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(28.9.15) 病気療養中tのため二日に1回の割で過去のシナリオ等を掲載しています。 「友よ風に向かって走れ(その5)」

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 友よ風に向かって走れ(その5)

  このシナリオシナリオ1からの続きです。恐縮ですが、シナリオ1・2・3・4を読んでいない人は1・2・3・4から読み始めてください。

○ K物産とのマージャンの帰り(12月中旬,夜)
  タクシーのなか。課長と山崎。

語り「結局K物産とマージャンをした。課長は一人勝ちであったため、いたって機嫌がいい。だいぶ酒も入っている」

課長「いや、いや今日はじつにたのしかった。しかし、K物産の部長も、課長もマージャンがへたくそだなあ。部長、5回だよ。5回も、小生に満貫ふりこんでさぁ。あのときの顔、見物だったね。まあ小生の腕がいいから・・・・・」
運転手「お客さん、儲けたんでしょ」
課長「まあね、今月のこずかい銭ぐらいよ。おい、山崎、なぜだまっている。えっ今日ぐらい、陽気にやれよ。勝てなかったのでおかんむりか。腕よ、腕。ところで、山崎、部長のいってた融資、前向きに考えてやれ」
山崎「あそこは、注意したほうがいいとおもいますが」
課長「また、それだ。いや、君は頑固だね。頑固のうえに何かつきそうだね。すっかり、酔いがさめたじゃないか。もうすこし、前向きに考えられないのかね」
  怒って横をむく水谷課長

○ 水谷課長の家(続き、夜)

  タクシ-を下りる水谷。山崎は途中で下りていない。
            
課長「あの馬鹿、一体、いつまで俺の足を引っ張ればきがすむんだ。くそ-、山崎のおかげでいつも2課に負ける。神鳥なんかに先をこされてたまるか(映像をかさねて: 神鳥課長の高笑い)」
  玄関を手荒に開ける。むかえる妻、佳恵(42)
佳恵「もう遅いんだから、大声を出して帰るのは止めて下さい」
  玄関に大きな荷物が宅配されている。荷物に気付く水谷
課長「これ、何?何処から送ってきたんだ?」
佳恵「K物産からの御歳暮だっていうんだけど、これゴルフセットですよ」
  荷物をほどく水谷課長
課長「ほう、これはイギリス製の超高級品だわ。実に小生に相応しい」
佳恵「(不安げに)こんな高価なもの、御歳暮でもらっていいんですか?」
課長「なにが、いいに決まってるだろう。これは小生に対する期待ですよ。いや、いや実に可愛い企業だ!」

○ 神宮外苑コ-ス(数日後、夜9時)

  トレ-ニング終了前のミ-テング。不動の姿勢の山崎、リラックスした姿勢の久子。 
               
久子「来週から、土日は筑波大学でトレ-ニングすることにする」
山崎「はは、なんで筑波までいくの?」
久子「筑波には特別トレ-ニング室があって風圧を自由にコントロ-ルできる装置があるんだ。君をそこで改良することにする。教授に頼んで土日に機械を借りることにしたんだ」
山崎「タ-ミネイタ-でもつくるのかい?」
久子「君を、風に強い選手に改良するんだ。日本の選手は、悪条件に極端に弱い。なぜか分かる」
山崎「精神力のせいだろ?」
久子「いや、なれさ。人間、一度経験しておけば大抵のことは耐えられる。はじめてだと、恐怖感で崩れるんだ。昔ロスのオリンピックで優勝確実と言われた日本選手が大敗したのは、真夏の太陽に慣れてなかったせいさ」
山崎「僕は暑さにも、風にも強いよ」
久子「知ってる。君のたった一つの取りえは野性みだよ。筑波で25メ-トルの風圧を経験させてやるよ。そうすれば君は北風のランナ-になれる」
山崎「はは、何か分からないけどおもしろそうだね」

語り「そして僕たちはこの奇妙なトレ-ニングを開始した」

○ 筑波大学体育学研究所(昼)

 特別トレ-ニング室。風圧実験装置を兼ねた密閉された大型の筒状の装置。内部にランニング用のベルトコンベア-。風速が20メ-トルに設定されている。中で山崎がランニングスタイルで準備運動をしている。外から時間測定をする久子。

久子「風速20メ-トル、ベルトコンベア-の時速20キロにセット。5分ごとのインタ-バル開始」
  機械のスィッチを入れる久子。ベルトコンベア-のスピ-ドがます。風速20メ-トルの強風が前から吹き出す。懸命に走りだす山崎。滴り落ちる汗。風にたなびく黒髪。一時間経過。ふらふらになっている山崎。
            
久子「30分休んで、次は風速を25メ-トルにあげる」
山崎「それじゃ、台風のなかでマラソンするようなもんだよ」
  研究室に研究室の助手がはいってきて、山崎のトレ-ニングをびっくりして見ている。
助手「これ動物実験用の装置ですよ。犬や馬を使って実験するんです。人間を入れるなんて無茶ですよ」
久子「知ってる。でも中の人にそのことを教えちゃ駄目だよ。これは人間のなかにある野獣性を最大限に引き出す実験をしてるんだから」
  走る山崎(映像をダブらして:走るド-ベルマン)

○ 東京マラソン(冬、2月)

語り
「ついに東京マラソンの日がきた」
  快晴、無風、気温5度、マラソン日和。準備体操をしている選手。東京マラソンの横断幕。都庁周辺の蝉噪。山崎の腕と足をマッサージしている久子。

