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2016年8月

(28.8.31) 中国石油関連企業の大失速と中国共産党の断末魔

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 そろそろ中国共産党の最後が見えてきた。共産党自慢の国営企業がそろって大赤字を計上し、とくにGDPの約1割を占めるといわれてきた石油関連企業が赤字か実質赤字にあえぎ、260万人といわれている従業員の馘首を始めたからだ。
なぜこれが共産党の崩壊につながるかというと国営企業の労働者はすべてといっていいほど共産党員で、この馘首は同時に共産党組織の崩壊につながるからだ。
国営企業は国家と同じじゃないか。そこの労働者の首切りをするなんて信じられない。もう共産党員をやめる!! 習近平を虎たいじしろ!!」

 中国の誇る石油関連企業はペテロチャイナ、シノペック、ONOOCで、ペテロチャイナが油田開発、シノペックがガソリンや化学製品の販売、CNOOCが海底油田の開発を行ってきた。
売上高規模ではシノペックが世界第2位、ペテロチャイナが世界第4位で堂々たる世界企業で、従来営業利益はペテロチャイナが2兆円規模、シノペックとONOOCが1兆円規模だったが、16年度に入り利益が急速に減少してほぼゼロに近づいている。
日本のイメージでいえばトヨタ自動車の利益がゼロになったようなものだ。

 しかもこれはまともな減損処理をしないでの利益数値だから実態は半端ではない。
ペテロチャイナなど、過去にスーダンやリビヤやイラクやベネズエラにそれぞれ数兆円規模の投資を行ってきたが、こうした投資がすべて焦げ付いてしまった。
今減損処理などしたらわが社は債務超過に陥ってしまう。たとえどんな理由があろうとも減損処理はしない」と居直っている。簡単に言えば倒産会社だ。

 CNOOCの海底油田なども生産すればするだけ赤字を膨らませるだけで、今海底油田の開発などしている国は単なるあほとみなされている。
原油価格はアメリカのシェールオイルの生産価格に張り付いたままだ。もはや海底油田の時代は終わってしまった・・・・・・・」出るのはため息ばかりだ。
東シナ海での海底油田開発などさっさとやめたいが、国家の威信をかけて日本とつっぱっているのでそれもできない。今は掘っているふりをしているだけだ。

  またシノペック15年度対前年比+9%も原油の輸入を増やしたが、ガソリンの販売価格は4割程度低下し、化学製品など作っても国内には販売先がなくなってしまった。  
こうなれば何でもいいからダンピングで海外に販売しろ
安値の中国製品が世界中に出回って、これと競合する韓国の化学製品メ-カーはほとんど倒産直前になってしまった。 

 15年度中国がなおも原油の輸入を拡大するのを見て日経新聞などは「安いうちに備蓄を増やしている」と分析していたがこの分析は誤りだ。
中国では経済より政治が優先し、政治とは簡単に言えば賄賂だ。15年度に原油輸入が増えたのは輸入するとその2割程度がバックペイとして石油閥に入るので、石油閥の懐を肥やすために不要な原油輸入をしていただけだ。
だから不要な輸入をやめさせるためには石油閥の一掃が必要で、習近平氏の汚職撲滅運動で石油閥のドン、周永康氏がパージされたのはそのためで、これでようやく不要な原油輸入が抑えられるようになった。
中国経済のキーワードは賄賂であり、需要と供給などという近代経済学の原則などまったく当てはまらない。  

 現在中国の国営企業は石油関連企業や鉄鋼や石炭やアルミ産業に見るようにすべてといっていいほどゾンビ企業になっている。中国大躍進の間思いっきり生産力を増大させたが、今はその生産力が過剰になり、マルクスの言う過剰生産恐慌に陥っている。
GDPに対する国営企業のウェイトは約5割だが、そのほとんどがゾンビ企業だから、中国経済は片肺飛行になっている。
いったいどうしたらいいんだ。国営企業がすべて赤字に陥ってしまった。生産調整をするためには労働者の馘首が必須だが、国営企業の労働者とは共産党員だ。これではタコが自分の足を食べるようなものではないか・・・・・・

 中国共産党が党員にパイを分け与える時代は終わった。今は労働者のくびきりをしなければ国営企業は生きのこれない。しかし首切りは共産党組織の崩壊につながる。
中国共産党が政権を取ってから約65年、ついに先が見えてきた。どうやら私の生きているうちに中国共産党の崩壊を見ることができそうだ。




 

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(28.8.30) 病気療養中のため二日に1回の割で過去のシナリオを掲載しています。 「シナリオ 忠助 その3」

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(トシムネさん撮影)

 
病気療養中のため過去の作品を掲載しております。1

忠助 シナリオその3

8月26日から4日間はシナリオ週間になっております。このシナリオはシナリオ2http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2016/08/2882-1-9f52.html
からの続きですので、まだ読まれていない方は、そちらから読むようにしてください。

12.剣ガ峰の直下

  音響 忠助のテーマソング
忠助 「おんや、こんなとこに立て札がありますよ(ここ降りること危険、近寄るべからず)か。なんで下りちゃいけないんですかね」

  音響 不気味な雰囲気をかもす
語り 「(震える声で)そのとき、忠助はきずかなかったが、そこは魔界の入口だったのです。一度入り込めば二度と戻れぬ魔の谷に忠助は・・・・・・・」

  音響 忠助のテーマソング
忠助 「(馬鹿にして)ははーん、えっ、なんでこんな所が、危険なの? 危険と火事は江戸の花よ。危険といわれて引っ込むような忠助様じゃありませんよ。危険、ようがす。その危険ていのをおがましてもらいやしょう。なんだい、ただの砂滑りじゃないか」
  音響 砂地を滑り落ちる音。石の落下音。

  音響 地獄のテーマソング
鬼A 「わはははは、鴨がついにかかった。蟻地獄を下りた。おい、食事の支度をしろ。ワインはプーチンからもらったアルメニア産がいいぞ」
鬼B 「へへへ、周りの壁がせまってきましたよ。めちゃ急角度ですよ。魔界に落ち込む死の谷でやんす。ほれ、はよう落ちろ,落ちろ」

  音響 石の落ちる金属音
忠助 「おっと、あぶねい、注意、注意」

  音響 地獄のテーマソング
鬼A 「見てみろ、見てみろ。両壁がどんどんせまってきたぞ。こういう煙突を縦にしたような場所をチムニーってんだ。こんな場所は技術がなきゃおりられねえのよ」
忠助 「はは、さらに狭くなりましたね。狭くなると背中と足を突っ張りながらおりるんです。キャツホー、がぜん調子がでてきましたよ。ガストン・レビュファ万歳」

語り 「このようにして忠助は伯耄大山の魔界にひきずりこまれていくのでした。 そして」

  音響 不気味に盛り上がる
忠助 「あっ、なに、これ(叫ぶ)。大滝になっちゃった(覗き込む忠助)」

  音響 大量の水の落ちる音
  音響 地獄のテーマソング
鬼A 「ウワハハハハ、やったぜベービー、調子にのって降りてきたが、ようやく網にかかったぞ」

  響 鬼の高笑い

語り 「引き返そうとして、岩の窪みに手をかけて登ろうとする忠助。しかし、柔らかい火山岩のため、すぐに崩れ、いくら努力しても登れません。こうして忠助は伯耄大山の魔界に捕らわれたのでした」

忠助 「ありゃ、ありゃ、おいら飛び下りるときは忘れてたけど、この小さな滝、どうやって登るの?」

  音響 烏の鳴き声。ひぐらしの鳴き声。冷たい風の音。遠くの滝の音

  音響 地獄のテーマソング
鬼A 「ほれ、早く餓死しろ、早く死ね」
鬼B 「兄貴、まだかい。夕食になっちゃうじゃないか」

鬼A 「しょうがねえだろ、人間をいきたままたべるとエイズになるんだから」

  音響 忠助のテーマソング
忠助 「もし、おいらが遭難したらどうしょう。きっと旦那様がヒサちゃんの寝込みをおそい、そして。あっ、それだけは、やだーー、許せない」
ヒサ 「(悲鳴)忠助さん、たすけてー」

  音響 思いっきりドラマチックに
忠助 「ヒサちゃんーーーおいら、おいらどうしても津和野に戻るんだ。だって・・」

  音響 変身を表す効果音
  音響 地獄のテーマソング

鬼B 「兄貴、ていへんだ。あいつ、変身しよる。熊の変身や。ありゃ、ゴワゴワとした毛がからだ一面にはえて、うわ、するどい爪がはえて、なんと、月にむかって吠えとるがな、狼とまちがえてるんやないけ」
鬼A 「熊と狼の区別がつかんのは勉強不足やな。日ソ合同映画の(オーロラの下)の招待券、渡してやれや」

鬼B 「しかし、あにき、あの変身はえろう 、中途半端やで。上半身は熊でも、下半身は人間のままや」
鬼A 「そりゃ、そうや。人間のほうが、下半身はつよいんや。バテレンから歌麿っていわれとるやろが」

  音響 熊の雄叫び
忠助 「(声が変わる)ウワハハハハハ、どうじゃ、熊になったぞ。この身体中からはえた固い黒い毛。手の固い爪。いかなる滝も登りきるぞ」

  音響 熊の雄叫び
忠助 「滝がなんだ」
  音響 熊が滝を登っている音

忠助 「ウワハハハハ、岩がなんじゃ」
  音響 熊が岩を登っている音

忠助 「ウワハハハハ、砂がなんじゃ」
  音響 熊が砂上の壁を登っている音。天に向かって吠える
忠助 「ウワハハハ(息がきれてる)漸く稜線にたどりついたぞ」
  音響 激しいいきずかい

  音響 地獄のテーマソング
鬼B 「兄貴、餌がにげちゃった。また、飯、くいっぱぐれちゃったよ」
鬼B 「うむ、こうなれば致し方ない。意図的に崖崩れをおこして、あいつを地獄に引っ張りこもう」

13.同稜線

  音響 忠助のテーマソング
語り 「この時、剣ガ峰から降りてくる修験者2人が忠助の熊男に遭遇したのでした」
修験者A 「あっ、あれはなんだ」
修験者B 「かもしか? いや熊じゃないか」

修験者A 「逃げるか」
修験者B 「馬鹿な、われわれは修験者では ないか、熊ぐらいでにげてどうする」

修験者A 「じゃ、どうする」
修験者B 「勿論、折伏する。ハンニャハラミタツ、我に霊力あらば熊を退散させよ。霊力なくば、熊の餌食とならん」

修験者A 「おい、熊がどんどん、近寄ってくるよ」
修験者B 「ううーう、わーお、我に霊力をあたえよ。さあらざればこの隣の修験者を熊に捧げん」

  音響 熊のさけびごえ。突進してくる音
修験者A 「やだよ、冗談じゃないよ。熊の餌食なんかなりたくないよ。お前に霊力なんかあるわけないじゃんか」

  音響 忠助のテーマソング
忠助 「(熊語で)心配しないでいいよ。おいらは熊じゃないよ。こっちにおいでよ」

修験者A 「(慌てる)あわわわー、逃げろ、食われる」
修験者B 「まて、まて、ずるいぞ、俺をおいてくな」

13.同稜線直下

語り「このとき稜線直下では、鬼達が崖崩れを起こす準備を整えていました」

  音響 地獄のテーマソング。Uボートに乗った鬼が獲物を狙っている。
鬼B 「魚雷装填準備完了。目標,右20度、距離1000m、速度1ノットで移動中」

鬼A 「魚雷、発射」
  響 発射音、急速潜行音、魚雷が水をきって進む音、爆発音。鬼Bが潜望鏡を上げて確認をする。

鬼B 「修験者二名が崖から消えました」
鬼A 「熊は?」

鬼B 「残念ながら生きております」
鬼A 「しかたない、今日の獲物は修験者二匹で我慢しよう。クロンシュタットの基地にもどる。総統も許してくれるだろう」

鬼B 「はっ、ハイル・ヒットラー、ハイル・閻魔大王」

  音響 修験者の断末魔の叫び声
  音響 忠助のテーマソング

忠助 「(熊語で)ありゃ、崖がくずれて二人とも谷に落ちちゃった。だから、注意しないいと落ちると言ったじゃないか。きをつけろ、馬鹿(大声で)」

14.京都大学霊長類研究所(2007年)

語り 「京都大学霊長類研究所河谷研究室の河谷教授が瓦版を黒板にはりつけ、講義をしている」

河谷教授 「いや、ほんま。日本にも雪男は いたんや。これ、みてみい。江戸は元禄年間の瓦版やけど、熊男とかいてあるやろ。しかし、ほんまは熊男やないんで。間違いあらへん、雪男や。日本は雪がすくないから白くないだけや。そやさかい、こんど学会でこの歴史的事実を発表するんや。ノーベル賞もんやで。この雪男、ごつい女好きやさかい学名をイェティー・ジャポニカ・エロチカと命名するんや」

  音響 万雷の拍手
芸者 「先生、そないなこといわはっても、この熊男はん、下半身は人間やおまへんか。雪男はんは人間とのあいのこはんどすか?」
河谷教授 「いや、いや、舞子はんだけあっていいところつきますな。これはオフレコやけど、この雪男、実は歌麿なんや」

(以下NO4に続く)

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(28.8.29) 日本には詫びを入れずにスワップ協定をむしり取れ!! 韓国の新たな戦略

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 「今までの非礼は詫びないが助けてほしい」と韓国がなきを入れてきた。
韓国経済が凋落して資金繰り倒産の懸念が出てきたため日本にスワップ協定の再締結を提案してきたのだ。
15年2月には「わが国には中国との間で8兆円規模のスワップ協定があるので、日本とのスワップ協定は一切必要ない」と言って日本とのスワップ協定を打ち切ったが、あれから一年半たち中国とのスワップ協定が全く役立たないことに気が付いた
韓国の資金繰りがもし一気に悪化するとその時に必要な決済資金はドルで、中国元ではないからだ。

 中国元を入手してもそれをドルに交換しなければならないが、現在8兆円規模の元をドルに交換できる市場などどこにもない。
数日待っていただければなんとか調達は可能かと思いますが・・・・・・」などという状況で、一方資金繰りのひっ迫は最大で1日、場合によったら数時間しか余裕がなく時間との勝負だ。
だからそのような中国元ではいざというときに全く役に立たない。
ここは仕方ない。日本に頭を下げないで、もう一度日本にスワップの再締結をしてもらう以外に手はない

 韓国政府は今まで日本に対する敵対政策を継続してきており、李明博大統領は「日本は弱くなったので何を言ってもしてもいいんだと豪語して竹島に上陸したし、パク・クネ大統領は存在もしなかった従軍慰安婦問題で日本バッシングだけが政治だと思っていた。
あたしは日本を1000年間許さないの。世界中の街角に従軍慰安婦像立てて、日本が世界の笑いものになるまで止めないわ!!」と言っていたが、韓国経済の凋落でそうもいっていられなくなってきた。   

 頼みの輸出はすでに19か月も前年割れだし、造船や鉄鋼といった主要産業は赤字を垂れ流してゾンビ企業になってしまうし、まだまともなのはサムスンだけという状況に陥っている。
韓国経済は中国に全面的におんぶにだっこという状況だったが、その中国が14年夏以来経済が急ストップした関係で韓国経済も急停車してしまった。
なんでこんなに急激に中国経済が悪化するの・・・・。中国についていきさえすれば韓国は安泰だと思っていたのに、習さんたら経済政策が大失敗で頼りないと言ったらありゃしない
パク・クネ大統領が臍を嚙んでいる。  
おかげで虫唾の走るほど嫌いな安倍とスワップ協定の交渉をしなくてはならないし、従軍慰安婦像が世界の街角から消えてしまうなんて歴史に対する冒とくじゃない・・・・

 パク・クネ大統領は歴史に残る暗愚の大統領で経済政策など全く眼中になくひたすら日本を貶めることだけに生涯をかけてきた人で、これほどの暗愚な指導者は他に日本の鳩山由紀夫氏しかいない。
日本と韓国の貿易量は毎年のように減少していて韓国とのかかわりは低下傾向にある。
山崎経済研究所の山崎所長は「隣に住んでいるからと言ってやくざと付き合うのはやめたほうがいい」と言っていたが、日本のアルカポネの麻生財務相は馬が合うのか韓国との交渉に応じるようだ。

 韓国は経済が好転すればまた日本たたきを始めるから、交渉などに応じずに経済が悪化したままにさせておくのが日本の最善の策だ。これは意地悪で言っているのではなくやくざ対策としての常識だ。

あねさん、ここはしばらく日本バッシングは控えておくんなせい。その間にスワップ協定を締結してまた日本のケツの毛をむしってきますんで・・・

 


 

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(28.8.28) 病気療養中のため二日に1回の割で過去のシナリオを掲載しています。 「シナリオ 忠助 その2」

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 病気療養中のため過去の作品を掲載しております。

忠助 シナリオその2

8月26日から4日間はシナリオ週間になっております。このシナリオはシナリオ1http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2016/08/28826-1-6dc4.htmlからの続きですので、まだ読まれていない方は、そちらから読むようにしてください。

6 橋本周の奥座敷

  音響 襖が強く開く音。力強い足音
忠助 「だんなさま、お呼びでございますか、忠助、めいりやした」
 「うむ、奥がそちに用があるそうな」

忠助 「へい、奥方様、なんでごぜいやすか」
 「まずは忠助、近くによりなさい」

  音響 擦り寄る音
 「忠助、ちかごろジョギングは毎日しておるか?」

忠助 「へい、雨の日以外は走っておりやす」
 「さようか、よいこころがけじゃ。平時において乱をわすれず。これが戦国時代であれば一国一城の主になれたものを・・・あな、おしや・・」

周 「戦国時代でも頭がなきゃ、一国一城の主になれるはずがないよ(ぼそぼそと小さなこえで独り言)」
 「殿、おしずかに(きつく小さな声)。 さて、忠助、このたび殿が伯耄大山の荒行にでむくこと、知っておろうな」

忠助 「へい、中元仲間じゃ、さすが、武勲の誉れたかい服部様と、噂しあっておりやす」
 「しかし、詮ないこと(泣くまね)。殿には、決して他言すまじき病をお持ちなのじゃ」

忠助 「へい、病ですか?(同情の声)」
 「他言すまいぞ。実は殿は先天性骨萎縮症にかかっておられ、とくに高いところに登ると急に身体が縮んでしまわれるのじゃ」

忠助 「それで奥方様の前でいつも縮こまっておられるんでやすか」
 「うっ、うむ(狼狽)」

 「のう、忠助。これは人助けじゃ。殿にかわって伯耄大山にいってくりゃれ(哀願するように)」
  音響 激しい心臓の鼓動
忠助 「(一呼吸置いて)へい、本来なら喜んで引き受けるところでやすが、実はあっしも、人にいえねえ 病気持ちでして」

 「お前が病気もちとは聞いたことがないが・・・して何の病気じゃ?」
忠助 「へい、先天性骨拡大症といいやして、高い所にのぼると急に身体が大きくなりやす。先だっても屋根の修理をしておりましたら、急に身体がおおきくなり、屋根をぶちわって下にまっさかさま。下じゃ、雷様がおちてきたとおおさわぎ・・・」

  音響 周と菊の咳払い
菊 「いや、忠助。そうじゃ、聞くところによれば、そちは女中のヒサとたいそう仲がよいようじゃのう」
忠助 「へい、先だって旦那様に晴れて夫婦になりていとお頼みしやしたところ、まだとしはもいかぬゆえ、しばし待つようにいわれやした」

 「これは不思議。忠助はすでに23、ヒサも18。ちょうどよい年頃ではありませぬか。のう、殿(きつい調子)」
 「あっ、いや、その、なんじゃな。どうしてもヒサでなくてはいかんのか。上女中のイネではどうじゃ(狼狽)」

 「なにを馬鹿なことを。イネはすでに80ではございませぬか」
 「おお、そうであった。では、トラではどうじゃ」

菊 「殿、トラは猫でございます。すると殿はなにかヒサが忠助と夫婦になっては困ることでもあるのですか(疑いぶかく)」

 「いや、いや、けっしてそのようなことはないぞ。なにもないぞ(慌てる)」
 「では、決まりました。忠助、ヒサと晴れて夫婦になることを許します。よろしいですね、殿(ぐっと念を押す)。ところで、忠助、先天性骨拡大症はもうなおったか」

忠助 「へい、なぜかすっかりなおりやした。伯耄大山には、明日にでも出立いたしやす(陽気に)」
 「よく、申した。はれてヒサと夫婦にな る日をまっております」

 「(小さな声で)なんで忠助がヒサと夫婦になるんだ。忠助には猫のトラがにあいじゃ」
 「えっ、何かもうしましたか」

 「あっ、いや、なにもいってないぞ」
 「ところで、旦那様。旦那様は伯耄大山にいってることになっているのですから、当家より、一歩も外出してはなりませぬ。先程近畿日本ツーリストよりパンフレットがおくられてきましたが、よもや旦那様は、韓国のキーセンツアーに参加なさるおつもりではありませぬな?」

 「いや、その、急に休暇がとれることになったので、見聞を広めようとおもってな、いや、そうなのだ(慌てる)」
 「(強く)なりませぬ。庭で身体をやき、旅の日焼けの代わりにしなさい」

 「(不貞腐れて)ヒサもだめ、韓国もだめ、やることないじゃんか」
 「能因法師の故事にならい、和歌をしたためるのです」

7.大山寺

  音響 僧侶の読経の声。蝉のかまびすしい鳴き声
語り 「出雲の国、大山寺。侍姿の忠助が大仙寺を訪ねる」

僧侶 「して、そこもとが、橋本周殿か」
忠助 「さようでござる」

僧侶 「おききおよびのこととは思うが、ここ大山寺は、奈良朝の時代より、霊験所として諸国にしられ、練行の士の恰好の行場である。ここと並びしょうされる場はただ一つ。アメリカの祈祷師、ジョージ・ルーカスのFSX撮影所しかない。存じておろうな」
忠助 「しかと」

