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(28.8.24) 病気療養中のため二日に1回の割で過去のシナリオを掲載しています。 「シナリオ ぼくが生きた時 その6」

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本日(14日)から6日間はシナリオシリーズです。このシナリオは私がシナリオライターになろうとして努力していたころの作品で、半分以上は自叙伝です。
なお病気療養中のため過去の作品を掲載しております。


ぼくが生きた時 その6(最終回)

(シナリオシリーズのその6です。その1からの続きですので、その1、その2、その3、その4、その5を読まれていない方は「その1」、「その2」、「その3」「その4」、「その5」 リンクが張ってあります>からお読みください


○ 校庭(数日後,昼休み)


 鉄棒。一人でけあがりの練習している哲雄。そこに次郎がちかずいてくる。とおくで様子をうかがっているアキオと子供達。アキオは棒をもっている。次郎を見て戸惑う哲雄。

次郎「哲雄ちゃん,今日,学校終わったら魚取りにいかないか」
哲雄「(とまどいながら)あの,ぼく,都合がわるいんだ」
次郎「なんで,この間,池で魚とろうと約束したじゃんか」

哲雄「でも,駄目なんだ」
次郎「身体が悪いのか?」
哲雄「(当惑して)ううん」

次郎「網,なくしたんか?」
哲雄「ううん」
次郎「じゃ,なぜなんだ?」

  二人をうかがっているアキオ達の存在に気付く哲雄。

哲雄「(強く)ぼく,だめなんだ。本当にだめなんだ。もう誘うの止めてくれよ」

  アキオ達が二人にちかづいてくる。アキオは手に持っている棒をわざと振り回している。

アキオ「おい,次郎。哲雄がこんなにいやがってんのに,なに無理やりさそってんだよ。哲雄はお前と遊ぶのいやだっていってるだろ」
次郎「哲雄ちゃん,本当か?」

哲雄「・・・・・・」
アキオ「いやだってはっきりいってやれよ。不良とは付き合いたくねえってよ」
哲雄「・・・・・・」
次郎「本当か?」

アキオ「ばかやろう。嫌だっていってるだろ」

 手に持っていた棒で急に次郎をぶとうとするアキオ。一瞬ひるむ次郎。その隙をついて子供達全員が次郎に襲いかかる。次郎の服がやぶける。鼻血を出している次郎。執拗に次郎をあしげりする子供達。蒼白になっている哲雄。哲雄が職員室に助をもとめに走る

○職員室(続き)

  真っ青になって,職員室に飛び込んでくる哲雄。教師がびっくりして哲雄の顔を見る。立川先生のところに駆け寄る哲

哲雄「せ,先生,来て。大変です。 みんな,喧嘩してます」
立川先生「だれが喧嘩してるんだ」
哲雄「次郎ちゃんです」

  
立川先生「(うんざりした表情で)また,あいつか。誰がやられてるんだ」
哲雄「あの,次郎ちゃんです」
立川先生「誰に」
哲雄「アキオちゃん達が次郎ちゃんをなぐってます」

  間
立川先生「哲雄,それならかまわん,ほっておけ。次郎にはいい薬だ」
哲雄「だって次郎ちゃんが」
立川先生「いいんだほっておけ」

  悄然と職員室をでていく哲雄。あしげりされている次郎。

○ 教室(翌日の昼)

  昼休み。アキオが藁半紙を持っている。周りに集まっている子供達。次郎はいない。

アキオ「次郎のやつ,やけにいばってねえか弱いくせによ。このあいだもタコをパンチして生意気だ。タコはなんにもしねえのになぐられてんだぞ。タコがかわいそうだ」
子供A「ソウダよ、タコがかわいそうだ」

タコ「ぼく,いつも次郎にいじめられるんだ(泣き出す)」
アキオ「次郎は不良だってかあちゃんがいってたぜ」
子供A「あいつは完全に不良さ」

アキオ「あいつなんか、いなきゃいいんだ。そうだろう?」
子供A「そうだよ。抹殺すりゃいいんだ」
子供B「先生も次郎はどうしょうもないヤツだっていってたよ」

アキオ「次郎の葬式ごっこをする。次郎の葬式をするのに反対のやつはいるか(じろっとあたりをみまわす)」
子供A「反対するもんなんかイネイヨ」

  笑う子供達。

アキオ「よし,決まった。みんなで次郎の葬式ゴッコをする」
  はやす子供達。

アキオ「次郎の葬式ごっこするぞ、葬式ごっこするものこの指とまれ」

  いっせいにアキオの指に集まる子供達。アキオの周りに集まって藁半紙に書き込みをする

アキオ「(読む)次郎、お前が死んで、おれはうれしいぜ」
  はやす子供達。

子供A「(読む)地獄にいけ、次郎」
  笑う子供達。

子供B「(読む)死ね、悪魔の子」
  笑う子供達。

子供C「(読む)死をもって償え」
子供A「(まわりを見回しながら)なんだよ。 女の連中はかかねえのかよ」
アキオ「おい、康子、かけよ(おどす)」
  いやいや書く康子

