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(28.7.31) 病気療養中のため二日に1回の割で過去の旅行記を掲載しています。 「ロドリゴ 北アルプス縦断記その3」

病気療養中のため新しい記事は二日に一回の割合で掲載し、その間は過去の探訪記を再掲しております。

(25.9.3) ロドリゴ 北アルプス縦断記 その3 剣岳越え

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(剣岳の岸壁)

 この日(8月22日)、ようやく天候が回復し私ロドリゴも意気揚々と剣岳越えを再開したのでございます。
逗留した早月小屋2200m程度の場所にあるため、あと800m程度登れば剣岳を越えることができるはずでございます。

 だが剣岳は日本有数の岩場で特に上部はかつてはロッククライミングの素養のある登山家だけが登頂できる世界でございました。
今でもカニの縦這いとかカニの横這いとかいう難所があり、前者は約20m程度の直登、後者は約10m程度の断崖のトラバースを余儀なくされる場所でございます。

 しかし現在でははしごや鎖が設置されており、それをたどっている限りは事故は起きないのでございますが、それでもカニの横這いは素人にとっては恐怖以外の何物でもございません。
約70m程度の高度差のある断崖絶壁10m程度横に這わなければならないのですが、鎖とその下1m程度の場所に岩をくりぬいた溝があり、両手で鎖をもって足で溝をたぐれば今では容易に渡れるようになっております(昔は本当にロッククライミングでわたっておりました)。

 問題は鎖をもちながら足を1m下までずり落とさなければならないのですが、この時両腕を伸ばして断崖絶壁で一旦体を空中に投げ出さなければならないのでございます。
これがとても恐怖感を起こし、ロドリゴの前にいた男女のペアがこの恐怖感にとりつかれておりました。

 男性はかろうじてこの場所を突破したものの、女性は鎖にしがみついたまま「キャー」とか「アー」とか悲鳴を上げて鎖にしがみついていたのでございます。
男性が何か言っているのですがまともな言葉になっておらず、一方女性は今にも断崖から落ちる悲劇の女性のような状況になっておりました。

注)映画「クリフハンガー」で岩と岩のピーク間に張ったロープから女性が谷底に落ちる場面がありましたがちょうどそのような状況でございました。

 ロドリゴは前に進みたいのですがこの女性がいる限り前進はできず、しかも女性は金輪際鎖を離すまいとしがみついているのでございます。
ロドリゴは思わず「いいかげんにしろ、早く落ちてしまえ」と思ったのですが、神に仕える身がそのようなはしたない想像をしたことを恥じて女性を激励することにいたしました。
腕を伸ばして身体を落とせば10cm下に溝があります。さあ思い切って手を伸ばすのです。そうすれば足が足場に到達します。さあ勇気を出して手をのばして体を落としなさい

 その女性は何回か足を空中に遊弋し、最後にようやく足場に足を乗せることができました。
女性がカニの横這いを通ってくれたのでやっとのことで私の番になりましたが、実際自分が体を空中に浮かす番になるとやはり手が震えておりました。
剣岳はこうした難所があって、今でも素人にとっては難所中の難所と言える場所なのでございます。

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(剣岳を越えると手前のようななだらかな稜線が現れる)

 剣岳を越え立山連峰に入ると全く危険な場所はなくなり、稜線の散歩という状況になるのでございます。この日は天候に恵まれ振り返れば剣岳の雄姿がみえ、また眼下には室堂平がはっきりと見えておりました。
しかしロドリゴにはまだ問題が残っておりました。それは昨日からの左足に力が入らず踏ん張ると力が抜けてしまう症状が残っていたのでございます。
剣岳の岸壁を抜ける間はすっかり忘れておりましたが、立山の別山真砂岳を通過するころから再び左足の力がぬけて来ました。
「こりゃ駄目だ。室堂平に降りて温泉に入って帰ってしまおうかしら・・・・・・・・


注)立山周辺の簡単な地図は以下参照
http://www.alpen-route.com/plan/climb/

 しかしここでやめてしまうとクナーカ様とのあの魅力的な約束が実行されないことを思い出しました。
ロドリゴよ、もしこの役目見事果たしたならば、その褒美として吉野家の牛丼を食べることを許してやろう
ロドリゴは一度でもいいから牛丼を食べたかったのですが、わがイエズス会では牛丼は修道士はご法度で、クナーカ様のような枢機卿でないと食せない珍味なのでございました。

 牛丼のためならば石にかじりついても穂高まで行くこととし、そのためもう一日体力の回復を待ってみることにしました。
そこで不本意ながら大如山の休憩所で再び一泊することにいたしたのです。
はたして私の左足は回復してくれるのだろうか。それともこのまま右足だけで北アルプスを縦断しなければならないのだろうか
何とも不安な気持ちでいっぱいでございました。

注)大如山の休憩所は最近ではまれな昔ながらの山小屋で築50年だそうでございます。ここを舞台に山岳映画が撮影され、来年封切られるそうですが、それは「剣岳・点の記」「岳」に続く山岳映画の第三弾だそうですが、残念ながら題名を忘れてしまいました。

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