僧侶 「では、大山縦走、死の荒業にはいるまえに、心の修行としてそちに公案をさずける。この公案がとけるまでは、ここ大山寺で禅の修行をしていただく」
忠助 「あの、公案ってなんでやすか」

僧侶 「なんじゃ、公案も知らずに修行にきたともうすのか。公案とはすなわち、直観による生命の認識じゃ。故丹波哲郎がやっておったろうが」

忠助 「はぁ?」
僧侶 「これがそちに授ける公案じゃ。解けるまでは、食事はおろか、寝ることも、また屁をすることもまかりならん」

忠助 「あの、屁もですか」
僧侶 「さよう。いざ、とかれよ(よき隣人として付き合うことの報いとはなにか)」

忠助 「あの、それが公案でやすか」
僧侶 「さよう、お釈迦様が三年も菩提樹の下で沈思黙考し、公案された難問中の難問じゃ」

忠助 「あの、簡単にといていいでやすか」
僧侶 「ふははははは(馬鹿にした笑い)この公案はあの山中鹿之助さえ、三日三晩考え、ついに解くことのできなかった公案、そこもとがすぐにとけるようなものではない」

忠助 「じゃ、お答えしやす。それはイラク戦争をイラク人の解放と位置づけて戦争をしたブッシュ大統領でやんす。いまはスンニ派だけでなくシーア派からも自爆テロをしかけられて、引きに引けなくなっています」

僧侶 「(驚愕)な、なんと。この事実、ボイス・オブ・アメリカをきいている当寺しかしらぬ、トップシークレットじゃ。そこもと、どこでこの事実しったのじゃ」
忠助 「へい、NHKの衛星放送でやんす」

僧侶 「げに、おそろしげなのは衛星放送。公案が解けた以上、禅の修行は終了じゃ。すぐさま伯耄大山の剣の刃の縦走にでられよ」

8 伯耄大山の山麓

  音響 蝉の声。木立の揺れる音。水のせせらぎ。忠助の足音
忠助 「なんだい、考案だなんて大袈裟なこといいやがって。単にニュースを聞いている かいないかの差じゃねいか、あほんだら」

  音響 寺の鐘の音。不気味な音楽
忠助 「あっ、ここですよ。大山寺の登山口。山伏が結界をひいて待ち構えているからって、さんざん旦那様から注意されてとこですよ。いや、じつに怖そうな山伏ですね」

  音響 鋭い金属音。50名の山伏の集団。
山伏 「つぎの者、通行手形をみせられよ。荷物はそのパックだけか」
忠助 「へい、これだけでやんす」

山伏 「なかに、iPodとか、ポータブルDVDなんかは入ってないであろうな」
忠助 「ごぜいやせん」

山伏 「うむ、して、そこもと、服部周殿に相違ないな」
忠助 「服部周でござる」

山伏 「貴藩の藩主、坂崎出羽守殿より、近頃、伯耄大山の荒行に影武者を使う不心得者があるゆえ、厳にチェックするよう回状がまわってきておる。貴殿の人相書もあるゆえ、 しばしまたれよ」

  音響 不安をかきたてる音。心臓の鼓動。人相書を探す山伏の声

9.韓国と北朝鮮の国境 板門店

  音楽 007のテーマソング
「韓国と北朝鮮を隔てる板門店。忠助が007のショーン・コネリーばりのタフガイに変身、山伏は北朝鮮の将校に変身する」

  音響 緊急事態をしらせる非常ベル
放送 「非常事態発生、非常事態発生。ただちに第一級警備につけ。007忠助が国境を突破しようとしている。射殺せよ。繰り返す。射殺せよ」

  音響 銃声。マシンガンの音。走りまわる兵士の足音
将校 「(さけびごえ)忠助はサイドカーに乗って逃げた。すぐさま追え」

  音響 サイドカーの爆音。追う自動車の爆音。銃声
将校 「(無線)こちら、板門店、板門店。忠助がサイドカーに乗って逃亡中。ヘリ部隊の応援をこう。繰り返す、ヘリ部隊の応援をこう」
部隊 「(無線)こちら、首領様ヘリ部隊。了解」

  音響 ヘリコプターの爆音
部隊 「(無線)こちら、首領様ヘリ部隊。忠助を発見した。ただちに攻撃に移る」

  音響 ヘリコプターが速度を上げた音
部隊 「ミサイル、発射」

  音響 ミサイルの発射音。炸裂音
隊員A 「外れたじゃないか。どこをねらってんだ。ばかもの。もっとねらって撃て。ミサイル一つでピョンヤンに五つもハンバーガー店ができるんだぞ」
隊員B 「はっ、すいません。第二ミサイル発射」

  音響 ミサイルの発射音。炸裂音
  音楽 最高に盛り上がる
隊員A 「しまった。前に元禄年間の看板がある。あそこに飛び込まれるとタイムスリップする」

  音響 サイドカーの爆音。看板を突き破る音
  音楽 007のBG終わり

10 大山の弥山(みせん)に登る稜線

  音響 稜線にふく風。小鳥の囀り。登山客の歌う山男の歌
語り 「こうして危機を脱した忠助は弥山(みせん)の稜線を登っていった」

忠助 「いや、おどろいたね。まさか人相書がまわっているとは知らなかったよ。おかげで、ちょっとした007をしちゃったじゃねえか。しかしなんだね、ここから見る日本海はじつに美しいね」

  音響 稜線に吹きつける突風
忠助 「おっととと、へっ、この程度の風で びくつく忠助様じゃありませんよ。いや、うちの旦那様もおおげさだよ。こんなのが、なにしおう伯耄大山の荒行かい」

  音響 忠助が歌うアルプス一万尺の歌。段々と息が切れてくる。はく息の音。はやがねのような心臓の鼓動
忠助 「(息がきれながら)へへへ、きましたよ。これが大山の頂上といわれた弥山(みせん)の山頂ですよ。さてと、ここからが本番だって旦那様がいってましたっけ」

  音響 不気味さをます音。不死鳥の叫びごえ
語り 「そのとき忠助は弥山から剣ガ峰にむかう切り立った稜線を始めてみたのでした。左右の絶壁が不気味に奈落の底へとおちこみ、地獄の様相を呈しておりました(女性の不気味な声)」

忠助 「(声がふるえる)へっ、なんだい、冗談じゃねいよ。この程度の断崖、怖がって中間やってられるかい。こっちとら、ヒサちゃんと夫婦になれるかどうかのせとぎわだよ 」

 音楽 野菊の墓のテーマソング
語り 「伊藤左千夫盗作、野菊の墓」

ヒサ 「忠助さんは、きっと大山にいって帰ってこない人になってしまう(涙声)ヒサはヒサは」
忠助 「何をいうんだヒサちゃん。僕は絶対に君のところに戻ってくる。僕を信じてくれ」

ヒサ 「でも、でもヒサ・・・・」

  音響 感情をもりあげる音楽
忠助 「君は野菊のように美しい人だ」
ヒサ 「あっ、忠助さん、いけない」

  音響 だきあうヒサと忠助
  音楽 強く跳ねて

忠助 「あっ、また馬鹿やっちゃった。こんなことやってる暇なかったんだっけ(頭をたたく音

11.地獄谷

  音響 地獄のテーマソング。鬼の声は合 成音声にして特徴を際立たせる
鬼A 「へへへへへ、見てみろ、見てみろ、あほが稜線で一人芝居やってるぜ。おちりゃ地獄だとはしらねえでよ。鴨ねぎよ。この地獄谷におちてきたら鬼のエサだ」
鬼B 「ねえ、兄貴、こんどは俺に食わせてくれ、兄貴はいつも、いいとこくっているが、おれは髪の毛しか食ってねえ」

鬼A 「うるせい、地獄には、地獄の掟があるんだ。股肉は大王、尻肉は俺、お前には髪の毛をやるから、髪の毛売って羅生門やってこい」
鬼B 「いまはアデランスが流行ってるからうれねんだ」

鬼A 「うるせい、御託をならべるな」

(シナリオ3に続く)

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(28.8.27) 一体GDPはプラスなのかマイナスなのかさっぱりわからないじゃないか!! 内閣府と日銀の論争

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 山崎経済研究所の山崎所長が笑いこけていた。14年度の日本のGDP計算で内閣府の試算と日銀の試算が大きく食い違ってさっぱり要領を得ないからだ。
内閣府による14年度GDPは▲0・9%だが、一方日銀の税務統計を基礎とした試算は+2.4%になったという。
その差は3・3%だから半端な数字ではない。

 日本のように毎年1%程度の成長しかしない経済で、内閣府と日銀の統計の誤差が3%以上もあっては、「一体本当のGDPはいくらなんですか」と誰でも聞きたくなるだろう。
このブログで何回も記載したが、現在内閣府が行っている統計手法は国連方式というのだが、この中でGDPの約6割を占める消費について、まったく実態を反映していない

 消費は総務省が行っている家計調査が最も基礎的な数字だが、この調査が全くひどい状況になっている。
もともとは統計資料に耐えるように調査対象者を設定したが、あまりの複雑な記載にほとんどの人が値を上げてしまった。
特に仕事を持った主婦などは仕事より家計調査のほうが時間がとられるほどで、「とてもやっていけません」と辞退者が続出したため、結果的に老人家庭と専業主婦が大多数を占めてきた。

注)総務省の家計調査モニターは基幹調査約9000モニター、一般調査3万モニターからなる。モニターの選定は統計的処方で偏りがないようにしてあるが、実際に記載してくれる人はもっぱら年寄りばかりになる

「お上の仰ることだから、このババが代表して家計調査票を記載しましょう。よいこらしょ!!」なんて状況で、老人家庭の家計調査はよくわかるが、老人は毎年消費が減っていく。
もう食事もしたくないし、着物もいらないし、旅行もここ数年足が弱っていくこともできないから、やれやれ、このババの家計費を調べてお上は何に使うのじゃろうかね

 統計のモニターに偏りが出ても総務省はこの偏りをただす手段がない。若者からは相手にしてもらえないし一方で国連基準の統計は出さないといけないので、いたしかたなくババに頼まなければモニター数が確保できない。
この調査結果で年寄り階層と若者階層の間で最も大きな違いが出ているのがインターネットによる購買だが、老人はインターネットなど使用しないからこの購買習字が極端に低い数字になっている。

 この総務省の統計数字のひどさは閣内でも問題になっており、財務省が思い余って総務省に「あんた何とかならないかね」と泣きを入れた。
しかし総務省もなんともしようがないのだ。「それなら国連基準というのをやめますか。家計費調査以外の適切な調査方法を財務省さんが考案してくれるなら別ですが」と居直っている。

注)財務省が総務省にクレームを付けた経緯は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/ppp-1.html

 これでは山崎所長でなくても日本のGDP統計のひどさに笑いこけてしまうだろう。もはやGDPなどというものは経済指標として何の役にも立たないことは明白で、中国などでは当の昔から鉛筆をなめて党中央の指示数字に合わせることしかしていない。
GDP数字などいつもいかさまあるよ。日本はまじめに計測しようとするからいつもまちがえるね。日本の統計官はアホね!!」などと中国から笑われている。
21世紀に入りGDPが主要な経済指標として役立たなくなってからいまだにこれを使用し続けているのは、経済学者や政府関係者の怠慢といっていい。

 

 

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(28.8.26) 病気療養中のため二日に1回の割で過去のシナリオを掲載しています。 「シナリオ 忠助」

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(トシムネさん撮影)

忠助 シナリオその1

 病気療養中のため過去の作品を掲載しております。

 今日から4日間はシナリオ週間です。シナリオは私の個人的な趣味で、時々作成しています。私の趣味につき合わせてしまってまことに申し訳ないのですが、書いている本人も息抜きをして楽しまないと、とても毎日ブログがかけません。

 今回は時代劇に挑戦しました

1 岩見の国、津和野、三本松城、本丸。 
 
  音響 登城を知らせる太鼓の音
茶坊主 「橋本周(あまね)様、おなーり」

  音響 城内の朝の喧騒
語り 「岩見の国、津和野。城主、坂崎出羽守が守る三本松城の本丸に、重臣の橋本周が登城してきた」
            
茶坊主 「ささ、おお殿様がお待ち兼ねです。橋本様、お急ぎくだされ」

  音響 襖の開く音。畳のすり足の音
出羽守 「おう、周か、まっていたぞ。さっ、ちこうよれ」
 「はっ」
出羽守 「これ、周、はよう、ちこうよれ。おりいっての頼みがあるのじゃ」(せかせる)

  音響 すりよる音
 「殿よりの直々の頼みとは、して、いかなることでございましょうか」(怪訝な感じ
出羽守 「うむ、周は当家の重臣ゆえ、十分承知のこととは思うが、当坂崎家は毎年、祖 先の霊をうやまい、当家の繁栄を祈念して、伯耄大山で荒業を執り行っておる。そのこと、存じておろうな」

 「当家、最大のイベントとこころえております。その業の厳しさは、ヨーロッパの東においては、並ぶものなき荒業と聖フランシスコ・ザビエルが申しておりました」
出羽守 「うむ、そこでじゃ、周。本来なら、古式にのっとり余が当家の頭領として、伯耄大山の荒行に出立すべきであるが、あいにく今年は三勤交代で江戸表にまいらねばならぬ。まことに残念な事態とわねばなるまい。ものは相談じゃが、周、余にかわって伯耄大山にいってくれぬか」(周の顔を覗き込む)

  
音響  激しい心臓の鼓動
 「(息を整えながら)殿よりの直々のお言葉なれば、喜んでお引受けすべきところ、あいにく、拙者、右足に脚気がでており、大事なお役目なればこそ、お引受け致し兼ねます」
出羽守 「すでに20余名のものに依頼したが、いずれも明日おもしれぬ病気もちばかり。周、そちが最後の頼みじゃ(哀願)」

 「右足だけでなく、左足も脚気がでておりますれば、ひらにごようしゃを」
出羽守 「昨日は奥女中のあやめと楽しげにテニスをしていたではないか、見ておったぞ!(皮肉っぽく)」

 「その後、急に脚気がでてまいり(冷や汗を拭く)」
出羽守 「しからば、これではどうじゃ。伯耄大山の荒行をみごとなし遂げたあかつきには、100石、加増いたそう。どうじゃ、周、脚気はなおったか?」

 「いつのまにか、全快しておりまする」
出羽守 「そうであろう、そうであろう。周、吉報をまっておるぞ」

2 橋本周の屋敷

  音響 小鳥のさえずり、竹藪にふくそよ風
語り 「ここは、橋本周の屋敷。おりしも周が妻、菊にことの次第を説明している」

 「すると、あなた様はこの大役をお引受けしたのですか(軽蔑をこめて)」
 「100石、加増と聞けば、ひきうけない訳にはいくまい。なにせ、来年は子供の高校受験もあるし、そちの訪問着も新調せねばなるまいし」

 「殿は、伯耄大山の荒行がどのようなものか御存知ないから、そんな呑気なことを言えるのです。よいですか、昨年、服部十蔵様がお引受けになり、いさんで大山縦走をしていかなることになったか」

3 大山縦走(1年前)

  音響 暴風雨
語り 「一年前、大山縦走中の服部十蔵」

十蔵 「(叫ぶ余は十蔵じゃぞ、風がなんじゃ、雨がなんじゃ、断崖絶壁がなんじゃ、大山縦走ぐらいでひるんで、岩見の荒武者といえるか、こわくないぞ、こわくないぞ(段々声が弱くなる)なむさん、神よ、もしあらば、この十蔵を助けたまえ。さ、あらざれば、我に罰をあたえたまえ」

  音響 急に激しくなる風雨。雷
十蔵 「なんだ、なんだ、なんだ、わいをおちょくってんか。こんなにたのんでるのに、こんな強い風、ふかせよって、あほんだら。雷様に臍、とられるやないけ」

  音響 突風。崖崩れの音 
十蔵 「あっ、落ちる、落ちるやないか。足の下、なにもないやないか。助けて、お願い、手、しびれる(岩に片手をかけて悲鳴をあげる)」

  音響 熊の雄叫び。飛んでくる熊の足音
十蔵 「(騒ぐ)なんだ、なんだ。なぜ熊が出てくるんだ。手かんでどうするの、あっ、ひっぱりあげてくれるの。痛いやないか、骨がちぎれるやないか。あぁーーーー」
  音響 骨が折れる音

4 服部十蔵の館(1年前)

  音楽 荘重な葬送曲
  音響 白装束のすれる音

語り 「服部十蔵の館。切腹をするため白装束になっている十蔵」

十蔵 「返す返すも残念なのは、熊に助けら れるとの醜態を演じたこと。あのまま谷に落ちていれば、かかるいきはじを晒さずにすんだものを。しかし、この失態、大殿に知られた以上、見事腹きってはてるより仕方ない。許せ、梅」

  音響 泣く十蔵の妻、梅
十蔵 「これが辞世の句じゃ。(熊であれば襲いくるものとおもいしを 伯耄の熊は人こゆる熊)」
  音響 さらに強く泣く梅

5 橋本周の屋敷(ふたたび現在)」

  音響 小鳥の囀り。竹藪にふくそよ風
 「その後、服部家はお家、断絶。梅殿はモスクワに移り、熊のミーシャと再婚し、熊女を出産。おお、いやじゃ、いやじゃ、わらわは熊の嫁などになりとうございませぬ。こたびの件、お断り下され(わめく)」
周 「しかし、一度引き受けると言った以上、断る訳にもいくまい(ぼそぼそと)」

 「ふん、子供の高校受験のためとは聞いて呆れる。おおかた江戸表で近頃出没する異国のダンサーとねんごろになるための費用であろうに」
周 「いや、けして、そのようなことは、断じてない(慌てる)」

 「分かりました。ことここに到っては、お断りすることもなりますまい。お引受けなさい。ただし、影武者をたてるのです」
 「なんと、影武者!(声が高く)」

 「お分かりになりませぬか。殿の体力で、伯耄大山の荒行、とても勤まりますまい。ここは下男の忠助を影武者にたて、みごと目的を達するのです」
 「あの体力だけが取り柄の忠助か?あれは、わしのような品格がないではないか」

菊 「いま必要なのは品格ではなく、体力です。すぐに忠助をおよびくだされ」

(以下 その2に続く)

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(28.8.25) 海外出張は千葉県会議員の役得 出張報告書の怪

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 24日の毎日新聞の朝刊を読んで笑ってしまったが、本当は笑って済ませてはいけないことなのだ。
記事によると私の住んでいる千葉県の県議会議員が海外出張をしたのだが、その報告レポートが全員同じだったという話である。
3グループ延べ29人が、台湾やドイツやイギリスに出張したのだが提出されたレポートはグループごとに同じだった。

 事務局の説明では同じ場所に行ったのだから同じ報告書でもいいといいうことのようだが、問題は出張報告書は個人ごとに提出しなければならずグループ報告でないのでこの説明は苦しい。
 
 現在千葉県議員の報酬は月額約90万円だが、それと同規模の研修費等の特別手当が出る。いわゆる政治活動費だがこの特別手当は目的が決まっていてその目的を逸脱する使用はできない。もしあまったら返還しなければならないが、そのような奇特な人はまれでほぼ全員がこの特別手当をきっちり使用する。
その時に目的に合った使用の証明にこのレポートが必要になる。

 今回問題になったの海外出張費はこの政治活動費から充当されていた。
議員には海外研修が必要なのだ。研修はほめられこそすれ何が悪い。レポートは全員一致で書いたものだ」と抗弁しているが実態はまるで違う。
もともと県会議員が台湾やドイツやイギリスに行って学ばなければならないようなことは現在ではほとんどない。
本当に情報が必要であったとしても今ではインターネットを検索すれば研修程度の知識は山のように集めることができる。

 だから実態は研修レポートを事前に事務局の若手に作成させておいて、議員は出張後それをコピーして提出しているだけなのだ。
研修が必要だから海外出張をしているのではなくて、政治活動費を使用するために海外出張をしているのだ
議員はしょちゅう海外であれ国内であれ出張するのはこの費用の使用をするためで、研修などははなからするつもりはない。
議員は一度やったらやめられん。政治活動費で観光旅行よ・・・・・」

 このことを明確に教えてくれたのが舛添前東京都知事で舛添氏は5000万円の費用をかけてロンドンやパリの美術館巡りの海外出張をしていた。
知事の資質として文化的教養を深める必要がある」との理由だったが、随行20名とともに美術館巡りばっかりしていてはその説明も苦しい。知事の教養と随行員の教養は違うからだが、知事の趣味を随行員に強要するのは褒められたものでない。

 はっきりしているのは議員の研修旅行というものの大半は観光旅行で、政治活動費がたっぷりあるから遊びに行っているだけだ。
もちろんアリバイつくりのために研修目的の場所の訪問はするが、相手の説明などまず聞いていない。
今夜はミュージカルで明日はルーブル美術館だ。オペラ座のオペラも見なければならないし、できれば男の下半身が活躍する場所がいいな・・・・」などと計画しているのが普通で研修など上の空だし、第一夕方からが本番だからまともに研修レポートなど作成するはずがない。

 こうして帰国後のレポートは事務員が事前に作成していたレポートをコピーして提出することになる。
いやはやパリのあすこはよかったですな・・・・・」
極楽とはあのような場所を言うのですな・・・・・」なんて会話は弾むが研修目的を覚えている人は誰一人としていないというのが実態だ。
だからほとんどの政治活動費は本来の目的を逸脱されて使用されており、今回の事例のように研修と称した海外旅行に使用されたり、実質的な生活費として使用されている。
もっとも議員からすれば「毎日新聞のやつ、額面の報酬を90万円程度に抑えて実際の報酬を180万円にしていたトリックを暴きやがって、ふてい野郎だ」ということになる。

 この問題の本質は表面的には必ずしも高額でない議員報酬が実際は相当高額でそのトリックがうその出張報告書ということだが、千葉県のように財政がひっ迫している自治体でこのような猫ババがいつまでも続くのは問題であろう。

