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(28.8.5) GDPの時代の終わり  いくら補正予算を組んでもGDPは伸びない!!

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 私は日頃から安倍首相の日本経済を再生したいという努力に は敬服しているが、だからといってその経済政策が成功するかどうかは別問題だ。
安倍首相は参議院選挙の結果を受けて第3次安倍内閣を発足し、低迷傾向がみられる経済に活を入れるため28兆円規模の第二次補正予算を組むことを決定した。
28兆円といえば当初予算の約3割だから補正予算としては目の玉が飛び出るほどの金額だが、具体的にその内容を調べてみると、この予算規模がひどい上げ底だということが分かる。

 国と地方の財政出動は7.5兆円で、その他に財政投融資が6兆円だから実際の予算は13.5兆円で残りの14.5兆円は政府支出に誘発された民間投資を予定している。
だから半分は元からあてにできない数字を積み上げたものだ
さらに財政投融資は予定される事業に対する政府金融機関からの融資だから、簡単にいえば日銀の懐を当てにした予算で本当に政府が支出する予算は、国単独ならば地方の財政出動を除いた約5兆円に過ぎない。
この5兆円がいわゆる真水なのだが、この程度の補正予算は過去に何回も組まれているから、第二次補正予算が特別巨大なわけではなく、いわば底上げをして大きく見せているだけだ。

 しかしコケ脅かしだろうが何だろうが日本経済にカンフルを入れなければ、3年前に華々しく実施したアベノミクスの成果が雲散霧消しそうになっていることも確かだ。
すでに為替は100円前後と120円の円安水準から比べると、すでに半分ほど円高に揺れ戻している。
このため輸出産業の業容は日に日に悪化しつつあり、また外国人観光客も昨年のような爆買いをしなくなり、また観光客数自体も大幅な伸びが期待できなくなっている。
日経平均は16000円前後まで落ちてきて、トレンドはさらに低下しそうでこのままいくとアベノミクスは大失敗だということになる。

 だから安倍首相が懸命に経済の底上げを図ろうとしているのだが、残念ながら日本のように高度に発展した社会では、新たな投資案件を見つけることは極度に難しい。
たとえばリニア新幹線を前倒しで建設すると言うが、だからと言ってこの経済効果は限定的だ。
リニアが完成されても日本の人口は減少の一途だしまた企業は出張旅費を極力抑える方向にあるから、全体のJR利用客が増えるわけでない。
その結果現行の新幹線とリニア新幹線が客の奪い合いをするだけで、日本全体としてGDPが伸びない。

 また新技術を称されるものは旧技術とそこに働いていた人の職場を奪うのが普通で、たとえばアマゾンがドローンを利用した配送を行うようなことがあれば、配送業者や運転手は失業することになる。
だから21世紀型の新事業が開発されるほど、一部の人には富が集積されるが、一方で失業者が増大して国全体としてはGDPを押し下げることになる。
安倍首相の言う21世紀型の新規事業とはそうしたもので、推進すればするほどGDPを圧縮してしまうのだ。

 だからどんなに政府が音頭をとってGDP600兆円を目指すといっても穴の開いた鍋に水を入れているようなもので過去のような経済成長が実現できるわけでない。
これは日本やヨーロッパやアメリカが実際に遭遇している現実だ。
だが別にGDPが増えなくても十分幸せでこれ以上モノやサービスが増えても困るのが人間だから「経済成長なんてなんぼのものよ」と多くの人々は思っている。

 私の生活を見てみると分かるが朝四季の道の清掃活動をし、午前中は数学の勉強をし、午後は2時間程度自転車に乗り、二日に一回ブログを書き、夕方は中学生と高校生に勉強を教えている。こうした作業はほとんどボランティアだからGDPに は全くと言っていいほど貢献していない。それでも十分幸せなのだ。
だから政府は懸命なGDP底上げ努力をしてもその効果が現れないことを知り「GDPの時代は終わったのだろうか・・・・」と最後は苦渋しながら悟ることになるのだろう。それが21世紀なのだ。

 

 

 

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評論 日本の政治 安倍内閣」カテゴリの記事

コメント

「リニア前倒し」にはガッカリしました。(目玉がそれですか...?)
どうしても公共事業やるなら、全国の老朽化したインフラ補修(特に水道管等)とか、大地震へ備える国・市町村の防・減災対策とかの方が必要かと・・・。
経済対策については、視点を180度変えたビジョンが必要です。

日本には、高度成長期から連綿と蓄積されてきた個人金融資産1000兆円が預貯金に眠っています。
これらは、何も一部のお金持ちの資産というわけではなく、一億総中流を目指した時代から現在に至るまでに各世帯が皆こつこつと貯金してきた大切なお金です。

問題は、これらの富が全く活かされていない点です。(預金金利が異常な低金利のため、全くお金が増えない)
澤上篤人氏は、預貯金に長年眠った状態をいみじくも「ツンドラ(永久凍土)」と呼んでいますが、まさに的を得た例えかと思います。

現在の日本は成熟経済であり、「成長」と言っても高度成長期とはその内容が変わってきます。
また日本の経済を支えているのは、何と言っても営々たる民間の企業活動であり、企業が活動しやすい環境を不断に整備・改善することが重要です。

今の日本の課題は、世界一の国内個人金融資産の預貯金ツンドラが溶けて、証券市場から企業への間接投資がもっと増えて、国内経済に潤滑油として回るように仕向けることだと言えましょう。 つまり、国内にある資産を「生かして」やるのです。それによって新たな富が生まれます。

具体的には、毎々外国人の売買に振り回されている東証の株式市場で、外国人よりも国内の個人金融資産が優良な日本企業の株を長期保有して支えることによって、東京市場も企業側もより安定化・成長し、投資した側は配当等で一定の安定収入が得られ、年金世代なら年金にプラスしてゆとりある生活にすることができます。また将来年金がもらえるかどうか心配な世代も、資産形成と自己防衛のための手段になります。

ちなみに1000兆円の1割でも東証に流入すれば、とてつもない市場活性化になるらしいです。

例えばリーマンショックのあと、年金暮らしのお年寄りの世代で、新規に証券口座を開いて暴落したトヨタなどの株を購入する人が増えたらしいです。まだまだ動きとしては少数ですが、これは成熟経済における正しい資産運用のあり方だと思います。

投機的な短期売買はいただけませんが、普通の所得の人が普通に日本の優良企業の株を買って、長期保有で支える安定株主となり、配当などで資産運用するというスタイルは、成熟型経済の社会においては至極普通でまっとうな運用であり、それで企業も安定的に成長できて経済活動が活発になり、世帯収入も増えて内需を支えるというのが、今後の日本にとって望ましい経済対策のビジョンではないでしょうか。

そのためにも、証券税制を改革して、特に国内企業への長期投資を大胆に促進する(配当に税金をかけない等)ような政策が必要と考えます。

投稿: 小東洋 | 2016年8月 5日 (金) 12時01分

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