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(28.9.17) 病気療養中のため二日に1回の割で過去のシナリオ等を掲載しています。 「友よ風に向かって走れ(その6)」

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友よ風に向かって走れ(その6)

  このシナリオシナリオ1からの続きです。恐縮ですが、シナリオ1・2・3・4・5を読んでいない人は1・2・3・4・5から読み始めてください。

○ 同じころA銀行新宿支店

  日曜日というのに、事務所には、関支店長、水谷課長、田中、大川が出社している。4人とも超興奮状態。

語り「僕はまったくしらなかったけど、そのとき大変なことが起こっていた。K物産が明日不渡りをだして倒産するとの情報がはいったんだ」

支店長「山崎、山崎は何をしている。担当だろう。なぜ一番にかけつけない(大声で怒鳴る)」
課長「山崎は今、東京、東京マラソンに出ています。連絡が取れません。申し訳ありません(こちらも絶叫)」
支店長「なに!こんな時に、馬鹿が!いい、かまうな。ま、まず ほ、保全バランスを早くつくりなさい」
  課長と田中が保全バランスを作っている
課長「担保が足りません。5億とりもれが発生しそうです(声にならない)」
支店長「何、5億! 5億だよ、5億。この支店の年間利益の倍じゃないか。追加でとる担保はないのか(茫然とする)」
  全員黙っている。
支店長「えっ、何か手はないのか(怒鳴る)」
課長「担保は先順位が多いので、あまり期待できないのですが・・・・・」
支店長「このさい、そんなこと言ってられないでしょ。何でもいいから、担保と保証をとってきなさい。社長との連絡はとれないの?」
課長「社長は不在のまま、音信普通です」
支店長「そんなら、ここでぼさぼさしてても仕方ないでしょう。すぐに会社にいって差押えられるものはすべて差押えなさい」
課長「あっ、はい」
  飛び出していこうとする水谷課長、山田、大川
支店長「君達だけでいっても、仕方ないでしょ。すぐ弁護士と連絡とって」
課長「あっ、はい」
  電話をとる水谷課長
支店長「(舌打ちしながら)まったく、なんてことだ」

語り「そんなことになってるなんて、知らなかった」

○ A銀行新宿支店支店長室(月曜日、朝)


  支店内はあわただしい。行員が走り回っている。

語り「僕が出社すると、課長と田中君はK物産に取り立てにでており、関支店長は汗だくになりながら、K物産の顛末を審査部長に報告していた」

支店長(電話)「はい、そうです。今日1回目の不渡りを出すことは、確実です。はい保全バランスを作ってみましたら、まだ5億たりません。はい、はい、勿論差押えにいっておりますが、社長は暴力団をおそれて、家にはいません。はい、はい、かなり後順位の抵当権になると思いますが、仮差押えをします」
審査部長(電話)「君のところのリスク管理どうなってんの!(怒鳴り声、 支店長は思わず受話器を耳からはなす)5億のとりもれなんて君の所だけだよ。何やってるの! 課長だれ? 水谷? 彼、能力あるの? 
 すぐに報告にきなさい。法務室と連絡をとって! 君ところだけで処理、絶対だめだよ。無担保で融資したのいつ?」

支店長「あっ、はい。つい最近です」
審査部長「じゃ、倒産寸前に無担保融資したんじゃないか。いったい何みてたの」
  ひあ汗を拭う支店長。そこへうきうきした雰囲気の山崎が事務室にはいってくる。右手に東京マラソンがのっている新聞を持っている。

語り「僕は事情をしらなかったから、事務室にうきうきしながら入ったんだ」

山崎「みなさん、お早う」
  支店長が山崎をつかまえる。
支店長「君、君は昨日何、何をしてたんだ。(言葉にならない)」
山崎「はい、支店長喜んでください。昨日、東京マラソンで、とうとう日本人一位で全体で2位になりました。日本人トップですよ。はは」
支店長「馬鹿もの!なにを浮かれてる。K物産が倒産したんだ! 何がマラソンか(怒鳴る)」
山崎「・・・・・」
支店長「課長はK物産だ。すぐ、課長と一緒に5億とってこい。いいか、取ってくるまで帰るな(大声)」
  憔悴した表情の支店長。下をむいて含み笑いをしている神鳥課長。