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(28.8.24) 病気療養中のため二日に1回の割で過去のシナリオを掲載しています。 「シナリオ ぼくが生きた時 その6」

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本日(14日)から6日間はシナリオシリーズです。このシナリオは私がシナリオライターになろうとして努力していたころの作品で、半分以上は自叙伝です。
なお病気療養中のため過去の作品を掲載しております。


ぼくが生きた時 その6(最終回)

(シナリオシリーズのその6です。その1からの続きですので、その1、その2、その3、その4、その5を読まれていない方は「その1」、「その2」、「その3」「その4」、「その5」 リンクが張ってあります>からお読みください


○ 校庭(数日後,昼休み)


 鉄棒。一人でけあがりの練習している哲雄。そこに次郎がちかずいてくる。とおくで様子をうかがっているアキオと子供達。アキオは棒をもっている。次郎を見て戸惑う哲雄。

次郎「哲雄ちゃん,今日,学校終わったら魚取りにいかないか」
哲雄「(とまどいながら)あの,ぼく,都合がわるいんだ」
次郎「なんで,この間,池で魚とろうと約束したじゃんか」

哲雄「でも,駄目なんだ」
次郎「身体が悪いのか?」
哲雄「(当惑して)ううん」

次郎「網,なくしたんか?」
哲雄「ううん」
次郎「じゃ,なぜなんだ?」

  二人をうかがっているアキオ達の存在に気付く哲雄。

哲雄「(強く)ぼく,だめなんだ。本当にだめなんだ。もう誘うの止めてくれよ」

  アキオ達が二人にちかづいてくる。アキオは手に持っている棒をわざと振り回している。

アキオ「おい,次郎。哲雄がこんなにいやがってんのに,なに無理やりさそってんだよ。哲雄はお前と遊ぶのいやだっていってるだろ」
次郎「哲雄ちゃん,本当か?」

哲雄「・・・・・・」
アキオ「いやだってはっきりいってやれよ。不良とは付き合いたくねえってよ」
哲雄「・・・・・・」
次郎「本当か?」

アキオ「ばかやろう。嫌だっていってるだろ」

 手に持っていた棒で急に次郎をぶとうとするアキオ。一瞬ひるむ次郎。その隙をついて子供達全員が次郎に襲いかかる。次郎の服がやぶける。鼻血を出している次郎。執拗に次郎をあしげりする子供達。蒼白になっている哲雄。哲雄が職員室に助をもとめに走る

○職員室(続き)

  真っ青になって,職員室に飛び込んでくる哲雄。教師がびっくりして哲雄の顔を見る。立川先生のところに駆け寄る哲

哲雄「せ,先生,来て。大変です。 みんな,喧嘩してます」
立川先生「だれが喧嘩してるんだ」
哲雄「次郎ちゃんです」

  
立川先生「(うんざりした表情で)また,あいつか。誰がやられてるんだ」
哲雄「あの,次郎ちゃんです」
立川先生「誰に」
哲雄「アキオちゃん達が次郎ちゃんをなぐってます」

  間
立川先生「哲雄,それならかまわん,ほっておけ。次郎にはいい薬だ」
哲雄「だって次郎ちゃんが」
立川先生「いいんだほっておけ」

  悄然と職員室をでていく哲雄。あしげりされている次郎。

○ 教室(翌日の昼)

  昼休み。アキオが藁半紙を持っている。周りに集まっている子供達。次郎はいない。

アキオ「次郎のやつ,やけにいばってねえか弱いくせによ。このあいだもタコをパンチして生意気だ。タコはなんにもしねえのになぐられてんだぞ。タコがかわいそうだ」
子供A「ソウダよ、タコがかわいそうだ」

タコ「ぼく,いつも次郎にいじめられるんだ(泣き出す)」
アキオ「次郎は不良だってかあちゃんがいってたぜ」
子供A「あいつは完全に不良さ」

アキオ「あいつなんか、いなきゃいいんだ。そうだろう?」
子供A「そうだよ。抹殺すりゃいいんだ」
子供B「先生も次郎はどうしょうもないヤツだっていってたよ」

アキオ「次郎の葬式ごっこをする。次郎の葬式をするのに反対のやつはいるか(じろっとあたりをみまわす)」
子供A「反対するもんなんかイネイヨ」

  笑う子供達。

アキオ「よし,決まった。みんなで次郎の葬式ゴッコをする」
  はやす子供達。

アキオ「次郎の葬式ごっこするぞ、葬式ごっこするものこの指とまれ」

  いっせいにアキオの指に集まる子供達。アキオの周りに集まって藁半紙に書き込みをする

アキオ「(読む)次郎、お前が死んで、おれはうれしいぜ」
  はやす子供達。

子供A「(読む)地獄にいけ、次郎」
  笑う子供達。

子供B「(読む)死ね、悪魔の子」
  笑う子供達。

子供C「(読む)死をもって償え」
子供A「(まわりを見回しながら)なんだよ。 女の連中はかかねえのかよ」
アキオ「おい、康子、かけよ(おどす)」
  いやいや書く康子

アキオ「康子も書いたぞ。全員で書くんだ」
  女生徒全員が書き込みをする。

アキオ「まだ,書いてないものいねいだろうな(念を押す)」
子供A「哲雄がまだ書いてねえ」

 全員で藤沢哲雄の顔をみる。下をむいている哲雄。

アキオ「なんだ,哲雄,お前,なぜ書かないんだ。また仲間外れになりたいのか!」
哲雄「・・・・・・・・・・」
アキオ「みんな書いたぞ。鞄やぶくぞ」

  哲雄の鞄を取り上げるアキオ。

哲雄「やめてくれよ(弱く)」
 アキオが哲雄の胸をつかむ。

アキオ「じゃ,書くんだ。哲雄,お前は先頭にかけ」
哲雄「(泣き声)なんて書いていいか分からないよ」
アキオ「『次郎,死ね!この日を待ってた哲雄』と書け」

哲雄「ぼ,ぼく,書けない」
アキオ「タコ,ヒロ,鞄をやぶけ」

  タコとヒロが哲雄の鞄を両方から思いっきり引っ張る。無残に裂ける鞄。

哲雄「や,止めてくれ」
アキオ「なまいきいうんじゃねえ。みんな,哲雄をやっちゃえ」

  全員で哲雄にとびかかる。鼻血をだしながらたたかれている哲雄。

アキオ「(かたで息をしながら)もう,いいこんなやつほっておけ。おい、タコ、先生にも書いてもらってこい。葬式ごっこだからなんでもいいから書いてくれって言うんだ。先頭に書かせろ」
タコ「誰の葬式だって言われたら、どうする」

アキオ「まだ、決まってねいって言え。次郎のだなんて絶対にいうなよ」
タコ「うん」

  教室を飛び出していくタコ。

○ 教室(1時)

  藁半紙をじっと見つめている次郎。息をひそめて次郎の様子をうかがっている子供達。一番最初に立川先生の文字。

次郎「(心のなかで)『君が死んだことを聞き、先生はほっとしました。おめでとう。立川』」

  立川先生が教室にはいってくる。教師の顔を見る次郎。急に藁半紙を破り捨て、教室から飛び出す。あっけにとられる立川先生。一斉に喝采をあげる子供達。哲雄がかなしそうに次郎の後姿を目でおっている。

○ ローカル線の沿線(1時間後)

  高架のローカル線のはしをとぼとぼと歩いている次郎。線路に耳をあて列車がちかずいているかどうか調べている。近かづく列車の音。線路から耳を離さない次郎。列車のちかづく音が大きくなり、警報の汽笛が鳴る。ようやく線路から離れる次郎。次郎の前を通り過ぎる列車。再びあてどもなく線路の上を歩いている。


  ふたたび、線路に耳をあてる。列車のちかづく音。だんだん大きくなる。警報の汽笛。どかない次郎。

 回想『イネのさいごの言葉』

イネ「次郎、人間は生きるために喧嘩しなくちゃ、いけない時あるの。ばあちゃん、山口に行ったら、もう、次郎を助けてあげられない(嗚咽)。だから次郎、お前は一人で強く生きるの。学校のガキ大将とも母さんともたたかって、負けちゃいけないの」
次郎「ばあちゃん、ぼく、約束する。絶対負けない」

  次郎を強くだきしめるイネ
 回想 終わり

  はっとして、線路から離れようとする次郎。あわてたので枕木に足をとられ、動けない。警笛の響き。懸命に足を枕木からはずそうとする次郎。近づく列車。運転手の慌てた表情。警笛。目をつぶる次 郎。急に横から哲雄が線路に飛び出し,次郎のからだにおもいっきりぶつかる。列車が通過する寸前に二人の身体が高架から転げ落ちる。側の鉄柱に頭をうちつける次郎。爆音を轟かして通り過ぎる列車。機関士のバカヤローというどなりごえが消えていく意識の合間に聞こえる 

○ 線路下(2時間後)

語り「僕はしばらく意識を失っていた」

  意識がもどる次郎。しばらく自分の置かている立場が分からない。頭をかるく振る。側に哲雄が座っている。顔から血がででいる。不思議そうに哲雄の顔を見つめる次郎。

次郎「哲雄ちゃん,どうしたの?」
哲雄「へへ,ふたりで落ちたんだ」
次郎「どこから?」

哲雄「あすこ(線路を指さす)」
次郎「どうして?」
哲雄「おれが,次郎ちゃんにぶつかったんだ。だって,次郎ちゃん,列車にひかれそうだったんだもん。死んじゃうのかと思った」

  
次郎「ここにいるの、どうしてわかった?」
哲雄「心配だからあとからついてきたんだ。そしたら次郎ちゃん,線路のうえからはなれないんだもん。おれ,驚いちゃった」

  間
次郎「哲雄ちゃん,おれとあそぶのいやなのんじゃないか?」
哲雄「ううん(首をふる)」
次郎「じゃ,このあいだ魚とりいくのなぜいやがったんだ」
哲雄「次郎ちゃんと遊ぶと,アキオに鞄破くっていわれたんだ」

  
哲雄「でも,おれ,葬式ごっこ嫌だといったんで鞄破かれちゃったからもういいんだ」

  (顔をじっと見つめあう)
次郎「じゃ、これから魚とりにいこうか?」
哲雄「うん」

○ 小川(続き)

  幅2メ-トル程度の小川。両方をせきとめ,中の水をせきとめて鮒をてずかみでとっている次郎と哲雄

次郎「哲雄ちゃん,そっちに逃げた。捕まえろ」

  二人で泥まみれになって魚をとっている。 つかれて,土手に腰をかける二人。

哲雄「次郎ちゃん,明日,学校にいくの?」
次郎「(強く)行く」

  
哲雄「また,アキオが意地悪するよ」
次郎「逃げれば,また苛められる。ぼくは絶対に逃げない」
哲雄「鞄,破かれるかもしれないよ」

次郎「哲雄ちゃん,心配しないでいい。あす一番にアキオの鞄を破ってやる」
哲雄「先生が怒るよ」

  
次郎「それでもいい。だってばあちゃんと約束したんだ。男の子は戦うんだって」

  (笑う二人)
次郎「魚取り,続きをしようぜ」
哲雄「(元気よく)うん」

  流れる雲。せせらぎ。桑畑。肩を組んで桑畑を帰る二人。
                                       
                                        終わり

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(28.8.23) 実に楽しめたオリンピックが終わった。日本選手の活躍にびっくりだ!!

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  ずいぶん楽しませてくれたオリンピックが終わった。私は昔からのスポーツ好きだからこの間はテレビにくぎ付けになる。しかも完全退職者だからいつまで見ててもいいのだが、さすがに日本選手が活躍しない種目は見る気がしない。
今回は日本選手の活躍が目覚ましく私は手に汗握ってテレビを見つめていた。

 当初は体操内村選手が鉄棒から落下したり、柔道はいつまでたっても銅メダルばかりだったので、「これは今回目標の金メダル14個はとても無理でせいぜい7個程度か・・・・」と悲嘆に暮れていたが、女子レスリングが快調に4個の金メダルを量産してくれたので最終的には12個の金メダルになった。
銀・銅を含めたすべてのメダル数は41個でこれは過去最高だという。
よかった、どうにか目標圏内に入った……すべて女子レスラーのおかげだ・・・」満足した。

 今回私がもっとも興奮してみていたのは卓球で、いつもならこうした地味なスポーツを見ることは少ないのだが、女子の福原愛選手や石川佳純選手や男子の水谷隼選手が大活躍していたので熱烈応援をしてしまった。
もともと卓球は中国が抜きんでて強くそのあとを日本とドイツがほぼ同一水準で追っている構図だが、今回の試合を見ていて中国との差がもう一歩まで縮まってきたのを感じた。
よっしゃ、これなら東京オリンピックでは中国を打倒できるかもしれない…・」期待が持てる。
最終的には男子団体で2位、女子団体で3位、個人では水谷選手が銅メダルを獲得したが、内容的にはそれ以上のものがあった。

 特に福原愛選手が勝って喜びに泣き負けて悔し涙で泣いていたのが印象的で、福原選手が泣くと私も一緒になって泣いてしまった。
この人は本当に懸命に努力している。持てる力の100%以上を出してがんばっている。がんばれあいちゃん、頑張るんだ!!」年を忘れて大興奮してしまった。

 オリンピックでは100%程度の努力ではメダルが取れない。それは相手選手も100%超える力を出しているからで、このときは鬼神に化身して人間を超える必要がある。
かつてマラソンの有森裕子選手は「自分をほめてあげたい」ほどの力走をしてメダルを獲得したが、走っているときの自分は自分であって自分でない存在だったはずだ。

 オリンピックでは0.01秒を競うが0.01秒は水泳ならば1㎝、陸上ならば10cm程度の距離だ。この0.01秒の相違で順位が決まるが、その差はほとんど精神力で決まる。だから勝とうとする意欲が強いものが最終的にメダリストになるのだ。
あいちゃんのように鬼神にならなければ決してメダリストになれない。    

 それにしても今回のオリンピックで私が最も驚いたのは男子400mリレーが銀メダルに輝いたことだ。これはほとんど考えられない快挙だ。柔道や体操や水泳ならば金メダルを取っても驚かないが、陸上400mリレーには心底驚いた。ここはかつても今も黒人ランナーの独壇場で白人系や黄色系のランナーが短距離で決勝に進出することはほとんどない。
実際今回もリレーランナーは誰一人として100m決勝に残らなかったが、バトンタッチの技術が世界最高だったためジャマイカのボルト選手さえ驚愕するような走りだった。
第4走者のボルト選手が走りながら並走する日本のケンブリッジ選手の横顔を見て「なんなんだ、こいつは!!」という顔をしていたのが実に印象的だった。
日本人は体力に劣っても技術力でカバーする典型例がこの400mリレーだったが、日本の将来を暗示させる好適例だと言っていいだろう。

 何しろこんなに楽しませてくれたのだからオリンピックはいいものだと心から思う。


 

 

 

 

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(28.8.22) 病気療養中のため二日に1回の割で過去のシナリオを掲載しています。 「シナリオ ぼくが生きた時 その5」

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  本日(14日)から6日間はシナリオシリーズです。このシナリオは私がシナリオライターになろうとして努力していたころの作品で、半分以上は自叙伝です。
なお病気療養中のため過去の作品を掲載しております。


(ぼくが生きた時 その5

(シナリオシリーズのその5です。その1からの続きですので、その1、その2、その3、その4を読まれていない方は「その1」、「その2」その3」、「その4」リンクが張ってあります>からお読みください


○ 自宅(夜)

  布団をひく次郎。夕御飯をたべずにねようとする。破れた上着を隠している。和子が不信に思い声をかける。

和子「次郎、どうしたの。ご飯たべないの? 風邪でもひいたの?」
次郎「今日、食べたく無い。寝る」

  布団の中で

次郎「ばあちゃん、ぼく、今日、アキオと闘った。ばあちゃんに言われた通り、ぼく、闘った。上着破られたげど、ぼく、負けなかった。アキオが泣いた。ぼく始めて泣かなかった」

○ 学校(昼休み)

語り「僕はいつかクラスで一番身体が大きくなっていた。そして喧嘩してみて、始めて自分が必ずしも弱くないことを知った」

  杉の木の鬼。雄叫びをあげながら次郎に迫ってくる子供達。最初にやって来たタコをおもいっきりなぐりつける次郎。泣くタコ。猛然と次郎に飛びかかるアキオ。とっくみあいの喧嘩。アキオをなぐる次郎。おさえつけられるアキオ。アキオに加勢する子供。辺りかまわずちかづく子供の腹を蹴飛ばす次郎。だれも次郎にかなわない。泣く子供。肩で息をする次郎

○ 教室(放課後)

  担任の立川先生が喧嘩の原因を聞いている。

立川先生「えぇー、どうしたんだ。どうしてこうなったんだ。言いなさい」

  黙っている子供達

立川先生「次郎、なんでみんなの腹をけったんだ、えぇー、あぶないじゃないか」

  唇を噛みしめてなにも言わない次郎。顔に擦り傷がある。

立川先生「最初に手をだしたのは誰だ(大きな声で)」
アキオ「次郎だよ、次郎がタコの腹を蹴っ飛ばしたんだ。だから、オレ、止めようとしたら、次郎がオレにパンチしたんだ。だから、喧嘩になったんだ。ナアー、みんな、そうだよなー」
子供達「(はやす)そうだ、次郎だ、次郎だ」

  黙って唇をかむ次郎。藤沢哲雄が手をあげようとする。

哲雄「あの・・・・」
立川先生「なんだ哲雄」
アキオ「哲雄,本当のこといえよ(睨みつけるアキオ)」

哲雄「いえ、なんでもない(口籠もる)」
立川先生「次郎,お前が最初にやったのか?」

  黙って答えない

  
アキオ「みんなみてたんだ、なあ。次郎が先にやったんだよな」

  そうだ,そうだとはやす子供達

立川先生「よし、分かった。他の者は帰っていい。次郎、お前は先生がいいと言うまでそこでたってなさい(決心したように)」
子供達「(はやす)ヤーイ、ヤーイ」

  天井をキッと睨んでいる次郎。

○ 教室(夕暮れ)

  暗くなる教室。ひとりたたずむ次郎。

次郎「(独白)ばあちゃん、ぼくばあちゃんとの約束まもってる。だってぼく、泣くといじめられる。だから闘うんだ」

  立川先生が教室に入ってくる。先生が優しく語りかける。

立川先生「次郎、どうしたんだ。お前、まえはこんな事、しなかったろう。喧嘩して、いつも泣いてた次郎が、どうしてパンチなんかするようになったんだ」

  
立川先生「先生、怒らないから、いってごらん」

  唇をかみしめたままの次郎。

立川先生「次郎、次郎にはおばあちゃんがいたな」

  びっくりして先生の顔をみる次郎。

立川先生「おばあちゃん、国に帰る前に先生のところにきた。おばあちゃん、次郎を助けてくれといってきた。家の話みんな聞いた」

次郎「(はじけるように)ぼく、ぼく、いつも泣いてた。だからぼくいつもいじめられた。だから、ぼく、もう泣かない。ばあちゃん、男の子は強くなれって言った。だから、だから、パンチしたんだ」

  
次郎「ぼく、そうしないと、いつも鬼だからだから、ぼく・・・・」

  じっと次郎をみつめる立川先生。

立川先生「次郎、分かったから、もう帰っいい。(間)ただパンチはよくないな」
次郎「うん」

○  映像

  アキオとの喧嘩。殴りつける次郎。互いの服が破れる。おびえる子供たち。次郎の後ろに回って次郎の足を蹴飛ばそうとするタコ。次郎が先に気付きタコの頬をおもいっきり引っぱたく。大声で泣き叫ぶタコ。

○ 父兄会(数日後,午前中)

  アキオの母親、下村まさ(33才)が立川先生につめよっている。同調する他の母親

まさ「先生は御存知ないかもしれませんが、この頃斉藤君の暴力には、ほとほと手をやいてるんですよ。先だっても、アキオの服がボロボロに破かれているんで、聞いたら斉藤君にやぶかれたっていうじゃありませんか。服、破かれてるの、アキオだけじゃありませんよ。他の生徒だってみんなそうです。それにタコちゃんなんか、いつもなんの理由もないのに斉藤君にたたかれてるんですよ。ねえ、みなさん(同意をもとめる)」

  うなずく他の母親。

母親A「斉藤さん、ちかごろ父兄会にいらっしゃらないけど、ちゃんと出てきて実情を把握してもらいたいものですわ」

  うなずく他の母親。

立川先生「はあ、お怒りはもっともですが、これには何か訳があると思います。よく調べてから次郎に注意しますから、すこし時間をください」

まさ「なにも訳なんかありません。斉藤君は不良なんじゃないですか。このままでは安心して子供,任せられません。きちっとしてください。いいですか、先生(強い調子で)」
立川先生「はあ,お約束します」

まさ「(皮肉っぽく)先生は斉藤君のおばあちゃんに何かいれ知恵をされているってもっぱらの評判ですよ。えこひいきしているって言う人もいますし」

立川先生「(あわてて)あっ,いえ,そんなことは決してありません。次郎には私から厳しく言っておきます」
まさ「どうしても駄目なら,校長先生にもご相談しなければと皆さんと話し合っていますのよ(十分な皮肉をこめて)」

  同調する母親。額の汗を拭う立川先生。

○ 職員室(昼休み,続き)

  立川先生の前に立っている次郎。イライラしている立川先生。他の先生がきき耳をたてている。

立川先生「次郎、先生は次郎にまえ、言ったろう。暴力はいかんと。なんでパンチするんだ。もうすぐ中学生になるっていうのにいつまでガキなんだ」
次郎「・・・・・」
立川先生「次郎、だまっていちゃわからんだろう(声を強める)」

次郎「・・・・(唇をかみしめたまま何もいわない)」
立川先生「アキオとタコのお母さんが、理由もなくお前がなぐるといってきたぞ。お前はいつからそんな悪い子になったんだ、えー(興奮する)」
次郎「・・・・」

  思わず,立川先生が次郎の胸ぐらをつかむ。

立川先生「次郎、いってみろ。だまってちゃ分からんだろうが」
次郎「(昂然と)ぼくは悪くない」
立川先生「なにをいうんだ。馬鹿(頬をたたく)お前は先生のいうことが分からんのか。そんなことじゃ,中学になったら不良になるぞ」

次郎「(弾けるように)ぼくはタコにいつも服,破られたんだ。そのときぼく、先生にいいつけなかった。いつもぼく、鬼だったんだ。でも、だれもかくれんぼ、やめようって言わなかった。アキオとタコなんかなぐっていいんだ」

立川先生「そ,そんな,古い話をきいてるんじゃない。いまのことをいってるんだ」
次郎「お母さんはいつもたたく。先生もそうだ。だからぼくだってたたいていいんだ」
立川先生「ばかやろう。この不良が!(ふたたび頬をたたく)」

  右頬をおさえ職員室を飛び出す次郎。茫然と見送る立川先生。

○ 校庭(同昼休み,続き)

  杉の木の下に子供が集まっている。アキオとタコが藤沢哲雄を詰問している。

タコ「哲雄,お前,やけに次郎となかいいじゃねいか。いつから子分になったんだよ」
アキオ「(すごむ)次郎と遊ぶと俺たちの仲間にいれないといっただろう」
タコ「仲間外れになってもいいのかよう。学校にこらせねえぞ」

  タコが哲雄の肩をこずく。

哲雄「・・・・・・・・・」
アキオ「いいか,哲雄,次郎にもうおまえとは遊ばないと言え。仲間外れになりたくなかったら次郎に言うんだ(強く)」
哲雄「やだ」
アキオ「お前,いい鞄もってるじゃないか。こうなってもいいのか?」

  アキオが哲雄の肩かけ鞄をとりあげ足でふみつける。他の子供も鞄を踏みつける。泣き出す哲雄。

哲雄「なにするんだよう。かあちゃんにおこられるよう。止めてくれよ」
タコ「金もないくせにいい鞄買うんじゃねい」
アキオ「弱いくせに強がるからいけないんだ鞄,破け」

  鞄を破こうとする子供達。教科書が地面にこぼれ落ちる。

哲雄「(泣き声)やめてくれよ,かあちゃんが働いて買ってくれたんだ」
アキオ「じゃ,次郎と遊ばないというか?」
哲雄「(不承不承)うん,いう」
アキオ「おい,鞄をかえしてやれ」

  ようやく哲雄にかえされた鞄。教科書が泥でよごれている。

アキオ「いいな,次郎と遊ぶとまたこうなるらな(脅す)」

  肩をいからせながら去っていく子供達。茫然とたたずむ哲雄。

(明日に続く)

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(28.8.21) なぜデフレが発生し、しかもどの国にも同じように起こるのか?

