎はたんなる担当だよ。それにマラソンといったって休日にしてるんだよ」
課長「支店長、今は、我々の首がかかっています。いままで支店長は何年間、当行のために働いてきたのですか。その間、一度たりとも、自分のために、自由な時間を持ちましたか。ところが、あの山崎は・・・・・その結果がこれです。支店長は山崎と心中するきですか(脅迫する)」

支店長「じゃ、ど、どうすればいい?(気弱く)」
課長「私に案があります。山崎に始末書をださせましょう。山崎から自主的に退職願いを出してくれば最高です。責任の所在がはっきりします」
支店長「そりゃ、ちょっと・・・・・私だっていざとなったら支店長やめるぐらいの気持ちあるんだよ(見栄をはるように)」
課長「(支店長の気持ちをみすかして)それはなりません。当行の将来を考えれば支店長は当行になくてはならない人材です」
  店長はしぶしぶ頷く(ほとんど泣きそう)。
  
○ 新宿支店応接室(午後)

  水谷課長と山崎次郎の二人。水谷課長が山崎に始末書を出すように、盛んに説得している。

課長「いいかね、倒産が発生したとき担当者がいないなんてことある。えっ-、マラソンなんかしていたじゃないか。おかげで当行はいくら、損したと思う。5億だよ、5億(だんだん声が大きくなる)。本来はすぐにでも辞表を書く立場なんだ(机をたたく)」

山崎「倒産時、家に居なかったのは、事実ですが、休みでしたし、すべてが私の責任ということは、ないとおもいます」
課長「何を馬鹿なことをいっているんだ(気色ばむ)。すべてお前のせいだ。ひ、昼休み、どうしてる。マラソンして、いないじゃないか。そういうところが責任感がないというんだ。まったく・・・!」

山崎「お言葉ですが、課長にも管理責任があります。第一、K物産に融資拡大策とったのは課長です(声が大きくなる)」
課長「なんだ、なんだ、なんだ。責任を私に転化するのか!始末書ですましてやろうと思ったが、もう、勘弁ならない。す、すぐ退職願いをかきなさい。本来なら首、首! 自主退職は支店長の慈悲だ(完全に冷静さを失う)」
山崎「辞めるつもりはありません(断固として)」
課長「何をいうか!いいか、1日、1日待ってやる。それで辞表、書かなかったらこっちも考えがある」
  山崎と水谷課長のにらみあい。

○ 再び応接室

  今度は、水谷課長は久子を呼びつけ、山崎を説得させようとしている。
課長「斉藤君、最近君は、山崎君と大変仲がいいようだね。はためには犬と猫。どうかんがえても不似合いだね(優しげに)」
久子「それがどうかしました?(平然と)」
課長「いや、いやそれはどうでもいいんだ・・・・・。ところで君は総合職になる希望はないかね。大卒で頭脳明晰、今まで総合職にならなかった方がおかしいね(久子の顔を除きこむ)」
久子「急に私に対する評価が上がったみたいですね(皮肉ぽく)」

課長「いや、いや、私は前から君をたかく評価してたのです。どうです、望んでたんでしょ(じっと目を覗き込む)」
久子「で、私に何をしてほしいのですか」
課長「イヤ、イヤ、これは参りましたね。実は山崎君、今、彼の立場は非常に微妙なんです」
久子「微妙と、いいますと?」
課長「K物産の倒産、知ってますね。彼、倒産時に東京マラソンにでていたでしょう。私が自宅待機するようにいってあったの、無視して。これ業務命令違反ですよ」

  窓外の新宿御苑を見ている久子
課長「審査部長は、いや激怒しましてね。悪いことに、上原取締役の耳にも入って・・・・支店長は解雇ではあまりに可愛そうなので、なんとか始末書でかたをつけようと・・・・・」
久子「課長が自分で言われたらいかがですか。私が言うことではありません」
課長「勿論しました。彼、でもいこじになって・・・」
久子「とうぜんでしょ」
課長「だから、だから君が必要なのです。彼に潔く始末書を書いて、責任とるようにいってくれませんか、ねっ、頼みます。このとおり」
  水谷課長、おおげさに、手をついて頼む。

○ S喫茶店(同日、夕刻)

  山崎が久子にことの経緯を説明している。外は暗い。

山崎「課長が始末書を書くか、退職しろというんだ・・・・・・」
久子「君、マラソンのしすぎで、頭よくないよ。課長、私を買収しようとしたんだよ。その代わり、君に始末書、書かせろだってさ! どうしてだと思う?」
山崎「・・・・・・」
久子「倒産の前、課長、K物産とゴルフしてたじゃない。投資信託5千万してもらったと自慢しでしょ。そのあとだよ、5億、無担保で融資したの。課長の責任だよ」
山崎「・・・・・・」
久子「課長、このままでは首さ。だから君に責任転化したい訳さ・・、課長の考えそうなことじゃん・・・・、責任とることないよ」

  沈黙がながれる。外をじっと見ている次郎。雪が降り出している。ようやく口を開く。

山崎「(静かな口調で)課長には会社しかないんだ・・、たまたま試合中に倒産がおこったけど・・・僕は、試合のほうを大事にしてよかったと思ってる。でも課長の気持ちわかるんだ。出世だけが生きがいなんだから・・・・・それに僕と違って家族もいるし・・・・」

久子「気がいいね。わらっちゃうよ。課長に同情か? で、どうする?」
山崎「うん、ここはひとつ男になってやるか。高倉健みたいにさ。会社を辞めよう。今回も賞金は4百万円もらったし、金はどうにかなるよ。それに僕のランナーの命、あと8年がいいとこだしな」
久子「(沈黙してじっと目を見つめる)よし、気にいった。僕は、君のコーチだから、一緒にやめよう。君をオリンピックに出してやるよ。優勝賞金で食っていくか」

  互いに笑い、手でハイタッチをする。
山崎「コーチ、次の目標はなんですか」
久子「きまってるだろ、次は4月のロンドンマラソンにしよう。優勝すれば6千万円だよ。それだけあれば二人で食っていけるだろう。確実に君を勝たしてあげる」
山崎「分かった、アイアイサー」
 微笑みながら互いにVサイン。

    (明日に続く) 

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