語り「なんてことだ。天国と地獄だ」

○水谷課長の家(同日、夜)

  水谷課長が酒を飲んで夜遅く自宅に帰ってくる。元気がない。そっとドア-を開ける。チャィムが鳴り、佳恵が出迎える。

佳恵「どうしたんですか、元気がありませんね?」
課長「うむ」
佳恵「あなた、隆の入学金、用意してくれました?」
課長「うむ」
佳恵「ねえ、どっちなんですか?」
課長「いまはそんなこと言ってる場合じゃない(急に怒り出す)」
佳恵「・・・・・・・・・」
課長「今日、K物産が倒産した。5億焦げつきそうだ。俺が無担で融資したばかりだ」
佳恵「無担て?」
課長「(怒鳴る)担保なしにきまってるだろ」
佳恵「(おずおずと)K物産て、あのゴルフセットを御歳暮にくれた会社でしょ?」
課長「(はっとして)あっ、そうだ。あのゴルフセットはすぐに送りかえせ。それに、佳恵、場合によったら、この家処分して返済にあてなきゃいけないかもしれない」
佳恵「(強く)そんな、だめですよ。いくとこないじゃないですか。それに隆だって大学にいかなきゃいけないんですよ」
課長「今はそんなこと言ってる場合じゃないといったろ」
佳恵「・・・・・」
課長「(独りごと)おれがこんな事で、へこたれるものか、手は打つ。なんとしても手は打つ」

○ A銀行の役員会(翌日、午後)

  頭取をはじめ、役員20名。上原取締役が得々と提案説明をしている。『当行における宣伝活動の強化について』というテーマが電子黒板に書かれている。

取締役「ながらく頭取より指示があり、私が専担となって、鋭意検討してきました宣伝活動強化策について、ここに最善の提案を提出いたします。当行には多くの人材逸材がおりますが、とくに新宿支店山崎職員は世界的なマラソンランナーでして、先日の東京マラソンにおいて、世界の強豪アフリカの星マカウに次いで日本人一位、全体で2位になりました。ここに先日の東京マラソンのビデオがありますのでご覧ください(自信満々)」

  ビデオに先日のマラソンの内容が映し出されている。頭取はいたく感心して見ている。
取締役「B銀行の体操、C銀行のハンドボール等各行とも、積極的にスポーツ事業に進出しております。当行においてもイメージアップをはかり、とくに最近厳しさを増してきました就職戦線でかちぬき、優秀な人材を確保するために、当行に最も相応しいスポーツを検討してきましたが、最終的にマラソンが最適との結論に達しました。このVTRをご覧ください。特に山崎選手の胸に注目してください。なんと鮮やかなA銀行のマークでしょうか」

  山崎のゴールに飛び込むシ-ン
取締役「先日の東京マラソンの視聴率は30%を越えているものと思われます。日本人のマラソン好きは、つとに有名であり広報室には朝から山崎選手の照会電話がたて続けに入っております。特に来年卒業をひかえた大学生からの照会が多く、宣伝効果抜群、イメージアップ抜群とは、このことをいうのでしょう。来年の就職戦線は勝利したも同然です・・・・・」

  頭取はじめ、他の役員全員好意的に頷く
取締役「ついては、この山崎職員を中心に陸上部を創設し、監督には、僣越とは思いますが、私の母校W大の現コーチ川口氏の内諾を得ておりますので、川口氏を、さらにW大の陸上部卒業生5名の採用を同時に計りたいと考えております」
議長「では、上原君の提案に賛成の諸君は挙手をおねがいします」
  満場一致で上原取締役の提案が採択される。

頭取「素晴らしい提案です。上原君、この案最重点事項にしましょう。企画部長に予算をすぐつけるように指示しなさい。それから私のところに山崎君をつれてきてください。一緒に食事どうかな。(子供っぽく)ところで総監督だれがなるの?」
取締役「勿論、頭取です」
頭取「はは、君、よく分かってますね」

                                明日に続く

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