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 長い歴史を見ていると歴史は繰り返すものだとしみじみ思ってしまう。日本経済がバブル崩壊後ほぼ25年間にわたってデフレに苦しんでいるが、歴史を見るとこれは何も日本だけの経済現象ではなくどこの国にも起こる一般現象だということが分かる。

 最初にデフレの病にかかったのはイギリスだが19世紀の後半の約50年間イギリスはデフレに悩まされた。毎年のように物価は下落し最終的には約半分の価格になってしまったが、イギリス経済が生産過剰に陥ったことによる。
ドイツとアメリカの追い上げがあってイギリスの生産能力が需要量を超えてしまったためだが、この調整が済むまでイギリスのデフレは終息しなかった。

 次にデフレに襲われたのはアメリカだが。1929年の世界大恐慌とは本質的にはアメリカを襲ったデフレの嵐である。 第一次世界大戦で世界の工場に躍り出たアメリカだが、有り余る生産力がこのころになると過剰になってしまった。ヨーロッパ経済が復興するにしたがってアメリカの輸出が伸びなくなり過剰生産に陥ったからである。
アメリカでは製造業の投資機会が失われたため、有り余っていた資金は不動産へと向かいマンハッタン等の不動産価格を急上昇させたが、不動産バブルは度を越せば調整局面に入る。
その後アメリカは第二次世界大戦が起こるまではチャップリンが描くモダン・タイムスの世界になり巷に失業者があふれあらゆる価格がここも約半分になってしまった。
アメリカがこのデフレから立ち直ったのは究極の公共投資と呼ばれる戦争が始まったからで第二次世界大戦で息を吹き返した。

 20世紀の後半は日本の時代だったが中国と韓国の追い上げで日本も過剰生産に陥り1980年代後半には余剰資金が設備投資ではなくほとんど不動産と株式に投下された。当時の経営者で不動産投資をしない経営者は無能と呼ばれ馬鹿扱いだった。
当時の不動産価格の上昇は半端でなく通常の経営をするのがばかばかしくなるほどだったが、これが不動産バブルというものだ。
日銀が資金供給を絞ったため、1990年を境にバブルが崩壊すると日本はその後約25年間に及ぶデフレの脅威に悩むことになる。
日銀の黒田総裁がインフレ目標2%と叫んでいくら資金を市中に投下してもインフレにならないが、不動産価格の調整が済むまでこのデフレは進むからだ。

注)なお日本に限って言えば人口減少が激しく不動産価格が上昇する要因がない。大都市の一部で値上がりしているのは中国人が資産の逃避を図っているため。

 
なぜ高度成長をして世界の先端に躍り出た国にデフレが襲い掛かるかというと、いづれも高度成長期に設備投資を行いすぎて製品が売れなくなり、一方でそれまでの自己資金の蓄積や金融機関の過剰融資に誘発されて、「本業がだめなら不動産と株式だと一攫千金を狙うからだ。
だが不動産投資は必ずどこかでバブルがはじける。不動産は使ってなんぼのものだが、それ以上の不動産は不必要だからだ。

 現在このデフレの圧力が襲い掛かっているのが中国で1990年ごろから続いた高度成長が過剰生産を引き起こして、デフレ局面に入ったからである。中国経済は2014年にピークを打ってその後は長期低迷期に陥っている。
すべての生産力が過剰で鉄鋼などは必要な生産規模の約2倍程度の生産力があるためどうにもならない。
本来は競争力のない企業が淘汰されて調整は終わるのだが、中国の場合は鉄鋼、石炭、アルミ、電力といった基幹産業がすべて国有企業のため、倒産させるわけにいかない。
掛け声だけで生産調整は一向に進まず過剰生産が続いて特に工業製品物価は急下降している。
経営者は投資機会を失い、ここでも余ったは資金は不動産に向かっており不動産バブルは農村部では崩壊しているが、相も変わらず大都市の不動産ブームはつづいている。

 最後は不動産に資金が集中しそれがはじけてこのバブルは終息するがこのパターンはイギリス、アメリカ、日本、中国ともみな同じだ。
経済などというものはすることが同じであれば結果もみな同じなのだ。
今中国は統計数字をごまかすことでこの事実を隠蔽しようとしているが、中国がどこの国にもあった長期デフレ局面に入り高度成長が終わったことは確実だ。

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(28.8.20) 病気療養中のため二日に1回の割で過去のシナリオを掲載しています。 「シナリオ ぼくが生きた時 その4」

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  本日(14日)から6日間はシナリオシリーズです。このシナリオは私がシナリオライターになろうとして努力していたころの作品で、半分以上は自叙伝です。

なお病気療養中のため過去の作品を掲載しております。

ぼくが生きた時 その4

(シナリオシリーズのその4です。その1からの続きですので、その1、その2、その3を読まれていない方は「その1」、「その2」その3」リンクが張ってあります>からお読みください

○ 自宅(数日後の真夜中)

語り「そして、ある夜」
和子「次郎、きなさい、起きなさい、すぐに起きるの(興奮した声)」

  灯りがついており、令子と則夫が隅で泣いている。興奮している父母。諦めきった顔のイネ。

和子「次郎、父さんはね、あたしにでていけっていうんだよ」
一郎「出ていけなんていってない。あなたがこんな貧乏所帯にいるのがいやなら、出ていってもいいといったんだ」
和子「なによ、でていくさき、ないの分かってて、そういうこと言う」

一郎「や、山口に、いったらいい(つっかえながら)」
和子「じゃ、子供はどうするの、次郎は!令子は! 則夫は!(ヒステリックに)」
一郎「出ていくものがそんな心配しなくていい!(強く)」

  大声で泣き出す令子と則夫。下を向く次郎。

和子「なら、子供に聞いてみる。次郎、おまえ、どうする? 母さんといく? 父さんといる?(超興奮状態で)」

  下を向き、答えない次郎。次郎の胸をつ かみ、揺する和子。

和子「答えなさい、次郎!」
イネ「やめなさい。和子!(強くたしなめる)子供にそんなこと言って、答えられる訳ないでしょ!」

  (長い沈黙)
イネ「(決心したように)山口には、おばあちゃんがいきます。一人でも、減れば、少しは助かるでしょ。だから、和子、そんなこと子供にいうのはおやめ!」

  (父母が驚いて、イネの顔をみる)
次郎「ばあちゃん、山口にいっちゃうの?ぼく、ぼく,ヤダ(涙ごえ)」

  
イネ「次郎、大人の世界では、どうしょうもないこと、あるんだよ。お前も、大人になったら分かるから、だから、おばあちゃんが山口にいっても我慢するの(言い含めるように)」
次郎「ヤダ(目に涙をためる)」

  次郎の頭を静かにさするイネ。沈黙。破れた障子。割れた硝子窓。

○ 台所(1カ月後)

  イネと次郎。イネが次郎の肩にてをかけ諭すように話かけている
      
語り
「しかし、すぐに祖母は、山口に行かなかった。おそらく、大人の社会には難しい手続きがあり、それに数カ月要したのだろうと思う。山口に行く前日、祖母は僕に言った」

イネ「次郎、今日は、おばあちゃんのいうこと、よく聞くの。そして、絶対にわすれちゃ、だめだよ」
次郎「うん」

イネ「母さん、今、死のうとしている。次郎をつれて、死のうとしている。だから、次郎、母さんがどっかにいこうと言っても、絶対についていっちゃいけないよ。それになにか、へんなもの食べろといっても、絶対にたべちゃいけない。食べたふりして、吐き出すんだよ」

次郎「うん、ばあちゃん、そうする」
イネ「次郎、お前はほんとうにいいこだ。ばあちゃん嬉しい。(大きく息をして)でも次郎、本当は、ばあちゃん、次郎にとってもわるいことしたと、思ってる」

  (じっとイネの言葉に耳を傾けている次郎)

イネ「和子がこんな我慢なしに育ったの、みんなばあちゃんの責任だ。地主の子だといって甘やかしほうだい、甘やかしたから・・・ばあちゃん、昔、農地開放でたんぼ取られたとき、本当に悲しかった。でも、それよりもっと悲しかったのは、次郎、お前が和子に叩かれて、泣いているときだった
 ・・・・・・・」

  
次郎「ばあちゃん、ぼく、もう泣かないからだから、だいじょうぶだよ」

  次郎を強くだきしめるイネ。次郎の顔を見つめながら。 
          
イネ「よくお聞き、次郎。ばあちゃん、ず-っと次郎のこと見てきた。次郎はとっても心の優しい子だ。だけどね、次郎。男の子は心が優しいだけじゃ生きていけないよ」

  うなずく次郎。

イネ「次郎は小さい頃、いつも近所の子に仲間外れにされて、泣いていた。学校でも、ガキ大将にいつも泣かされてるだろ。運動会のとき、ステテコはいてって、次郎、泣いてたじゃないか。ばあちゃん見てたんだ」

次郎「ぼく、泣きむしだから・・・・」
イネ「次郎、いいかい、泣く子はいつも泣かされるんだよ。だから、男の子はけっして泣いちゃいけない」
次郎「ぼく、喧嘩強くないから・・・」

イネ「次郎、人間は生きるために喧嘩しなくちゃ、いけない時,あるの。ばあちゃん山口に行ったら、もう、次郎を助けてあげられない(嗚咽)。だから次郎、お前は一人で強く生きるの。学校のガキ大将とも母さんともたたかって、負けちゃいけないの」

  

次郎「ばあちゃん、ぼく、約束する。絶対負けない」

  ふたたび次郎を強くだきしめるイネ

語り「それが祖母の最後の言葉になった。祖母は山口に帰ると体調を崩し、そのまま帰らぬ人となったという。しかしあとで、僕は祖母が自殺したのだと聞いた」

○ モンタージュの連続

  食事時、ご飯茶碗を一郎に投げつける和子。体にくっついたご飯粒を黙ってとる一郎

  6畳間。令子の髪の毛をもって、引きずり回す和子。泣き叫んでいる令子。茫然と見ている次郎と則夫

  包丁を持って次郎を刺そうとする和子。座蒲団で防いでいる次郎。和子の足を思いっきり蹴飛ばす次郎。もんどりうって倒れる和子

○ 校庭(放課後)

  がき大将のアキオのまわりに集まっている子供達。いつものかくれんぼをするところ
               
アキオ「おい、次郎、オメイ、また鬼だ。ヤレヨ」
次郎「(ちから強く)ヤダ、しない」
アキオ「(胸をつかんで)ナンダよ、次郎、オメイ、そんなこと言えるのかよ。昨日の最後の鬼だろ」

次郎「(手を払いのけて)鬼はしないときめたんだ」
アキオ「(もう一度胸をつかんで)泣きをみていのかよ」

  タコが後ろから次郎にちかずき、次郎の足を蹴飛ばす。振り返りざまタコの横顔を張り倒す次郎。張り倒された頬をおさえ、びっくりして泣き出すタコ。アキオの顔色が変わり、猛然と次郎に飛びかかる。次郎とアキオのとっくみあい。次郎の上着が破ける。周りであっけにとられて見ている子供達。次郎がアキオを引き倒す。下でもがくアキオ。

アキオ
「(もがきながら)タコ、ヒロ 次郎にかかれ」

次郎に襲いかかるタコとヒロ。タコをあしげりにする次郎。飛ぶタコ。もうだれも二人にちかづかない。ついに泣き出すアキオ。唖然として見ている子供達。



明日に続く)

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(28.8.19) ブログを記載して10年 21世紀の社会が見えてきた

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 私がブログを書き始めてほぼ10年になる。毎日記載しているから3500程度の記事数になっているのだろう。最近は過去に記載した旅行記等を再掲しているからネットではどの程度になるかわからないが相当の数であることは確かだ。
当初私のような市井の老人の書いた記事が多くの人に読まれるとは思っていなかったが、意外にも好評でついに500万アクセスを超えたときは自分でも驚いた。

 何しろ内容が経済や政治の評論が主で金儲けを意図したブログではないし、私自身が有名人でもないのでこの500万アクセスという数字は驚異だ。
いやはや大したものだ

 実際ブログを書くには相応のエネルギーが必要で、資料集めから始まって記載したブログの校正まで含めると3時間から4時間程度の時間が必要になる。それを毎日欠かさず行うとなると生半可なエネルギーでは済まない。
現在は病気療養中のためブログの記載は二日に一回にしているが、おかげでずいぶん精神が休まっている。
まあ特に金をもらって記載しているわけでないから気楽に行くのが一番だ」割り切ることにした。
しかし考えてみれば市井の一老人が新聞社や出版社に伍して自由な情報発信ができる時代というのは驚くべき時代といえる。

 かつては民間人の情報発信などは新聞社や出版社と契約を結んだ一部の知識人の独占物だったが、今は全く自由に低価格でだれでも世界中に情報発信ができる。
インターネットが発達し、無料のブログ掲載ができるからだがこのような時代が来るとは思いもしなかった。
長らく生きていると何が起こるかわからないからそれだけでも生きている価値はあるというものだ。

 今は世界史の転換点でアメリカが世界を支配した時代が終わろうとしており、その間隙をついて中国が世界国家に躍り出ようと画策してきたが、中国経済の崩壊でその野望はついえた。
しかし中国の野望がついえたとしてもアメリカ一国支配の時代がどのような形で収束するかはまだ不明だ。

 21世紀は日本の時代だと主張する人もいるが、私はどこの国も支配国家にはなれない団栗の背比べのような世界で、しかも互いに干渉をしない無関心の時代になるのだろうと思っている。
すでに世界経済は収縮し始めて貿易量は激減しており、GDPも停滞局面に入っている。
世界経済を拡大する仕組みだったTPPはアメリカが拒否して崩壊し、中国が作ったAIIBは完全に開店休業になるだろう。
国連の安全保障理事会は完全に機能不全に陥って久しいし、ユネスコや国連人権委員会は中国に乗っ取られて日本バッシングしかしないから、日本が国連分担金の支出をやめるのも視野に入ってきた。
そうなると国連はアメリカと日本が分担金を支出しないから実質的に空中分解する。
IMFも中国以外が分担金の増額に応じないから資金不足に陥る。
もう世界のことなど考えるのはやめて自分たちの生活だけを考えよう」他国に対して無関心になる時代だ。

 すでにイギリスはEUから脱退しEUの拡大路線は空中分解した。アメリカはトランプ氏が大統領になればモンロー主義の世界に入る。中国はいまだに植民地の拡大に余念がない19世紀的国家だが、経済が足元で崩壊しているから威勢のいい軍部ははしごを外されるだろう。
21世紀は覇権国家のない団栗の背比べのような状況になって、だれもが互いに無関心になる時代になる。
まあ勝手にやりなさい。その代りこちらに干渉するのはやめてくれ
この21世紀の状況を「新しい中世」と呼ぶ。

 

 

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(28.8.18) 病気療養中のため二日に1回の割で過去のシナリオを掲載しています。 「シナリオ ぼくが生きた時 その3」

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 本日(14日)から6日間はシナリオシリーズです。このシナリオは私がシナリオライターになろうとして努力していたころの作品で、半分以上は自叙伝です。

なお病気療養中のため過去の作品を掲載しております。

(20.8.7) ぼくが生きた時 その3

(シナリオシリーズのその3です。その1からの続きですので、その1、その2を読まれていない方は「その1」、「その2」リンクが張ってあります>からお読みください


○ 運動会(100メートル競争)


 破れて泥のついたステテコで走る次郎。父兄席で次郎を指差し、小声で囁きあっている母親たち。

○ 校庭の杉の木(運動会終了後)

  杉の木の下にアキオと次郎、クラスの子供達が集まっている。

アキオ「次郎は嘘ついたから、この木でセミになれ。罰だ!」
次郎「嘘なんかついてない」
アキオ「嘘、ついたろう。ステテコを白ズボンなんて言ってよ-」

次郎「白ズボンだ」
アキオ「なんだよ-、先生だってステテコだって言ってたじゃねえか。じゃ-先生が嘘ついたっていうんか(勝ちほこったように)」
子供達「(はやす)言ってやろ!言ってやろ!先生のこと嘘つきだって、次郎がいってたって言ってやろ!」

  黙って下をむく次郎

アキオ「蝉になれ、命令だ!」

  杉の木に登り、蝉の真似をする次郎。アカトンボの飛翔。

○ 自宅(冬、朝)

語り
「家計はまったく好転しなかった。むしろジリジリと悪化していった」
  ちゃぶ台には、朝の支度がしていない。不信そうにちゃぶ台をみている兄弟3人。何もいわない父とイネ。母が財布から20円玉をとりだす。

和子「今日はご飯がないから、次郎、これでコッペパンかっといで」
令子「何で、ご飯ないの、ヤダ」

  口をとがらす令子、下を向く次郎。

令子「ヤダ、絶対ヤダ(拗ねる)」

  困惑する父母、イネ。

次郎「いいよ、令子、パン買いにいこう」 

  不満げな令子、ほっとした大人達。

次郎「令子、行くぞ(大きな声で)」
令子「うん(不承不承)」

○ パン屋(同日)

  20円でコッペパンを買う次郎。白い息。霜焼けの手。後ろで、肩を落とし、石を蹴っている令子。

令子「にいちゃん、どうしてご飯じゃないの?」
次郎「令子、コッペパン、きらいなのか?」
令子「そうじゃないけど」

  
令子「ジャムもつけないの?」      
  間

○ 自宅(同日)

  まないたの上にコッペパンを置き、包丁で3等分する次郎。のぞきこむ令子と則夫。少し大きさが揃わない。

令子「にいちゃん、そっちのほうがおおきいよ」

  あわてて、大きさをそろえる次郎。大事そうにコッペパンをたべる子供たち。見てみぬふりをする一郎と和子。後ろでなみだぐんでいるイネ。


○ 藤沢家玄関口(12月、土曜日、午前)

  藤沢家の安手の玄関口。靴がとびちらかしてある。和子が藤沢家に借金にきている。藤沢秀夫(44才)と藤沢テル(42才)が応対にでている。

語り「この頃母は返すあてのない借金の依頼にかけづりまわっていた」

和子「こんなこと、言うのは大変申し訳ありませんが、子供の給食費もまだだしてないんです。藤沢さんもごぞんじのとおり、元はといえば、藤沢さんの依頼もあり、B織物に主人が裏書をしたのが始まりですので500万の一部でもいいですから、返してほしいのです」

秀夫「奥さん、何か勘違いしていませんか。確かにB織物は私の親類です。だけど私が依頼したから裏書したんじゃない。あんたのご主人が欲に目がくらんだからじゃないですか。金を貸して欲しいと素直にいうなら、こっちもまんざら無関係じゃないから、考えんこともない。それがどうですあんた、返してといいましたね。冗談じゃない。借りてもないのに何故、かえさにゃならんのですか。お断りです」

  和子、怒りで目がつり上がる。テルは下を向いている。

和子「藤沢さん、あなた、よくもそんなこといえますね。(つまりながら)私、ききましたよ。B織物と一緒になって、主人に酒のまして、いざとなったら、親類縁者で責任持つといったっちゅじゃないですか。あんた、親戚でしょ、責任とってください( ヒステリックに)」

秀夫「な、なにをいいだすんだ。互いに酒の席じゃないか。あんたの主人が欲張りだからこうなったんだ。いいがかりだ。証拠を見せろ、証拠を! なにもないじゃないか(興奮して)」