久子「5キロまでにトップグループにつくんだ。いいね。君ならできる」
山崎「うん、やるよ(力強く)」
久子「ムタイを抜くんだ。抜くと言え」
山崎「抜く、抜く、抜く(大声で)」
久子「よし、いいぞ、いけ、弱気になるなよ」
  山崎の胸を強く叩く久子。

語り「僕は陸連登録の一般選手のため、スタート地点はやや後方だったけど、じょじょに追い上げ、10キロ地点では第二グループにつけた。第一グループは、ケニアの招待選手ムタイとマカウを含むと外国勢5人と日本の招待選手が並走していた」

  ムタイ、マカウ等外国勢とカネボウの伊藤の6名の競り合い。100m後方で第二グループの山崎。沿道の声援。給水所で水を取る選手。

語り「招待選手はさすがはやかった。なかなかおいつけない。しかし、信じられないことが起こったのは30キロの給水所でのことだ」
  給水所でムタイと伊藤が接触して転倒。100メートル差で追っていた第2グループに追いつかれる。

テレビアナ「思わぬところで転倒があったため、現在、先頭はマカウら外国勢の4名、そのあとをムタイ、伊藤と第二グル-プを形成していた三名の計五名になっております。選手を紹介いたします。ゼッケン番号45は日産自動車の入江、96番はNECの加藤、そして10003番は・・・・・・、しばらくお待ちください。ただいま選手の確認をしております(ようやく記録係からメモが渡される)10003番はA銀行の山崎です。ところでムタイと伊藤ですが怪我がなければいいのですが」

解説者「まあ、二人とも世界のトップランナ-ですから、特にムタイはトップグループに追いつくでしょう。応援の旗が強風にたなびき始める。一斉に前傾姿勢を取り始めるランナ-
解説者「風が大分強くなってきましたね。完全に向かい風になっていますね。選手はかなり辛いとおもいますよ」
テレビアナ「はい、今情報がはいりました。風速は現在20メ-トルの向かい風ですね。スタ-ト時点では無風でしたから、気象条件は急激に悪化してきてます」
解説者「ほう、そうですか。この風では相当スピ-ドが落ちるし、目いっぱいの選手はラストスパ-トがきかないでしょ」
  マカウが35キロ地点でスパ-トする3名の外国人選手はついていけない。第二グループでは伊藤等が遅れだし、山崎だけがトップを追走。
テレビアナ「マカウがスパ-トしました。現在日本人トップはA銀行の山崎、実業団にも所属していない全くの市民ランナーです。伊藤は遅れました。現在山崎がこの強風の中で飛ばしています。なんと次々と強風のため失速した前の選手をとらえて現在第二位に上がりました。信じられないほど風に強い選手です・・・・・・」
解説者「こんなに風に強い選手を見たのは初めてですね。これでは台風の中で走っているようなものです・・・・」
  強風の中でマカウを追走する山崎。沿道の木々が風で大きくしなっており、道路には紙ふぶきが舞う。失速する外国人選手。

○ A銀行上原取締役の家(同時刻)

  上原取締役(55才)が東京マラソンのテレビ中継をみている。
テレビアナ「A銀行の山崎、よく頑張っています。全くの無名選手ですが、世界のトップランナ-、マカウと実に堂々と競り合っています」
  上原取締役がおどろいてテレビを覗き込む。2人のデットヒートがつづいている。山崎のランニングにはA銀行の鮮やかなマーク。歯をくいしばっている山崎。
取締役「母さん、大変だ。うちの選手がはしっている。新宿支店の山崎ってやつだ。 すごい、優勝するかもしれないぞ」

○ 東京マラソン(続き)

 レ-スは最後の1キロになっている。山崎が風で失速しているマカウに迫っている。
テレビアナ「レースは大変なことになってまいりました。優勝は、アフリカの星マカウか、無名の新人、A銀行の山崎か」
解説者「これは全く予想外ですね。マカウはだいぶ苦しそうですね。よほど風が強いのでしょ。いっぽう山崎の足取りは快調ですね。風を楽しんでるみたいなとこがありますね」               
  久子が自転車に乗って沿道を伴走しながら声をかける。           
久子「最後だ。スパ-トしろ。風にむかって走れ、死ぬまで走れ、走れ(叫ぶ)」
  山崎が最後の400メ-トルでスパ-トする。マカウもラストスパート。両者の必死な顔。沿道は周りは鈴なりの応援。
テレビアナ「マカウ、スタ-ト、山崎との差は5メ-トル、10メ-トルと開いていきます」
解説者「決まりましたね。しかし日本にも、恐ろしい選手がいたもんですね。信じられませんね」
  二位でゴ-ルに飛び込む山崎。気を失いそうになり、足がもつれている。目は虚ろ。久子がタトルを持って抱き抱える。
久子「よくやった。2時間06分30秒、君、もう少しで日本新記録だよ」
  山崎は朦朧としながら頷く。
山崎「へへ、風が強くなったら急に身体が楽になったんだ。ヤッタゼ」

上原取締役もテレビをみながら興奮する
取締役「うちの選手が世界の強豪相手に2位に入ったぞ、えっ、うちの選手だぞ。いやいや、大したヤツだ」
  インタビュー。山崎の嬉しそうな顔のUPがテレビに写っている。胸にA銀行のマーク。
テレビアナ「二位おめでとうございます。日本人トップでもうすこしでマカウをかわすところでしたね。勝因はなんですか」
山崎「はは、コ-チと、風かな」                           

                         (明日に続く)

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