(28.7.11) 病気療養中のため二日に1回の割で過去の旅行記を掲載しています。 「ロドリゴ自転車周遊記 その5」
病気療養中のため新しい記事は二日に一回の割合で掲載し、その間は過去の探訪記を再掲しております
(26.8.25) ロドリゴ自転車周遊記 その5 支笏湖から倶知安

(羊蹄山の麓を通り倶知安に向かう)
注)「ロドリゴ自転車周遊記」のその1からその4は以下のカテゴリーに入っております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat59333968/index.html
実はロドリゴにとって今回自転車周遊でどうしても行きたい場所がございました。それは積丹半島でそれを一周するつもりでございました。
そのためにはまず小樽に出て余市から積丹半島を一周し、洞爺湖経由で苫小牧に戻るのが今回のコースでございます。
この渡島半島の付け根にあるような場所は沿岸部は江戸期から漁労民が住み着いておりましたが、内部は未開の荒野でここに人々が入植したのは明治になってからでございます。
ロドリゴがセミナリオで学んでいた学生時代に一度この積丹半島を荷駄(当時は自動車と言っておりました)で一周したはずですが、記憶が途切れ何かとても素敵な場所だったというぐらいしか残っておりません。
この場所をもう一度再確認したい希望がございました。
ただ苫小牧から小樽への道は荷駄の多い場所はできるだけ避けたかったため、できうる限り寂しげな道を通ろうと、かつて伊能忠敬様と作成した地図をながめながらルートを検討したのでございます。
この結果支笏湖から羊蹄山の麓の喜茂別を通り,一旦倶知安にでて、そこから赤井川を経て小樽に出る道を選択いたしました。
関八州の国道4号線のような蝉噪は何とかして避けたかったからでございます。
(蝦夷地特有の草花が道路わきに延々と咲いている)
支笏湖を出発したのは天明7年8月8日の未明のことでございました。
支笏湖は周囲40kmあまりあり、ロドリゴがよく知っている富士五湖の山中湖や河口湖の約2倍の周囲を持っております。
何か蝦夷地は関八州を二倍にしたようなイメージで、すべての尺度が倍になっていたのでございます。
さらに集落から集落の間は非常に遠く、支笏湖から喜茂別の間は約30kmぐらいありましたが、その間会うのはエゾシカだけでございました。
延々と続く支笏湖周辺の道路を過ぎて倶知安に向かう道には広島峠のような峠道がいくつかあり、そうした場所は片道5kmあまりの上り下りを余儀なくされました。
自転車での周遊で一番困難なことの一つにこの山登りがございます。
マウンテンバイクは重量が重く約20kg程度ありそこに荷物の10kg、自身の60kgを足すと約90kgになってしまい、とても脚力で登り切ることができないのでございます。
そこで半分程度登るとすっかり疲れ果ててしまい致し方なく自転車を押して登るのですが、これがいつ果てるとも知れない登りで最後はめまいがするほどでございました。
そのためでしょうか広島峠を下る頃から急に腹の調子が悪くなり我慢の限界を超えそうになりました。こうした時は脇の草むらでキジ撃ち(これは登山者の隠語)をするのですが草むらに足を踏み入れた振動で、なんと痴ほう症老人と同様のお漏らしをしてしまったのでございます。
関八州にいたころから食するものはアイスキャンデーとコーラと言った水物しか受け付けなかったため、体の中に固形物がなくなってほとんどが水になっており、お尻の弁が対応できなくなっているようでございました。
「まずいじゃないか、こんなところでお漏らししては・・・・第一自転車をこぐときに気持ち悪いことはなはだしい・・・・・・」
峠の降り道でしたが何とかして川を見つけ清めの儀式が必要になったのでございます。
しかし山中の川はいづれも降りていくには険阻すぎ、一度降りたら這い上がることができそうにありませんでした。
致し方なく峠を降り切るまで我慢をし、麓の川原で邪教ではございましたが古代神道の清めの儀式を行いました。
「わが不浄なるものを川の神よ、流し清めたまえ!!!」
こうしてわが不浄なるものはオショロコマの餌になったのでございます。
(ロドリゴが清浄の儀式を行った川)
すっかりロドリゴはしょげてしまいそのせいでしょうか何回も自転車を倒して、今度は前のブレーキが外れてしまいました。
六角レンチ等の自転車修理用器具は持っていたので何とか直そうとしましたが、ロドリゴの腕ではこの前ブレーキの補修がどうしてもできなかったのでございます。
致し方なく後ろブレーキだけでその後走ったのでございますが、傾斜角が6度を越える坂道では自転車は自動車並みのスピードになりますので、後ろブレーキ一つでは甚だ危険でございました。
「主よ、この哀れなロドリゴをお救いください。後ろブレーキを守りたまえ」
後ろブレーキが摩擦で崩壊すればロドリゴは蝦夷地の坂道でエゾマツに衝突して野垂れ死にするところでございました。
こうしてほうほうの体でたどり着いた場所は名前だけは何回も聞いたことがある倶知安で、この日はオテルに泊まることにしました。お漏らしとブレーキの崩壊でキャンプをする気力がすっかりなえていたからでございます。
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