和子「しらじらしい。世間にいいふらしてやる。みんな、言ってやる。藤沢は嘘つきで人のいき血を飲む極悪人非人だといいふらしてやる(叫ぶ)」

秀夫「何だ、何だ、人がだまってきいていたら、いいきになって。貧乏が頭にきて気が触れたんじゃないか。帰れ!帰れ!二度とくるな!(大声で)」
和子「だれがくるか! 人非人、人でなし!(ヒステリックに)」

  ドアーを思いっきり強く閉めて出ていく和子。藤沢秀夫は横の壁をあしげりする。テルは下をむいたまま。

○ 和子の回想

 (映像)
  正月。庄屋の屋敷に小作が50名ほど集まっている。床の間を背にした和子の父母。そして女学生の和子。盛大な料理。卑屈に年賀をのべる小作。鷹揚な態度の和子の父,房太郎。昂然ととりすました和子。着物が美しい。

  (映像)
  藤沢家の玄関。借金の申込みをしている和子。断る藤沢秀夫の顔。ドアーをしめて、天を仰ぐ和子

和子「イヤー、イヤー、もうイヤー。死んでやる。死んで化けてやる」

○ 藤沢家玄関口(夕方)

  藤沢哲雄(12)と次郎が遊びながら帰ってき、玄関をあける。

語り「当時、私は藤沢家の長男哲雄とクラスが同じであり、もっとも仲のよい友達だった」

哲雄「今日、次郎ちゃん、オレんちでご飯たべろよ」
次郎「うん、そうする」
哲雄「かあちゃん、今日次郎ちゃん、オレんちで、ご飯たべるって(元気よく)」

  二人が家の中に入ってくる。玄関、食堂 六畳一間の小さな家。安手の家具が置いてある。奥まった6畳間に炬燵。藤沢秀夫が座っている。テルは台所。次郎の顔を見て、藤沢秀夫とテルが顔をみあわせ  る。藤沢秀夫はバツがわるそうに目をそらせ、新聞を見るふりをしながら次郎に背をむける。テルは涙ぐむ。

テル「あっ、次郎ちゃん。よくきたね。今日おばちゃん、美味しいもの、いっぱい作ってあげる。次郎ちゃんの好きな卵焼きにしょうか? おばちゃん、つくってあげる」
秀夫「そう、そうしなさい。それがいい(つまりながら)」

○ 藤沢家(夕食)

  秀夫、テル、哲雄、和夫(哲雄の弟、9才)、そして次郎。そまつなテーブルに それぞれの卵焼き。次郎のが一番大きい。

和夫「ずるいよ。次郎ちゃんのが一番大きいよ」
テル「次郎ちゃんは、身体が一番大きいからこれでいいの」
和夫「だって、次郎ちゃん、家の子じゃないのに・・・」
秀夫「和夫、だまって食べなさい。これでいいんだ(強く)」

  嬉しそうに卵焼きをほうばる次郎。外は星がきらめいている。

○ 自宅(同日,続き)

  次郎が元気よく帰ってくる。家では和子が泣きはらした目をしている。

次郎「ただいまー。かあちゃん、おれ、今日ご飯いらないよ(大声で)」

  和子がききとがめる。

和子「どうして?」
次郎「おれ、今日、哲雄ちゃんちでいっぱいたべたんだ。こんな大きな卵焼きだよ。おばちゃんが特大の卵焼き作ってくれたんだ」

  次郎、手で大きさをしめす。和子は怒りで身体が震える。

和子「次郎、もうあんな家、いっちゃダメ(怒りをおしころして)」
次郎「なんで(怪訝そうに)」
和子「かあさんがダメといったら、ダメなの(ヒステリックに)」

  (次郎、茫然としている)
次郎「だってー、おばちゃんやさしいし、おじちゃんだってやさしかったよ」
和子「馬鹿(右手で次郎の頬をおもいっきりたたく)」

  左頬を押さえ唖然としている次郎。次郎の胸ぐらをつかみゆする和子。

和子「おまえに、かあさんの気持ち、わかってたまるか。かあさん、藤沢で馬鹿にされたんだよ。悔しいよー。もとはと言えば、小作じゃないか。かあさん、もう我慢できない。死んでやる。死んで化けてやる。次郎、おまえも一緒に死にな(泣き叫ぶ)」

次郎「ヤダヨ(和子を強く押し戻す)」

  和子の身体がとび、仰向けにたおれる。興奮する和子。

和子「次郎、おまえ、かあさんに手かけたね。 親に手かけたね。親に手かける子は少年院にいれてやる。こうしてやる(次郎を押し倒おす)」

  下からあしげりする次郎。ふたたび和子の身体がとび、襖に身体をぶつける。台 所に飛んでいく和子。逃げようとする次郎。玄関のガラス戸が閉まっており、すぐに開かない。包丁をもって次郎を追い かける和子。部屋の中で、座蒲団をたてに包丁を避ける次郎。

和子「死んでやる。おまえを殺して、死んでやる(ヒステリックに)」

  イネがハラハラしながらみている。令子と則夫は脅えて隅で震えている。

イネ「和子、馬鹿なことはやめなさい。包丁振り回すのやめなさい」

  イネの存在にきずく和子。イネのほうに向かって包丁を振りかざしながら。

和子「死んでやる、みんな殺して死んでやる(ヒステリックに)」

  和子がイネの方をむいたすきをついて、後ろから和子をはがい締めする次郎。思わず包丁を畳に落とす和子。その包丁を拾って一目散に外に飛び出す次郎。泣き叫びながら、食器をあたりかまわず投げる和子。泣く令子と則夫。二人をかばうイネ。

○ 建てかけの家(同日、真夜中)

  建てかけの一軒家。屋根と床が張られており、壁は一部つくりかけている。夜空が見える。北風。寒さに震えながら、壁に寄り添っている次郎。右手に包丁。自動車のライトが一軒家を照らす。脅えるように壁に身体を押しつける次郎。遠くから次郎を呼ぶ一郎のこえ。だんだんちかづいて来る。

一郎「次郎 、次郎 、いたら答えなさい。次郎 、次郎 」

  一軒家から、おずおずと出てくる次郎、右手に包丁を持っている。

次郎「とうちゃん、ここにいるよ」

  
一郎「次郎、とうちゃんとかえろう」
次郎「ヤダヨ、だって、かあちゃん、また包丁持っておいかけてくるもん」
一郎「なにしたんだ?」
次郎「知らない。哲雄ちゃんちで卵焼き食べたっていったら、急にぶつんだ」

  
一郎「そうか・・・・・」

  
一郎「母さん、いま、心がいたんでいるんだ。だから、次郎、母さんにごめんなさいといいなさい」
次郎「(強く)ヤダ、だって、ぼく、わるくないもん」
一郎「次郎、母さんはいま病気なんだ。ごめんなさいと言ってあげなさい。(間)それに、明日、次郎、映画につれてってあげるから・・映画すきだろ?」

次郎「うん」
一郎「その包丁かしなさい」
次郎「うん」

  包丁を手わたす次郎。次郎の肩に手をかけ促す一郎。月の光がまばゆい。

明日に続く)

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(28.8.17) 定年退職後10年 ボランティアが自己再生の道

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 人生の中でいつが一番幸せだったかと聞かれれば「定年退職後の10年間だ」といえる。
私は60歳である金融機関を定年退職したが、その後はサラリーマンをきっぱりと辞めた。
私の多くの同僚は第二の人生として子会社や関連会社に就職し、だいたい65歳前後まで働くのが普通だったが、私は第二の職場に移ることを拒絶した。
定年までここにいます。第二の人生の職場のあっせんは必要ありません

 私はサラリーマン生活にうんざりしており、二度とサラリーマンはしたくなかったので60歳になったらさっさと引退するつもりだった。
私が全くサラリーマン向きでなかったのは明らかで、私は人を管理することも管理されることも全くしたくなかった。
だがこうした性格であることを正しく認識できたのはサラリーマンになってからで、それ以前に自身の性格を正しく認識することは普通の人間には不可能だ。

 さすがにサラリーマンになって数年たてばサラリーマンとしては不適格だと分かったが、わかってもすでに手遅れだ。その後36年間一つの職場におり、最後には私が最年長の職員で私以上の年配者は頭取以外はいなくなってしまった。
さすがにそうなるとシーラカンスを見るような目で私は見られていたが、他の人から見ると何と判断したらいいかわからないといった風情だった。稀種だったともいえる。
山崎さんはどうして追い出されることもなく職場にとどまれたのですか?」などと聞かれたがどこに行ってもサラリーマン生活は嫌だったし、それなら慣れている職場にいるほうがいいと思ったからだ。

 退職後はすっかりボランティア活動にはまった。それも団体でするとサラリーマン生活の延長みたいになるので、もっぱら一人で行うこととした。
すべて自分の意志だけで行うところがボランティア活動のいいところだ。

 まず私の住んでいるおゆみ野にある一周約6kmの遊歩道の清掃を毎日することにした。当初は本当に雨が降ろうが雪が降ろうが台風がこようがやっていたが、さすがにこれでは体がもたないことを知った。今は雨や天候が悪い時は行っていないが、天候に問題がなければ毎日行っている。
次に着手したのは公園や遊歩道に設置されているベンチに防腐剤を塗ることだった。この街は開発されてから約30年近く経過していてベンチが至る所で腐っていたからである、

 その後四季の道の芝刈りに精を出すようになったのは市役所が行う芝刈りは年に3回程度で途中の期間は草が伸び放題になっていたからだ。
しかしこの芝刈りは夏場に行うと、あまりの暑さのため熱射病にならないのが不思議なくらいの作業だった。
業者の場合は10名程度がグループを組んで行うのだが、私は一人だからどんなに努力しても業者のようなわけにはいかない。
昨年までこの草刈りを続けていたが、今は眼病が悪化し薬の副作用で持久力が極度に低下しているためこの作業はやめている。

 現在最も力を入れているのはベンチの補修作業でベンチにいくら防腐剤を塗布しても限界があるためベンチの板をすべて取り換えている
幸いこの作業にはカーペンター・オクさんといううってつけの同僚がいるため、毎年20基前後のベンチの補修を行うことができる。

 その他のボランティアとしては小学生にマラソンを教えているが、ここ四季の道を使用した駅伝大会があるからで、小学校でマラソン教室を毎年開いてきた。しかしこれも自身が全く走れなくなってきたので今年でおしまいにするつもりだ。
マラソンおじさんも体力には勝てない。

 最後まで残こりそうなボランティア活動としては中学生と高校生に勉強を教えている。当初は全く無料で教えていたが教材費やその他の教育資材が必要なため今は実費程度を負担してもらっている。
教える以上はそれなりの実力が必要なのでこのために多くの教材を購入したし、毎日勉学にいそしまなくてはならなくなった。おかげで受験生並みの生活になっている。

 中学生には5教科数、国、英、理、社)のすべてを教えているが公立高校の試験は5教科で配点がすべて100点だからだ。
当初は数学と英語だけのつもりだったが、入学させるためにはそんなことを言っていられないのですべて面倒見ることにした。
中学の勉強で一番難しいのが理科で、私が教わった50年前とは様変わりになっておりこのための特訓にはずいぶん時間を割いたものだ。

 高校生には数学と英語を教えているが、高校数学のレベルはとても高いため毎日自身の特訓が欠かせない。毎日3時間程度は数学の特訓に充てており、「これなら私が受験したほうがいいのではなかろうか」と思えるほどだ。
当初は数学と英語以外は見るつもりはなかったが、学校での成績向上のためには化学や生物なども指導する必要があり何かまた中学のように全科目を見るようになってきた。
これじゃオールラウンドプレーヤーの内村選手みたいになってしまうじゃないか・・・・・

 こうして私のボランティア生活が続いているが、自分が好きなことだけをしているのでサラリーマンであった時に比べると圧倒的に楽しい。
人生60歳を過ぎてから本当の自分を見つけたようなものだが、それまで36年間も耐え忍んだ成果ともいえる。
36年間の働きで今の生活を維持しているのだから金融機関での生活が無駄だったとは言えないが、はっきり言ってつまらない人生だったと思っている。
しかしこうしてようやくではあっても自分の目指してきた生き方ができているだけでも幸せというものだろう。
今後ともこうした生活ができるか否かは体力との勝負だが可能である限りは続けるつもりだ。

 

 

 

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(28.8.16) 病気療養中のため二日に1回の割で過去のシナリオを掲載しています。 「シナリオ ぼくが生きた時 その2」

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  本日から6日間はシナリオシリーズです。このシナリオは私がシナリオライターになろうとして努力していたころの作品で、半分以上は自叙伝です。
なお病気療養中のため過去の作品を掲載しております。

ぼくが生きた時 その2

(シナリオシリーズのその2です。その1からの続きですので、その1を読まれていない方は「その1」リンクが張っております>からお読みください

○ 家(秋、夜中)

語り「僕が小学校6年になるまで、父の存在を意識したことはなかった。父は年の半分を東北の秋田や盛岡に行商にでており、帰ってくるときには、東北特有の味のない乾いたサラのようなせんべいを買ってきた」

 6畳間、親子5人が寝ている。父母の話し声(小声)。

和子「で、裏書きをしたの?」
一郎「うむ」
和子「だまされるんじぁない?」
一郎「うむ」
和子「前にも一度不渡りだしたんでしょ」
一郎「うむ」
和子「お父さんは人がいいから、酒のまされて、だまされるんじゃない」
一郎「いや、大丈夫だ。あそこはいざとなったら、財閥がついている」
和子「財閥って、A商店? 高利貸しじゃない」
一郎「うむ」
和子「で、裏書きするといくらくれるって?」
一郎「二割か三割、いや、三割五分かな、500万だから、えぇーと、200万位になる(急にはっきりと)」
和子「・・・・・・・・」
一郎「商売のことは私にまかせておけばいい(強く)」 
             
  
和子「なら、お父さんにまかせるけど、危険なことはしないで下さい。いま倒産が多いんだから(不詳不精)」

  間

○ 夜中(数日後)

語り
「そして、数日後」

 父母の争う声。
和子「だからいったでしょ(おしころした声)」

  間
和子「私があれほど止めろといったのに!」

  
和子「だまされて、お金どうするの(声が大きくなる)」

  
和子「手形、落ちないんでしょ、いくら足りないの?」

  
一郎「うむ」
和子「幾らなの(金切り声)」
一郎「子供がおきるじゃないか」

  
一郎「500万だ」
和子「どうするの」

  
和子「どうするの(強く)」
一郎「あてがある。A商店に頼んでみる」
和子「高利貸しじゃない!」
一郎「こおいう時は、高利貸しが一番たよりになる」
和子「担保は?」

  
和子「担保はなんなの?(大きな声)」
一郎「この家だ」
和子「だめよ。絶対だめ(叫び声)

  和子の泣き声

語り「この日から、毎日父と母のいいあらそいが始まった」

○ 自宅、3畳の間(数日後、午後)

  来客、債権者がきている。応対している一郎。台所の陰で聞いている和子、イネ

来客「私もこまるんですよ。斉藤さん、あなたを信用したから貸したんです。たがいにながい付き合いでしょ。だから貸したんだ。あの金がないと、私も、手形、おとせないんです。返してくれるんでしょうね(顔を覗き込むように)えっ、斉藤さん」

  
来客「どうなんですか(いらいらしながら)」
一郎「いゃ、盛岡のX商店から、今月入金の当てがありますので、それがはいったら・・・必ず、必ずお返ししますので・・・(ぼそぼそと)」
来客「幾らですか(たたみかけるように)」

  
来客「ええ、いくらなんですか(強く)」
一郎「200万、いや、400万です」
来客「それを真先に、私(強く)に返してくれるんでしょうね?」
一郎「えぇ(弱く)」

  
来客「長いつきあいだから、こんなこと言いたくないが、いざとなったらこの家、処分してもらいますよ」
  

○ 自宅、台所(同時刻)

  学校から帰ってきた次郎。債権者の言葉にきき耳を立てている和子とイネ。次郎が給食費の袋を取り出す

次郎「かあちゃん、先生がねぇ、今日、給食費、持ってきていないひと、早く持ってきてくださいって」

  それどころではないという顔をする和子

次郎「ねぇ、かあちゃん、先生がねぇ、まだもってきていない人、僕だけだっていってたよ(少し強く)」
和子「いま、母さん、いそがしいんだから、あとにしなさい(イライラと)」

次郎「だって、先生が(強く)」
和子「馬鹿(左頬をおもいきりたたく。襖にたたきつけられる次郎)」
イネ「止めなさい、和子!(叫ぶ)」

  泣き出す次郎。鼻血。手拭いで出血を止めるイネ

和子「泣くの止めなさい。いま、お客がきてるんだから、泣くんじゃない(ヒステリックに)」

  シャクリあげる次郎。

○ 自宅、3畳の間(同時刻)

  母子のやりとりをきいて、いたたまれず下をむいている一郎。同じくバツのわるそうな借金取り

来客「ま、今日はこれで帰りますが、かならず耳をそろえて返してください。私だって好きでこんなこ としてるんじゃないんだ」
  
  頭をさげたままの一郎。ほっとした表情の和子、イネ。シャクリあげる次郎。

和子「高利貸しのくせに、くやしいー(おしころしたように)」

○ 自宅(翌日、夕方)

  6畳の間、壁ぎわに大きな電気蓄音機。耳をスピーカーに当てるようにして、ラジオ放送をきいている次郎。一郎が次郎 の側にやって来る。

語り「翌日のことだった」
一郎「次郎、ちょっと父さんのいうこと、きいてくれるか?」
次郎「うん(顔を一郎の方に向ける)」

一郎「実をいうと、父さん、商売で失敗してそれで、今度、ここに、父さんがお金、借りている人が集まるんだ」

  (じっと話を聞いている次郎)。
一郎「それで、この家、借金のかたに取られるかもしれない」

  
一郎「今、次郎が聞いている電蓄も取られるかもしれない」
次郎「電蓄も?(おもわず涙ぐむ次郎)」

  
一郎「もし、そうなっても、次郎、泣くんじゃないぞ。男なんだから」
次郎「うん(涙がこぼれる)」
一郎「いいこだから我慢するんだ」

次郎「うん、ぼく、少年探偵団がきけなくても我慢する(さらに涙がこぼれ落ちる)」
一郎「もし、家がなくなったら、父さん、ドミニカにみんなで移民しようと思っている。ドミニカって知ってるか?」
次郎「(首をふる)ううん」

一郎「いい国だ。家も畑もただでくれるんだ。父さん、小さい頃、百姓してた。おまえも百姓するか?」
次郎「うん、する」
一郎「だから、家がなくなっても、泣くんじゃないぞ」
次郎「(頷く)うん」

○ 自宅、6畳の間、債権者会議(午後)

  床の間を背にした10名の債権者。その前で一郎が頭を畳にこすりつけるように平身低頭している。お茶をだす、和子とイネ。和子の身体が小刻みに震える。頭を畳にこすりよせたままの一郎。外から隙間ごしに中をのぞいている次郎

語り「数日後、父のいう債権者会議が開かれた」

  切れぎれに聞こえてくる言葉

債権者A「斉藤さん、そうはいってもね、ここまでくれば・・・・・」
債権者B「私達だってこまっているんですよ。金が余っている訳じゃないんだから・」
債権者A「このさい、きっちり精算してもらったほうが・・・・・・」

一郎「お願いします。もうすこし、もうすこし待ってください。必ずおかえしします。あてはあります。盛岡のX商店からちかぢか送金があるはずです」
債権者A「そんなこといってもねえ。X商店だって倒産してるんですよ・・・・・」

  父と母の頭を深々とさげる姿。
  

債権者B「まあ、いつまで頭をさげててもはじまらないから、じゃ、こおしましょう。斉藤さん、借用証書、かいてください。みなさん、長期弁済で手をうとうじゃないですか。まあ、斉藤さんともながい付き合いだから。どうですか」

  間
債権者A「まあ、仕方ないか。家を売ってもこんなボロ屋じゃねえ。それに借地でしょ。あとは、汚らしい電蓄一台か(軽蔑したように)」

  全員の目が電蓄に注がれる。軽い軽蔑した笑い。一心に電蓄を見つめている次郎

○ 自宅(秋、朝)

語り「その日は、小学校の運動会だった」

  運動会を知らせる花火。横断幕。白ズボンの代わりに一郎のステテコをとりだす和子。それを見ている次郎。

和子「次郎、お前、これをはいていきなさい」
次郎「これぇー、これとうちゃんのステテコじゃない? ヤダよ」
和子「ステテコじゃ、ありません。白ズボンです」

次郎「こんなに薄いよ、ステテコだよ」
和子「ステテコじゃ、ありません(強く)」

  ステテコを手でつまみあげる次郎。生地が透き通っており、向こうが見える

次郎「でも、みんな、ステテコだというよ」
和子「母さんが、ステテコじゃないといったら、ステテコじゃない(強く)」
次郎「でも・・・・・」

和子「男の子でしょ。しっかりしなさい(ヒステリックに)」

  黙ってステテコをはく次郎。唇をかみしめている。

○ 運動会(朝)

  次郎の周りに集まっているクラスの子供達。次郎の白ズボンについて言い合っている。ガキ大将のアキオが次郎のステテコをつまみながら詰問する。

アキオ「次郎、オメエのズボン、ステテコじゃないか?」
次郎「ちがうもん、白ズボンだもん」
アキオ「じぁ、なんでこんなに薄いんだよう!」

次郎「薄くないもん(強く)」
アキオ「チンポがすけてみえるじゃないか、ステテコにきまってらあ」
次郎「見えないもん(強く)」

子供達「(はやす)チンポがみえる。チンポがみえる」
次郎「見えないもん(唇をかみながら)」
アキオ「オメエ、運動会は白ズホンって先生がいってたの聞いてネエのか。タコ、先生に次郎が白ズボン はいてネエっていってこい」

  顔が真っ赤になり、思わずアキオに飛びかかる。

次郎「白ズボンだっていったろう(大声で)」

  とっくみあいの喧嘩。回りの子供がみんなアキオに加勢する。裂けるステテコ。担任の立川先生(25才)が騒ぎに気付いて近づく

立川先生「お前達、なにしてるんだ!」

  喧嘩を止める子供達。

アキオ「先生、運動会では白ズボンだよね」
立川先生「そうだ」
アキオ「ほれみろ、次郎、先生が白ズボンだといってるぞ」

次郎「白ズボンだもん」
アキオ「先生、次郎のはいてるのステテコだよね」
子供達「ステテコだ。ステテコだ(大合唱)」

  じっとステテコを見る立川先生。助けを求めるような次郎の目。

立川先生「・・・・・・・・」
アキオ「(強く)ねえ、先生、ステテコだろう!」
立川先生「(曖昧に)ステテコみたいだな?」

アキオ「ほれ見ろ、ステテコじゃないか。次郎は嘘つきだ」
子供達「(はやす)嘘つき次郎、嘘つき次郎」

下を向き唇をかみ締める次郎

(明日に続く

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(28.8.15) 中国ショックはリーマンショック以上 世界経済の縮小が続いている!!