アキオ「康子も書いたぞ。全員で書くんだ」
  女生徒全員が書き込みをする。

アキオ「まだ,書いてないものいねいだろうな(念を押す)」
子供A「哲雄がまだ書いてねえ」

 全員で藤沢哲雄の顔をみる。下をむいている哲雄。

アキオ「なんだ,哲雄,お前,なぜ書かないんだ。また仲間外れになりたいのか!」
哲雄「・・・・・・・・・・」
アキオ「みんな書いたぞ。鞄やぶくぞ」

  哲雄の鞄を取り上げるアキオ。

哲雄「やめてくれよ(弱く)」
 アキオが哲雄の胸をつかむ。

アキオ「じゃ,書くんだ。哲雄,お前は先頭にかけ」
哲雄「(泣き声)なんて書いていいか分からないよ」
アキオ「『次郎,死ね!この日を待ってた哲雄』と書け」

哲雄「ぼ,ぼく,書けない」
アキオ「タコ,ヒロ,鞄をやぶけ」

  タコとヒロが哲雄の鞄を両方から思いっきり引っ張る。無残に裂ける鞄。

哲雄「や,止めてくれ」
アキオ「なまいきいうんじゃねえ。みんな,哲雄をやっちゃえ」

  全員で哲雄にとびかかる。鼻血をだしながらたたかれている哲雄。

アキオ「(かたで息をしながら)もう,いいこんなやつほっておけ。おい、タコ、先生にも書いてもらってこい。葬式ごっこだからなんでもいいから書いてくれって言うんだ。先頭に書かせろ」
タコ「誰の葬式だって言われたら、どうする」

アキオ「まだ、決まってねいって言え。次郎のだなんて絶対にいうなよ」
タコ「うん」

  教室を飛び出していくタコ。

○ 教室(1時)

  藁半紙をじっと見つめている次郎。息をひそめて次郎の様子をうかがっている子供達。一番最初に立川先生の文字。

次郎「(心のなかで)『君が死んだことを聞き、先生はほっとしました。おめでとう。立川』」

  立川先生が教室にはいってくる。教師の顔を見る次郎。急に藁半紙を破り捨て、教室から飛び出す。あっけにとられる立川先生。一斉に喝采をあげる子供達。哲雄がかなしそうに次郎の後姿を目でおっている。

○ ローカル線の沿線(1時間後)

  高架のローカル線のはしをとぼとぼと歩いている次郎。線路に耳をあて列車がちかずいているかどうか調べている。近かづく列車の音。線路から耳を離さない次郎。列車のちかづく音が大きくなり、警報の汽笛が鳴る。ようやく線路から離れる次郎。次郎の前を通り過ぎる列車。再びあてどもなく線路の上を歩いている。


  ふたたび、線路に耳をあてる。列車のちかづく音。だんだん大きくなる。警報の汽笛。どかない次郎。

 回想『イネのさいごの言葉』

イネ「次郎、人間は生きるために喧嘩しなくちゃ、いけない時あるの。ばあちゃん、山口に行ったら、もう、次郎を助けてあげられない(嗚咽)。だから次郎、お前は一人で強く生きるの。学校のガキ大将とも母さんともたたかって、負けちゃいけないの」
次郎「ばあちゃん、ぼく、約束する。絶対負けない」

  次郎を強くだきしめるイネ
 回想 終わり

  はっとして、線路から離れようとする次郎。あわてたので枕木に足をとられ、動けない。警笛の響き。懸命に足を枕木からはずそうとする次郎。近づく列車。運転手の慌てた表情。警笛。目をつぶる次 郎。急に横から哲雄が線路に飛び出し,次郎のからだにおもいっきりぶつかる。列車が通過する寸前に二人の身体が高架から転げ落ちる。側の鉄柱に頭をうちつける次郎。爆音を轟かして通り過ぎる列車。機関士のバカヤローというどなりごえが消えていく意識の合間に聞こえる 

○ 線路下(2時間後)

語り「僕はしばらく意識を失っていた」

  意識がもどる次郎。しばらく自分の置かている立場が分からない。頭をかるく振る。側に哲雄が座っている。顔から血がででいる。不思議そうに哲雄の顔を見つめる次郎。

次郎「哲雄ちゃん,どうしたの?」
哲雄「へへ,ふたりで落ちたんだ」
次郎「どこから?」

哲雄「あすこ(線路を指さす)」
次郎「どうして?」
哲雄「おれが,次郎ちゃんにぶつかったんだ。だって,次郎ちゃん,列車にひかれそうだったんだもん。死んじゃうのかと思った」

  
次郎「ここにいるの、どうしてわかった?」
哲雄「心配だからあとからついてきたんだ。そしたら次郎ちゃん,線路のうえからはなれないんだもん。おれ,驚いちゃった」

  間
次郎「哲雄ちゃん,おれとあそぶのいやなのんじゃないか?」
哲雄「ううん(首をふる)」
次郎「じゃ,このあいだ魚とりいくのなぜいやがったんだ」
哲雄「次郎ちゃんと遊ぶと,アキオに鞄破くっていわれたんだ」

  
哲雄「でも,おれ,葬式ごっこ嫌だといったんで鞄破かれちゃったからもういいんだ」

  (顔をじっと見つめあう)
次郎「じゃ、これから魚とりにいこうか?」
哲雄「うん」

○ 小川(続き)

  幅2メ-トル程度の小川。両方をせきとめ,中の水をせきとめて鮒をてずかみでとっている次郎と哲雄

次郎「哲雄ちゃん,そっちに逃げた。捕まえろ」

  二人で泥まみれになって魚をとっている。 つかれて,土手に腰をかける二人。

哲雄「次郎ちゃん,明日,学校にいくの?」
次郎「(強く)行く」

  
哲雄「また,アキオが意地悪するよ」
次郎「逃げれば,また苛められる。ぼくは絶対に逃げない」
哲雄「鞄,破かれるかもしれないよ」

次郎「哲雄ちゃん,心配しないでいい。あす一番にアキオの鞄を破ってやる」
哲雄「先生が怒るよ」

  
次郎「それでもいい。だってばあちゃんと約束したんだ。男の子は戦うんだって」

  (笑う二人)
次郎「魚取り,続きをしようぜ」
哲雄「(元気よく)うん」

  流れる雲。せせらぎ。桑畑。肩を組んで桑畑を帰る二人。
                                       
                                        終わり

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