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 2009年はアメリカ発のリーマンショックが世界経済を震撼させたが、2015年からは中国発の中国ショックが世界経済を席巻している。

 ジェトロの発表によると2015年の貿易金額は世界全体で約13%程度縮小し、特に原油や天然ガス等の鉱物性燃料が▲40%、鉄鉱石が▲41%と激しく落ち込んでいる。
国別ではロシアや中国といった新興国の落ち込みが激しくロシアの輸入は▲36%、中国の輸入は▲18%であり、また日本の輸入も▲21%縮小した。

注)中国の輸入の落ち込みは統計数字より本当は大きいのだが、▲18%なのは香港との間で数字操作をしているから。

 リーマンショック後世界経済をけん引していたのは中国だったが、その中国の経済成長が14年夏にピークを打ち、その後は制御不能に陥った飛行機のように海面に向かって激突しつつある。
しかし世界がリーマンショックのようなパニックに陥っていないのは、中国政府が発表する統計数字が中国経済の崩壊の現実を覆い隠しているからだ。
何しろ何があっても6.5%前後の経済成長になるのは、党本部から6.5%と指示された数字を国有企業や地方の共産党組織がそのまま報告しているからで、中国では統計数字は政治的な出世の道具だから、これ以外の数字を報告することができない。
隣の省で6.5%ならわが省も6.5%だ。統計官、よいな、基礎数字は適当にごまかせ!!!」

 中国が統計数字をねつ造して実態を隠蔽しているため、リーマンショックのような大騒ぎにはなっていないが、貿易金額といった相手国がある数字は中国だけではどうにもごまかせない。
中国が輸入しなければ原油や鉄鉱石は他の国では実需ベースの輸入しかしないから価格は半分か3分の1程度に急落している。

 この中国ショックはリーマンショックを上回るマイナスの影響を世界経済に及ぼしているのだが、その最大の理由はこの経済を救うアンカーがどこにもいないからだ。
よくも悪しくも中国の行った60兆円規模の公共投資がリーマンショックを救ったのだが、いまやどの国も中国ショックを救う手立てはないし、第一中国は相変わらず経済は順調だということになっているので他の国は対処のしようがない。
中国さん、あんたひどい病気でもしかしたらガンなのではないですか?」
馬鹿言っちゃ困る。我が国の経済は今も隆々と発展しており、何ら問題はない。あんたは我が国の統計数字を見ていないのか!!」

 最近IMFが中国に「GDPを政策の目標数字にするのはやめたほうがいい」と通常の感覚からすると信じられないような勧告を行ったが、中国の発表するGDPは全く統計数字でないことにIMFが切れたためだ。
それは当然でIMFは世界経済の予測に中国が発表する6.5%を使用しているが、このためIMFの予測が常に上振れて外れ、世界に恥をかきっぱなしになっている。
世界経済の12%から13%占めるといわれるGDPの伸び率が本当はマイナスだとしたら経済予測が当たるはずがない。

 いまやリーマンショックを上回る経済停滞に世界経済が陥っているがこれをすくう手立ては全くなく、世界経済は縮小のスパイラルに落ち込んでしまった。
中国という虚飾に満ちた国を世界経済の主要プレーヤーだと認識したことが間違いだが、こうして世界経済は中国とともに奈落の底に落ち始めた。

 

 

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(28.8.14) 病気療養中のため二日に1回の割で過去のシナリオを掲載しています。 「シナリオ ぼくが生きた時 その1」

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病気療養中のため新しい記事は二日に一回の割合で掲載し、その間は過去のシナリオを再掲しております。

ぼくが生きた時 その1

本日から6日間はシナリオシリーズです。このシナリオは私がシナリオライターになろうとして努力していたころの作品で、半分以上は自叙伝です。

○ 東京近郊の地方都市(昭和28年、春)

 小学校入学式の帰り。桜。斉藤次郎(7才)と母、斉藤和子(30才)の二人。

次郎「先生、名前、なんだったけ?」
和子「高崎先生、もう名前忘れたの。だめよ、よく覚えておきなさい。高崎先生、いってごらん」
次郎「高崎先生」
和子「そう、わすれちゃだめよ」
次郎「うん」
和子「それから、授業中は先生の目をよくみて、背中を伸ばして、いーい」
次郎「うん」
和子「うんじゃない、『はい』っていいなさい」
次郎「はい]
和子「それから、名前はといわれたら?」
次郎「斉藤次郎(小さな声で)」
和子「だめ、もっと大きな声でいいなさい。 もう一度」

 子犬が前をとおりぬける。みとれている次郎。尻尾をふる子犬。頭を撫ぜようとする。むっとする和子。

和子「(厳しく)おおきな声でと言ったでしょ、この子はすぐ注意が散漫になるんだから。もう一度いいなさい」
次郎「斉藤次郎(びっくりしながら大きな声で)」

  丘。桑畑。雲。舞う桜。

○ 斉藤次郎の家(5月、午後)

 1階建、6畳、4畳半、3畳、台所のこじんまりとした安普請の家。6畳間にちゃぶ台が置かれている。次郎と和子。和子が国語を教えている。

語り僕が生まれたこの地方都市は何の変哲もない田舎町だった。鉄道、甲州街道沿いの商家、桑畑が僕の知っているすべてだった。
この町に父母が居をかまえたのは、父が勤めていた軍需会社が疎開先をこの町にきめたからである。
戦後、失業した父は、この町で炭を売り、そして僕が物心ついたときこの町の唯一の産業である絹織物の行商の仕事をしていた

和子「また背中がまるまってる。伸ばして!ちゃんと書いて!そうじぁないでしょ。書き順がちがうでしょ。ほら、もう一度」

 もう一度、書きなおす次郎。
和子「またー、何度言ったらわかるの、ちがうでしょ(イライラする和子)」

 下を向いている次郎、目が吊り上がっている和子
和子「もう一度(強く)」

 書こうとしない次郎。
和子「なぜ、書かないの、書きなさい(声がだんだん大きくなる)」

 涙ぐむ次郎
和子「早くしなさい(怒鳴る)」

 ようやく書き始めたが、手が震えてかけない。
次郎「か、書けない(下をむきながら、弱々しく)」
和子「書けないなんてことないでしょ、馬鹿(次郎の左頬を平手打ち)」

 飛ぶ次郎、襟首をつかみ引き戻す和子。和子の母親、イネ(65才)が見かねて仲裁に入る。

イネ「お前、次郎は子供なんだから、そんな無茶しちゃ・・・次郎いいからあっちにいきなさい」

 しゃくりあげながら、ちゃぶ台を離れる次郎。怒りがおさまらない和子。

和子「おばあちゃん、口出しするのは止めてよ!」
イネ「和子、子供を叱りすぎると頭がわるくなるんだよ(静かな声で)」
和子「なにいってんの、おばあちゃん。あの子はどんなにしかっても大丈夫なの。馬鹿なんだから」
イネ「そんなことないよ。みてごらん。ふるえてるじゃないか」

 隅でちじこまり、震えながら不安げに和子を見ている次郎。
和子「字もかけずに,そんな恰好するんじゃない(怒鳴る)」

○ 外、子供達(同日、夕方)

 近所の子供が集まっている。20名。がき大将は小学校6年のヤス(12才)。かくれんぼ。

語り「当時、どこの路地にも20名ぐらいの子供のグループができていた」
ヤス「おい、かくれんぼするぞ。かくれんぼするもの、この指とまれ」

 すばやく指に集まる子供たち。次郎が一番遅くとまる。
ヤス「次郎、オメエが一番遅かったから、鬼は次郎」

 はやす、子供。下向く次郎。
次郎「鬼はジャンケンじゃなきゃ、ずるいよ(ぼそぼそと下をむきながら)」
ヤス「遅いのがわるいんだ、次郎。あの電信柱で100数えろ。はやく離れたら反則だぞ」

 ごすごと電信柱に向かう次郎。電信柱で100数えて、振り向く。最初にヤスが見つかる。

次郎「ヤスちゃん、見つけた!」
ヤス「次郎、オメエ、100数えてネエ。反則だ」
次郎「かぞえたもん」
ヤス「反則だ!」

 他の子供達も、ヤスに同意する。
子供達
「ハンソクダ、ハンソクダ、ハンソクダ」

 下を向きながら再び電信柱に向かう。100数える次郎。電信柱を離れる。最初にタカが見つかる。

次郎「タカちゃん、見つけた!」
タカ「次郎、反則だ。100数えてネエ」
次郎「数えた(強く)」
タカ「100数えてネエ、なあヤスちゃん」

 子供の視線がヤスに集まる。食い入るような次郎の目。

ヤス「100数えてネエ、次郎、反則だ(冷たく)」
子供達「ハンソクダ、ハンソクダ、ハンソクダ」

 目から涙が流れる。肩を落とし電信柱に向かう次郎。夕日、空に一番星。コウモリの飛翔。子供達のハンソクダ、ハンソクダのはやし声。

○ 斉藤次郎の家(午後7時)

 外に井戸がある。井戸で顔をあらい、涙のあとを隠そうとしている次郎。家の中から和子の呼び声が聞こえる

和子「ご飯だよ、手洗って早くきな」
次郎「うん(慌てて目をこする)」

 目がはれている。

○ 4畳半での食事(午後7時すぎ)
 
 和子、次郎、イネ、妹の令子(6才)、弟の則夫(3才)の5人。父親の一郎(37才)は仕事で帰ってきていない。ちゃぶ台での粗末な食事。ご飯、おみおつけ、一品のおかず。

和子「次郎、今日、外でなにして遊んだ?(ご飯をよそりながら)」
次郎「うん、かくれんぼだよ」
和子「鬼はだれ(それとなく)」
次郎「・・・・・(食事の手を止める)」

  
和子「鬼はだれと聞いてるでしょ(強く)」
次郎「タカちゃんと、ヒロちゃんと、ぼくだよ(あわてて答える)」
和子「違うでしょ(更に大きな声)、母さん窓からみてたよ。次郎がずうっと鬼だったじゃない。どうして嘘つくの」
次郎「・・(下をむいたまま答えない)」

  間
和子「次郎、お前、どうしていつも鬼なの(強い調子で)」
次郎「あのー、ヤスちゃんがぼく、鬼だというんだ(下をむき、箸とチャワンを持ったままの姿勢)」
和子「鬼はジャンケンできめたの」
次郎「ううん(首を横にふる)」
和子「じぁ、どうやって決めるの(イライラしながら)」

  
令子「コノユビトマレだよ。にいちゃん、遅いからいつも鬼なんだ(口をはさむ)」
和子「この子はいつもノロマだから・・なぜジャンケンできめようっていわないの(ヒステリックに)」
次郎「言ったけど、ヤスちゃんがコノユビトマレだって(ぼそぼそと)」
和子「馬鹿(次郎の左頬を平手打ち)」

 泣きじゃくる次郎、無言の令子と則夫。イネが仲裁にはいる。

イネ「和子、もうよしなさい。次郎も早く食べておいき」
和子「おばあちゃん、余計なこといわないでっていったでしょ。この子はいつもグズで馬鹿だから,母さん、いつもつらい思いしてるんだ。なぜジャンケンだと言わないの(気が高じて次郎の襟首をつかむ)」

 割ってはいるイネ。逃げる次郎。目をつりあげる和子。黙って下を向いている令子と則夫。飛び散った箸とチャワン。

○ 和子の回想(子供時代)

 (映像
 山口市。地主の屋敷。立派な門。掘割。白壁。枝振りのよい松。子供たち。一人美しい着物を着た和子。ぼろをまとった小作の子。中心になって遊ぶ和子。鬼を指定する和子。泣く小作の子。和子に慇懃に挨拶するとうりすがりの小作。

 (映像
 次郎の泣顔。いますんでいる小さな古ぼけた一軒家。貧相な夫。

和子「なんで(独り言)」

○ 学校の校庭(昭和34年、小学校6年、秋、放課後)

 クラスの男子生徒20名が遊んでいる。かくれんぼ。がき大将のアキオが命令している

アキオ「次郎、オメエ昨日の最後の鬼だったから、つづきヤレ」
次郎「ヤダヨ、ぼく、ずーっと鬼じゃないかヤダヨ」
アキオ「オメエ、ずるいぞ。鬼がヤダからそういうんだろ」
子供達「(一斉にはやす)ずるいぞ、次郎、ずるいぞ、次郎」

 次郎の肩をこずく子供達。目に涙をためしばたたせる次郎

子供達「次郎がまた泣いたぞ。パチクリ次郎 パチクリ次郎」

 鬼になる次郎。かたまってかくれている子供達。杉の木で100数えて振り向く次郎。一斉に雄叫びをあげ、次郎にむかってかけだす子供達。逃げながら『○○ちゃん見つけた』と懸命にいう次郎。足の速いアキオが次郎にタッチする

アキオ「次郎、タッチしたぞ。鬼だ」
次郎「ぼく、アキオちゃん見つけたって言ったよ」
アキオ「イワネエヨ」
次郎「いった(強く)」
アキオ「なら、みんなに聞いてみろ」
子供達「(一斉にはやす)イワネエ、イワネエ、イワネエ、イワネエ」

 目から涙が溢れる次郎。
子供達「パチクリ次郎、パチクリ次郎」

○ 学校の校庭(放課後、数日後)

  クラスの男子生徒20名。かくれんぼの続き。がき大将のアキオの命令

語り「今日もまだ僕の鬼が続いていた」
アキオ「次郎、オメエ、今日も鬼だ。続きをヤレ」

 無言の次郎。黙って杉の木に100数えにいく。杉の木を離れない次郎。イライラしながら隠れて待っている子供達。たまりかねてアキオが催促する。

アキオ「次郎、もう100数えたんだろ、早く探しにこい」

 振り向くが杉の木を離れない次郎。一斉に雄叫びをあげながら、次郎に向かって走り出す子供達。次郎にタッチ。されるままになっている次郎。無表情。
   
アキオ「ずるいぞ、次郎。木を離れて探しにこい」

 無表情の次郎。
子供達「ずるいぞ次郎、ずるいぞ次郎」

 無表情の次郎。

○ 授業中(昼)

 次郎の後ろにアキオが座っている。アキオが次郎の背中をこずく。振り向く次郎

アキオ「(小声で)おい、次郎、パン買ってこい」
次郎「やだよ、授業中だよ、先生に怒られるよ」
アキオ「おめえは、オニなんだからいくんだ]
次郎「やだよ」

 後ろから背中をおもいっきりたたくアキオ。
アキオ「行け、次郎」

 仕方なく身をかがめ隠れながら教室をでようとする。わざとアキオが音をたてて,教師の注意を次郎に向ける。立川先生(25才)に見つかる次郎。

立川先生「次郎、何してんだ」
次郎「あの、ぼく」
アキオ「(さっと立って)先生、次郎はずるして授業をさぼろうとしました」
生徒達「(はやす)さぼりや次郎、さぼりや次郎」                
立川先生「次郎、本当にそうか?」
次郎「あの、ぼく」
アキオ「(強く)次郎はよくさぼってます」
生徒達「(はやす)さぼりや次郎、さぼりや次郎」

 目に涙を浮かべる次郎。

立川先生「(冷たく)次郎、そこに立ってなさい
次郎
「(涙ごえ)ぼく・・・
生徒達「
ぱちくり次郎、ぱちくり次郎

 涙を浮かべ肩を落として立つ次郎。

(明日に続く)

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(28.8.13) 70歳の誕生日 どうやら大台はクリアーできた。

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  いやはや70歳になるのにこれほど苦労するとは思わなかった。明日の8月14日は私の70回目の誕生日である。もともと体の丈夫さが自慢で100km走は何回も走っており、2日間程度だったら寝ないで走り続けることができたので、「もしかしたら自分の体は将来とも弱らないのではなかろうか」などと思っていたが、昨年の5月に原田病という眼病を患ってからは、まったく体力がなくなってきた。

 この病気の治療のためにステロイド剤の投与を昨年から継続しているが、この副作用が激しく免疫力がなくなってきたせいか風邪にたやすくかかり、いったんかかるとなかなか治らない。一番驚いたのは左足の膝に水がたまり始めパンパンに膨らんで歩くこともできなくなったことだ。
な、なんなんだ、こんな症状は初めてだ・・・・・・・・・」
水は定期的に抜いてもらったので今ではたまることはなくなったが、それでも1km程度歩くと痛みが出るので移動はもっぱら自転車で行っている。

 特にピンチだったのは今年の3月ごろで、原田病が再発し一時はほとんど目が見えなくなってしまった。
まずいじゃないか、目は見えない、耳は前からだが一層聞こえが悪くなるし、足まで動かなくなってしまった。これじゃヘレンケラーとさして変わらない・・・・・
すっかり観念して今まで行ってきた定期活動を圧縮した。

 ブログの記載は二日に一回にし、草刈はおゆみ野の森の草刈りだけに限定し、本を読めないので読書会の出席もやめることとし、地区の会議やちはら台走友会の定例練習等もすっかりご無沙汰になってしまった。
会議など何が話されているかわからないから出席しても無駄だし、体が動かないからマラソンレースには出られないし、無理に会議などに出るとストレスが溜まって仕方がない・・・

 3月以降活動は四季の道の清掃を毎日することと、おゆみ野の森の草刈以外は一切しないことにした。
毎日の日課は決まっていて朝の清掃作業、午前中は数学の勉強、午後は2時間程度自転車に乗って、夕方からは子供たちの勉強の指導というパターンに固定化した。
朝の清掃作業は自転車に乗って行うのだが一周6kmあまりあるので、歩くわけにはいかず自転車が唯一の移動手段だ。
数学は主として大学入試問題を解いているのだが、これだと文字を読んでいる時間より考えている時間が多いので目の負担にならない。
自転車に二時間程度乗るのはそうしないと体に変調をきたすからで、これが唯一のストレス解消策になっている。
夕方の4時ころから中学生3名と高校生2名が私の塾に来るのだが、8時ごろまで教えるとくたくたになってくるので9時ごろには寝込むようにしている。

 こうしたパターンを繰り返していたら、眼の状態が徐々に回復してきて文字もかなりはっきり見えるようになってきた。
やれやれ失明するかと思ったが何とか持ちこたえられそうだ・・・・・」ほっとしている。
3月段階では失明したら後がないと思っていたので8月まで持ちこたえられるかどうか不安だったが、どうやら杞憂に終わった。
うれしいことにオリンピック放送も見れて萩野選手や内村選手の活躍に小躍りしている。

 70歳まで生きられたことに感謝しよう。今は子供たちに勉強を教えることぐらいしかまともな活動はできないが、私の教え方は子供たちの評判がすこぶるよく「山崎さんに教えてもらうと(なぜか子供たちは私を山崎さんという)、とってもわかりやすい」と言ってくれるし、成績は目を見張るように向上するので教育者としての資質は十分ありそうだ。
これが最後の社会に対するご奉公になるが、目がまだ機能しているうちは頑張るつもりだ。

 

 


 
 

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(28.8.12) 病気療養中のため二日に1回の割で過去の旅行記を掲載しています。 「ロドリゴ 北アルプス縦断記その9」

病気療養中のため新しい記事は二日に一回の割合で掲載し、その間は過去の探訪記を再掲しております。

(25.9.15) ロドリゴ 北アルプス縦断記 その9(最終章) 帰宅

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(黒部五郎岳を過ぎる頃から蒲田川を隔てて笠ヶ岳が見えてくる。この角度から見た笠ヶ岳が一番美しい)

  さて、このロドリゴ北アルプス縦断記も最終章になりました。
私ロドリゴが枢機卿クナーカ様の命を受け、この北アルプス縦断に乗り出したのは8月20日のことでございましたから、今日(8月28日)で足かけ9日が経過したのでございます。
当初は昼夜兼行でこの北アルプスを踏破する予定が、すでに初日の草月はやつき)尾根の登りで大雨にあい挫折をし、その後は左足が思うように動かず、かつ雷に打たれたりしてすっかり老人の登山になってしまいました。

注)当初はトランス・アルプス・ジャパン・レースの選手のようにアルプスを走り抜けるイメージを持っておりました。

 思えばロドリゴは齢67歳で、こうした無理な登山はすでに不可能な状態になっていたことをあらためて思い知らされたのでございます。
それでも何とか北アルプス縦断だけはやり遂げようと穂高のキレットを越えて、岳沢からようやく上高地に降り立ったのでございます。

 長期の登山においてもっとも閉口するのは実は風呂に入ることができず、途中で体をふくことはあってもだんだんと臭気がまして自分でも気づくほどになることと、体にがまつわりついて夜間寝ているとかゆくて仕方がなくなることでございます。
ロドリゴは寝る前に手拭いを濡らしておき、体がかゆくなるたびにその手拭いで塩気をぬぐっていたのですが、臭気だけはいかんともしがたいレベルに達しておりました。

早く下界に降りて風呂に入ろう。くさいシャツやパンツや靴下は洗うか捨ててしまおう
当初の予定では上高地からバスに乗り松本市まで出てホテルに宿泊して山の垢をすべて落とす予定でございました。
夕方6時に上高地を発つバスに乗り、新島々で松本電鉄の電車に乗り換えて松本市には9時少し前に到着いたしました。

注)穂高や槍方面のほとんどの登山客はふもとまで自動車できており、電車を使用しての登山者はロドリゴ一人でございました。

 ロドリゴはさっそく駅の周りに点在しているホテルに宿泊を申し込んだのですが、信じられないことにどのホテルも「予約がいっぱいだ」との理由で断られたのでございます。
実際に予約がいっぱいだったのかもしれませんが、ロドリゴの風体があまりに山姥のようであったこと、および臭気がひどく他の宿泊客に迷惑が及ぶのをホテル側が恐れて断ったのではないかとロドリゴには思われました。

それならいい、もうホテルなんかには泊まらん
ロドリゴは一瞬松本駅の構内で寝ようかと思いましたが、新宿行のバスがあることを思い出して最終の10時発のバスで新宿に向かったのでございます。
バス内で靴を脱ぐと靴下が人間のにおいとは思われない悪臭を放ちましたので、すぐさま靴下と靴をビニール袋に入れて臭気の遮断を試みましたが、おそらく周囲の乗客は毒ガス兵器がハポンに持ち込まれたのではないかと疑ったはずでございます。

 新宿には夜中の12時半ごろ到着したのでございますが、まだこのころ若者が街にあふれており新宿は不夜城でしたが、残念なことにその時間にロドリゴが住む千葉市おゆみ野行きの電車は存在しませんでした

まあ、いいか、京葉線のコンコースで寝て朝一番の電車に乗ろう・・・・・
そう思いながらネオンサインを見ていると24時間営業の漫画キッサが目に入ったのでございます。
ロドリゴはさいとう たかお氏ゴルゴ13弘兼 憲史氏人間交差点のファンでしばしば漫画キッサを利用した関係で、ここに個室がありかつシャワーまで用意されていることを知っておりました。
料金は夜間8時間コースで2000円ちょっとで、はっきり言えば安価な木賃宿になっているのでございます。

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(槍から穂高にかけてはやはり日本の誇る山塊だと思う)

 北アルプス縦断の最後の締めが漫画キッサというのはいささか物足りなさを感じましたが、何しろ臭気をとれるならどこでもよいという状況でしたので、この漫画キッサに駆け込みようやくのことでシャワーを浴びることができたのでございます。
決して快適な眠りではありませんでしたが、それでも身体から塩気がぬぐい落ち久方ぶりにすっきりした気分にはなっておりました。

 こうしてあしかけ9日に及んだ北アルプス縦断は終わりました。
正直に言えばロドリゴにとって長期にわたる登山は体力がついていかず、特に前半は左足の不調に悩み山小屋にしばしば駆け込んでおりました。
かつて持久力抜群と言われたロドリゴにとっても寄る年波には勝てず、長期の登山はおそらくこれが最後になると思われました。

 クナーカ様には別途詳細な報告書をしたためる予定ですが、ブログでのロドリゴの報告はこれで終了いたします。長い間読んでくださり感謝申し上げます。

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(28.8.11) 天皇のお言葉を受け止めよう  生前退位について

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 8月8日の天皇のお言葉を聞いて思わず涙が流れた。
次第に身体が衰え全身全霊をもって務めを果たしても勤めが難しくなる」と述べられたが、これは本当のことだと思う。
陛下は82歳になられ、過去に2回の手術を受けられており必ずしも健康とは言えない。
それにもかかわらず公務を全身全霊をもって実行されておられ、さらにフィリピンやサイパンで散っていった元日本将兵の慰霊の旅を続けられ、また頻繁に東日本大震災の被災地等に足を運ばれておられた。
これでは82歳のお体が耐えることは難しい。

注)陛下の慰霊の旅については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2016/01/pppp-5.html

 私などまだ70歳だがすでに体のあちこちにガタが来ており、いまは1kmも歩くのが苦痛だし、耳はほとんど聞こえず、目はしょぼしょぼして長時間の読書などまったく不可能になっている。
高齢になれば致し方がない身体の衰えだが、幸いに私のようなサラリーマンには定年があり、60歳で定年退職になったし、一方スポーツマンは体力的に十分なパフォーマンスを維持できなくなればその段階で引退している。
芸術家は相対的に引退時期は遅いが、それでも小説家などは小説を書く体力がなくなったら軽いエッセイぐらいしか書かなくなり、実質的に引退する。

 そうした中で「一人天皇だけは引退はだめで死ぬまで国事行為をこなさなければならない」などというのはあまりに無謀で無理な考え方だ。
陛下がこのたび生前退位を示唆した発言をされたが、幸い皇太子は56歳になられており、通常の感覚では十分すぎるほどの年齢になられている。
ここはどう考えても皇太子に譲位されるのが妥当だと思わざる得ない。

 陛下はさらにモガリについて述べられておられたが、昭和天皇が崩御されたあと日本は約1年間にわたって喪に服した。
その間は祭りや宴会やそのた派手な行事は一切実施されなかった。そのため飲食業や旅行業等にマイナスのインパクトを与えたのは事実だ。

 安倍総理は天皇のお言葉を深く受け止め、皇室典範等の変更を検討し始めることにしたが、国民の総意も「天皇にこれ以上のご負担をかけるのは忍びない」というところに落ち着いている。
十分すぎるくらい天皇の象徴としてのお勤めをなされてきたのだから、心静かな引退の期間があってしかるべきだと国民の一人として思っている。

 
 

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(28.8.10) 病気療養中のため二日に1回の割で過去の旅行記を掲載しています。 「ロドリゴ 北アルプス縦断記その8」

病気療養中のため新しい記事は二日に一回の割合で掲載し、その間は過去の探訪記を再掲しております。

(25.9.13) ロドリゴ 北アルプス縦断記 その8 キレット越え

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大キレットの岸壁。危険な場所にははしごや鎖が設置されている)

 ロドリゴは若い時から登山をしてきましたが、なんとなく行くのが嫌な場所というものがあるのでございます。それが本日(8月27日)通過しようとしている南岳(3032m)北穂高岳3106m)の間の大キレット北穂高岳奥穂高岳3190m)の間にある小キレットでございました。
ここは上からこのキレットを覘くと何とも空恐ろしい断崖絶壁になっており、どこに底があるのかと思われるほど深く、到底人が通れるような場所と思われないような場所でございました。
こんな所は鳥以外は近寄ることはできまい」そう思って避けてきたのでございます。

 ただしこうした場所でも対処方法はあるもので、それは絶対に上や下を見ないことで、上や下を見るとそれだけでめまいがしますが、一方目の前の1m程度の範囲に視界を固定しその岩だけを見ていれば、たった1mの岩登りに過ぎないのでございます。
特に一般の登山道は危険な場所には鎖と梯子が設置されていますので、この方法は非常に有効でございました。

注)登山道でない場所のクライミングにはルートファインディングの能力が要求されますので上下左右を見渡さなくてはならず、視界1m固定方法は役立ちません

 「見まいぞ、見まいぞ、断崖絶壁」呪文を唱えながら南岳から大キレットに降り始めたのは5時半ごろでございました(ロドリゴは本当は絶壁が怖いのでございます)。
実はロドリゴが出発する1時間程度前に、老人グループインストラクターに引率されてこの大キレット越えを始めておりました。
このグループは総勢20名程度で、三つのグループに分けられ互いにロープで結ばれヘルメットを着用しておりました。

 登山経験のない方はこのローピングについてお分かりにならないでしょうが、ロドリゴが生まれたヨーロッパ・アルプスでは通常の方式で危険な岩場に向かう時の安全対策でございます。
ただしそれには条件があり、たとえば素人が登山するときは専門のガイドと1対1でローピングして、素人の滑落を防ぐのでございます。
ところが信じられないことにこの大キレット越えをしているグループはインストラクター一人に素人の老人5名程度がローピングをしておりました。

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(私の前にいた老人グループ。ナメクジの歩みのように遅かった)

これがローピングと言えるのだろうか、これでは一人が滑落したら全員が谷底に落ちてしまうじゃないか。助ける人が一人で滑落する人が5名では一蓮托生だ!!!」
ロドリゴはあきれ返ってしまいました。
しかし滑落するのは自身の責任としても、問題はこのグループのキレット越えは亀の歩みというよりはナメクジ並みのスピードで、1時間前に出発したグループにすぐに追いついてしまったのでございます。

注)なおこのようなローピングはとても危険で、いつか集団で滑落する事故が起こるとロドリゴは予測しておきます。

 この登山道は人一人がやっと通れる程度ですのでどのように努力しても追い抜くことは不可能で、無理して一般道を外れると奈落の底に落ちてしまうことは確実でございました。
いつまでも岩にかじりついてないで早く通ってくれ!!!」祈るような気持ちでしたが、この老人たちは岸壁を登るには腕に力がなく、一方岸壁を下るときは足が震えているといった有様で、本来こうした場所に来るのは絶対にふさわしくない人々の集団でございました。

注)老人登山が盛んになるにつれて安全な登山に飽きた老人が、インストラクター(登山家がバイトで行っている)に付き添われて素人が近寄らなかったキレット越えのような場所に集中するようになっております。

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(滝谷。見ると恐ろしいのでできるだけ見ないようにしていた)

 大キレットで唯一追い抜きが可能な場所はこのキレットのもっとも低い部分(鞍部)だけで、そこに行くまでロドリゴはただただひたすら岩を抱えて待つしか方法はなかったのでございます。
岩登りにはリズムが大事で、反対にこのリズムが失われると思わぬところで事故になるのですが、この時はリズムなんてものでなく高速道路の大渋滞といった有様でございました。
いいから、みんな滝谷に落ちてしまえ!!!」悪魔のささやきに思わず心が動かされそうになりました。

 結果的にこの大キレット越えには1時間半近く遅れてしまい、次の小キレット越えは慌てふためきながら突破し、奥穂高岳から前穂高岳3090m)を経由し、岳沢を下って上高地のバス停にたどり着いたのは6時少し前で、6時の最終バスにようやくのことで間に合ったのでございます。
正直に申しますと1週間以上山にこもっていたため、体は塩まみれになりあまつさえ自分でも分かるほど臭気を発しておりました。
ロドリゴが大キレット越えでイライラしたのも、本日中に下山し温泉に入りたかったからでございます。

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(28.8.9) 日本、リオオリンピック不調 体操と柔道がはらはらドキドキだ!!

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  いやはやひどいことになってきた。リオオリンピックのことである。
当初の目論見では金メダル14個は堅いといわれていたので私などは舞い上がってしまっていた。
そうか、金14個か。女子レスリングで4、体操で3、柔道で3、競泳で3、その他で1個だ。これは絶対に大丈夫だろう

 しかしオリンピックが開催され徐々に結果が判明してくると、予想に反し体操と柔道がさっぱりなのが分かってきた。
体操などは断トツの総合優勝のはずが、予選を4位でかろうじて通過するありさまでエースの内村選手などが鉄棒で落下してさっぱり気勢が上がらない。
これじゃ銅メダルも危ないじゃないか・・・・・・
私などはすっかりしょげて体操競技を見る勇気がなくなった。
また内村の落下など見たら、心臓まひになってしまう・・・・・・・

 柔道は銅メダルはとるが金メダルは「全くお呼びでない」という状況になっている。
なぜだ、なぜ日本柔道は銅メダルばかりなんだ・・・・・・
柔道競技を見る意欲もすっかり失せてしまい、いまは 萩野選手が大活躍している競泳しか見たくない気持ちだ。
だがなぜ日本選手はこれほど本番に弱いのかと、体操と柔道を見ていてしみじみそう思ってしまった。

 かつて日本の選手はメンタル面で弱く本番になると本来の力の半分も出せないといわれていたが、最近では萩野選手や瀬戸選手のような一流選手になればまったく精神面の弱さなど感じられない。
テニスの錦織選手など実に強靭な精神力をしている。
だから日本選手が特に精神面で弱いと思っていなかったが、今回は再びメンタル面の弱点を痛感させられている。
これでは東京オリンピックも散々な結果になりそうだ。

 いま私は競泳以外の競技を見る勇気はとてもないが、このままいくと日本の金メダル数はとても14個などというわけにはいかず、半分の7個が取れれば御の字ということになりそうだ。
なんとか挽回してもらいたいがなにか手立てはあるのだろうか。

追記)悩んでいたら柔道の大野選手が金メダルをとってくれた。さらに体操の団体総合も優勝した。いや実に素晴らしい。悩んでいた方が間違いだったのだろうか・・・・・

 


 

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(28.8.8) 病気療養中のため二日に1回の割で過去の旅行記を掲載しています。 「ロドリゴ 北アルプス縦断記その7」

病気療養中のため新しい記事は二日に一回の割合で掲載し、その間は過去の探訪記を再掲しております。

(25.9.11) ロドリゴ 北アルプス縦断記 その7 槍ヶ岳から南岳へ

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(槍ヶ岳、中岳、南岳と続く稜線が見えた)

今日(8月26日)は黒部五郎岳のキャンプ場を後にして、三俣蓮華岳2841m)、双六岳2860m)、槍ヶ岳3180m)を経由して南岳3032m)のキャンプ場まで行く予定でございました。
天気は晴れ渡り前半の悪天候がうそのような状況になり、ロドリゴはウキウキしながらこの高度3000m前後の尾根歩きを楽しんだのでございます。

 特にロドリゴが好きなのは双六岳の何ともだだっ広い稜線で、高度3000mの地点に何か草原が広がっているような錯覚さえ起こるような場所でございました。
こんなところで一日中寝ていたらどんなに幸福だろうか・・・・・

 双六岳から槍ヶ岳に向かうには西鎌尾根を4時間弱歩かなくてはならないのですが、このころから歩く速さがとても速くなり3時間弱槍ヶ岳の肩小屋まで到着いたしました。
しかしこの肩小屋についてロドリゴは目を見張ったのでございます。
いままで日本アルプスの中央部分を歩いてきた関係で、登山客は非常にまばらで山小屋なども10人以下の泊り客しか見なかったのに、ここには銀座か新宿を思わすような雑踏になっておりました。
な、なんなんだ。この混雑ぶりは・・・・・・・

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(槍ヶ岳の岩場、こうしたピークがいくつも続いている)

 ロドリゴは山では静寂を好み、しばらく前までは人っ子一人いない場所でよくキャンプを張っておりました。
10㎞四方にはクマと狐しかおらず、自身も動物に化身して夜を過ごしたものですので人の多い場所はどうしても違和感を覚えるのでございます。
こんな場所は早く通り過ぎて南岳まで行けば少しは静かになるだろう・・・・・

 ロドリゴが南岳に向かったのは明日は大キレットと言う難所をこえるためでございます。登山好きの人はよくご存知ですがこの南岳北穂高岳の間に大きく落ちくぼんだ登山道があり、かつては通常の登山者は通ることのできない難所中の難所でございました。
いまは鎖と梯子が設置され注意すれば通常の登山者も通過可能なのですが、蒲田川側滝谷と言ってロッククライマーのメッカになっており、断崖絶壁が真下に見える目のくらむような場所でございます。

注)なおキレットとはエゲレス語のように思われますが、切戸というハポンの言葉がなまったものでございます。

 ロドリゴは剣岳の難所を突破した後はほとんど稜線歩きといった具合で危険なものは雷ぐらいだったのですが、再びここ穂高にきて難所中の難所を越えることになったのでございます。
まあ、しかし所詮は一般の登山道だ。剣岳のカニの横這いを思えば楽勝だろう
そう思ったのですが、実は信じられないような伏兵がいて決して楽勝ではなかったのでございます(詳細は次回報告します)。

 ロドリゴは南岳のキャンプ場でキャンプを張り、一方で食事は南岳小屋で食べたのですが、ここも信じられないような混雑でございました。
かつてと言っても40年以上も前ですが、ここ南岳小屋に泊まった時はシーズン中だというのにガラガラに空いていたことを思い出しました。

 当時はキレットを超える登山客は少なく経験豊かな登山者以外は大キレット越えをしなかったのですが、信じられないことに今は私と同様の老人が登山のインストラクターに付き添われて大キレットを超えるツアーに参加しておりました。
なんなんだ、この爺さんと婆さんの大集団は・・・・・・・」ロドリゴは自身も爺さんであることを忘れて驚きの声を上げてしまいました。

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(西鎌尾根から見た赤岳、岩石が赤いのでとても印象的な山)

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(28.8.7) 青森ねぶたが衰退しているという。「なぜ????」

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 先日の日経新聞の青森ねぶたまつりの記事はとても意外な気がした。
信じられないことにねぶたまつりが低迷しており、ピーク時に比較して3割も観光客が減少しているという。
ねぶた祭りといえば日本で最も人気のある祭りで、誰でも一度は見てみたいと思う祭りなのだが、今から20年前には380万人の観光客を集めたのに昨年は260万人に減少したのだという。

本当かね、外国人観光客が毎年5割程度の割合で増大しているのに、青森のねぶたは素通りかい・・・・・・・・
信じられないような思いだが、記事によると関係者がとても保守的になって祭りを盛り上げる努力を放棄しているのだという。

 まず青森市長が全くねぶたまつりに関心を示さずもっぱら原発反対だけに注力していることがあるらしい。
現市長は2009年から現職だが社民党と共産党が推した左派系で市長で、ねぶた祭りの実際の主催者である商工会議所とは犬猿の仲で、互いに「あいつらのすることには絶対協力しない」とそっぽを向き合っているという。

 また商工会議所は商工会議所で御多聞に漏れず保守的で、大きなねぶたの数を22に制限し新たな参入を阻んでいるという。新たに参入させると警察等との交渉をしなければならないが、警察 は2001年の明石市の花火大会での事故以来、警備上でミスが発生することを極度に恐れて主催者側の警備の人数等の条件が極度に厳しくなっている。
議所さん、やってもいいですがこれ以上の観客増員は警察では警備上不可能です。そちらで警備員を増員してもらって事故が起こらないようにしてくれるなら別ですが・・・・」

 警備責任を常に要請されるのでそのための費用等が増大し、とうとう15年度は祭りの収支が赤字になってしまった。
収入はもっぱら有料観覧席の入場料で賄われているが、観客数の減少が収支を悪化させた。
ヤレヤレ毎年赤字を計上しても果たしてねぶたを継続するのかい・・・・・」主催者がしらけている。

 どうやら青森のねぶたについてはやる気のある集団がいなくなって、ただ現状維持を図ろうとするものばかりだから盛り上がらないこと甚だしいらしい。
祭りなどというものは美空ひばりさんの「お祭りマンボ」にあるように「雨が降ろうがやりが降ろうが 朝から晩までおみこし担いでワッショイ ワッショイ」する人がいて成り立つのだが、そうした人が年年歳歳減少しているのだという。

 私もよく知っているが現在では新たなイベントを起こすことが極端に難しい時代になっている。特に警察や役所との話し合いは最悪でありとあらゆる条件を付けられて、「一体そんな条件をクリアーする金をどうやって調達するのだろうか・・・」と当惑することばかりだ。
たとえば長距離マラソンを主催する場合関係する市町村の警察署にすべて説明しなければならないがそのたびに厳しい警備条件をつけられて、「そんな努力をしなければならないならイベントなど止めてしまおう」と思わせられるほどだ。
したがって私が良く参加したトランス蝦夷といったような1000kmを越えるレースでは、レースという言葉を使わず遠足ということになっており、したがって警察とは没交渉になっている。それ以外に主催する方法はないからだ。

 地方の再生はこうしたイベントで観光客を呼び込むことだが、青森市の場合は市長は全くねぶたに興味がなく「観光客の増大なんてかえって迷惑」と思っており、警察は警備責任を問われるのを極端に恐れてねぶたの観客数増大に反対で、一方商工会議所はメンバー自身が年をとって活力がなくなっていることもあるが、この現状を突破する意欲は全くない。
何か三すくみのような状態で青森ねぶたは衰退しているのだという。
思いのほか地方再生が難しいことを知らされた。

 

 
 

 

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(28.8.6) 病気療養中のため二日に1回の割で過去の旅行記を掲載しています。 「ロドリゴ 北アルプス縦断記その6」

病気療養中のため新しい記事は二日に一回の割合で掲載し、その間は過去の探訪記を再掲しております。

(25.9.9) ロドリゴ 北アルプス縦断記 その6 黒部五郎岳

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(黒部五郎岳。真ん中のえぐれている場所はかつて氷河があった場所でカールという)

 天候も安定し、信じられないことにあれほど力が入らなかった左足も踏ん張りがきくようになり、快適な尾根歩きができるようになりました。
昨日は何とも長かった薬師岳の稜線を歩いたのですが、今日(8月25日)は黒部五郎岳2839m)を越してその向こう側にある黒部五郎小屋のキャンプ場まで行く予定でございました。
このころから朝5時半出発、3時か4時までにキャンプ場に着くというパターンがようやく定着したのでございます。

 今日のコースも2500mから2800m程度の山の稜線を歩くことになり、とても開けたはい松帯お花畑を縫うように歩くのでございますが、気になったことは道が雨で深くえぐられ地表が醜く露出していることでございました。
どうしても人間が歩くとそこの植物が枯死して岩だらけになり、そこに水が集中的に流れるようになって山肌が崩れていくのでございます。
特に太郎山2372m)から北ノ俣岳2661m)に向かう登山道は何か小さな渓谷と言っていいような状況になっておりました。

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(表土は50cm程度で、そこが水に洗われて表土が喪失し山が次第に荒れてくる)

 こうした場所は環境庁が尾瀬にあるような木道を整備し、また岩が流れないようになどを設置していましたが、予算の関係でしょうかとても十分な手当てには見えませんでした。
ハポンの財産と言っていい山肌がどんどん露出していくのはとても見るにたえない
ロドリゴにもし資金があり財団を組成できるならば、日本の山を守る会を結成して岩肌の露出部分に木道を設置してこれ以上の崩壊から自然を守るのですが、ロドリゴの最大の弱点はお金に縁がないことでございました。

 さて今回どうしてもクナーカ様に報告しなければならなかったことは、黒部五郎岳から五郎のカールコースをたどっていた時、背中が破れたリックを発見したことでございます。
背中がざっくりと穴が開いており、内容物が周りに散乱しテントのひもを止める金属製のペグが10m程度離れた場所にほっぽり出してありました。
なんだ、なんだ、どうしたんだ。このリックの持ち主に一体何が起こったのだろうか???」
山で時にリックがデポしてあることはあるのですが、持ち物が散乱しザックそのものが破けているような状況を見たのは初めてでございました。

 この場所から約2km程度下ると黒部五郎小屋がありますのでそこで小屋の管理者にその旨報告すると、ことの仔細が判明いたしました。
ロドリゴが五色が原で雷鳴に打たれて命からがら小屋に逃げ込んだ二日前、ここ黒部五郎岳周辺も雷に襲われ、登山客の一人のザックに雷が落下したそうでございます。
本人はすぐにザックを捨てたのですが背中に大やけどをしかちかち山の狸のようになり、それでも自力で2km下の黒部五郎小屋までたどり着き、そこから救助のヘリコプターに乗って病院に運ばれたのだそうでございます。
早くリックの回収をしたいのだけど時間がないのでそのままにしています」と山小屋の管理者がすまなそうに言っておりました。
雷が落下した後を見たのは初めてでございますが、一歩間違えばロドリゴの運命だったと思うととても異様な感じがしたものでございます。

 この日からロドリゴはようやくキャンプ生活に入ることにしました。
ところが取り出した寝袋は保護していたビニール袋に穴が開いていたため、かなりひどく濡れてしまっておりました。
こりゃまずい、早く乾かさないと夜中寝られない・・・・・・・・
ロドリゴは懸命にこの寝袋を乾かしかろうじて寝られる状態にしてその夜を過ごしたのでございます。
こうして黒部五郎岳でキャンプができ、いつもの山旅のスタイルになれてとてもうれしく思ったものでございました。
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(ようやくキャンプ生活にはいれた)

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(28.8.5) GDPの時代の終わり  いくら補正予算を組んでもGDPは伸びない!!

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 私は日頃から安倍首相の日本経済を再生したいという努力に は敬服しているが、だからといってその経済政策が成功するかどうかは別問題だ。
安倍首相は参議院選挙の結果を受けて第3次安倍内閣を発足し、低迷傾向がみられる経済に活を入れるため28兆円規模の第二次補正予算を組むことを決定した。
28兆円といえば当初予算の約3割だから補正予算としては目の玉が飛び出るほどの金額だが、具体的にその内容を調べてみると、この予算規模がひどい上げ底だということが分かる。

 国と地方の財政出動は7.5兆円で、その他に財政投融資が6兆円だから実際の予算は13.5兆円で残りの14.5兆円は政府支出に誘発された民間投資を予定している。
だから半分は元からあてにできない数字を積み上げたものだ
さらに財政投融資は予定される事業に対する政府金融機関からの融資だから、簡単にいえば日銀の懐を当てにした予算で本当に政府が支出する予算は、国単独ならば地方の財政出動を除いた約5兆円に過ぎない。
この5兆円がいわゆる真水なのだが、この程度の補正予算は過去に何回も組まれているから、第二次補正予算が特別巨大なわけではなく、いわば底上げをして大きく見せているだけだ。

 しかしコケ脅かしだろうが何だろうが日本経済にカンフルを入れなければ、3年前に華々しく実施したアベノミクスの成果が雲散霧消しそうになっていることも確かだ。
すでに為替は100円前後と120円の円安水準から比べると、すでに半分ほど円高に揺れ戻している。
このため輸出産業の業容は日に日に悪化しつつあり、また外国人観光客も昨年のような爆買いをしなくなり、また観光客数自体も大幅な伸びが期待できなくなっている。
日経平均は16000円前後まで落ちてきて、トレンドはさらに低下しそうでこのままいくとアベノミクスは大失敗だということになる。

 だから安倍首相が懸命に経済の底上げを図ろうとしているのだが、残念ながら日本のように高度に発展した社会では、新たな投資案件を見つけることは極度に難しい。
たとえばリニア新幹線を前倒しで建設すると言うが、だからと言ってこの経済効果は限定的だ。
リニアが完成されても日本の人口は減少の一途だしまた企業は出張旅費を極力抑える方向にあるから、全体のJR利用客が増えるわけでない。
その結果現行の新幹線とリニア新幹線が客の奪い合いをするだけで、日本全体としてGDPが伸びない。

 また新技術を称されるものは旧技術とそこに働いていた人の職場を奪うのが普通で、たとえばアマゾンがドローンを利用した配送を行うようなことがあれば、配送業者や運転手は失業することになる。
だから21世紀型の新事業が開発されるほど、一部の人には富が集積されるが、一方で失業者が増大して国全体としてはGDPを押し下げることになる。
安倍首相の言う21世紀型の新規事業とはそうしたもので、推進すればするほどGDPを圧縮してしまうのだ。

 だからどんなに政府が音頭をとってGDP600兆円を目指すといっても穴の開いた鍋に水を入れているようなもので過去のような経済成長が実現できるわけでない。
これは日本やヨーロッパやアメリカが実際に遭遇している現実だ。
だが別にGDPが増えなくても十分幸せでこれ以上モノやサービスが増えても困るのが人間だから「経済成長なんてなんぼのものよ」と多くの人々は思っている。

 私の生活を見てみると分かるが朝四季の道の清掃活動をし、午前中は数学の勉強をし、午後は2時間程度自転車に乗り、二日に一回ブログを書き、夕方は中学生と高校生に勉強を教えている。こうした作業はほとんどボランティアだからGDPに は全くと言っていいほど貢献していない。それでも十分幸せなのだ。
だから政府は懸命なGDP底上げ努力をしてもその効果が現れないことを知り「GDPの時代は終わったのだろうか・・・・」と最後は苦渋しながら悟ることになるのだろう。それが21世紀なのだ。

 

 

 

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(28.8.4) 病気療養中のため二日に1回の割で過去の旅行記を掲載しています。 「ロドリゴ 北アルプス縦断記その5」

病気療養中のため新しい記事は二日に一回の割合で掲載し、その間は過去の探訪記を再掲しております。

(25.9.7) ロドリゴ 北アルプス縦断記 その5 薬師岳への道

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(北アルプスの中央部分にはまだ多くのライチョウが生息していた)

 天候は5日目に入ってようやく回復の兆しを見せてきました。この日(8月24日)は朝方は弱い雨が降っていたものの、段々と晴れ模様になってきてロドリゴの気持ちもようやく晴れやかになってきたのでございます。
黒部渓谷を挟んで対岸にはかつてロドリゴが登った事がある烏帽子岳野口五郎岳が見え、その向こうには鹿島槍五竜といった、安曇野からも見えるなじみの山岳が姿をあらわしてまいりました。

やれやれ、雷はもう来そうもないし、稜線歩きは快適だし危険な場所も全くなくなった
北アルプスの中央部分は2500mから2900m程度の山が数珠つなぎに連なっており、標高差は400m程度で、剣や穂高のような断崖絶壁は全くなく、時にブロックのように積みあがった大石の上を飛ぶように歩く以外は危険とは無縁の場所なのでございます。

 眼下には黒部川の上廊下と呼ばれる断崖伝いの道が見えておりました。
山登りで遠くの山が見えるというのはとても気分を爽快にし、「今日はあすこまで行こう」なんて気持ちになるのですが、一方土砂降りの雨や霧にまかれると自分の立ち位置が全く分からなくなり、「なんでこんなつまらないことを自分はしているのだろう」とひどく懐疑的になるものでございます。

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(ようやく黒部渓谷を挟んだ対岸の山並みが見えてきました)

 今日登らなければならなかった山は薬師岳2926m)ですが、この山は横にだだっ広く広がっており、五色ガ原方面からくると、行けども行けども頂上が現れてこないという不思議な山でございました。
ようやくたどり着いたと思われた頂上は北薬師岳2900m)でそこからさらに1時間以上歩かないと薬師岳の頂上には到達しないのでございます。

 薬師岳の稜線はなにか大きな馬の背中といった感じで、晴れてさえいれば全く問題ないのでございますが、霧にまかれると方向が全く分からなくなり過去にここで愛知大学登山部の大量遭難事故が発生しておりました。
間違った尾根を降りてしまい一旦沢筋に入り込むと引き返すことができなくなって遭難するというパターンで、登山でははっきりしたルートになっている沢筋以外は絶対に入らないのが鉄則なのでございます。

注)沢には必ず滝があってここを降りてしまうと引き返すことができなくなり、さらに下に降りていくと滝の規模がだんだんと大きくなってどうにもならなくなるのでございます。
かつてロドリゴは伯耆大山の沢に降りてひどい目にあった経験がございます。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/2091_050f.html


 
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(薬師岳の下降ルート。霧にまかれると全く方向が分からず、尾根筋を間違える)

 何ともだだっ広い尾根伝いに降りると薬師岳小屋が見えてまいりました。
ロドリゴは正直に白状しますが最初はすべてキャンプどまりにする予定でございましたが、山が大荒れに荒れていた関係で小屋どまりをしているうちにすっかり野性味を失い、山小屋をあてにするようになってしまいました。
この小屋から1時間程度下ればキャンプ場があったのですが、時間が3時ごろですでに10時間弱の時間が経っていたので、ここで草鞋を脱ぐことにいたしたのでございます。
姉さん、一晩泊めてやっておくんなせい

 ここ薬師岳小屋から見る景色は360度の遠望というような感じで、特に夕焼けは美しくうっとりするような眺めでございました。
しかしロドリゴは「日が暮れるまで歩く」という当初の目論見が崩れ、山小屋ばかりに泊まっている自分が情けなく思われたのでございました。
ロドリゴが山小屋ばかり泊まるのは、たまたま金があるからだ。いっそこの金をすべて破いて捨てれば二度と山小屋に泊まることはあるまい

注)ロドリゴがお金を持っていたのはクナーカ様から支給される伝道費用の一部をひそかにためていたからでございます。

 ロドリゴは強い決心をして残っていた万円札をすべて破り捨てようとしたのですが、そうすると山にごみを残してしまうことにはたと気が付きました。
主に仕える者が山を紙幣で汚しては主に対し面目が経たない」ロドリゴは(決して金が惜しいのではなく)自然を愛する心ゆえにこの行為を思いとどまったのでございます。


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(薬師岳小屋から見た夕焼け)

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(28.8.3) 歴史的転換を示した東京都知事選挙結果  左翼は死に絶えダイナソーになった!!

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 今回の東京都知事選挙結果に は驚いてしまった。
小池百合子氏が圧勝し、一方野党4党が推した鳥越俊太郎氏が惨敗したからだ。小池氏の得票は290万票で一方鳥越氏の得票は130万票だった。
小池氏が2倍以上の得票を得ており、これは保守が分裂選挙になり、増田氏が180万票得てもなお小池氏が悠々と圧勝をしている。
保守対左派の票の差は、約4倍だ。
こんなに票差があったのだろうか・・・・・・・」正直驚いた。

 鳥越俊太郎氏といえば左派陣営のエースで、ニュースキャスターとして自民党政権を鋭く批判してきた人だ。
もちろん現憲法擁護論者だし、原発反対論者でそもそも立候補した理由が、「参議院選挙で憲法改正勢力が3分の2を越えたのでそれを阻止するために立ち上がった」と述べていた。
最も東京都知事は憲法改正の国会の発議とは全く無関係なのだが、鳥越氏としては憲法と原発反対を唱えれば都民は鳥越氏を支持すると思ったのだろう。

 しかしそうしたイデオロギッシュな主張に耳を傾ける都民は年年歳歳減少している。
年齢別の支持政党支持率は年齢が若くなればなるほど自民党支持者が増加し、一方民進党や共産党の支持者が減少する傾向にある。
簡単に言えば民進党や共産党は年寄りだけが支持して若者からそっぽをむかれているのだ

 これは私が学生時代だった50年前ころと全く正反対の傾向で、当時は学生は共産党と社会党のシンパが大多数で、一方で自民党支持者などは実に肩身の狭い思いをしていたものだ。
自民党支持だなどとわかるとそれだけで軽蔑の対象で学生としてまともな扱いをしてくれなかった。
なんて政治意識の低い奴だ。単なる馬鹿か!!」

 しかし20世紀の終わりにソビエトロシアが崩壊し、後は醜悪な中華人民共和国や北朝鮮といった国家が左翼国家として残っているだけだから、誰もが左翼幻想から覚めてしまった。
社会主義国家とか共産主義国家というのは国家的弾圧組織に過ぎないのか・・・・・・
もはや若者は社会主義に見向きもしないので、残された民進党や共産党支持者は20世紀の左派全盛時代のオールドファッションの左翼支持者だけになってしまった。
そのオールドファッションも毎年死に絶えていく。

 21世紀になって保守革新という構図が全く崩れ、かつての左翼政党が憲法の維持を声高に叫んで保守化しており、一方保守の安倍政権が日本を21世紀スタイルにするために改革を叫んでいる。
かつて革新と呼ばれていた陣営は今や何も革新できずただただ現状維持の保守政党になってしまった。
左派陣営の存在意義は日に日に薄らいでいる。

 今回の都知事選の鳥越氏の惨敗の結果を見て、「ついに左翼が死に絶えたか」との感慨を持った。
20世紀あれほど吹き荒れた左翼の時代が終わって、生き残ったのは保守陣営だけだ。民進党も共産党も歴史の渦に飲み込まれ、ダイナソーになる日が近づいている。
時代から取り残されているのだからそれも致し方ないといえる。

 

 

 

 

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(28.8.2) 病気療養中のため二日に1回の割で過去の旅行記を掲載しています。 「ロドリゴ 北アルプス縦断記その4」

病気療養中のため新しい記事は二日に一回の割合で掲載し、その間は過去の探訪記を再掲しております。

(25.9.5) ロドリゴ 北アルプス縦断記 その4 雷鳴のなかで

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(五色ガ原周辺、道が川になってしまった)

  ロドリゴは全く知りませんでしたがこの日(8月23日)富山地方では前線が停滞し、雷豪雨注意報が発令されておりました。
立山の大如山休憩所3015m)を出立した時はそれほどではなかったのですが、だんだんと驟雨が強くなり稜線の風の通り道に差し掛かると横殴りの雨が肌を打って痛いほどでございました。

 立山は竜王岳2872m)を過ぎると室堂平に引き返す道はなくなり、日本アルプスの中央部分に入っていくことになります。
かつてここは大学のワンゲル部のようなテントと食料持参で1週間程度山にこもれる人だけの天国でしたが、今では山小屋が整備され時間と体力のある登山客も入山が可能になっております。

 
 天候は時間が経つにつれ悪化し始め、当初は強い雨と強風だけでしたがそのうちに雷鳴が聞こえ始めたのでございます。
山の稜線伝いで雷鳴にあうのはかなり危険で、それも近くで雷鳴が鳴り出すと命の危険と隣り合わせになるのでございます。

 ロドリゴは稲光がして雷鳴がとどろくまでの時間を測定し、それが10秒以上では安心、5秒以内では危険と判断することにしておりました。
音速は約340mですので、10秒以上であれば3.5km以上も先だし、5秒以内であれば2km以内に迫ってきたということになるからでございます。

 当初は遠雷という状況だったのがついにロドリゴの上空で稲光が始まり、あたかも戦場のような状況なってきたのでございます。光だけでも迫力があるのに、何かまわり近所に砲弾が落ちているような状況でございました。
これはいくらなんでもまずい、どこかに退避しよう・・・・
通常の退避方法は稜線を避けて低い場所にうずくまっているということですが、実際にこれを行うのは全く不可能だと分かりました。

  と申しますのも歩いている間はTシャツとその上にカッパを着ている状態で適温を保てたのですが、止まって静かにしていると猛烈な雨と風でたちまちのうちに体温が奪われるのでございます。
最近韓国からの登山客が稜線で低体温症で死亡しておりましたが、ちょうどそれと同じ状況になってしまいました。
これじゃ低体温症で死ぬか、雷に打たれて死ぬかの選択じゃないか・・・・低体温症は確実に訪れるが雷は運が良ければ当たらないかもしれない・・・・・・・

 自分が今いる地点からもっとも近い山小屋は五色が原の山荘でしたので、何しろそこまで逃げ込むことにいたしました。
五色が原は標高2500m程度の場所に開けた平原のような場所で、池塘が美しく晴れていればいくらでも寝ていたくなるような場所でございます。
しかし今はあたかも戦場の砲弾の中を逃げ惑う敗残兵といった状況で、ただひたすら山荘までの道を急いだのでございます。

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(ようやくたどり着いた山荘)

 ロドリゴは何とか山荘にたどり着き難を逃れたのですが、ここから2日程度かかる場所を登攀していた登山客が雷に打たれ重傷を負ったということを後で聞きました。
雷に打たれるか否かは全く偶然というか確率の問題で、ロドリゴはタダひたすら主に祈ったのでございます。
善人なおもて往生す、いわんや悪人おや!!!」

 あまりに狼狽し、主の言葉をすっかりわすれてしまい親鸞聖人の言葉の方が出てしまいました。
ロドリゴはクナーカ様の目を盗んでひそかにハポンの仏教を研究し、他力本願のこの言葉が頭に焼き付いていたからでございます。
雷に打たれるか否かはすべて神のおぼしめし、クナーカ様から「秘かに異教を学ぶものは悪人だ」と言われたロドリゴでも生きたい」という気持ちでございました。

 ここ山荘には数名の登山客が避難しておりましたが、山荘に逃れた後も雷鳴はとどろき、大粒の雨が窓を打っておりました。
しかし山荘の中は快適で、地獄に仏とはこのことを言うのでございましょう。
かつてはこうした場所で生命を落とした登山家も今では山荘に逃げ込めば街中のホテルにいるのと何ら変わらない状況になることを身に染みて経験したのでございます。
雨と風と雷鳴は夜中まで続き、もしこのまま雨に打ち付けられていればおそらくロドリゴはこの場で67歳の生涯を終えていたと思われました。

なお五色が原周辺の地図は以下参照
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-123965.html

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(28.8.1) 猛暑だ、水害だ、世界中で異常気象だ!!

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 いやはやこの猛暑で完全にへたばってしまった。
1週間前から夏風邪をひいて家に引きこもって寝ていたこともあり、昨日(30日)ようやく体調が回復したので朝の清掃作業に出かけたら朝だというのに猛烈な暑さで、帰って再び寝込んでしまった。
もうだめだ、からだが動かん・・・・・・
毎日新聞を見ていたら今年は観測史上最悪の猛暑になると報じていた。
一月からの平均気温が産業革命時対比約1.5度UPで昨年の1.1度UPや一昨年の1.0度UPを大幅に更新しそうだという。
これじゃ、産業革命対比2%UP以内に抑えるという国連の目標なんて夢のまた夢じゃないか・・・・・・・」ため息が出てきた。

 今日(31日)も真夏日で外に出るとじりじりと皮膚を焼かれるので家に閉じこもったままだ。
ニュースでは無理な外出を避けてクーラーの効いた部屋で静かに休むように言っているが、いわれなくとも外には出ていきたくない。
今日も一日クーラーの効いた家でゴロゴロしているがそれ以外の対処の仕様がない。

 日本では38度前後の猛暑だがインドなどで は51度になったというからさらに酷暑といっていい。アラスカも史上最高気温だという。
私は世界中が暑くなっているのかと思っていたら、欧州と中国とアメリカの南部はひどい洪水に見舞われていた。
特にフランスではセーヌ川の水位が約8mも上昇して、ルーブル美術館やオルセー美術館に水が流れ込んだため閉館して水没しそうな収蔵庫にある美術品を階上に退避させていた。
急げ、ルーブル美術館が水没するぞ、世界の文化資産を守れ!!」
この欧州の洪水はフランスだけでなく全域に広がっている。

 中国でも揚子江があふれ出して、河北省や河南省を中心に約300名程度の死者が出ており、特に被害がひどかった河北省の役人がダムの水の放流を誤まったことでテレビの前で頭を下げていた。
これを日本式陳謝というのだそうだが、中国の役人が謝ることはめったにないので世界的なニュースになって配信されていた。
今年は南米ペルー沖の海水温が異常に高かったりして全世界の気候に影響を与えているのだが、何か毎年毎年異常気象の度合いがひどくなってきた

 日本の夏は亜熱帯気候になってひところの台湾やフィリピン並みの気候になっているし、中国はモンスーン地帯になりひどい豪雨で河川が氾濫し、中国のニュースはこの話題で持ちっきりだ。
もっとも報道内容は習主席が先頭に立って災害対策を指導しているといったプロパガンダに終始しているが、習主席が出て行かなければならないほどの惨状であることは変わりがない。

 思えば産業革命以降人間は自然を痛めすぎた。森林を好きなように伐採しその後を農地にしたが、今その農地が水害で水浸しになっている。
特に中国では川はそのまま下水だから揚子江も黄河も汚泥だらけになり、中国周辺の海からは魚がいなくなってしまった。
中国漁民はそれならと韓国や日本の漁場を荒らしまわるので、近隣諸国との紛争が絶えない。

 何度も言うが人間だけが生物種なのではない。自然との共生を考えないと人類は生き残れないのだが、未だに中国は経済成長一辺倒だ。
中国式の経済成長は限界に達しているが、相も変わらず二酸化炭素をまき散らし、山を丸裸にし、汚物を川に流し続けている。
大都市はスモッグで満たされ、そして地方は水害で中国は人の住むところでなくなりつつある。
中国人は全員で集団自殺をしているようなもので21世紀中に中国人は淘汰されてしまいそうだ。

 

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